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2013.01.28
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カテゴリ: 映画/戦争・史実
【ハート・ロッカー】
20130128

「その動物のぬいぐるみが好きか? パパもママも、その着ているパジャマも大好きなんだよな。だが知ってるか? 年を取ると、好きだったものもそれほど特別じゃなくなる。このオモチャも・・・ただのブリキとぬいぐるみだと気づく。そして大好きだったものを忘れていく。パパの年になると、残るのは一つか二つ・・・パパは一つだけだ」

「アバター」を観た時、これほどの作品がなぜアカデミー賞を取らなかったのか不思議でならなかった。
だが、本作「ハート・ロッカー」を観ることで、その謎が解けた。
「アバター」を抑えて、この「ハート・ロッカー」がアカデミー賞作品賞、監督賞、その他を総なめにした理由が、ここに燦然と輝いているのだ。

監督はキャスリン・ビグローで、周知の通り、元夫はかのジェームズ・キャメロンである。
あれだけ世間を騒がせた「アバター」のキャメロン監督も、この元妻には敵わなかったというわけだ。
キャスリン・ビグロー監督は、コロンビア大学卒の才媛で、本作において女性監督初のアカデミー賞を受賞という快挙である。
作品の傾向としては、社会風刺的であり、重厚なテーマを扱ったものが多いようだ。
「ハート・ロッカー」では、孤独なヒロイズムを見事に表現したことで脚光を浴びたのではなかろうか。

2004年の夏、イラク・バグダッド郊外。

補佐は、サンボーン軍曹であったが、前任者とまるでタイプの違うジェームズとは度々衝突する。
同班のエルドリッジ技術兵も、戦場での並々ならぬ緊張感と恐怖感から、命知らずなジェームズに一抹の不安を覚える。
そんな中、現場では理不尽な戦闘が繰り返され、爆弾処理班が出動要請に応えて行くのだった。

「ハート・ロッカー」の臨場感は、3Dによるそれとはまるで異なるリアリティに溢れている。
決してドラマ性に捉われることなく、映像による視覚的なものから伝わる深遠な響きは、戦場に舞う砂塵さえ見逃せない演出となっていた。
誰のために、何のために戦っているかという反戦的テーマより、むしろ兵士たちの孤独なヒロイズムにスポットを当てた、これまでにない戦争映画であった。
興味深いのは、作中、わずかに女性の出演するシーンがあるのだが、“母(女)は強し”を彷彿とさせるカットになっている。
ジェームズが、少年ベッカムの住処だと思って侵入した屋敷で、そこの年輩の女性に思わぬ反撃を受けてタジタジとなるシーンや、本土に帰還後、買い物ではすっかり妻の尻に敷かれているシーンなどがそうである。
スーパーの棚にシリアルが所狭しと並べられているのを前に、一体どのメーカーのどの種類を選べば良いのか途方に暮れるシーンがある。
この時のジェームズ役のジェレミー・レナーの一瞬の表情を見逃してはならない。
平和な日常に満たされない兵士の、屈折した横顔を垣間見ることが出来る。


【監督】キャスリン・ビグロー
【出演】ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー

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最終更新日  2013.01.28 06:24:33
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