吟遊映人 【創作室 Y】

吟遊映人 【創作室 Y】

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

吟遊映人

吟遊映人

カレンダー

2013.10.18
XML
テーマ: コラム紹介(119)
カテゴリ: コラム紹介
20131018

【神奈川新聞 照明灯】

秋空に誘われて、かねて行きたいと思っていたお宅に足を向けた。小田急線鶴川駅から鶴川街道沿いに徒歩15分ほど。閑静な竹林に囲まれて、その旧家は建っている。

武相荘。吉田茂首相の側近として連合国軍総司令部(GHQ)と渡り合い、新憲法制定に深く関わった白洲次郎と正子夫妻の旧邸が保存、開放されている。読み方は「ぶあいそう」。武蔵と相模の国の境にある地にちなんだ命名で、「無愛想」を掛けている。反骨の人・白洲次郎らしい。

次郎は南多摩郡鶴川村能ケ谷(現・町田市能ケ谷)の農家を買い、1943年に引っ越した。41年12月に太平洋戦争が始まったが、次郎は早くから日本の敗戦、空襲を見抜き、この地に移り住んだという。邸内には次郎にあてた吉田茂の書簡や「葬式無用、戒名不要」と簡潔に記した次郎の遺言書などが展示されている。

次郎は、吉田の三女の結婚相手に九州の炭鉱王の子息・麻生太賀吉を紹介した。2人は結婚、生まれたのが現在の麻生太郎副総理だ。

戦前、日本がナチスドイツに急接近したころ、駐英大使を務めていた吉田は大のナチス嫌いで、日独伊三国軍事同盟に強く反対した。その孫が、憲法改正に関して「ナチスの手口を学んだら」などと言う。祖父の心、孫知らず…。


~~~~~~~~

実にタイムリーな指摘である。もちろん照明灯ではない。同日の日本経済新聞のコラム「春秋」である。

「言葉尻だけを捉えるのはつまらない話です」


日経の春秋氏は、別に照明灯氏を戒めたわけではなく、自戒の念から城山三郎氏を引いたのだが、その妙なる間に思わず唸ってしまった。

照明灯の『言葉尻』はここだ。

『憲法改正に関して「ナチスの手口を学んだら」などと言う。』

まずもって神奈川新聞の論説(社論)は『祖父の心、孫知らず…。』に尽きる。それを踏まえると『言葉尻』は核心の一言であり効果はあったと思う。
だがしかし・・・、それはないでしょう照明灯さん。

そしておおいに気になるのは、なぜ今頃?、ということだ。
『言葉尻』を捉えたように『蒸し返し』てその効果を高めているようで、新聞コラムとしてとても違和感を覚えたのだ。
朝日新聞が事実歪曲のそしりをまぬかれぬ事になった『麻生氏のナチス発言』は、はるか8月1日の記事である。よもや台風前の残暑につられ真夏の一件を持ち出したのではあるまいが。
新記録を樹立した季節はずれの残暑は、人々を興ざめの渦に巻き込んだが、照明灯も残暑同様おおいに興ざめなのだ。

何を今さらと言われそうだが、あらためて『麻生氏のナチス発言』をおさらいする。


安倍首相が日本再生のひとつに憲法改正を掲げているにも関わらず、補佐役の副総理たる麻生氏は、いわゆる左よりで護憲的な立場をとっている。
シンポジュームでは憲法改正の気炎があがった。その中で護憲派の麻生氏は何度も言ったそうだ。
『(憲法改正を)喧騒の中で決めないでほしい』
改憲派の多い中で、麻生氏はいわば孤軍奮闘したのだが、その中で不用意にも麻生氏は以下を述べたわけだ。
『ワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気がつかないでかわった。あの手口を学んだらどうかね?』

とはいえ、シンポジュームは大人の集団だったようで麻生発言を糾弾することもなく、苦笑(嘲笑か?)で過ごしたそうだ。
翌日以降の国外の反応を受け、3日が過ぎてから朝日新聞はその言葉尻をつくように記事にしたわけだ。8月1日のことである。

後日出た櫻井よしこ氏の論文「歪曲された麻生発言」にはこうある。

「『憲法改正なんていう話は熱狂の中に決めてもらっては困ります。ワァワァ騒いでその中で決まったなんていう話は最も危ない』『しつこいようだが(憲法改正を)ウワァーとなった中で、狂騒の中で、騒々しい中で決めてほしくない』という具合に、(麻生)氏は同趣旨の主張を5度、繰り返した。」
これが事実でる。

ちなみに櫻井氏は同シンポジュームへの参加者であり、麻生氏の発言に対しては
「『ワイマール体制の崩壊に至った過程からその失敗を学べ』という 反語的意味 だと私は受け止めた。」
という感想を抱いたそうだ。

そういった事実を前に、朝日新聞は『事実を歪曲』(櫻井氏論文から)して、「護憲派はナチス支持者である」「麻生副総理はナチス支持者である」という論陣をはり、それに追随する新聞社があり終戦の日を前に話題として盛り上がったという次第だ。

そしてすっかり忘却の彼方となった今になり『言葉尻』が出てきたわけだ。
これは『蒸し返す』と思われてもしょうがないでしょう、照明灯さん。
新聞に作意的(どちらかというと悪意)なものを感じるのはやりきれない。それが実感である。

照明灯氏には、謹んで再度 城山さんの金言をお伝えする。

「言葉尻だけを捉えるのはつまらない話です」

20130124aisatsu





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.10.18 06:29:39


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: