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2015.12.07
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カテゴリ: 仏レポ
【仏レポ/徳泉寺 木喰仏】
20151207

もともと古寺めぐりを趣味とする私は仏像を眺めるのも嫌いではない。
ところが昨今、拝観料をおさめてやっと拝めるか、秘仏扱いでパンフレットでしか目にすることができないこともある。
そんな中、地方にはまだまだ庶民とともに寄り添うように安置されている仏像がある。
それは実に素朴で愛嬌があり、ややもすればバランスに欠いていて、決して芸術的に優れているかどうかは疑問だ。
それでもその一つ一つの仏像に作者の並々ならぬ思いとかロマンを感じないではいられない。
それこそが歴史であると私は思うからだ。

さて今回私が訪れたのは、静岡県浜松市浜北区堀谷という集落である。
県道296号線を道なりに北上するのだが、すれ違う対向車はなく、昼間だというのに長い静寂と孤独なドライブだった。
たどりついた堀谷には、それでも何十軒かの住宅が点在しており、生活の足音が聴こえて来た。

そこには、浜松市指定有形文化財でもある木喰仏が安置されている。

◆木喰仏ってなに?

木喰仏とは、いわゆる木喰上人が残した仏像のことだ。
行き着いた先によっても違うが、大きくて立派な仏像を刻むこともあれば、わずか20センチ足らずの小さな仏を宿泊のお礼として農家に残すこともあった。

◆木喰上人とは?

木喰上人と名乗った僧は何人かいる。
これは木喰戒と言って、五穀を口にせず、木の実やそばの実を食べて修業した徳の高い僧のことだ。
この堀谷の地に訪れたのは木喰五行上人(もくじきごぎょうしょうにん)と言い、庶民に布教するため日本全国を回った作仏聖(さくぶつひじり)である。


徳泉寺の境内には、樹齢何年(年数を記録し忘れてしまった)というモクレンの木が茂っている。
その美しい稜線に、思わず目を奪われる。

目的の11体の木喰仏の隣には、お地蔵さまが仲良く並んでいる。
冬のあたたかな陽射しを背中に浴びて、のどかに微笑んでおられるのだ。

木喰仏はさすがに市の文化財ということもあり、頑丈なケースに安置されていた。



堀谷地区は、バスや電車などの公共交通が来ていないため、意志がなければなかなか訪れる機会のないところである。
今回、知り合いのN美さんがわざわざ車を出してくださり、草深い徳泉寺まで出向くことができた。
この場をお借りして厚く御礼申し上げたい。

【参考文献】『静岡県の仏像めぐり』静岡新聞社


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最終更新日  2015.12.07 11:40:48
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