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2012.05.01
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20120501


「もういい・・・たくさんだ」
「(自分の余命が幾ばくもない)病気を知った日から彼女は、憑かれたようになった。目つき、電話・・・君を責め、忘れさせまいとした」

人は皆、苦悩を抱えながら生きている。
そんな単純で当たり前のことを、ややもすれば忘れがちだ。
特に、自分に劣等感や挫折感を人より多く抱えているような気持ちにある時、他人に対して尋常な精神ではいられない。
自分ではどうにもならない嫉妬心や羨望に囚われ、もはやコントロールが利かなくなる。

だが、いつも肝に銘じておかねばならないのは、人はこの世で生きている限り、多かれ少なかれ苦悩を背負っているものなのだ。
幸せそうに見える他人も、実は内面、絶望の極みをよろよろと彷徨っているのかもしれない。

スクリーンからは牧歌的な雰囲気さえ漂うが、人のいるところに必ず浮世の風が吹くことをテーマとしている。

北イタリアの小さな村が舞台。
静かな湖のほとりで全裸の女性の死体が見つかる。
女性はアンナと言い、争った形跡がないため、彼女の身近な者の犯行ではないかと疑われた。
ベテラン刑事のサンツィオは、犯人をあらゆる可能性から絞っていく。
アンナを溺愛する実父、第一発見者であり、知的障害を持つマリオ、そしてその父、あるいはアンナの恋人のロベルト。
しかしサンツィオは、犯人が意外な人物であることに気付くのだった。

まず驚いたのは導入部。
男の車に乗せられた幼女が行方不明となるシーンは、これから何か猟奇的な殺人事件が起こるのではと連想させる。
だが違った。
小さな村の、個々の家庭に横たわる苦悩を浮き彫りにさせるヒューマンドラマが展開するのだ。

だが、村の守り神の棲む湖が、何もかも呑み込んで、罪深き人間を解放してくれるのかもしれない。
本作「湖のほとりで」は、重厚なヒューマンドラマであり、見事なサスペンス映画でもある。
静謐で格調高い作品であった。

2007年(伊)、2009年(日)公開
【監督】アンドレア・モライヨーリ


また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2012.05.01 08:16:28
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