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2014.01.16
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テーマ: コラム紹介(119)
カテゴリ: コラム紹介
【高知新聞 小社会】
20140116a


日本で最も有名な文学賞、芥川賞は今月の選考会で第150回を迎えるという。直木賞とともにスタートしたのが1935年で、約80年の歴史を刻む。3日付の本紙に特集記事が載っていた。

その中で「おや」と目を引いたのが、唯一の辞退者、高木卓。肩書は作家というよりドイツ文学専攻の元東大教授の方が似合う。母は文豪幸田露伴の妹で、高木は露伴のおいに当たる。

なぜ辞退したのか。記事には、辞退すれば同人仲間がもらえると思い込んだという説が書かれている。また手元にある高木の著書「露伴の俳話」の解説によれば、選ばれた作品は「習作だからとして辞退した」とある。

もう一方の直木賞にも辞退者がいる。「樅ノ木は残った」などで知られる山本周五郎。ご次男が後に語る父は「小説は読者にいっぱい読んでもらえたら、それが賞なんだ」と言っていたという(「想い出の作家たち」)。周五郎はその後も、賞と名の付くものはすべて断った。付いたあだ名「曲軒」(へそ曲がり)の本領発揮と言える。

文芸春秋を創設し、両賞を制定した菊池寛の苦虫をかみつぶしたような顔が浮かぶ。しかし辞退者には辞退者の理屈がある。信念があってのことなら、見識として尊重すべきだろう。

太宰治のように、芥川賞をほしくて仕方がなかったのに選に漏れた作家もいる。多数の文学の星を生む一方で、落選や辞退にもドラマがある。両賞の選考会は16日。
(1月12日)

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コラムの内容から少し離れるがご容赦を。

画像は昭和46年12月発行の『文芸春秋 臨時増刊~明治・大正・昭和 日本の作家100人~』から拝借した。
かつて芥川賞は威厳と格調にあふれていた。作家は、この目録一枚に、それこそ人生をかけていた。太宰はこれが欲しくて自ら運動したわけだ。
文化勲章は辞退した何某さんも、したり顔で芥川賞を受賞しているのだ。

20140116b

こちらは昭和42年の芥川賞選考委員会の様子である。そうそうたるメンバーが、賞の威厳と格調を物語っている。
向かって左から三島由紀夫、永井瀧男、井上靖、丹羽文雄、石川淳、瀧井孝作、川端康成、石川達三、舟橋聖一、中村光夫、大岡昇平の各氏である。
三島由紀夫も末席に坐す当時の選考委員会だ。

これよりさかのぼること10年。

なお、佐藤春夫は石原慎太郎の受賞が気に入らなくて選考委員を辞退した。そして石原慎太郎は田中慎弥の受賞が気に入らなくて選考委員を辞退した。何とも魑魅魍魎の世界である。

ちなみに、現在では芥川賞と直木賞の垣根は曖昧であるが、かつて純文学と大衆文学というジャンルが存在したころは、その賞には確然たる垣根が存在した。
直木賞の扱いは芥川賞の半分程度であった。余談ながら、文学部の卒論テーマも、よほどのことがないかぎり純文学が対象であった。

本日は節目の選考会。
屈折何年の作家か、或はポッと出の若者か。

さて、結果や如何に。

20130124aisatsu





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最終更新日  2014.01.16 06:37:47


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