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2014.01.19
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カテゴリ: 映画/ラブ
【眺めのいい部屋】
20130106

「せがれはいつも考えているんだ。それも森羅万象に関することだ。君は、世間には悲しみだけしかないと思うかね?」

「そうでしょう? それをせがれに伝えてくれないか。永遠に続く“なぜ?”の問いかけは・・・自分にしか答えが見い出せないのだとね」


この作品が公開されたのは80年代だが、私が初めて見たのは学生時代、深夜の映画特集でだ。
たまたま見たに過ぎないのに、とにかく驚き、惹かれ、シビレた。だから40を過ぎた今も尚、大好きな映画3本のうち1本はこれだ。
このブログを一緒に管理しているSさんにそのことを話したら、『眺めのいい部屋』の画像をケータイに送ってくれた。
以来、待ち受け画面は『眺めのいい部屋』である。機種変をした後でさえ、待ち受け画面は変わらない。ずっとだ。

主人公ルーシー・ハニーチャーチ役のヘレナ・ボナム=カーターは、正にイギリスの良家の令嬢役に相応しく、その出自は見事なものである。
まず父親は銀行の頭取。母親は医師。ご本人もケンブリッジ大学に合格するほどの才女だが、女優業に専念するため、入学を辞退している。(ウィキペディア参照)
ところがそんなヘレナ・ボナム=カーターは、良家の令嬢役というのが嫌でたまらなかったらしく、故意に汚れた役を選んで出演するようになった。
それでもここへ来てやっと何かが吹っ切れたのか、『英国王のスピーチ』では堂々の王妃エリザベス・ボーズ=ライアン役に扮し、見事な演技を見せつけてくれた。
これがまた誰よりも様になっていたので、思わず感嘆のため息が漏れたほどだ。


舞台は1907年のイタリア・フィレンツェ。英国良家の令嬢ルーシー・ハニーチャーチは、年上でしかも独身の従姉シャーロットと一緒に観光旅行に来ていた。
ペンション“ベルトリーニ”では、美しいアルノ河に面した南側の部屋を予約したつもりだったが、そうではなく、シャーロットは愚痴をこぼす。
それを聞いていた同じ宿泊客のエマソンが、自分の部屋はとても眺めのいい部屋だから交換しましょうと申し出る。
しかし、エマソンは明らかにルーシーやシャーロットより階級が低く、シャーロットは階級意識からその申し出を断ってしまう。
そんな中、偶然にもハニーチャーチ家の教区のビーブ牧師も宿泊客にいて、仲介役を引き受けてくれる。
そこで万事、ルーシーとシャーロットの部屋とエマソン父子の部屋とを交換することができた。
翌日、ルーシーとシャーロットは別行動をする。
シャーロットは同じ宿泊客のラヴィッシュ女史と観光し、ルーシーは一人でサンタ・クローチェ寺院に出かける。
ルーシーがシニョーリ広場を通り過ぎようとした時、偶然にもイタリア人男性二人がひどい口論を始め、一方が他方の胸をナイフで突き刺すのを目撃してしまう。
鮮血にまみれた男の姿を目の当たりにして、ルーシーは不覚にも気絶してしまう。
そこに通りかかったのは、ジョージ・エマソンで、ルーシーを優しく介抱するのだった。


映画自体はラブ・ストーリーとして大変な完成度を誇っているが、原作ではイギリスの階級制度を暗に批判したものとなっている。
映画においてもそれはやんわりと表現されていて、階級意識に左右されず、自由な発想と情熱的な愛を傾けるジョージにルーシーが惹かれ、最終的には階級意識の塊のようなシャーロットまでもが二人を見守るようになる。
ある種の定番であるかのようなハッピー・エンドでさえも、格調高く優雅で、BGMであるプッチーニのオペラ三部作も効果的に使われている。
ちまたに溢れるどんなラブ・ストーリーも、この『眺めのいい部屋』の前では精彩を放たない。
それほどまで私は深く、この作品を愛しているのだ。


【監督】ジェイムズ・アイヴォリー
【出演】マギー・スミス、ヘレナ・ボナム=カーター

20130124aisatsu





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最終更新日  2014.01.19 06:01:03
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