音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2019年08月22日
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カテゴリ: クラシック音楽

ベルギー生まれのクラリネット奏者 アンネリエン・ヴァン・ヴァウヴェ の2枚目のアルバムを聴く。
2012年にミュンヘン国際音楽コンクールで優勝後、英BBC選出の“新生代アーティスト” やボルレッティ=ブイトーニ財団アワード2018を受賞するなど、イギリスを中心として活躍が目覚ましいクラリネット奏者だそうだ。
今回はpentatoneとの専属契約の第一弾でクラリネットと管弦楽が組み合わされ楽曲が集められている。
技術的に無理を感じさせるところはなく、完全にコントロールされている。
この上もう少し渋い音色を望むのは欲張りすぎかもしれない。
聴いたことのない曲がならんでいるが、どの曲も魅力的だ。
注目は、ドイツ人作曲家のマンフレート・トロヤーン(1949-)のラプソディ(世界初録音)だろうか。
彼はカール・ハインツ・ツェラーにフルートを、ジョルジュ・リゲティらに作曲を学んでいる。

「Reverie」(夢想)、「Intermedeavec valseamusette」(ヴァルス・ミュゼットの間奏曲)、および「Caprice」(奇想曲)の3つの部分で構成されている。
バルス・ミュゼットはフランスのアコーディオン中心のバンドで演奏される活発なワルツの一種だそうだ。
フランス音楽へのオマージュなので、ドイツ音楽ほど固くはないが、生真面目な感じは残る。
「Reverie」は3つの中では一番シリアス調だが、なかなか面白い音楽だ。
「Intermede avec valse a la musette」はかなり遅いテンポの中でクラリネットが歌う。
ミュゼットの音楽が不協和音で入ってくるところから俄然面白くなる。
「Caprice」はかなりテンポの速い曲で、クラリネットの妙技が楽しめる。
金管のミュートやホルンのゲシュトップなどが使われていて、結構刺激的な音楽。
後半はテンポが遅くなり、クラリネットと他の木管との二重奏が楽器を変えながら続く。
この部分ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」の夢幻的な気分を思い起こさせる。
エンディングはテンポが速まり短く終わる。

ピアノ・パートをべリオがどのようにオケ用に編曲しているかに興味があった。
以前 マーラーの「若き日の歌」 のベリオの管弦楽伴奏版で聞いたときに、べリオの編曲のすばらしさが印象に残っていたからだ。
この曲はあまりなじみがないが、ブラームス最晩年の枯れた心境が反映された作品という認識だった。
ところが以外にもべリオの編曲によって、その諦観した気分がだいぶ後退しているような感じがする。

ブラームスの「セレナード」を聴いているときに似た気分になった。
原曲が難渋で深刻になりがちなところが、だいぶやわらげられて、親しみやすくなっている。
これがいいかどうかは議論の余地があるが、少なくともこの曲を深く理解するのにとても役立つ編曲と思う。
当ブログとしては、第2、第3楽章の美しい歌と柔らかい感触が気に入った。
シャルル=マリー・ヴィドール(1844-1937)はシャルル=マリー・ジャン・オベール・ヴィドールはフランスのオルガン奏者・作曲家だそうだ。
「序奏とロンド Op.72」(1989)はパリ音楽院の試験曲として委嘱された作品。
ベルギーのフルーティストで、作曲家のイエーレ・タジンズ( Jelle Tassyns 1979-)の管弦楽編曲版はふんわりと柔らかく、しゃれていて、冒頭のフルートの旋律から引き付けられる。
曲自体もストーリー性があり、とても楽しめる。
同じタジンズ編曲のピエルネの「カンツォネッタ」(小歌曲)は3分余りの小品。
旋律がしゃれていて、クラリネットの歌謡性と甘さが発揮されている。
ここでのタジンズの編曲もおとぎの世界のような雰囲気で実にセンスがいい。
1曲目のドビュッシーの「第1狂詩曲」(1910)も「序奏とロンド」と同様に委嘱作品だった。
この曲の従来の印象はちょっときつい感じの曲というもの。
この演奏では、速いパッセージも滑らかそのもので、高音域も完全になりきっている。
とても自然な演奏で、従来のイメージを抜け出している。
アレクサンドル・ブロック指揮のリール国立管弦楽団は、ソロを優しく包み込むようなサポートが素晴らしい。
リール国立管弦楽団が時折聞かせる古のフレンチ・サウンドもなんとも懐かしい。

ということで、クラリネットと管弦楽の珍しい作品が集められたアルバムだったが、クラリネット業界の人たち以外の一般のクラシック・ファンの方たち楽しめる、しゃれたアルバムだ。



Annelien van Wauwe:Belle époque

Claude Debussy (1862-1918)
1.Première Rhapsodie (1910/1912)
Manfred Trojahn (1949)
2.Rhapsodie pour clarinette et orchestre (2002) (world-premiere recording)
  I. Rêverie
  II. Intermède avec valse à musette
  III. Caprice
Gabriel Pierné (1863-1937) (arr. Jelle Tassyns)
5.Canzonetta (1907)
Johannes Brahms (1833-1897) (arr. Luciano Berio)
Clarinet Sonata No. 1, Op. 120 in F Minor (1894)
  I. Allegro appassionato
  II. Andante un poco adagio
  III. Allegretto grazioso
  IV. Vivace
Charles-Marie Widor (1844-1937) (arr. Jelle Tassyns)
10 Introduction et Rondo, op. 72 (1898)
Total playing time:
Annelien Van Wauwe(cl)
Orchestre National de Lille
Conducted by Alexandre Bloch(cond)

Recorded December 2018,the Auditorium of Le Nouveau Siecle, in Lille





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Last updated  2023年04月26日 22時37分19秒
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