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2024.01.13
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カテゴリ: 映画/戦争・史実
【エリザベス】

『私(エリザベス)は結婚します・・・英国と』

新年最初の記事は、映画レビューにしてみた。
息子がamazonプライム会員なのを知っていたのだが、一度退会していて、それ以降、再入会したとは知らなかったのだ。
だが知ったからには、今後は、息子のご機嫌をうかがいながら、さりげなさを装いつつ、映画を楽しませてもらおうと思う。
このお正月、インドア派の息子なのに、なぜか外出が多かった。
おかげでTSUTAYAのお世話になろうとしていた私は、雨に降られることもなく、居間でぬくぬくしながら『エリザベス』を見ることができた。






舞台は16世紀のイングランド。
旧教のカトリックと新教のプロテスタントの争いで、国は混迷を極めていた。
イングランドの女王メアリーには世継ぎがおらず、異母妹であるエリザベスの存在に戦々恐々としていた。
そのためメアリーは一計を企て、エリザベスをロンドン塔に幽閉してしまう。

メアリーが病死したのである。
25歳という若さでイングランド女王に即位したエリザベスであったが、弱体化したイングランドを守るため、重臣たちからスペインかフランスとの政略結婚を突きつけられた。
しかし、エリザベスはロバート・ダドリー卿と恋愛関係にあり、他国との政略結婚を受け入れられないでいた。
そんな折、新大陸よりウォルシンガムが帰還する。
ウォルシンガムは、スコットランドとの戦いに敗北したイングランドを立て直すため、まず英国国教会をして教義を統一するところから始めるのだった。



この作品のスゴいのは、金に糸目をつけないゴージャスな衣装、舞台セット、島国とは思えない広大なロケーション。
それらを「はわわ〜」と感嘆の声を漏らしながら見るだけでも価値がある。
とは言え、史実に添った宗教弾圧である火炙りのシーンや斬首刑が生々しいこともあり、R指定となっているので、未成年の鑑賞には大人同伴が必須である。(まぁタテマエ的に)
それはさておき、エリザベスに扮したケイト・ブランシェット。
この女優さん、顔立ちが古風(?)のせいか、歴史的な作品によく出演するし、見事にハマっている。
しかも演技派なだけあって重厚感ハンパない。

本作『エリザベス』では、ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞している。(アカデミー賞主演女優賞についてはノミネートされるに止まった)

いろいろな見方、考え方があるので、それぞれの捉え方で構わないと思うが、私が注目した点は次のとおり。
それは、宗教戦争の壮絶な殺戮である。
同じキリスト教であると一括りに思いがちだが、ハッキリ言ってカトリックとプロテスタントは違う。(その背景を語りたいところだが、紙面に限りがあるので、ここでは割愛)
だからそれに絡む利権争いはエゲツない。

粛清というやつである。

こういう宗教弾圧は、もちろん日本にもあった。
わかりやすいところで言えば、江戸幕府下のキリシタン弾圧など、凄まじい拷問や処刑などを繰り返した歴史がある。(高校の日本史では、サラリと触れただけだが)
そうは言っても規模からして、16世紀ヨーロッパの新旧の宗教抗争には遠く及ばない。

現代において、イスラエルとパレスチナの紛争は未だ終着点が見えない。
民族紛争であり、宗教戦争であり、そして利権争いなのだ。
『エリザベス』では、言っても、そこまで深いところを掘り下げているわけではない。
だが、華やかな英国王室も、元をただせば権謀術数渦巻く恐怖と絶望の歴史に打ち立てられた象徴なのだ。
本作は、それを映画という世界観で垣間見せてくれる、貴重な作品である。

さて、今年は映画レビューも積極的に記事にしていきたいと思う。
新しい作品に次々と触れることは叶わないけれど、過去に見た作品で印象に残ったもの、見たいと思っていたのにうっかり見逃してしまったものなどを皆さんに少しずつご紹介できればと思う。
吟遊映人は、今年も亀のような歩みで、だけど眠れる獅子のように研ぎ澄まされた感性を求めて頑張ります!


1998年(英)公開、1999年(日)公開
【監督】シュカール・カプール
【出演】ケイト・ブランシェット、ジョセフ・ファインズ


※筆頭管理人より蛇足まで
ケイト・ブランシェットのコチラもAmazonプライムで視聴できます(^_-)

吟遊さんにもお伝えしたのですが、ひとつことに移るまで何かと時間を要する吟遊さんは、まだご覧いただいていないようです。誠に残念な限り(>_<)

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最終更新日  2024.01.13 08:00:11 コメントを書く
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