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2015.05.10
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カテゴリ: 映画/ヒューマン
【大統領の執事の涙】
20150510

「父さん、何しに来たの?」
「デモに参加しようと思って」
「仕事を失くすよ」
「お前を失ってしまったからな、、、すまなかった、、、許してくれ」


欧米製作の作品を見ていつも思うのは、キリスト教圏における神とその御子(イエス・キリスト)の関係を、作中の父と息子に投影させたものが多いということだ。
『スター・ウォーズ』はその最右翼だし、今回視聴した『大統領の執事の涙』も、おおむね父と息子のドラマである。
もちろん内容としては、ホワイトハウスで7人もの大統領に仕えた黒人執事の物語ではあるが、根底には正義に目を向ける真っ直ぐな息子に、やがて父が近付いていくというドラマである。
父は家族を守るため、今ある現状を受け入れ、危険からはなるべく遠いところにあるよう心掛けている。
妥協から得られるあきらめと忍耐力で、父は家族の楯となっている。
一方、息子は白人の顔色をうかがいながら働く父に反発を覚え、大学にも通わなくなり、公民権運動に参加するまでになる。(さすがに過激派のブラック・パンサーでは、自分の目指すものと違っていたため脱会する。)
対立する考えに、お互いが相容れない状態となって何年も経過していく。

ストーリーはこうだ。
日常的に黒人差別が行われていた時代のアメリカ南部。

その後、セシルは農園を去り、生きるためにホテルのボーイとして働くようになる。
そんな折、セシルのそつのない接客が気に入られ、ホワイトハウスの執事として抜擢される。
それ以来、約30年に渡って7人の大統領に仕えた。
一方、2人の息子にも恵まれたが、長男は反政府運動に身を投じ、二男はベトナム戦争へと出征するのだった。

この作品は、実在の黒人執事・ユージン・アレンがモデルとなっていて、彼の波瀾万丈の人生がつづられている。
主人公のセシル役に扮したフォレスト・ウィテカーは、やっぱりスゴかった。
「世の中をよくするため、白人に仕えている」というタテマエの基に現状を維持していくのだが、内心は複雑なものを抱えていて、それがまた見事に演技として反映されている。
チョイ役だが、大統領役としてロビン・ウィリアムスやらジョン・キューザック、それにアラン・リックマンなどが出演していた。
実物の大統領と似ているか否かは別として、ニクソン役のジョン・キューザックなんか、なかなかの演出だった。

公民権運動の歴史を知る上で、学生さんが見るのには最適なのではなかろうか。
ただし、やや長時間の作品なので、ゆっくりと腰を据えて視聴できる時間にでもご覧下さい。


【監督】リー・ダニエルズ
【出演】フォレスト・ウィテカー、オプラ・ウィンフリー


20130124aisatsu





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最終更新日  2015.05.10 06:16:59
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