音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2019年04月17日
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カテゴリ: クラシック音楽


東京・春・音楽祭2019の中のプログラム。
2回の演奏会だったが、前日のバッハの回は、スケジュールが合わないので見送ったが、今になってみれば、聴いておけば良かったと思う。
当日は「ディアベリ変奏曲」と「不屈の民変奏曲」というどちらも1時間を要する大曲を一度に演奏するという滅多にない演奏会。
解説では、「不屈の民変奏曲」は「ディアベリ変奏曲」と共に演奏するために書かれ、翌1976年の「アメリカ建国200年音楽祭」で、委嘱者であるウルスラ・オッペンスにより初演されたとのこと。
レヴィットは白いシャツに黒のパンツというラフな服装で、演奏も堅苦しくなく、曲を分かりやすく伝えてくれた。
細身ではあるが、大柄で風貌がサッカー日本代表の吉田麻也によく似ていた。
1987年ロシア生まれでまた32歳という若さ。
若さに似合わない堂々とした振る舞いで、風格さえ感じられる。

ジェフスキーの「不屈の民」は超スピードを要求される第23変奏を始め超難曲として知られ、演奏される機会も少なく、実演に接することができたのはとてもラッキーだった。
口笛を吹く場面が何回かあり、 喧噪の合間のつかの間の休息みたいなシュールな雰囲気が悪くなかった。
口笛が鳴っているときに、何故か隣の女性の腹の鳴る音が聞こえて、思わぬ口笛との共演?が実現してしまった。
この曲はレビットの演奏をふくめ、CDは何回か聴いているが、あまり馴染むことができていなかった。
今回実演を聴いて、音だけ何回も聴くより一回の実演のほうがずっと曲に対する理解が深まることを実感した。
聴いていて思ったことは、一部ジャズのフリー・イプロビゼーションみたいなところがあり、そういう素養のあるピアニスト(例えばセシル・テイラーや山下洋輔)がしっくりくる気がする。
技巧的に不安な個所はなく、明晰な音で、濁るところも殆どない。
ところで、この曲が現代曲として例外的によく知られているのは、セルヒオ・オルテガ作の主題が良く出来ているからだろう。
変奏も主題に引きずられて全体にポピュラー音楽に近く親しみやすい。
時々キース・ジャレットのピアノ・ソロを聴いているような錯覚に陥ることもあった。
そのためか、最後に主題が戻ってくるところは感動的で、うるうるしてきてしまった。

帰りに「大河ドラマみたい」という感想を漏らしていた方がいたが、うまいことを言うと思った。
帰ったあとで彼のCDを聴きなおした。
今回の演奏は、解釈が練れていて、温かみがあり、CDよりは明らかに優れていると思う。
「ディアベリ」も温かみのある演奏だったが、途中で寝てしまって全部を聴き洩らしたのはなんとも間が抜けている。
通常のピアニストだと、堅苦しく感じられるところが、彼の演奏では感じられないところも、大きな長所だと思う。





1.ベートーベン:ディアベリ変奏曲
2.ジェフスキー:不屈の民による変奏曲

イゴール・レヴィット(p)

2019年4月13日 東京文化会館小ホール Q52で鑑賞





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Last updated  2019年04月17日 17時00分10秒
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