吟遊映人 【創作室 Y】

吟遊映人 【創作室 Y】

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

吟遊映人

吟遊映人

カレンダー

2016.07.03
XML
カテゴリ: 映画/アニメ
【横山光輝「三国志」第九巻】
20160703

「私が孔明を得たのは、魚が水を得たようなものなのだ」

まったく意図が分からないのだが、この第九巻からオープニングとエンディングのテーマソングが変わった。
最終巻まで見終わった今も、この第九巻からの変化によってどんな効果があったのか、謎である。
可もなく不可もなし、と言ったところか。

それはともかく、この第九巻ではお待ちかね天才軍師・諸葛孔明が大活躍する。
この孔明という逸材を引き入れるために、玄徳がどれほどの骨を折ったか想像してもらいたい。
二千年も昔のこと。
孔明という人物がもの凄い兵法家だと噂があったとして、現代のようにすぐにグーグルで検索して調べた情報ほどの信ぴょう性はないはずだ。
せっかく孔明のもとに足を運んだところで、世間の噂が過大評価で、とんでもないデマだったらどうなっていたのだろうか?!
玄徳は孔明の屋敷を三度も訪れ、やっと面会が叶うのである。


しかし、物語はこうした努力の積み重ねと千載一遇のチャンスによって華やかに展開する。

さて、三国志第九巻は、次の4話がおさめられている。

第33話 徐庶の母
第34話 三顧の礼
第35話 孔明・初陣
第36話 孔明大手柄

あらすじはこうだ。
しばらく玄徳のもとで軍師として仕えていた徐庶が、都から届いた母の手紙を読み、にわかに玄徳のもとから去ることになった。
人情に篤い玄徳は、親子の間こそ真の恩愛だと言い、関羽や張飛が引き止めるのを却下し、徐庶が許昌へと出向くことを許す。
徐庶は去りぎわに、次のように玄徳に進言した。
「この近くに優れた人物がいます。姓は諸葛、名は亮、あざなは孔明と申します」

後日、日を選び、玄徳は教わったとおりに隆中の孔明の庵を訪ねた。
ところが孔明はあいにくの不在。
わざわざ草深い隆中まで玄徳について来た関羽、張飛もがっかり。
二度目に訪ねた時は、冬のさなかで寒気が厳しく、雪が行く手を阻むほどの荒れた日だったにもかかわらず、孔明は不在。
張飛は孔明が居留守をつかっているのではと激怒する。

そして三度目にようやく願いが叶い、玄徳は孔明と面会を果たすことができたのだ。

不思議なもので、三国志はこの人が主役なのではと思うほどに、孔明の登場によってがぜん面白くなる。
玄徳軍のわずかな兵力で、曹操軍百万の大軍を討ち破る戦術などは、胸の空く思いだ。
第九巻の見どころは、何と言っても「三顧の礼」であろう。
雨の日も風の日も雪の日でさえくじけずに礼を尽くすという努力。
それをアナログなやり方だと誰が批難できよう。

人の心を動かすのは熱意しかない。
そして、いかにその人を必要としているかを、誠意を持って口説くのである。
今、東京都知事に誰を立てるかでだいぶもめているようだ。
三度礼を尽くしてでも立てたい候補者という存在は、さて、出て来ないものなのか。
今後の成り行きを見守りたい。

【発売】2003年
【監督】奥田誠治ほか
【声の出演】中村大樹、速水奨八、藤原啓治


※ご参考
横山光輝「三国志」の第一巻は
20160425
コチラ

第二巻は
20160501
コチラ

第三巻は
20160508
コチラ

第四巻は
20160515
コチラ

第五巻は
20160522
コチラ

第六巻は
20160529
コチラ

第七巻は
20160605
コチラ

第八巻は
20160625
コチラ


20130124aisatsu





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016.07.03 07:27:57
コメントを書く
[映画/アニメ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: