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2016.01.09
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【万能鑑定士Q モナ・リザの瞳】
20160109

「あ、万能鑑定士QのQって、どういう意味ですか?」
「取材はお断りします。絶対に答えません」
「えっ、それくらいいいじゃないですか、Qの意味・・・」
「それは言いたくないんです!」
「いや、名前の由来くらい教えてくれてもいいんじゃ・・・」


このお正月に見ることになった作品としては、ちょっと軽すぎた。
前回が『 セッション 』でメンタルを痛めつけられるハードな内容だっただけに、今回見た『万能鑑定士Q』はお茶の間向けドラマにも思えてしまった。
原作は松岡圭祐で、数年前からその名を度々見かけるようになった人気作家である。
『ダ・ヴィンチ』ブック・オブ・ザ・イヤー2015とか『本の雑誌』、あるいはブックリスタ年間ランキング2015などで見かけるヒット・メーカーだ。(ウィキペディア参照)
松岡圭祐の作品は入試問題への採用も多いらしく、受験生の皆さんにとっては要チェックの作家であろう。
とはいえ、今回は原作を読んでいないため、映画としての評価、感想を言わせていただくことにする。

キャスティングを見ても、決して重々しい作品ではなく、むしろ万人受けするように明るくユニークなテイストに仕上げられている。
もちろん内容はミステリーなのだが、そこにこだわりは見受けられず、徹底してお茶の間を意識したものに感じた。


万能鑑定士Qとして働く凛田莉子のもとに、ルーヴル美術館アジア圏代理人兼調査員である朝比奈がやって来た。
朝比奈は、莉子の卓越した鑑定眼を見込んで、臨時学芸員の採用試験を受けるよう推薦に来たのだ。
というのも、フランス・ルーヴルが所蔵するレオナルド・ダ・ヴィンチの名画『モナ・リザ』が40年ぶりに来日することとなったからだ。
冴えない雑誌記者の小笠原悠斗は、さる事件で莉子の天才的鑑定眼に興味を持ち、密着取材を続けるが、莉子の渡仏を知り、自費で追って行く。
パリでは見事試験に合格し、莉子はもう一人の合格者、流泉寺美沙とともに研修を受ける。
そんな中、莉子は講義を受けているとしだいに体に変調を来たし、持ち前の鑑定眼が狂っていくのだった。
一方、来日した名画『モナ・リザ』は、陰謀を企むフランス人窃盗団に狙われていた。

「日本映画として初めてルーヴル美術館での撮影に挑む」というふれ込みだったので、かなり話題になった。
ルーヴル美術館でのロケは、『 ダ・ヴィンチ・コード 』以来というから凄い。
日本映画もなかなかやるじゃないかと褒めてやりたい。

好き嫌いがあるから、一方的な批評はしないつもりだが、パンチの弱いサスペンスはせめて演技力でカバーするかどうにかして欲しい気がした。
いろんな制約があるのかもしれないが、フランスの街並とかスタイリッシュなムードをもっと押し出しても良かったように思える。
日本のどちらかの美術館を貸し切ってルーヴル的なセットをこしらえたように見えるのでは意味がない。
ルーヴル美術館のかもし出す、格調高く優雅な雰囲気がそこかしこから漂う映像美を期待していただけに、残念でならない。
とはいえ、キュートで屈託のない綾瀬はるかや、粗削りだが野心の見え隠れする松坂桃李ファンにとっては、必見の作品であろう。


【監督】佐藤信介
【出演】綾瀬はるか、松坂桃李


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最終更新日  2016.01.09 09:05:16
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