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みなさんこんばんは。三笠宮妃の百合子さまが亡くなられましたね。今日はドイツ映画を紹介します。ロビーとトビーの大冒険 ファンタスティック・ボイジャー号Robbi, Tobbi und das Fliewatüüt ある日、発明好きな少年トビーの前に、小さなロボット・ロビーが空から落ちて来た。ロビーは乗っていた宇宙船が墜落し両親とはぐれてしまっていた。ロビーはトビーに、両親が北極のどこかで行方不明になっていること、電波が弱くなっているので早く救助に行きたいと話す。心を持つロボットのロビーと仲良くなったトビーは、彼の両親を救うためにトビーが発明した空も海も走れる車“ファンタスティック・ボイジャー号”に乗り、両親を探す冒険に出発する。しかし、機械に感情を持たせるロボットの技術を欲しがる悪徳企業が、2人の捜査官・シャロンとブラッドを雇い、ロビーとトビーの元へ向かわせていた…。果たして“ファンタスティック・ボイジャー号”に乗った2人は、追手をかわしロビーの両親を助けることができるだろうか? トビーとロビーが機材を探しに廃材置き場に行くと、自ら暴走族だぞ!と名乗った暴走族がやってきたり、トビーの母親の事を知ると「彼女はいいメカニックだ!」と一転協力してくれるいい人だったり。トビーに意地悪するクラスメイトを、リモコンでマインドコントロールするなど、ありえない実写場面が。トビーとロビーが北極に向かう途中で捕まる灯台守も、最初は賞金目当ての強面かと思いきや、チェスの相手になってくれた二人を逃がすなど、最初強面→実はいい人設定が目白押し。ロボットであるロビーに心があるのがおかしいから取ってしまおうと考えたCEOが凄腕の男女エージェントに頼んだら、ちゃっかりカップルになっていて、人殺し場面が出てこない。ちなみに二人は実際の夫婦だとか。北極に旅に出るのなら、ずいぶんと不在時間が多いはずなのに、全然気にしてないおおらかな両親と、めっちゃゆるキャラばかりの児童映画。ロビーとトビーの大冒険/ファンタスティック・ボイジャー号 [ アルセニ・ブルットマン ]楽天ブックス
November 16, 2024
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みなさんこんばんは。水戸京成百貨店(水戸市)の1階に出店している「ルイ・ヴィトン」の水戸京成店が12月25日で営業を終えることが分かりました。唯一の直営店です。今日はドイツ映画を紹介します。グンダーマン 優しき裏切り者の歌Gundermann監督アンドレアス・ドレーゼン 昼間は労働者として褐炭採掘場でパワーショベルを運転するゲアハルト・グンダーマンは、仕事が終わるとステージに上がり、自身が作った曲を仲間とともに歌いあげていた。希望や夢、理想に満ちた彼の歌は、多くの人びとに感動を与え、グンダーマンは次第に人気者になっていった。その一方で、彼は当時の秘密警察シュタージに協力するスパイとして友人や仲間を裏切っていた。しかし、1990年の東西ドイツ統一後、同じようにスパイだった友人に裏切られていたことを知ったグンダーマンは、その矛盾を自ら問うこととなる。シュタージというと映画『善き人のためのソナタ』などで見る、隣人を密かに監視してしかるべき筋に報告する恐ろしいイメージが浮かぶ。しかし映画のグンダーマンは、一見、うだつのあがらない兄ちゃんだ。恋する相手コニーは結婚していて子供もいる。好意が長年気づいてもらえない。見たところ鈍で、とてもスパイができるような細やかな神経の持ち主には見えない。しかし、そういう相手でもスパイができてしまうから愛国心というのは厄介だ。後に国自体が消滅するとは思いもよらず、共産主義の信奉者だったグンダーマンは、むしろ危機としてスパイ活動に臨む。信じることの危うさがある。行為は家族にはばれるだろうが友人には秘密は洩らせない。だから本作のような、スパイしていたつもりが自分もされていたということが起こる。個人の集まりが社会、その総体が国家であるのに、信頼感という土台がない。そちらの方が本当は恐ろしい。恐怖で人を押さえつけている。東ドイツの秘密警察に協力していた実在のシンガー・ソングライター、ゲアハルト・グンダーマンの生涯を描いたドラマ。アレクサンダー・シェーアは、劇中で演奏される全18曲を自らカバーしている。【バーゲンセール】【中古】DVD▼グンダーマン 優しき裏切り者の歌 字幕のみ レンタル落ち ケース無あんらんど
November 14, 2024
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みなさんこんばんは。国産の捕鯨母船としては73年ぶりに新造された「 関鯨丸」が東京港に初入港しました。25日に出港し、東北と北海道沖でニタリクジラやイワシクジラを求めて操業する予定で、今回が初めての漁となるそうです。今日は山岳映画を紹介します、『映画「彼方へ」』 ヴェルナー・ヘルツォーク / Cerro Torre: Schrei aus Stein監督ヴェルナー・ヘルツォーク出演ドナルド・サザーランドブラッド・ダーリフマチルダ・メイ現代登山の父と呼ばれるラインハルト・メスナーの原案を基に映画化。登山家のロッチャ・イナーコフラーは、TV番組のロッククライミング選手権のゲストとして出席していた。司会をしていたアイバンは優勝者のマーチン・セドルマイヤーに彼を引き合わせる。インタビュー中ロッチャが2度登頂に失敗しているパタゴニアのヤトローレ山の話になる。「登れる」と言うマーチンと「2000メートル級だがあの山は魔の山だ。無理だ」とするロッチャは真っ向から対立。二人はヤトローレ登頂に挑戦する事になる。ドキュメンタリータッチの徹頭徹尾男の映画。大胆で血気盛んな若者は、慎重かつ冷静な実力者を臆病と見る。対照的な男同志がライバル関係になるが、互いに対する敵意はそれほど感じない。マチルダ・メイ扮するカタリナは二人と関係を持つが、彼等は彼女に対しても、そう執着を持っているようには見えない。カタリナは、彼等にとって「たまさかの」安らぎになっても「永久の」にはならないからなのか。本当の最強の敵、そして最も恋焦がれる相手は別にいる。山だ。画面いっぱいに映る山は、登山を金儲けに使おうとする人間界での実力者達をも鼻であしらい、つかの間の征服者の存在を抹殺する意志をもつ、静かなる美しき女神のようだ。「フィツカラルド」「アギーレ神の怒り」に続き、ヘルツォークが、自然を憎み、征服せんとするも惹かれ続ける人間と、自然との無言の戦いを描く。結末はなんとも皮肉。
May 24, 2024
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みなさんこんばんは。ゆずこと羽生選手が離婚しましたね。衝撃が走りました。映画マジカルミラーもう一人のボクを見ました。マジカルミラーもう一人のボクUnheimlich perfekte Freunde/ Double Trouble フリドが移動遊園地で見つけた魔法の鏡、その鏡から見た目も声も一緒、完璧な自分の分身が現われた! 分身はとても優秀で、フリドの部屋を片付け、嫌いな料理も食べてくれ、フリドの代わりに学校に行けば成績優秀者に。最初は楽しくて仕方がなかったフリドだが、次第に分身をコントロール出来なくなってしまい。このままではいずれ現実世界の生活を乗っ取られてしまうと考えたフリドたちは、どうにかして分身を鏡に戻す方法を探そうとするのだが。質実剛健の国ドイツとしては珍しい、さぼりたがる子どもの話。とはいっても。さぼりたくなるか、時には。ちょうど学校が始まったばかりの日本でも、行きたくない子もいるだろう。とりわけ嫌なのが大人から「やりなさい」と言われること諸々。好きなことなら大人に言われるまでもなくやっている。友達がいい方法を見つけたら、われもわれもと続くのもいかにも子供。そんな嫌なこと諸々を自分に代わってやってくれるそっくりさんがいたら大助かり!とはいかにも子供が考えそうなこと。しかし、なりすましをやっている大人も多いので、大人はもっと狡猾にやるか。 そして大人たちは、本音のところどうなんだろう。なんでもいう事を聞く優秀な子供であれば、ドッペルゲンガーでも構わなかったのでは。しかしうまい話には裏がある、というわけで、ドッペルゲンガーか分身は、当然のことながら自部が本体になろうとし始める。だって本体何もしないじゃん、価値あるの?って。ほうら、言われちゃった。ところで、映画の教訓として「ありのままでいい」ってことは、努力しないでいいってことではないからね、子どもたち。移動遊園地といえばスティーヴン・キングの十八番。ドイツにも似たような風習があるのか。ラスト、謎々作戦で偽者を送り返そうというアイデアが面白い。マジカルミラー もうひとりのボク [ ルイス・フォアバッフ ]楽天ブックス
December 25, 2023
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皆さんこんばんは。漫画家の土田よし子さんが亡くなりましたね。今日はドイツの有名な童話の映画化作品を紹介します。小さい魔女とワルプルギスの夜Die kleine Hexe出演カロリーネ・ヘルフルト監督マイク・シェーラー 森の奥で相棒のカラスのアブラクサスと暮らす“小さい魔女”の夢aは、魔女たちのお祭りである「ワルプルギスの夜」に招待されること。しかし、127歳でもいまだ半人前の彼女のもとには、今年も招待状が届かなかった。あきらめきれずにお祭りにこっそり忍び込み、大目玉を食らってしまった小さい魔女だったが、一番偉い“大きい魔女”から来年の「ワルプルギスの夜」で“良い魔女”のテストに合格したら、お祭りに参加して踊ってもいいという約束をとりつける。帰宅した小さい魔女は早速、来年に向けて勉強を始めるが。 ラストにええっと驚くでしょうが、これ原作通りなんですな。意外とプロイスラ―の童話って残酷な所がある。つまりは人間の考える良い魔女と魔女の考えるそれとは真逆なわけで。そりゃそうですよ。昔からの魔女のイメージではね。「薪がないわー」と嘆く村人のために風を起こす魔法を使ったことで、自分の使える魔法で解決してあげられる悩みがたくさんあること、人助けをすることで、自分も喜びが得られるということに、小さい魔女が気づいていく。紙のお花をいい香りがするお花にして花売り娘と安売り商人との恋を実らせたり、意外なやり方で意地悪な御者をこらしめたり、かまどに歌をうたわせたり。次はいったいどんな魔法が飛び出すのかな? と幼い視聴者は大喜びでしょうね。ちなみに本当のワルプルギスの夜も単なる魔女のダンパです。別にタスクを終えないとはぶられるわけではないです。 アドルフ・ヒトラーとヨーゼフ・ゲッベルスら側近数名は、1945年の4月30日から5月1日にかけてのヴァルプルギスの夜に自殺しているってのがなんともねえ。半人前の“小さい魔女”の成長を描いたオトフリート・プロイスラーによるドイツの世界的児童文学「小さな魔女」を、初めて実写映画化。小さい魔女とワルプルギスの夜 [ カロリーネ・ヘルフルト ]楽天ブックス
October 26, 2023
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みなさんこんばんは。世界3大映画祭の一つである第76回カンヌ国際映画祭が南仏カンヌで開幕しましたね。映画マルクス・エンゲルスを見ました。マルクス・エンゲルスLe jeune Karl Marx監督&脚本ラウル・ペック 1840年代のヨーロッパでは、産業革命が生んだ社会のひずみが格差をもたらし、貧困の嵐が吹き荒れ、人々は人間の尊厳を奪われて、不当な労働が強いられていた。20代半ばのカール・マルクスは、搾取と不平等な世界に対抗すべく独自に政治批判を展開するが、それによってドイツを追われ、フランスへと辿りつく。パリで彼はフリードリヒ・エンゲルスと運命の再会を果たし、エンゲルスの経済論に着目したマルクスは彼と深い友情をはぐくんでゆく。激しく揺れ動く時代、資本家と労働者の対立が拡大し、人々に革新的理論が待望されるなか、二人はかけがえのない同志である妻たちとともに、時代を超えて読み継がれてゆく『共産党宣言』の執筆に打ち込んでゆく。 科学的社会主義を構築したカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスの若き日を描いた人間ドラマ。皆写真のあの姿しか知らないだろう。というか資本論を読んだ若い人ってどれくらいいるんだろう?原題は若きカール・マルクスというわけでマルクスの方がメインというか先に出てくる。ユダヤ人家庭に生まれたマルクスは初登場時から食い詰めた感じで髭ぼうぼう、身なりも構わない。片やエンゲルスは紡績工場経営者の息子で前途洋々。いわゆるブルジョアジーというやつだ。プロレタリアの息子とブルジョアジーの息子が意気投合するには、後者がかなり折れなければうまくいかない。幸いエンゲルスは育ちが良い分性格が穏やかで、かなりマルクスに折れてくれたのではないか。結局両者の生前に『資本論』は完成せず、マルクスの悪筆に苦しみながら、悪い目でエンゲルスが完成させたとか。どこまでもいい人なんだエンゲルス。『資本論』はレーニンに火をつけたのに彼等の唱える共に栄える社会、労働者が報われる社会は、共産主義国の両巨頭である中国・ソ連ですら実現していない。資本主義に押されている。DVD+ブック マルクス・エンゲルス [ ラウル・ペック ]楽天ブックス
May 18, 2023
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みなさん、こんばんは。映画「スパイダーマン」シリーズ主演俳優のトム・ホランドさんが、心の健康のためにSNSから離れると発表しました映画ニューヨーク最高の訳あり物件をみました。ニューヨーク最高の訳あり物件FORGET ABOUT NICK出演ハルク・ビルギナー イングリッド・ボルゾ・ベルダル カッチャ・リーマン監督マルガレーテ・フォン・トロッタ ニューヨークはマンハッタンの超高級アパートメントで暮らすモデルのジェイドは、ファッションデザイナーとしてのデビューを控え、初のコレクションの準備に追われていた。ところが突然、スポンサーでもある夫のニックから離婚を告げられる。さらに、傷心の日々を過ごすジェイドのもとに、前妻のマリアが転がり込み、ニックとの契約で家の権利の半分は自分の物だと主張する。1つのアパートメントに持ち主が二人。同じ男と結婚したこと以外は、ファッションもライフスタイルも性格も、すべてが正反対のジェイドとマリアの、プライドとこの先の人生をかけた戦いが幕を上げる! 原題は「FORGET ABOUT NICK=ニックの事は忘れて」で、つまりはそんなラストにたどり着く。よくある妻たちの逆襲=リベンジ映画ではなく、そもそもの原因である夫のことなんて忘れてしまいましょうよ、という軽さ。ニックに寛大であるというよりは、つまらない男は放っておこうよおいうニュアンスでは。 最初二人の女性の共通項はニックしかいなかったわけだが、共同生活を送り、お互いを知るうちにそんなものはどうでもよくなっていくのである。片や専業主婦としてニックを支えてきてやっと文学部教授としての人生を歩もうとするマリア、モデルからファッションデザイナーへの華麗なる転身を図り、家事なんてやったことがないジェイド。これまでの人生が全く異なるのだから、価値観の共有などできるわけもない。憎い恋敵であるはずが、共通の若いモデルに目がないだらしな男に酷い目に遭わされた共闘相手に変わってゆく様子が紆余曲折を経て描かれる。マンションにかけられてははずされる一枚の絵が、小道具としてコミカルに使われている。ニューヨーク 最高の訳あり物件 [ イングリッド・ボルゾ・ベルダル ]楽天ブックス
October 4, 2022
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みなさんこんばんは。少子化、未婚めぐり自民・桜田元五輪相が「女性はもっと男性に寛大に」と発言したそうです。やれやれ。今日はB級ドイツ映画を紹介します。死亡特急IM AUFTRAG DES VATIKANS/DEATH TRAIN 修道僧のラスコは、先輩の修道僧マシューとグラディアスとともに聖地ルルドに向かうことになった。大勢の修行僧や尼僧、巡礼者たちで沸き返るルルド行きの特急列車は満席状態で出発。そんな時、瞬時に大量殺戮を可能にする殺人ウィルスを強奪したテロリスト集団が、姿を隠すため修行僧に扮し巡礼列車に乗車したとの知らせが届く。実はマシューとグラディアスは、教会と教皇を守る使命を担う極秘エージェント。二人は教皇庁の指令の下、ウィルスを取り戻すべく闘うが、奮闘むなしくマシューは非業の死を遂げる。一人残されたラスコは元特殊部隊の兵士。一度は戦いを捨てた戦士は乗客の命を守るため高速列車の中、再び決死の戦いに挑む! 最初に“LASCO”とタイトルが出るので、シリーズものなんでしょうか。ドイツB級暴走列車です。邦題が死亡特急ですがえっらい不吉なタイトルですね。 列車はルルドへの巡礼列車で、ルルドには教皇様が来ることになっている。祈りに行く平和的な人しか乗ってないので、むちゃくちゃ楽なミッションだったはずが、なぜかドイツ版ヴァン・ダムみたいな武闘の達人が載っていた!うわーなんですかそのめっちゃご都合主義は。信仰のために自分では相手を殺せないが死ぬ寸前まで殴る蹴るはOK。寸止めはかえって地獄の苦しみを味わわせることになるのでは。走る列車の上でアクションはこの暴走特急ものでは今や定番なわけですが、せっかくのアクションなのにやたらスローを多用。何だよ!意味ないじゃん!止まらない列車の前側から後ろの方に乗客を逃すのですが、彼の腕だけで切り離されようとする列車を繋ぐ、いわば連結器の役割を果たす。いやさすがにそれは嘘でしょう。人間連結器だよ。 列車の行く手には幾多の障害物が立ちはだかるのですが、道中で何度車を轢いたことか。その度に火事になったりもしますがちゃんと走って相手がぶっ壊れる。丈夫だな列車。 えーと、これ、めちゃめちゃ犯人たちがアホです。暴走する特急から逃げなきゃいけないのでヘリを用意するのですが、めちゃくちゃ撃ちまくった挙句に自分が逃走するヘリのパイロットを撃ってしまう。あほか。どうやって逃げる!死亡特急 アーノルド・ヴォスルー【中古DVD/レンタル落ち/送料無料】ハッピーショップ 楽天市場店
July 8, 2022
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みなさん、こんばんは。センバツ高校野球の組み合わせが決まりましたね。今日から二日間ブレンダン・グリーソン出演映画を紹介します。ヒトラーへの285枚の葉書ALONE IN BERLIN出演ダニエル・ブリュール ブレンダン・グリーソン エマ・トンプソン 監督&脚本ヴァンサン・ペレーズ 1940年6月、フランスがドイツに屈して間もなく、ベルリンで慎ましい生活を送るオットーとアンナ夫妻は一通の書状を受け取る。それは愛する一人息子ハンスの戦死の知らせで、二人は悲しみに暮れる。その後ペンを執ったオットーは、アドルフ・ヒトラー総統と政権を批判し、抗うことを呼びかける文章を葉書に書きつづり、それを公共の建物など人目につくところに置く。見つかったら死刑確実のこの活動で、夫婦は黙々と葉書を置き続け、その数は実に285枚。市民から回収した葉書を手がかりに、ゲシュタポの警部は犯人像を絞り込むが、ナチス高官からの屈辱的な仕打ちと理不尽な命令に、彼の心にも体制への疑念が芽生えていく。 冒頭、まだ銃を持つのさえいたいけな少年が撃たれる。少年に近寄ってくる兵士を追って敵の兵士も現れ、銃撃戦の中で動かないのは少年だけ。その少年こそ、オットーとアンナの一人息子ハンスだ。名誉の戦死なんて本当はこんなものだ。名誉とはとてもいえない犬死にだ。 その様子を見たわけでもないが、二人の夫妻はヒトラーへの批判を葉書に書いてゆく。メインで書くのは夫、置きにいくのは妻も共に。夫は妻を止めようとしたが、事実を知って妻の方がやる気になった。その先に何が待っているか知っていても、人々に訴えたかった。ヒトラーは、ナチスドイツは、この戦争は間違っていると。葉書はほとんどゲシュタポに回収され、未回収の18枚がちゃんと市民の心に届いたかさえわからない。それでも彼等は書き続けた。沈黙は権力を認めたことになるからだ。 ドイツも一枚岩ではない。ナチスドイツの熱気にただ流されていた人だけではない。夫妻は実在の人物だ。映画ならば“夫妻の行為が人を動かした”方がより感動的になっただろうが、原作に忠実に描いた。 オットーは元はマーク・ライランスだったが降板してグリーソンに。ライランスの方がやや線が細いイメージだ。グリーソンの方が寡黙で揺るがぬ決意を体現できたかもしれない。ヒトラーへの285枚の葉書 [ エマ・トンプソン ]楽天ブックス
March 5, 2021
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みなさん、こんばんは。白鵬はオリンピックで土俵入りしたいから引退しないそうですが、オリンピックの行方が危ういですね。映画ちいさな独裁者を見ました。ちいさな独裁者DER HAUPTMANN監督&脚本ロベルト・シュヴェンケ 第二次世界大戦末期1945年4月のドイツ。第二次世界大戦末期の敗色濃厚なドイツでは兵士の軍規違反が相次いでいた。命からがら部隊を脱走したヘロルトは、道端に乗り捨てられた軍用車でナチス将校の軍服を偶然手に入れる。大尉になりすました彼は、ヒトラー総統からの命令と称して架空の任務をでっち上げ、出会った兵士たちを言葉巧みに服従させてゆく。リーダーとなって権力に酔いしれるヘロルトは傲慢な振る舞いをエスカレートさせ、その行動は脱走兵たちが収容されている施設での大量殺戮へと暴走する…。 ナチス・ドイツもかなり恣意的であった。極論を申せば、ユダヤ人に全ての罪をぶつけ収容所に入れる行為もそうだし、ジェノサイドもそうだ。だから彼等は戦争犯罪人とされた。しかし、そのナチスドイツの軍人でさえ、行動に眉をひそめた人間が実在した。それもわずか21歳の若者である。名だたるナチスの将校や幹部たちが、やすやすと嘘と仮初の軍服に騙され、収容所での即決裁判を許してしまう。一部の者には―というか、一般社会では―言語道断な行為が、毅然とした態度に見え、ヘロルトが従えた兵士の数は一時80人前後にのぼり、中心メンバーの12人は最後までヘロルトと行動を共にしたそうだ。制服の威力だけで従ったとは思えない。制服はきっかけに過ぎない。独裁者はたやすく作られる。ヘロルトに従った兵士たちはハンナ・アーレントの唱える悪の陳腐さ―「悪とは、システムを無批判に受け入れることである」―を地で行ったのだ。 裁判でヘロルトは言う。「私の父はいつも"あなたが何か間違ったことをしたなら、少なくともそれを認めなさい"と言いました。My father always said "if you've done something wrong, then at least admit it."」しかし最大の過ちにはついぞ気づくことはなかった。彼に無条件で従った兵士たちも同じだ。 エンドクレジットはヘロルトたち私設巡回裁判メンバーが現代のドイツを車で巡回するシーン。現代の人々が次々と壁に頭を押し付けられ、物を奪われる。フィクションだとわかっていてもぞっとする。 ナチス将校の軍服を偶然手に入れた脱走兵が暴走してゆく姿を描いた衝撃の実話。ちいさな独裁者【シュバルツヴァイス完全版】 [ マックス・フーバッヒャー ]楽天ブックス
February 4, 2021
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みなさん、こんばんは。トランプ大統領は最後まで跡を濁しまくる退陣になりますね。煽った暴動で死者まで出して。昨年放送されたバビロン・ベルリンの最新シリーズが放送されました。バビロン、ベルリンSeason3Babyron,Berlin■キャストフォルカー・ブルッフリヴ・リサ・フリース■スタッフ監督:トム・ティクヴァ、アヒム・フォン・ボリース、ヘンドリック・ハンドレーグテン第1話刑務所から釈放され、エドガー邸へ向かうヴァルター・ワイントラウブ。しかし彼を待つエドガーに悲報が入る。彼らが巨額を投資する映画の撮影中、主演女優の頭上に照明が落下したのだ。果たして事故なのか、殺人なのか。殺人であればエドガーたちは大きな借金を背負うことに。ゲレオン率いる刑事たちが現場に到着すると、プロデューサーのベルマンは事故だと主張。しかし現場検証の結果、殺人の可能性が浮上する。一方シャルロッテは刑務所にいるグレータを訪ねるが、面会を拒否されてしまう。第2話ゲレオンはベンダ殺害への国家社会主義党の関わりを確信するが、ヴェント行政長官に捜査を阻まれてしまう。ヴェントは警視総監に5月1日のデモ隊への発砲の責任を取り辞任するよう迫る。一方ベティ・ヴィンター殺害事件では、別の女優が幽霊のような姿の男を見たと証言。ベティが夫と不仲だったことをほのめかす。映画製作に多額の投資をしたエドガーとヴァルターは、プロデューサーのベルマンを脅し無理やり撮影を続行させる。ゲレオンは事件当時、撮影所で照明を担当していた男を捜し出すが…S3冒頭は遂に来た大恐慌。男が首を吊り部屋には盛大に紙屑となった札束がバラ巻かれている。そして一層民衆のナチへの傾倒が強まる。時間を遡り空前の好景気にようやく敗戦国の沈滞から復活しつつあるドイツで娯楽産業が芽吹くが殺人事件が水を差す。ゲレオンが抱える闇も深い。第3話ヴェント行政長官は孤児院にいるグレータの赤ん坊を見つけ出し、彼女の供述を変えさせようともくろむ。カテルバッハはルフトハンザが国防軍を違法に支援していることをつかみ、その記事を掲載するようテンポ新聞のハイマン編集長に訴える。しかし証拠となる文書や写真がない限り掲載はできないと言い渡されてしまう。一方、映画撮影所ではベティの代役の選考が行われることに。捜査で居合わせたゲレオンとシャルロッテは、撮影所内でベティとクレンピン殺害の容疑者が着ていた服を目にする。第4話グレータは自分を唆したのは国家社会主義者ではなく共産主義者だったと供述を覆す。ベティ・ヴィンター殺害事件では、夫の関与を疑う証言が得られる。グレーフはベンダ殺害の機密文書の入手に成功。苦労した過去とゲナート課長が恩人であることをゲレオンに明かす。一方シャルロッテは、姉の目の病気がわかり大金が必要になる。そして母親が残した遺品は、彼女の父親であることをほのめかす愛人からの手紙だった。そんな中、撮影所での事件に関わるダンサーのヴェラと楽しい一夜を過ごす。 警察内部の対立により証拠が隠されて捜査が進まない。民衆の預金調査をすると皆ある金ではなくない金を投資につぎ込んでいてバブル崩壊は間近と気づく者は気づく。何だか先だってのサブプライムローンを彷彿とさせる展開。子供を人質に取られついに偽証に屈した女囚の今後は。第5話トリスタン・ロートが主催する土星同胞団の集いに潜入するゲレオンとシャルロッテとベーム。謎めいた儀式の途中、しびれを切らしたベームはロートの逮捕を主張する。エドガーとヴァルターは自分たちを陥れる者を突きとめるべく、地域のギャンググループを一同に集め、裏切り者を探し出すよう訴える。一方、政治警察が所有するリストの中にカテルバッハの名前を見つけたゲレオン。何のリストか不明なものの、用心するよう本人に警告する。そして迎えたグレータの判決日。果たして彼女の運命は?第6話テンポ新聞は国防軍のスキャンダルを扱う記事の掲載を検討する中、突撃隊の襲撃に遭う。家主のベーンケが記事を書いたカテルバッハをかくまい、編集長のハイマンに無事原稿を届ける。ゼーガース大将の娘マルは、リッテン法律事務所でボランティアをする法学部の学生だ。ニッセン家での会合に嫌々参加し、ヴェント大佐と議論を交わす。一方ゲレオンは、ベンダ殺害事件の機密文書にあったリストから、彼を殺害した真犯人を探り出す。シャルロッテはベティ・ヴィンター殺害事件の新たな証言を得る。 がちがちの国粋主義者ゼーガース大将の孫娘マルはグレタの弁護を引き受けた正義の人リッテンのボランティア。真実の記事を書こうとするカテルバッハもまた追われる身に。大恐慌が起こる前からじわじわと人々に忍び寄る粛清の影。背後には誰が。第7話グレータにベンダ殺害をけしかけた男を特定したゲレオン。グレータなど知らないと言い張る男を署に連行し、彼女と対面させることにする。シャルロッテはヴェラの告白により、映画撮影所で起きた殺人事件にヴァルターが関与している可能性をつかむ。同じ頃、記録課のウルリヒたちも殺されたヴィンターの遺留品から手がかりを発見する。一方、ドイツの金融市場が大崩壊すると予想するニッセンは、仲間たちを招集して大規模な投資を提案。株式の空売りで莫大な利益を得ようと持ちかける。第8話釈放されたフリッツことペヒトマンは、その足でヴェント大佐の元を訪れ見返りが欲しいと脅す。一方病院では、入院中のゲレオンにヘルガが妊娠したことを告げる。エドガーはヴァルターが犯人であることに確信が持てず、ゲレオンを問いただす。そしてその隙にヴァルターを外に連れ出し、シュミット医師が電気ショックで彼を目覚めさせる。意識を取り戻したヴァルターは、真犯人が別にいることをほのめかす。そしてシャルロッテは姉の手術代を稼ぐため、いかがわしいショーに出演するのだった。子供のために自らの命を捧げる母グレタがいれば望まれぬ妊娠のため子供を殺そうとするヘルガ。息子モーリッツに語りかける少年から“総統”の一言が。未来のヒトラーユーゲント?投機に走る人々がいる一方で姉の手術のために二度と戻らないと決めた世界で恥ずべき行為をするロッテ。第9話ヴォルターを誘拐した容疑で警察に逮捕されたエドガー。彼は関与を否定し、殺人事件の真犯人は彼の存在を抹殺したい者だと主張する。ヴェント行政長官は政治警察からの召喚状を無視したとしてカテルバッハの部屋を捜索。かつての同居人であるゲレオンを同行させる。一方、母親とのホテル暮らしを嫌い、ゲレオンの家に戻りたいと願うモーリツ。そのことをヘルガに伝えるため、ゲレオンは彼女がいるホテルへ向かう。そこで彼が目にしたのは、アルフレッド・ニッセンと楽しそうに話すヘルガだった。第10話警察に招かれたシュミット博士は霊媒を通じヴァルターの行方を捜す。すると霊媒はその場にいる捜査関係者の事件への関与を示唆する。ゲレオンは記録課の調査結果に懐疑的になりつつも、現場で発見したナイフの指紋照合を依頼する。一方エスターはエドガーの反対をよそに映画の撮影に参加し、エドガーはヴァルターに決別を告げる。ニッセンは自らの計画を母親に話すが、冷たくあしらわれショックを受ける。ゲレオンがケスラーの家を訪ねると、そこにモーリツが現れ、目の前で事件が起こる。 遂に結ばれるゲレオンとシャルロッテ。大恐慌で一人勝ちするはずだったアルフレッドの目論見が堅実な女刀自の判断で台無しに。愛らしいバンビの絵本をトニに読ませていた男性の目的が遂に明らかに。不衛生な堕胎手術でヘルガが死ねばモーリッツは(姿を見せないのに崇拝されている)総統に傾くだろう。第11話鑑定を頼まれていたナイフからヴォルターの指紋が見つかったと報告するウルリヒ。シャルロッテが指紋照合の結果に不備を見つけて疑問を投げかけると、彼は思わぬ行動に出る。その後、妄想の中の聴衆を相手に連続殺人事件の真相を語るウルリヒをゲレオンが目撃する。ヴェントはベンダの日記を入手。メーデーの暴動についてツェルギーベル警視総監がウソの証言をしていたことをつかみ、彼に辞任を迫る。一方、ヘルガはアルフレッドから自殺をほのめかす手紙を受け取り、急いで彼の邸宅へ向かう。最終話グレータの死刑執行日、リッテンはそれを阻止するための根拠となる法律を見つける。判事による執行停止命令書を手に、シャルロッテは急いで刑務所に駆けつける。ゲレオンはヴェントがベンダ殺害の黒幕であることを本人に問いただし、決定的な証言を得る。次期警視総監の任命を待つヴェントだったが…。一方、連続殺人事件が解決し、エドガーらは真犯人に制裁を下す。映画は無事に完成し、華やかな上映会が行われる。そして暴落の日を迎えた証券取引所は、人々が押し寄せ大混乱に陥るのだった。 見せかけの繁栄の最後の仇花のようなつぎはぎの映画。最終話が冒頭に戻り嫌味な同僚すら救おうとするゲレオンが手に取るのは『我が闘争』。目前で阻まれる行政長官の野望。しかし彼のバックの勢力の今後を考えるとそれもいつまでかシリーズを通じて登場しなかったあの人の登場はいつ?
January 9, 2021
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みなさん、こんばんは。菊花賞で三冠達成したコントレイルって、ディープインパクトの子供なんですね。懐かしいなぁ。今日はロシア戦線を舞台にした女性達の映画を紹介します。ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場HORE DIE STILLE/HEAR THE SILENCE 1941年、第2次世界大戦中の独ソ戦線において、当時旧ソ連を構成する共和国のひとつだったウクライナの寒村を、本隊からはぐれたドイツ軍の小隊が占領。そこはくしくも、男たちが皆戦場に駆り出され、女性ばかりが取り残された村だった。恐怖におびえつつ、村人たちは兵士たちを村に迎え入れ、当初は辛うじて微妙なバランスを保っていた両者だったが、あるときを境にその均衡が一気に崩れ、血みどろの死闘が始まることに…。 いやー、これは後味悪かったです。もしかして実話ですか?と思ったりして。まあ、どこかの村ではあったかもしれないな。ヨーロッパは地続きだから。最初は手帖を兵士がじっと見ているところから始まります。後からわかるのですが、この手帖に書かれたことがこれから語られるわけです。 女子供と老人しかいない村にドイツ兵がやって来る。どうも敗色が濃くて逃げ回っている感じです。そして兵士たちを率いている隊長が穏やかな性格で、このままいけば何日か滞在してまた戦地に戻ってくれそうな雰囲気だったのですよ。ドイツ兵といえど一人一人は優しいんだ!とか何とか。 女性達の内のマータは筋金入りのソ連びいきで、どうあってもドイツ兵の事を知らせなきゃならないと村を出ていくことを考えます。姉は子供がいるためそんな危険なことはやめて!というのですが言う事を聞きません。仕方なく妹は納屋に閉じ込められるのですが、何も知らない息子が開けてしまいます。 隊長が大事にしていた戦傷章を子供がお守りと勘違いしてぱっと取ってしまったことが思わぬ悲劇に繋がったり、もう一つ地獄の窯の蓋が開いたら次々と弾が飛び交う感じで村人たちは次々と殺されていきます。というか、おとなしそうな顔して隊長がスケベ心を出さなきゃよかったんだよ。そしてソ連兵に救われた子供達だってどうなるかわからない…というとことん希望が見いだせない映画でした。ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場 [ ラース・ドプラー ]楽天ブックス
November 5, 2020
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みなさん、こんばんは。コロナ陽性が判明すると姿を晦ます人が多いみたいですね。ドイツ映画ソウル・キッチンを見ました。ソウル・キッチンSOUL KITCHEN監督&脚本ファティ・アキン出演&脚本アダム・ボウスドウコス出演モーリッツ・ブライブトロイ ウド・キアーヴェネチア国際映画祭審査員特別賞 ハンブルクでレストラン“ソウル・キッチン”を経営するジノス。恋人のナディーンが夢を追って上海に行ってしまったり、税務署からしこたま滞納していた税金の支払いを迫られたり、衛生局から新しいキッチン設備の導入を命じられたり、食器洗浄機を動かそうとしたら椎間板ヘルニアになったりと、このところ上手くいかないことばかり。ヘルニアで調理ができなくなったジノスが頑固者の天才シェフを新しく雇うと、彼が作る料理が評判を呼んで、店は連日大盛況! そんなある日、兄のイリアスが刑務所から仮出所してくる。イリアスが店のウェイトレス・ルチアに惚れて、音楽好きな彼女のために盗んできたDJセットでジノスの大好きな音楽をかけながら、店は絶好調に繁盛し出した。すべては上手く回り始めた、ハズだった。しかし、ソウル・キッチンの土地を狙う不動産が現れ、店は乗っ取りの危機に陥る。 映画のHPを見ると「ドイツも多民族国家(あるいは移民の国)だなぁ」と思う。西欧っぽい顔つきのキャラは包丁を持ったシェフと金髪女性しかおらず、後はアラブやギリシャ、中東系が入っている濃いーい顔立ちだ。そんなルーツがばらばらっぽい彼等であっても、やはりソウルフードはドイツ料理の定番フランクフルトやジャーマンポテトばかりかと思っていた。ところが序盤でキッチンに登場する料理はアメリカナイズされていて、ドイツの国民料理という感じがしない。天才シェフの作る料理は、もはやどこの国のものかわからない。映画に登場する個性的なキャラクターと同じく、ドイツ人やドイツ料理と言われても、本当にいろいろなタイプがあって、きっとそれぞれにソウルフードがある。だから、レストランを乗っ取り、資本を入れて画一的な店を作ろうとする不動産屋が“悪”に設定されるのだろう。人を信じすぎる弟と、大事な所でポカをする兄のコンビがダメダメなのだが可愛らしい。 主演のアダム・ボウスドウコスは、自身が実際にハンブルクで経営していたギリシャ料理店をモデルに共同脚本を担当。モーリッツ・ブライブトロイはクエンティン・タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』に出演が決まっていたが、本作出演にサインしていたためスケジュールの都合がつかずキャンセルに。アダムの恋人ナディーンの祖母を演じたのは、モーリッツ・ブライブトロイの実の祖母モニカ・ブライブトロイ。彼女は2009年に亡くなっており、映画のエンドクレジットで彼女への献辞がある。ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞に輝き、アキン監督はベルリン、カンヌに次いで世界三大映画祭を36歳にして制覇。ソウル・キッチン【洋画 中古 DVD】メール便可 レンタル落ちバンプ
August 5, 2020
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みなさん、こんばんは。東京の感染者一気に100人越えですよ。アラートものだと思うのですが…。ボルジア家をテーマに描かれれたもう一つのドラマを紹介します。昨日までのとは全然違いますね。ヨーロッパなので重厚というか。ボルジア 欲望の系譜 Season1Borgia:Faith and Fear監督オリヴァー・ヒルシュビーゲル製作総指揮トム・フォンタナ バリ―・レビンソン脚本トム・フォンタナ同じボルジア家を描いた『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』 はS1E1であっという間に新教皇誕生までいってしまうが 本作は4話かけて教皇誕生になるため教皇不在の期間暴徒が押しかけたり不穏なローマの様子が登場する。あと綺麗な画面の前者に比べ後者はボカシの割合が圧倒的に多い。主な登場人物ロドリーゴ・ボルジア ジョン・ドーマンのちの教皇アレクサンデル6世。ニール・ジョーダン版よりおっさん度が増しておりヌード率も高い。チェーザレらの母ヴァノッツァは別の男性と結婚しているため若い愛人ジュリアとやりたい放題。期待の長男を亡くし次男ホアンと三男チェーザレを競わせる。ダメダメな長男を偏愛しすぎるとヴァノッツァにも言われるが、本人は国王よりも教皇の方が地位が上だと思っておりむしろチェーザレを認めている。教会の改革にも熱心で長年イタリアに住んでいるのにまだカタロニア人(余所者)呼ばわりされることに心を痛めている。ホアンの死に憔悴し「彼は私の右目だった」と嘆く。チェーザレ・ボルジア マーク・ライダーロドリーゴの次男。「自分は何者なんだろう」と悩むチェーザレ像は初めてで新鮮。学友のジュリア―ノは枢機卿になり兄はミッションを成功させていくのに自分はまだ何も成し遂げてないとふがいなさに背中に鞭を振るうMっ気と絶望して教会に放火して自殺を図るなどSっ気が混じっている複雑なキャラクター。父が望んでいる聖職者よりも軍人・国王になりたいと願っており実はそちらの方が向いていると評価する第三者もいる。何かとホアンと張り合うが父親の評価は常にホアンの方が高い事に傷つく。人質に追いやられ過酷な経験をしたことで何か吹っ切れる。更にホアンの衝撃の告白を知り、父の与える緋色の衣ではなく真っ黒な衣装で父の前で殺人を犯す。Season2では髭を生やし肖像画で描かれている姿に近づく。ホアン・ボルジア スタンリー・ウェーバー戦略も政策もダメダメの長男だがなぜか父親に溺愛される。父親に似てヌード率高し。いい女と見ると放っておかず人妻と言えど遠慮せず。教皇軍司令官に任命されるが人望も能力もなく優秀な弟に嫉妬心を抱く。妻にDVを振るうなど序の口で最大の犯罪を抱えていたことがわかる。S1最終話は彼を殺した容疑者探しがメインになる。ルクレツィア・ボルジア イゾルデ・デシャウクホアンとチェーザレは知っていたが、ルクレツィアは伯父と呼んでいるロドリーゴが実父と後で知る。自己評価が非常に低く「醜い私は結婚できるの?」と思い悩むが、第三者からみればあどけなく美しい女性であり、更に教皇の娘なので何もしなくてもモテモテ。しかし最初の夫ジョヴァンニは性的不能、次の恋人アルフォンゾ・デステは戦場で性病にかかるなど男運は悪い。修道院に救いを求めるが自分本位を指摘されて去る。最期の恋人はチェーザレに刺殺される。ロドリーゴの若い愛人ジュリアを嫌っていたが彼女の思惑を知らず友人関係になる。最初は宝石につられて叔父(実は父)の言う事を何でもきく子供だったが経験を経て強くなっていく。最初はホアンを慕っていたが次第に彼の恐ろしさに気づくとチェーザレと親しくなる。S1最終話では「噂になってるんだから本当にしよう」とチェーザレから誘われるという衝撃のシーンが。本シーズンでは描かれないが後のシーズンではチェーザレの遺品が彼女に託される事から愛情があったと思われる。ジュリア・ファルネーゼ マスタ・ガスティーニれっきとした夫もいて健康体だが義母も承知の確信犯でロドリーゴの愛人となる。何とロドリーゴの子供を妊娠までする。生まれたのは娘ラウラ。ニール・ジョーダン版よりかなりふてぶてしく、ルクレツィアに言うことを聞かせるよう度々ロドリーゴに頼んだり、兄アレッサンドロの枢機卿就任をおねだり。表向きはルクレツィアの友人であるふりをして、こっそり侍女にスパイさせるなど強か。自分の欲望を叶えるためには何でもする。S1最終話では敬虔な暮らしに入ることを宣言した教皇によってローマを去るよう言われる。アレッサンドロ・ファルネーゼ Diarmuid Noyesジュリアの兄。ジュリアの引きで出世街道をかけのぼる。妹よりも純真。のちの教皇パウルス3世。チェーザレとは、共にピサの神学校で学んでいる友人同士。悩み多きチェーザレの良き理解者だったが彼の息子を密かに母親に渡していたことを知られ決別宣言される。アドリアーナ・デ・ミラ アンドレア・サヴァッキジュリアの義母でありながらロドリゴとの仲を黙認。顔が怖い。ルクレツィアの監視役として厳しくしつけるがヴァノッツァとジュリアの恨みを買い、ジュリアを傷つけた息子を逃がした事がばれて追放処分に。ヴァノッツァ・カッタネイ アセンプタ・セルナチェーザレたちの母。癌が発覚してロドリーゴと別れた設定。別に夫を持っているからかニール・ジョーダン版のようにロドリーゴに嫉妬しない。E2で病気になり体中にとんでもないものを塗りたくられる。実話なのか?ルクレツィアに辛く当たるアドリアーナと敵対し追い出すためにジュリアと手を組む。しかし彼女が自分と娘以外を教皇から遠ざけようとしていると知り再び敵対する。ジェーム Nicolás Belmonteトルコの王子。兄バヤゼットとの後継争いに敗北し、ヨーロッパに逃れる。教皇に聖槍を献上し、ボルジア家に庇護される。『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』ではあっさり殺されるが本編ではホアンの相談相手になったり長らく厚遇されていた。しかし第9話でフランス軍に引き渡され途中で病没。10話で退場。急に具合が悪くなったことから毒殺の噂も。ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ枢機卿。ロドリーゴと常に対立している宿敵。コンクラーベ(教皇選)でロドリーゴと争う。『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』のように各諸侯やフランス王を訪ねる描写はなくフランス軍ローマ入場までは彼の動向は会話でのみ語られる。太い眉が特徴。アスカーニオ・スフォルツァ枢機卿。ミラノの有力者ルドヴィコ・スフォルツァの弟。コンクラーベ(教皇選)でロドリーゴと争う。甥のジュリア―ノをルクレツィアと結婚させることを教皇選挙で票を渡す取引条件にする。ジョヴァンニ・デ・メディチ枢機卿。フィレンツェの有力者ロレンツォ・デ・メディチの息子。コンクラーベ(教皇選)では中立を保つ。チェーザレの学友。体形はまるちゃんで人が良い。のちの教皇レオ10世。フランチェスコ・ガセット アート・マリク教皇の側近。チェーザレからはCockroach=ゴキブリ呼ばわりされているが、教皇や一家の事を考えて踏み込んだ進言もする。ホアンの駄目さ加減もチェーザレの優秀さも知っている。フランス王シャルル8世ローマ入場でやっと登場。『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』より若い年齢設定。右手をたえずぶらぶらさせている。中風?信仰心のあつい王妃アンヌにベタ惚れで彼女のために教皇を認める。インノケンティウス8世 ウド・キアー 物語開始当初の教皇。対立する枢機卿ローヴェレとボルジアのどちらを重用していたという事はなく程よくバランスを保っていた。庶子の息子がいる。彼の死をもって熾烈な教皇選が始まる。息絶え絶えの彼の目の前でボルジア枢機卿とローヴェレ枢機卿が城の鍵を巡って争ったり、「彼を死なせてはならん!」というので女性の乳を飲まされたり少年の血を飲まされたり体に悪いことをされて悪化したのでは?第1話 1492年 1492枢機卿ロドリーゴ・ボルジアは、後継者の長男が殺されたという知らせを受ける。一族の将来を案じた彼は、元愛人ヴァノッツァとの間の息子ホアンとチェーザレに、宿敵オルシーニ家とコロンナ家を懐柔するよう指示するが。 「 1492年3月。イタリア半島はフランスとトルコの侵略によって脅かされていた。イタリア自体は10の国家に分裂。教皇イノセント8世が中央の教皇領を治めていた。首都ローマも3つの勢力にわかれていた。オルシーニ家コロンナ家とボルジア家。March, 1492. The peninsula of Italy is threatened by invasion from France, and the Muslim Turks. Italy itself is divided into 10 waring kingdoms. At the center are the Papal States, ruled by Pope Innocent the VIII. Rome, its capital, is also divided into waring fractions: the Orsini, the Colonna, and the Borgia.」 期待の長男が亡くなり、長女ルクレツィアは初潮を迎え、三男チェーザレはふがいない自分を鞭打ち、次男ホアンは密通がバレ殴られる。子供達全てが血を流す初回。ルネサンス版エデンの東のようなボルジア兄弟。そんなに頼られても世俗のことは私何もできんわ、と言いたげなキリスト像。ナポリを待ちながらのロドリーゴ・ボルジア「40年前ニコラス教皇は新たな大聖堂の建設を望んだが果たさず死んだ。もし私が教皇だったら...Forty years ago Pope Nicolas, despairing at the disrepair of Saint Peters, had hoped to build a spectacular basilica. He died before he had the chance. I were Pope...」フランチェスコ 「スペイン人は教皇になれないNo Spaniard will ever again be Pope.」「時々、フランチェスコ、君が正直すぎると思う時がある。Sometimes, Francesc, I wish you were not always so honest.」この後、裸の枢機卿達が画面を横切るんですよ。何じゃ?って感じでした。ボカシの連続です(笑)。チェーザレをバレンシアの司教に推薦するロドリーゴにジュリア―ノ・デ・メディチが援護射撃。「年齢と性格は関係ないです A man's age should not define his character.」いい奴だ。ロドリーゴ・ボルジアがやんちゃした息子達を叱責する「何故私は残れたのか 副官房として ローマ人の野蛮さを真似たりしなかったからだ 二人はトモが必要な時に敵を作った 男を殴る前にその一族の背景を探れ コロンナが復讐する 我々の行動が招いた結果だ コロンナをなだめるには彼等を昇格させるしかない 教皇を説得することになる 追放と撲滅を恐れ我々は失敗を犯した」司教に任命されるチェーザレ。一方ホアンはガンディア公に。でもチェーザレはご不満のご様子「私は18才 人生半ばだが何もしてない」「これからできる」「私は改革者じゃない」「まず自分自身を変えるの 夜を昼に変えるの」「イタリアを黄金時代に ローマを世界に君臨させる 市民の生活改善 我が名カエサルのように 母上の心はかなり偏ってる 父は副官房ロドリーゴ・ボルジア 私達4人はボルジア枢機卿の子」「真実かどうか関係ない ピサに戻って」好きな子がいることを打ち明けたチェーザレに母ヴァノッツァ・カッタネイ「Each of us over the course of our lives must learn to control our passions, whether it be love, jealousy or power. Ironically, that is where we gain our strengths.それぞれに情熱を抑えることを学ぶの。愛、嫉妬、権力に関係なく 情熱を抑えることで人は強くなる。」「10年の時が過ぎロドリーゴは去った そして私は癌になった でも10年後の今美しい別荘と広い土地を持った ブドウ園と農園も 幸福の代用品も 世界を支配するわ 問題は幸せに思うか」ロドリーゴがルクレツィアに賄賂で言う事を聞かせたと知って怒るジュリア。「じき争乱が起こる 教皇の死は近い ミサにも武器を携えておけSome day you'll face more than a bar brawl. The Pope, riddled with fever, inches toward death. Keep your weapons ready, even at mass.」第2話 5つの死 Ondata di calore ローマに蔓延している熱病に冒された法王(教皇)。枢機卿たちは最悪の事態に備え、法王選挙(コンクラーヴェ)の準備を始める。それは同時に、他家との熾烈な権力闘争の再開を意味するのだった。そんな中チェーザレは、懐柔するはずだった宿敵コロンナ家と争いを起こしてしまう。「1492年7月。ローマと教皇庁を治めるのはインノケンティウス8世。教皇の相談役は枢機卿団。彼等はローマを支配する一族の息子たち。皆憎み合う。July, 1492. Rome and the Papal States are ruled by one authority.He is advised by the College of Cardinals, comprised of a vicious man, sons, of thrones, ruling families. They all hate each other.」取っ組み合いが始まる。「一番の実力者はロドリゴ・ボルジア 伝説を作ろうとする男 伝説には妨害がつきまとう 彼を支えるのは愛人ジュリア そして家族 ホアン チェーザレ ルクレツィア 彼の信頼は正解か ロドリーゴが後世に刻もうと決意した名は ボルジア」そしてOPに。 怪しげな女性の元にいくチェーザレ「私はすぐ死ぬのか?予感がする」そこでタイトルの5つの死を告げられる。ジョヴァンニ・デ・メディチの新枢機卿就任祝いが行われていた。インノケンティウス教皇「神はあらゆる悪から必ず汝らを救って下さる 汝らの魂を護って下さるThe Lord shall preserve thee from all evil. He shall preserve their soul.」伝言する男「神は守ってくれるGod will protect us!」「神よ あなたの前に立つ多くの教皇が永遠の平穏の中で安らぐ場所に そして我々自身の運命について知るWe stand before you, Lord, here where so many Pontiffs rest in eternal peace, aware more than ever of our own mortality.」「我々は皆死ぬWe are all going to die! We are all going to die!」そこへ王子登場。ロンギヌスの槍を教皇に捧げる。ロレンツォ・デ・メディチの訃報が届きロドリゴやチェーザレはジョヴァンニを慰める。浮かぬ顔をしているチェーザレにアレッサンドロが気づく。チェーザレ「どこにいても2つの要素が葛藤している。獣と天使。大抵獣が勝つ。Where ever I am, two elements are always struggling within me. Beast versus Archangel. More often than not, the beast wins.」アレッサンドロ・ファルネーゼ「 獣には魂がないだろA beast has no soul. You do.」「僕の魂は空だ 懺悔をMy soul is empty.Alessandro, I have a confession to make.」「 僕にか?僕は司教じゃないぞTo me? Have you forgotten, unlike you I am not yet a priest.」「飲んだくれは秘密を守るNo but you're a drunkard and therefore keep my confidence.」「忘れるからか 話せよMore likely I will simply forget, so speak freely.」「僕は嫉妬の熱で破滅する。兄、友のジョヴァンニ、二人の人生は動いてるが私は違うI'm consumed by the fever of envy. My brother, our friend the Medici, their lives are in motion. Mine is a stagnant.」「君も司教に」「不満だ ホアンが羨ましい」「地位か?愛情か?」「Both両方だ。他にも。他の何か」「デシオ教授は言った。衝動に駆られると嫉妬は罪になる。What does Professor Decio teach? Unlike lust but much like gluttony, envy becomes a sin only if you act upon the impulse.」チェーザレ「ホアンは成功する。嫉妬は当然だ。But how can I not be envious? Juan will achieve greatness in this life?」「君は違う道で成功しろ。別な天分を持ってるだろSo will you. By a different route. Cesare, contemplate the other side of your instincts.病人や弱い者を癒す。感情を抑えられれば穏やかで崇高な存在に 望みに関係なくやっぱり君は司教だよ 魂が空なら満たせばいい 罪を犯した相手に償え」ジェム王子暗殺計画をかぎつけたホアンは、チェーザレから動きがあれば知らせるよう言われていたにも関わらず、チェーザレが生母の看病に行ったのを幸い自分一人の手柄にする。兄を置いて逃げたことを未だ気に病むロドリゴ。チェーザレ モノローグ「 5番目の最期の死 違う 死は続く 略奪が行われる 満足できずに暴徒となり枢機卿の館も襲うだろう すぐに来る」「初めから本当だった 命の価値は金の価値よりはるかに低いAs has been true since the beginning, the value of a human life is worth far less than its weight in gold.」 亡くなっていよいよボルジアが離れるとき、意味ありげにローヴェレと視線を交わす。フランチェスコがやって来る「出発をWe must depart.」熱病が流行しロレンツォ・デ・メディチも教皇も亡くなる。「これから5つの死がある」と言われたチェーザレは弟が亡くなったため魔女と噂の女性を殺しあとで聖痕よろしく掌に釘をうちつける。前回の鞭打ちよりエスカレートする自傷傾向でSなのかMなのかわからん性格。『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』S1E3で暗殺されるジェム王子からロンギヌスの槍を貰ったのに疫病に斃れていろんなものを飲まされる教皇。枢機卿達がさささーっと部屋から去ったり教皇が寝てる部屋でロドリゴとローヴェレが殴り合いしたり騒がしい臨終のとき。それにしてもこの時代豚のフンを体中に塗ったり、教皇に母乳や少年の血を飲ませたり、トンデモ治療がかえって病原菌媒介してそうで怖い。「友人のジョヴァンニ・メディチ(後のミケランジェロの天敵教皇レオ10世)は枢機卿になってるのに俺はまだ何者にもなってない!」と悩みまくる自信のないチェーザレ像は珍しい。序盤はさながらピサ大学青春グラフィティで「エデンの東」みたいだった。第3話 神との契約 A Sacred Vow世界の調停役として権力を放つバチカンに、法王(教皇)交代の時が近づいていた。法王選挙(コンクラーヴェ)のため、ロドリーゴは身辺整理を始める。病床のルクレツィアは修道院へ、愛人ジュリアは夫の元へと送られた。チェーザレはピサの神学校へと戻るが、愛人の妊娠が気がかりで…。「1492年8月 ホアンは英雄 しかし不道徳 ルクレツィアは婚約 困惑する チェーザレはバレンシア大司教に 恋をする ロドリーゴは尊敬を集め憎まれる インノケンティウス8世が死去」一夜明けて外は暴徒達の死体。眺めるアレッサンドロとチェーザレ。「賢く動けば神が授けてくれる」情勢を見極めて今度は教皇になれるかもしれないと望みを抱くロドリゴ。ピサではジェム王子はシスティナ礼拝堂にかくまわれて枢機卿達の話を漏れ聞くことに。ロドリーゴが見送りに来ないことにいら立つチェーザレ。デッラ・ローヴェレ枢機卿「ゲラルディは100才近いぞGherardo is nearly a 100.」ボルジア枢機卿「食欲は50才だWho eats as if two men of 50.」「呼吸に不安があるAnd is afraid of his own wind.」「 君は何が不安だ?Of what wind are you afraid, Giuliano?」「別に ポルタを修道院から連れてきたら同意する」妊娠している愛人フィアメットの所から戻ってきたチェーザレ「私が生まれた時ロドリーゴは神と契約した 私を聖職に捧げる 私は罪も欲望もなく汚れない生活を送る それと引き換えに彼は教皇になる 契約を破った 彼が知りなくても神は知り 復讐する 父だけでなく家族にも」 太陽が三つ出るという現象が起こり民衆は何かのお告げだと思い込む。ボルジア枢機卿 枢機卿たちに向って「時代は変わる 我々教会の護り人は邪心を棄てねばならない」「外のオオカミが恐ろしい復讐として我々をむさぼり食うだろうWolves from outside will one day soon devour our flock and us with a terrible vengeance.」枢機卿たち「彼は精霊を見たRodrigo has found the Holy Spirit.」ジョヴァンニ・デ・メディチ枢機卿「精霊が彼を見たOr maybe the Spirit has found *him*.」ピッコロミニ枢機卿「いずれにせよ精霊は我々の間にいた In either case, it has been a while since the Spirit was last among us.」デッラ・ローヴェレ枢機卿「演説の作者を探せFind out who wrote the speech...」ピサの授業にてチェーザレ「罪悪感は何のためにある?Guilt was created for what reason? For man to enslave himself?」アレッサンドロ・ファルネーゼ「支配層は罪悪感がないと無秩序になると恐れる 命令がきかない 罪悪感は我々に意思や魂の放棄を強いるNo. Without the sensation of guilt, the hierarchy are afraid the individual would run free and there would be no order. Without order, there is no power. Guilt forces each of us to surrender our will, our souls to those who should not possess them.」チェーザレ 「ボルジアなどの権力者は支配者に値しないのか?So are you saying that the men who are in power do not deserve to rule? His Eminence, Cardinal Borgia?」 「違うNo.」「王や枢機卿は正しいか?罪悪感のない世界とは?Then do you believe the kings and the cardinals are correct? That without guilt there would be hell on earth?」 「天国になる 望むように生き愛する人を愛する 君が人生において罪悪感を抱くとしたら誰と関係が変わる?神かロドリーゴかWithout guilt, there would be *heaven* on earth. Man could be who he wants to be, love who he loves. Cesare, if you could excise guilt from your life, here and now, with whom would your relationship be changed? God? Or Rodrigo Borgia?」応えられないチェーザレ。依然熱が下がらないルクレツィアのもとにヴァノッツァがやって来る。ルクレツィアの病状を聞いて気が気でないロドリゴ。サンタンジェロに拒否されるロドリーゴ。コスタ枢機卿に接近するロドリーゴ。ホアン・デ・コスタ「ローマには壁がありその周囲にも壁がある 壁は金をつかみ取る手だThere is a wall around Rome. And there is another wall around the wall, made of hands. Hands grabbing for coins.」ロドリゴ枢機卿「貧者の手は空っぽだが掌は小さいThe poor have empty hands, my dear Costa, but their palms are small. but their palms are small.」「だが短刀や棒なら掴める 教会の改革をしないと我々は殺されるNot so small that they cannot pick up knives and clubs, which will happen if we do not reform the church. We shall be murdered in our beds.」「同感だ 私が教皇に選ばれたら新しい教会を形作るI agree. That is why, if chosen, I will, like a potter at his wheel, mold a new church.」「 君は大きな手でいつも手の届かぬ物も選ぶ 君は教皇には選ばれないYes. With your big hands. Always reaching beyond your grasp. You have no chance of being elected.」「ボルジアは運任せにしない I am a Borgia. I leave nothing to chance.」「熱すぎる」「一日中ここに缶詰だ」「教会の堕落は皆が認めるところだが教皇制このものが堕落している」デッラ・ローヴェレ枢機卿「風を縛る以上に教皇を縛ることはできないYou cannot bind the Supreme Pontiff of the universal church any more than you can the wind.」「まずは枢機卿の数を制限することだ 地位を金で買う者が多すぎる」ボルジア「全員が変わるべきだと思ってる 後は法律の問題だ」コスタ「私は正式に司教になった コロンナとは違う」ロドリーゴ枢機卿「神の助けに指針を書く」第一回の投票で決まらなかった。ボルジア枢機卿 「イタリア人は酷い」ホアン・デ・コスタ「もう私は選ばれたいとは思わん 皆に広めてくれ 」「我々は同じゴールを目指す協力者だMy dear Costa, why do you not see that I'm your ally? I believe in the same goals as you.」「私の提案に棄権したIn voting for my rules, you abstained.」「中立でいるIn order to remain neutral.」ホアン・デ・コスタ「君は官僚の極みだYes, you are the ultimate bureaucrat.」「30年以上も教皇庁にいるとは」ボルジア枢機卿 「私が選ばれたら教会を変える」男子出産の報せを聞いて飛んでいくチェーザレ。「名前を付けた チェーザレよ あなたが近くにいるみたい」ルクレツィアを聖女ペトロネラに触れさせる治療が行われる。手紙によって過去の行状が明らかになるロドリーゴ枢機卿だが言いがかりだとつっぱねる。午後の選挙も不成立。ドン・ガスパロがルクレツィアの所に忍んでくる。ローヴェレが優勢と聞いて悩み出すチェーザレ。「究極の犠牲だ すぐ行動に移す 私ではなくあなたの意思で」フランス王から金を貰った枢機卿のリストをリークするロドリゴ枢機卿。殴り合いが始まってジュリア―ノが大声を出す。スフォルツァ枢機卿 「言葉だけでなく行動で真実を語るMore than our words, our actions should speak the truth.」ロドリゴ枢機卿「同点のローヴェレを最下位に落とすのが私の復讐だ」子供をフィオメッタのもとから連れ出すチェーザレ。何と崖の上に置く。チェーザレ「殺されたいか!契約に背くわけにはいかないThere is a man and there is his word, and the two must be the same!」 父ロドリゴが教皇になる誓いを立てた時に「息子を一生清らかなままにする」と約束したからといってアブラハムの如く生まれたばかりの子供を崖に置きにいくチェーザレ。聖職者になるのを嫌がっていたわりには神に対する恐れが今のところボルジア家中一番強い。第4話 新教皇誕生 Wisdom of the Holy Spirit法王選挙(コンクラーヴェ)は長期化の様相を呈し、枢機卿たちに疲労の色が見え始めていた。次期法王(教皇)になるための投票で、未だ劣勢のロドリーゴも焦りを募らせていた。そこで彼は票を集めるために、ある策略を巡らすのだった。一方、修道院にいるルクレツィアの病状はさらに悪化し…。赤ちゃんがいないことに気づいたフィオメッタは「怖い夢を見たの 赤ちゃんは?」と言い果ては殴ってチェーザレを問い詰める「神の元にいる」ルクレツィアはうわごとを言ってばかり「剣を携え大天使ミカエルが来た」投票ごとに燃やされる投票用紙。まだ教皇は決まらない。ボルジア枢機卿「 君を教皇特使に Iwill grant you my title as Legate.」ホアン・デ・コスタ「金に加えて領地か 思い切ったなYou will offer land in addition to coin? That is a bold step.」「領地は十分ある I have more acreage than Sforza.」「だがなぜペルージャまで手放す But Perugia? Why choose to give away such a title, such income?」「教皇は“神のしもべのしもべ” 勝るものはないThe Pope is the servant of the servants of God. Title enough for any man.」「確信に満ちた言葉だI think you're starting to believe your own words, my friend.」「ロドリゴ 聴いたか?民衆はいらついてる 我々の食事は一日一食になる」ロドリゴ「忘れられない食事にする」鏡に光を反射させて合図を送るロドリーゴ。「だれがこの用意を?」「ボルジアだ 3日続いた時の用意を」食事に紙をしのばせるロドリーゴ。枢機卿を個々に訪問するロドリーゴジョヴァンニ・コロンナ「信頼を求めるのかTrust placed in trust?」「不変の信頼」「私はチェーザレを護るのか」「チェーザレは守るに足りない」「甥に怪我をさせた 罰を与えたい」スフォルツァ枢機卿「例えば甥のオルシーノ 妻ジュリアは」ロドリゴ「目を奪われる花だ」「その花を摘むな」「寝る前に楽しい冗談を聞かせてもらった」「司教区はいらん チキンはゲラルディに 偽善は口に合わないKeep your greasy diocese. Give the chicken to Gherardo. I like mine without the taste of hypocrisy.」屋根にのぼるルクレツィアをヴァノッツァは止めようとする。「皇帝ネロから守るの」「感謝の祈りを」「誰なの?私の母はがラリアで死んだ 私の父は奇跡を起こす」イライラするジェム王子。「絶望したと思うが改革への情熱故だ 君は私への中傷をささやき有力者たちから援助を請う」「私は自分に入れてない 教皇の座は思うがまま」「カラファでもスフォルツァでも戦争になる」「もし精霊が適任だと認めれば私は教皇を受ける」ピサの大学にてアレッサンドロ「罪の意識を感じないならばもう人ではない それは亀だ 自らの罪を受け入れ行いに責任を持つ その時我々は神に近づくIf a person ceased to feel guilt, he would no longer be a person. When we accept our sins, responsibility for our actions, that is when we approach the Divine.」チェーザレ「 彼の意見に疑問があります Are your words worth the air they fill?」チェーザレ 「正当な理由があればいいと?良い行いなら罪にならない?どんな時に罪を感じる?Is it possible to commit a sin for the right reason? And does that then make the action good, a sin no longer? In those circumstances, at what point would one feel guilt?」フランチェスコ「忌まわしく残酷な罪の場合だI will tell you, when the sin is abhorrent, unnatural.」「残酷か 父親が息子を殺す?Unnatural? Say for a father to kill his son?」「Yes.」「神が遣わしたイエスは処刑された 神は残酷だAs God the Father did, sending Jesus to us, knowing He'd be crucified. God is unnatural.」「紙への冒涜だYou blaspheme!」騒ぐ学生たち。フィリッポ「今夜聖職への第一歩だ 司祭が頭頂部の髪を切る 神への服従の象徴だ 自らの価値を考え一日を過ごすことTonight, you are to take the first step on your path to the priesthood. Tonsure. His Excellency, the Bishop, will cut the hair on the top of your head, symbolizing your obedience to God. Spend the rest of the day reflecting on your worthiness.」アレッサンドロ「君に価値は?Are you worthy, Cesare?」チェーザレ「君たちは? Are any of us?」ジョヴァンニ・デ・メディチ枢機卿「昨夜私はご馳走を逃したと聞いた」ロドリゴ「チキンは嫌いだと聞いたので」「あなたは死んだ父の言ってた邪悪な枢機卿だった 聖職売買は罪だ」「何を聞いた」「耳をふさいでも口の動きは見えるI am trying not to listen to you, but I can still see your mouth move.大理石をはう虫のような唇 あなたの言葉は信じない」「若いな コンクラーベを終わらせるべきだ」「どれだけ子供を産んだ 余所者め」ロドリゴ「君は若いのではない 子供だ。I was wrong. You are not young. You are a child.」ボルジア枢機卿が10票獲得する。ナポリが攻めてくる。「なぜスフォルツァだ?ミラノは君の敵だ」「君は隠れユダヤだと聞いた 偽りの改宗をした」「スフォルツァが流した噂だ」悪魔祓いに懐疑的なヴァノッツァ。「あなたに一つお願いがあるの 悪魔祓い師が来る前に私は発ちたい」「聖職禄をほぼ捨てた 巻ければスペインに逃げ帰ることになる」「どうやって?賄賂か?」「殺すことになる 精神的な死だ 彼と二人だけで話がしたい 手伝ってくれ」サヴェッリが一計を案じて皆を集めている隙にロドリゴはスフォルツァ枢機卿と会う。ローヴェレ「これは素人芝居だ」スフォルツァ枢機卿「サヴェッリが幻視をSavelli is witnessing the Holy Ghost.」ロドリゴ「天井の影だろう 精霊ではないShadows on a ceiling, or a ghost. But not holy.」スフォルツァ枢機卿「君は金の扱いがうまい ユダヤ人並みYou are good at moving money. Like a Spanish Jew.」ロドリゴ「ミラノ並みとHmm. Or a Milanese banker.」サヴェッリ「彼が君を裏切った人間だと精霊は告げている」殴るデッラ・ローヴェレ枢機卿。「君は私に交渉術と裏切りの歓びを与えてくれた」「現実を知れ 君は教皇になれない だが教皇を作ることはできる」スフォルツァ枢機卿「4人の頑固者に取り入ったなYou shuffled four mules loaded with coin out of the Vatican treasury.」ロドリゴ「前もってAs a precaution.」「バチカンの宝でLet us rob the bank to save it?」「 盗んでない 私にはここを満たせるほどの宝があるI do not need to steal. I have enough gold, silver and rare gems to fill the Sistine to its rafters.」 「どの部屋か見たいねShall we see who can fill which room with what?」「私にはミラノの方言は難しい 友好的に話してるがPerhaps I have not mastered the Milanese dialect as well as I thought. I speak not out of pride, but in friendship As Vice Chancellor, you can become rich. Richer than you are, ri 副官房として優雅に暮らせる 想像以上の豊かな暮らしだcher than you know.」「だが君が教皇だと問題がある 私の方言がわかるな?Yes, but there is a problem with that. You would be Pope. Do you understand my dialect now?」ヴァノッツァとルクレツィアは悪魔祓い師の来る前に逃げ出す。フランチェスコ「彼は非道だHe has done the unspeakable.」アレッサンドロ・ファルネーゼ「彼は友人だ 我々も誤った行いには責任があるHe is our friend. And we've both, in our short lives, committed our share of misguided acts.」「チェーザレは善い行いだと信じてるBut we did so knowing they were wrong. He believes he has done good.」アレッサンドロ「いつまで座ってる」チェーザレ「報せを待つ 罪は美徳を生んだか 我が子の死は無駄か」「衝動的に行動して自分を責め続けるのか 神もフィアメッタも君を許す 愛を持って罪を悔い報いを」「夜が明ける 悔いて許しを求め山へ 死んでたら手厚く葬る」「一人では辛いぞ」「イスラム教徒がローマを支配?」スフォルツァ枢機卿を脅すロドリゴ「老犬は外に何を知ってる?」「甥のジャン・ガレアッツォのデマだ」「説得力ある嘘は真実より悪い 庶民は貴族の悪評を好む 罪は彼等に平等感を与える Common men always choose to believe the worst about the noble class. Our transgressions give the poor a sense of cosmic equality.私もユダヤ人と言われたら地位を失う この文書でスフォルツァは滅びる あっという間にだ サヴェッリの幻視が終わる 私を動かす精霊は去っていく」「副官房になる 君の宮殿を ルクレツィアを私の従兄のジョヴァンニの妻に」スフォルツァ枢機卿の望みを全て叶えるロドリゴ。投票の結果1票足りない。誰かが白紙で出している。ロドリゴ 「なぜ白紙で出したYou were expected to vote for me.」マフェオ「君がトイレでスフォルツァと協定を結ぶのを聞いたYou and Sforza, your pact, excreted in the toilet. A vote for you puts my soul in danger.」「選挙が長引けば死ぬぞ 臨終の儀式なしで地獄に行くんだ」「ロドリーゴ 嫌だ 私は腹ペコなんだ」食べ物を差し出すロドリゴ。見ていたスフォルツァ枢機卿「教皇の座は二つのマジパンで手に入れられる」そしてボルジア枢機卿が14票獲得し教皇に。「神の御意思だ」「我々は全員狼に飲み込まれる」「私は教皇だ キリストの代理者」我に返って「謝罪する これこそ渇望していた 私は精霊の英知を信じます」「ローヴェレ 君は首席枢機卿だ 務めを」二度断って三度目に受諾するロドリゴ。アレクサンデルを選ぶロドリゴ。「アレキサンダー大王と並ぶつもりか」白い煙が上がる。「寝取られ息子の母親に口出しさせない」ヴァノッツァはアドリアーナに汚水を浴びせる。スフォルツァ枢機卿「ボルジアは教皇 支配者は私」いまいましげに見た後足と指輪に口づけするデッラ・ローヴェレ枢機卿。外界との壁が取り払われる。我先に飛び出す枢機卿たち。山に駆け付けるチェーザレ。「あの子がいない 遺体がない 天使が息子を救ってくれた あなたこそ神だ しもべに良いことを約束された」「ボルジアが勝った」鐘がなる。眠っていたルクレツィアが目覚める。「すごい光景を見た 分かったの 人生の目的 神は私に奉仕を望まれた 尼僧になる」「二度と言わないで 叔父上には決して 教皇に」驚く表情のルクレツィア。ヨハン「明日部屋の改装の打ち合わせをTomorrow I will schedule a meeting to discuss redecorating these chambers.」アレクサンデル「私は新たに建設するNo. I will build new apartments.」ヨハン「" 我々" は建設する“We” will build new apartments.」「我々?You and I?」「あなたは" 我々" ですNo. You are "We" now.」「そうか 私は" 我々" 私は人類の代表だYes. I am "We." I speak for the souls of mankind.」崖に行って赤ちゃんがいないことを知ったチェーザレは恋人の元へ。しかし恋人は他の男を既に招き入れていた。チェーザレ「フィオメッタ!フィオメッタ!赤ん坊は生きてる!Fiametta! Fiametta, our child! He is alive. I give you my word, I will...」絶句するチェーザレ。『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』 S1E1で描かれた如く料理に「賄賂を贈るから私に入れて」文書を忍ばせるロドリゴ。『ボルジア家 』 より尺を取ってコンクラーベが描かれており一日一食の兵糧攻めで枢機卿達がへたる場面も挿入。コンクラーベは根競べであった。第5話 婚姻の絆 The Bonds of Matrimony非道な策略により見事法王選挙(コンクラーヴェ)で法王(教皇)に選出されたロドリーゴは、カトリック教会の再建と改革を掲げ強硬手段に出る。ホアンが出世し、ルクレツィアに結婚話が持ち上がる中、父ロドリーゴに最も尽くしていることを自負するチェーザレは、焦りを募らせていた。戴冠式が行われる。「ローマと世界を統治する汝をローマ教皇職に任命する」冠を被せられるアレクサンデルスポレートに足止めされるチェーザレとアレッサンドロ。「私をローマへ?」「我々は無期限でここに滞在します」落胆するチェーザレ。「ロドリーゴのために全て手放した 傍らにいて当然だ なのに世間から隠れ山間の谷に住めだと?」「ローマからわずか140キロだ」「兄がローマに呼ばれても私はピサにも行けない」息子を辛抱強く探そうとするチェーザレ。「いいか 生きているはずがない 真実を受け入れて息子を神の手に委ねろ」「息子は見つかり私の腕の中で再び動くだろう」大聖堂を取り壊しローマカトリック教会の改革に燃える新教皇。すっかり回復したルクレツィアはヴァノッツァの家にいた「あなたが見た幻覚は話さないで あなたの胸に秘めて 尼僧なれというお告げが確かなのか様子を見ましょう 教皇を落胆させなうように」「お祈りしてくる 人々のために」「教会の改革を進めるべきだ 変わった証を見せろ」しかしジュリアが忍んでくる。「ローマをフィレンツェに並ぶ学問と芸術の都に」ジュリアの誘惑についに屈する教皇「我々は法秩序を強化する そして週に一度我々が直接人々から苦情を聞く」「“我々”?そうよ一人では成し遂げられない あなたはただの男 そばに信頼できる者を置いて 私の兄が枢機卿だったら忠実に仕える」「神よ ああ神よ」アレッサンドロ「チェーザレ ローマに呼ばれた」「私が呼ばれてないのに?おめでとう 心から祝福するよ」「これで我が一族が貧乏から解放されるといいが」「ファルネーゼ枢機卿 貧しい神学生に助言を よどんだ気分はどう晴らす?」「卑しい神学生ではない バレンシア大司教だ 良い行いをしろ」「その間君はローマの密偵として働いてくれ」「ばれたら私は殺される」「手紙は暗号で」スフォルツァ枢機卿の副官房就任を告げる教皇。「教皇になるのを助けたのにあの口調だ」「大聖堂を壊すための税金など払わん 一族と話し合う」「繊細な陶器を売る店にうなる雄牛を放された それが今のローマ 従兄と合流する」偽の教皇赦免状を書いた二人の手は公開処刑で切られてしまう。教皇「チェーザレの様子は?」アレッサンドロ・ファルネーゼ「会いたいと」「誰に忠誠を」「聖下です」「二人同時に忠誠を誓えるか?」「理屈では」ジュリア「できないわ 兄さん」「ここで聞くことはスポレートには話すな 来なさい 抱擁を 教皇ではなく家族として」背中越しにジュリアとほほ笑む教皇ルクレツィアが教皇を訪ねてくる。「ルクレツィア教皇様に失礼よ」「頬はピンク色健康も戻った お前の新しい部屋を 最高の芸術家を雇った」「私を聖女に?素敵 分かって下さると思った」ピントリッキオの絵のモデルになるルクレツィア。「聖カタリナになれて嬉しい」ジュリアが訪ねてくる。「私はあなたの母親でも後見人でもない 私に隠し事をする必要はない」「私の運命を決める幻を見たの でもドン・ガスパロと婚約中」「幸せな人ね 若さも富も何でも持っている」「私の望みはわずかなこと 瞑想の生活なの」「私の言う通りにして ロドリーゴに望みを言いなさい」コンクラーベの間の治安について不満をぶちまける教皇「収入源を危険にさらせない」教皇軍司令官ヴィルジニオ・オルシーニを解雇する教皇。「ボルジアの時代が来た」公開処刑が行われる。股裂きである。むごい。アレッサンドロ・ファルネーゼも見ている。「悪党を撃退して今や教皇軍は最も強力な部隊 だが指揮はヴィルジニオ・オルシーニ」スフォルツァ枢機卿「フランチェスケットが前教皇の土地を売却しようと ヴィルジニオ・オルシーニ」「この取引を仕組んだのはローヴェレ枢機卿か」「オルシーニはナポリ側についた 教皇になるため無理な約束をした」「ボルジアとの絆でナポリとローヴェレからミラノを護る」「ジョヴァンニが来たら婚約を」「待てない」枢機卿は代理で教皇と枢機卿で結婚式を挙げてしまう。ホアンも戻ってくる。「ルクレツィアは回復しお前は戻る」「ファルディナンド王の姪の心を射止めた」ホアンが総司令官に任命されて驚くヴィルジニオ・オルシーニ。「軍を指揮する?勿論です 夢でした」「未経験を求めるのですか?ローマの警護を素人任せに?」「誰でも最初は素人だ」出ていこうとするヴィルジニオ・オルシーニ。「話はまだ終わってない フランチェスケットから前教皇の領地を買ったな」「これが名誉を傷つける理由か」「私の前から消えろ」じっと見ているアレッサンドロ・ファルネーゼ。ジュリア「お兄様は不安を隠せない人ね」「自分の将来が 教皇に好かれるなら何でもするが より忠誠に値する人物とは誰なのか 私が信頼する者か ひれ伏す肩書の者か」「彼に忠誠を尽くしてると思われてるうちは安心 私もロドリーゴに秘密がある」「父親にも息子にも話すな」「ええ もちろん それでこそファルネーゼよ」「ガンディア公が新しい役職に 妹君はペーザロ伯と婚約」息子の遺体を見せられるチェーザレ。アドリアーナからジョヴァンニ・スフォルツァとの結婚を聞かされたルクレツィアは自分の倍の年齢と聞いて驚く。「聖女ペトロネラ すぐに私の前に現れて」一方チェーザレも教会に「あなたは神を軽んじる兄を祝福する 私は自分を捧げてる 天国のあなたに加わるより私は地獄で焼かれる」祈る二人がクロスカットで映る。やがてチェーザレは油をかけ教会が燃え始める。本作のホアンは母ヴァノッツァの連れ合いをばかにせず一緒に飲む。ヴァノッツァ「マルコアントニオ・コロンナが教皇を退位させると ローヴェレとオルシーニとナポリ王が共謀してると」取り合わないホアンを呆れたように見つめるヴァノッツァ。「神に感謝します チェーザレの存在を」泣き続けるルクレツィアをジュリアが慰める「結婚は望むものを全て奪う?私は違うわ」「ふりをするの 彼を歓迎して 聖女ペトロネラはあなたの決意を試している」お見合いするジョヴァンニとルクレツィア。こちらのジョヴァンニはイケメンで性格もよさそう。ジョヴァンニ・スフォルツァ「苦悩と孤独は日々薄れる 悲しむ時もあるが体は元気だI may be altered by my sadness, but not crippled.また愛せる この結婚は私の未来を変える 頼まれても断れない 愛し合えるのを待っています 必死に働き幸せにする あなたが許せば」「明日は妹君の結婚式 兄上は総司令官になったが下士官にも嫌われ」「総司令官の器ではない」「母上からの手紙によれば教皇に対する陰謀がある これは待ち続けた神の兆しです」結婚式当日のルクレツィア「かわいいではなく美しく見られたい だめだわ 空しい なぜ結婚式を急ぐの?」アドリアーナ「教皇の望みよ」ルクレツィア「私はとても混乱してる 昼は尼僧 夜はジョヴァンニの妻として過ごしたい」ジュリア「両方はだめよ」「神を選ぶ」ジュリアは教皇に自分の気持ちを打ち明けるようルクレツィアに促すが結局何も言わなかった。祝宴にジュリアがやって来る。ルクレツィア「ママの出席も認めて欲しかった」「あなたは作家や詩人の創造意欲をかきたてます」銃をぶっ放すチェーザレ。「決心した ローマへ発つ」下品な劇が上演されるのはもう一つのドラマ「ボルジア家」と一緒。アレッサンドロ・ファルネーゼ「神との交わりで辛いのは友人が賛成しない行動を私に望まれる時だThe hardest part of becoming intimate with God is realizing he sometimes He wants me to act in ways of which my friends would never approve.」教皇「ルクレツィア 探したよ 夜も遅い 帰る まだ若い 今夜女になる必要はない 夫は待ってくれる そうだろう?」ルクレツィアを連れていく教皇。ジョヴァンニ・スフォルツァ「どう思う?君は戦略の達人だ なぜ正式に結婚をしない?You are the master strategist. Why is His Holiness not letting us consummate our marriage?」スフォルツァ枢機卿「結ばれなければいつでも結婚を解消できる 両家の同盟を解消する場合を考えてか あるいは教皇が彼女と寝たいのかAs long as your bed is empty, he is able at any moment to dissolve the bond between you. He is waiting. In case a union with our house no longer suits his needs.That or the Pope wants to fuck Lucrezia.」「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 」S1E4ではスフォルツァ家との婚姻を望んだのは教皇なのに本作では投票の交換条件として持ち出されロドリゴがあっさり承諾。結婚無効にするのはもったいないくらい相手が結構イケメンだ。息子の遺体(実は嘘)を見て絶望し自殺したくなる気持ちはわかるがどうして教会を道連れにするんだチェーザレ。教会に放火したりどMだったり本編のチェーザレはいろいろやばい。しかし更にやばいのが兄のホアンでろくな描写もないのに司令官失格になっている。第6話 正統な血 Legitimacy法王(教皇)となり一族安泰のために策略を練るロドリーゴ。宿敵ローヴェレ枢機卿の陰謀を察知した彼は、諸国との絆を深めるためにホアンをスペイン王室と、ホフレをナポリ王室と婚姻させる。しかし、見せかけの結婚を強いられたルクレツィアは、ロドリーゴに反感を抱くようになっていた。ディ・ヴィトルヴォ スペイン大使「聖下 枢機卿の皆さん お聞きを 新世界です クリストファー・コロンブスがカトリック両王の資金援助を受け広大な新大陸を発見しました 金銀真珠が豊富で野蛮な者が多く居住しています スペインの統治が正当だと教皇の承認を願います Your ears do not deceive you, Holy Father, respected Eminences. A new world! The visionary navigator and explorer, Cristoforo Colombo, financed by their most Catholic Majesties, King Ferdinand and Queen Isabella, has discovered a new, immeasurable landmass rich with gold, silver, pearls. Populated by feral natives. King Ferdinand hopes Your Holiness will confer papal legitimacy upon Spain's claims to sovereignty. コスタ枢機卿 ポルトガルは二度も厭世を拒否したNeed I remind Cardinal Da Costa that Portugal rejected the proposed expedition not once, but twice?」ジョルド・ド・コスタ「コロンブスはしがないチーズ売りだAs did your masters. Cristoforo Colombo is nothing but a cheese dealer.」スフォルツァ枢機卿「ハロ大使 ヨーロッパの総ての君主が同意見だAmbassador De Haro, there is not only the King of Portugal to consider, but all the monarchs of Europe.」教皇「そうだ スペインに好意を示して何の利益がある 周囲の反感を買うYes. If we, with our Spanish blood, favor the cause of Spain, what do we gain except wide spread hostility?.」「統治の正当性を認めてホアンとマリア・エンリケス・デ・ルナの結婚を 彼女は王の姪 一族の夜明け 何か問題が?」「“正当”は嫌いな言葉だ 女王は非嫡出子との結婚に反対 スペインとポルトガル公平にすべきだ 少なくとも表向きは」密かにローマにもどってきていたチェーザレはアレッサンドロ・ファルネーゼに見つかる。アレッサンドロ「許可なく来たら危険だぞ」「私は一度死んだ 私の息子が 自殺を図った 私は死に再び生まれた」「息子の死は悼むが命と信仰の復活は祝う」チェーザレが教皇の部屋に入ってくる。「お前が来るのは着く前から知っていた」「教皇の地位が危険です」「知っている どの枢機卿が最初のユダか 教皇の退位を企み何人集まったか」チェーザレ・ボルジア「助けたいLet me help you, Father.」教皇「教皇に何を言う 感情は危険だと訴えないが他にも危険がある 従わない者が一族にいる 卑劣な枢機卿には耐える だが無礼な甥は我慢ならん*We* are the Holy Father, Bishop. And even if our gut instincts did not warn us of the danger, you know what else convinces us that we're in trouble? A member of our own family refuses to obey. Backstabbing cardinals we can abide, but disrespectful nephews we cannot.」「 私はただ…I am sorry, I was only trying to To help, yes.」「助けたい? 助けは無用だ 忠誠を尽くせBut we do not want your help. We want your loyalty.」母親の屋敷に行くよう命じる教皇「待て 待つことを覚えるんだ 選挙まで37年待ったように お前にできるか」ホアンに対して「すぐスペインに発ち結婚しろ イザベラ女王は品行に厳しい」チェーザレ「父の真実を話してくれ」ヴァノッツァ・カッタネイ「あなたはロドリーゴの息子 愛しているから最善を願ってるWhether or not you are Rodrigo's son, he loves you and wants what is best for you.」「教皇にとって私はオリーヴの種ほどの価値だStop! I am worth about as much to His Holiness as these pits are to olive oil.」「何かあったの」「自分の行い」「何をしたの」「だめだ」アレッサンドロ「フェランテ王の動機は家族よりマントヴァ シエナなど4都市の同盟です」「シャルル8世は王位を狙う 28年前殿下の一族に奪われた 復讐です」教皇「神は誰がナポリの支配者に相応しいとみるか 父上の結婚の申し出はシャルル8世にナポリ王位の継承権を認めないことの交換条件だな」「彼女は非嫡出子」「チェーザレも同じでは?」「密会したな オスティアで教会の敵と」「ローヴェレとイタリアの将来を話しました 父に友好の証を」「ずっと友好的だが サンチャとの結婚を考えよう」アレッサンドロ「あなたはナポリを味方にしたい チェーザレのためでも」「だめだ 彼は神との誓いがある キリストを崇める 生まれは疑わしく妊娠した母親はヨセフが妻にしなければ死んでいた 十字架の彼は傷つき敗れた なぜ教会は“復活”のイエスを飾らない?なぜ彼の苦しみは復活よりも理解しやすいのか」夜の街でマルコアントニオと行き会うチェーザレ「答えろ 4本指で自慰できるか 叔父がしてくれるのか」息子のために教皇を呼び出すヴァノッツァ・カッタネイ「私は娘を救ったわ “聖下”と呼ぶ?私ではなく子供たちに必要なの 少なくともチェーザレとホフレには 二人に貧乏くじを引かせるの?」「チェーザレなら考えてる 枢機卿にする 会議で発表する 他言してないが好機が来たら枢機卿に任命する」「残酷な人Oh, you are cruel.」教皇「時代を担ってるWe are a man of the times.彼に言うな」「誓うわ ホフレは?結婚を強いたのはあなただった 追い出したのも あなたは誰より私を理解してる 私は恋しい 名前の呼び方が何より恋しいわ」「ホフレも考える その代価は高いぞ ルクレツィアと会うな」「アドリアーナね」「関係ない 同意するか」頷くヴァノッツァ。「二人だけの時真実を話して あの子は父親のためなら命を捧げる」サンチャの婿にホフレを提案する教皇。「ボルジアの一族は早熟だ 特にセックスは 彼女は若くいられる」スペインのホアンから手紙が来てデニアとグラナダの領地が保留とされる。「枢機卿や王に等しいボルジアという名を消そうとすることだ」フランチェスコ「断りましょうか Shall I decline?」教皇「反対だ 夕食を共にする ワインは真実とチャンスを呼ぶTo the contrary. Make our meeting a dinner. In wine there is truth. In much wine, opportunity.ローヴェレの裏切りの一つ一つを暴いて見せつけてやる 全てを 教皇としてではなくボルジア家として」ジュリア・ファルネーゼを家に招くヴァノッツァジュリア「好奇心は協力だと思うCuriosity is a powerful sensation, is it not?」ヴァノッツァ・カッタネイ「噂話をするために呼んだわけじゃないLet us be honest, you were not invited so we could gossip like giddy sisters.」 「私たちは互いにボルジアと結ばれてる そしてアドリアーナが共通の問題点」「あなたは何が問題?」「彼女の扱いが間違ってる あの子が強い女になるには成熟するのが必要なのに」「彼を首席枢機卿に戻そう スフォルツァと彼は同等の扱いだ」アレッサンドロとジュリアは何者かに襲われジュリアは顔に傷を負う。教皇「見せなさいLa Bella, let us see.」ジュリア・ファルネーゼ「以前のようには愛せないのねYou would never love me the same again, if at all.」「そうだ 同じでない もっと愛すYou are right. Not the same. Even more.」スフォルツァ枢機卿に「副官房はもっと慎重に振る舞え ミラノがジュリアを襲わせたと聞いた 知性とは愚かさのことだ 姪とジョヴァンニが結婚 我々は家族だ」デッラ・ローヴェレ枢機卿が戻って来る。「海辺はどうだ」「身体にあってる」旅立つホアンを見送るチェーザレとルクレツィア、ヴァノッツァたち。ルクレツィア「11歳なのに 私たちは全員叔父様の財産なの?」ヴァノッツァ「考えてから口に出して あなたが逃げたことに叔父様はお怒りよ」フランチェスコ「閣下Your Excellency.」チェーザレ「ゴキブリ こんな街はずれまで?教皇のお使いは疲れるなCockroach, here on the outskirts of town? Running His Holiness' errands all over Rome must be exhausting.」教皇「枢機卿に任命された時君たちも反対されたのを忘れたか」「2名を除こう それ以外の者は満場一致で」「満場一致は求めてない 自らの意思で選ぶ力を持つ」ポルタが亡くなる。「賄賂 ペテン 私はどんな手を使えばいい ポルタ 逝かないでくれ」「言葉は消えた あるがままに」1493年1月チェーザレとアレッサンドロが枢機卿に任命される。その席で教皇はホアン、チェーザレ、ルクレツィア、ホアンが嫡子であると宣言する。教皇「主にある兄弟姉妹よ ボルジア枢機卿を愛する (Spiritual son)霊的な息子として チェーザレを(My Own Son)息子として愛す なぜなら彼の血は私の血 彼の兄弟 ホアンとホフレ 妹ルクレツィア 彼らと同様に 全員が私の嫡子だと宣言する 父の愛と共に」地下でひそかにセックスするルクレツィアとジョヴァンニ。「一緒に来い」「ダビデ王はウリヤ王の妻の間にソロモンをもうけた」教皇「どの行事よりも興奮していたねI would have thought you'd be less agitated given the day's other events.」ジュリア・ファルネーゼ「兄の事が嬉しくてI am very happy for my brother, yes.」「では父だという私の宣言を支持してくれるかI can make your brother a cardinal, but you cannot support my claim to paternity.」「宣言が今日で最後でないなら I can, as long as today's announcement is not your last.」「もう私の子供がいないことは確かめてあるBelieve me. I have done what I can to make certain there are no more little Borgias running about.」「 外にはね ここは?Out there, maybe. But in here?」「 まさかNo.」「 いるの 本当よ できたのYes. Yes. Yes. Yes, yes, yes, yes.」キスしまくるジュリア。茫然とする教皇。「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 」とは異なり全ての子供を嫡子宣言するなどある程度筋を通し改革の旗手たらんとした教皇が抵抗勢力と戦う話になっていて、え、正義の味方?と思ったらあっさり愛人を迎え入れている。欲には勝てず。第7話 策略 Maneuvers1493年3月。諸国との関係を安定させ勢力圏の拡大を謀るロドリーゴ。彼はローマを離れた宿敵ローヴェレがフランスに渡ると考え、ホアンに軍を率いてオスティアの要塞を攻めるよう命令する。一方、ロドリーゴに政略結婚を強いられてきたルクレツィアは、念願だった真の結婚を許されるのだが…。ナポリ王逝去の報せが。フランスのシャルル8世はナポリの統治権を狙いアルフォンゾ王子は戴冠式を望む。デッラ・ローヴェレ枢機卿がつっかかる。「だろうな 4人も子を持てば 娘はミラノ 息子はスペイン もう一人の息子もナポリ王室と婚姻 さらに一人は教皇領を求めるだろう 興味があるのはもはや司教区ではない 帝国の支配だろ」チェーザレ「神の意志より野心を優先する世俗の王のようだと教皇を責めるのか」教皇「新人は元気旺盛だな 教皇自らが裁定を下す」枢機卿「どのみちシャルルは進軍する 選べる道は教皇に従わせるか それとも敵になるかだ」ローヴェレを逮捕しようと進言するチェーザレだが教皇は頷かない。チェーザレ「貴方の命が危険なのは同じです 常時警護をつけてWe must surround you with Papal Guards at all times.」教皇「怯える人生は神の無い人生だTo live in fear is to live without God.」 3か月ひどい食事とセックスレスの日々を送るルクレツィア。ジョヴァンニは誰とも口をきいてはいけないと言われる。たまらなくなったルクレツィアは教皇に訴えると息巻くが教皇には思惑があった。首飾りをかざすがもうひっかからないルクレツィア。 国王の姪でホアンの妻のマリア・エンリケス・デ・ルナ姫が一人で教皇に会いに来る。ホアンの居所は知らないと言いチェーザレが連れに行く。教皇「力を振りかざすな」フランチェスコ「ホアンは教皇軍から大量の脱退者を出した」アレッサンドロのいる要塞を訪問してホアンの愚痴を言うチェーザレ。泣いているルクレツィアを見つけるスフォルツァ枢機卿。寝るのを禁じられていると打ち明けられても困った顔。「司祭として私は信じている。教会の考えでは結婚sの式典は夫と妻と神との神聖な結びつき。他にはいないAs a priest, I believe that in the eyes of Mother Church, the sacrament of marriage is a divine union between a man, his wife, the Lord, and no one else.」ルクレツィア「でもジョヴァンニが境遇をそんな風に思わなかったら?罰を恐れ情熱をなくしたBut what if Giovanni does not see the circumstances that way? Fear, retribution has clouded his ardor.」「結婚を護るために女がするのは夫が聞きたい言葉を言うことそれが真実でも嘘でもThen you must do what all women do to save their marriages. You must tell your husband what he wants to hear.Whether it be the truth, or not.」兄が要塞を立て直すのに金がいるとジュリアが色仕掛けで迫るがうんと言わず怒って出ていくジュリア。教皇「女は男を打ちのめす神の道具だ」教皇はホアンにオスティア攻撃を命じる。アレッサンドロに戦略を語るチェーザレ。アレッサンドロ・ファルネーゼ「君は戦略に長けてるYou are that well versed in the strategy of war?」チェーザレ「キリストではなく皇帝を学んだから苦しんだ キリストさえ“皇帝のものは皇帝に 神のものは神に”と しかし戦場に神の場所はない。I suffered at school, not because I did not study, but because I studied Ceaser instead of Christ. For even Jesus said, give unto Ceaser what is Ceaser's, and to God what is God's. But there is no place for God on the battlefield.」ローヴェレがフランスに出航。スフォルツァ枢機卿「忠誠というなら自身の誓いはどうだ 同盟の解消だ 信じられない」教皇「教皇に何を言う」「一族を愛してる 君と同じだ ルクレツィアとジョヴァンニを真の夫婦に とにかく私はフランス語がわかる スペイン語と同様に」やっと同衾を許されるルクレツィアとジョヴァンニ。しかしまさかの不発!ここはコメディ。「私は前の奥さんより魅力的でないの?」 アルボルノツの要塞修復を教皇に提言するチェーザレ。ルクレツィアにフェラーラ公の息子アルフォンゾ・デステが声をかける。 教皇のもとに貧しい女が現れ夫がファルネーゼの襲撃を請け負ったのに金を貰っていないと衝撃の告白を。オルシーノ・オルシーニが黒幕だと告白。オルシーノ・オルシーニ「母上 私はもうだめだ」「逃がしてくれる (ルクレツィアに)誰にも言わないで」新長官になったホアンにブラチャーノの要塞を攻めるよう命じる教皇。フランチェスコは無謀だと諫める。教皇「功利と復讐の両方が手に入る貴重な機会だThis is one of those rare moments when expediency and vengeance go comfortably in hand.」ホアンに攻撃を命じる教皇。ところが副官の諫めも聞かずホアンは力攻めを強行する。 要塞を視察した教皇は満足げ。チェーザレに「オルビエートを統治しろ」と言いアレッサンドロを怒らせてしまう。チェーザレ「我々は対等だ」アレッサンドロ「心ないことを言うな」副官は死にホアンは単独で逃亡する。教皇「オルシーノは?」ホアン「逃げてる」ホアンをぶって「お前は司令官も息子も失格だ」チェーザレに向って「ホアンに家長を継がせたい 行け メディチとグリマー二に連絡を取り支援に行かせろ サンタンジェロ城に堀をめぐらせろ まずオルシーニの攻撃に備える そして宴会を開く」アルフォンゾ・デステ「結婚生活はどう?教皇の願いをかなえて満足?」ルクレツィアに言い寄る男は皆美男だな。ホアン「父は私をのろま扱いだ チェーザレと並んでやる」宴会の席でアルフォンゾ・デステとジョヴァンニが喧嘩になる。ジュリア「あなたの窮地に何人が忠誠を示す?」兄に統治させようとするジュリア。ホアンが妻の妊娠を告げ宴会はいいムードに。統治をおろされてチェーザレは不満そうだ。教皇「ローヴェレは私の死と地位を望む」チェーザレ「自分の手を汚さずフランスに殺させる」「私はずっと余所者のままだ 言葉も歴史も学びイタリア人以上に懇意にした 無法地帯に秩序をもたらした 子供に食べ物を与えた だが今も嫌われるカタロニア人だ」「しかし父上には人々に偏見が誤りだと諭す機会がある」「どこでも余所者は嫌われる 羨みはしない なぜか お前だ お前とホアンとルクレツィアとホフレは私の4つの王国だ 4つの最高の宝 4人の本当の味方 お前を評価している 分かるか?私が選んだ司祭への道を嫌うが 私はホアンをひいきしてはいない 司祭にするのは彼より高みに行かせたいから」法皇冠を被るよう言う教皇。「いつの日かお前は教皇の座を継ぐ 私はアルフォンゾ殿下の主張を支持する ナポリに行け 私の代理で冠を授けろ バレンシア大司教だ お前が儀式を行えば私が彼を承認したことになる」「なぜシャルル8世を選ばないのですか」「検討すると言ったのは時間稼ぎだ 彼の戴冠は正しい行いだ」「行ってきます 戴冠式とホアンの婚礼に 仲良くやってくれ」 アドリアーナは自分の立場を切々とルクレツィアに訴える「今なすべきことは息子を救うことなの」「私の従妹 私の知っていることは聴かないし話さない 夫やアルフォンゾ 他の男の人と一緒にいても口は出さないで」「ごめんなさい 言ったでしょ 神の言葉を話す聖下に仕えてる」にっこり笑うルクレツィア。教皇とジュリアのセックスの最中に動じず入って来るルクレツィア。「オルシーノとアドリアーナの情報よ」ローマから送られるアドリアーナ。「死んだ方がまし」チェーザレ「お前が王子か」ホアン「お前は教皇のごとく結婚式を仕切った」誰もいなくなった廊下で王冠を被り恍惚とするチェーザレ。送られていくアドリアーナを見送るルクレツィア。その隣にアルフォンゾ・デステ。オルシーノの元へホアンの刺客が向かう。「ボルジアが地獄で暮らせと」教皇「わが息子」褒められて嬉しそうなホアン。ジュリア ・ファルネーゼ「私達から彼は消えたOrsino's gone - out of our life.」教皇「そうだなYes.」「嬉しくない? You're not pleased...」「教皇の名のもと人が死に家族は散り散りに 邪魔する者は消えていく だが今我々の扉まで流れた血が広がる この報復という行為 こうした殺人は全てを変えるIn our name men have died in battle. Families have been torn asunder. Those who stood in our way have been silenced. But now the spilled blood has spread under our very own door. This one act of retribution is... murder. Changes everything.」 枢機卿になりたてでデッラ・ローヴェレ枢機卿に歯向かったり教皇に警護を、と意気盛んな新任ボルジア枢機卿。武人としての才能の片鱗が認められるが友人アレッサンドロの嫉妬を買う。「恐ろしい世界とはlive without God神のいない世界だ」と警護の申し出を断る教皇。 実質的な結婚を望んでいたのにいざ実行すると期待外れのルクレツィアの夫。夫以外の男性との付き合いを実現させたいルクレツィア、兄を有利な立場に置こうとするジュリア。息子を護ろうとするアドリアーナ。女たちの策略のうちいくつかは功を奏しいくつかは破れる。 イタリア人よりもイタリア人らしくと勤めても余所者として迫害された過去を最も信頼できる息子に明かし優れた息子の方に教皇を継がせたいと三重冠をチェーザレに被せるも後に誰もいない廊下で王冠を被った時の方が嬉しそうなチェーザレ。『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 』の教皇様は嬉々として復讐に励むが本編の教皇は「報復という行為 こうした殺人は全てを変えるThis one act of retribution is... murder. Changes everything.」と復讐の連鎖が広がることを恐れむしろ報復に懐疑的。第8話 終末への序幕 Prelude to an Apocalypse1493年4月。法王(教皇)庁の華やかさとは裏腹にローマの情勢は惨憺たるものになっていた。フランスのシャルル8世の大軍がイタリアの目前へと迫り、有力者は次々とフランス側の味方につくことに。窮地に立たされたロドリーゴはシャルル8世のローマ入りに備え、ホアンに命令し兵を揃えさせるが。ホアン「ローマは私が守る 誰があなたに忠誠を誓う?失敗から学びました」教皇はホアンにローマを護ることを許す。ああまた…みたいな顔をするチェーザレ。チェーザレ「兄と同じように祈りながら戦えます」教皇「二人とも失ったらどうする」ジュリアはルクレツィアの侍女にスパイを命じる。「欲しがるものを与えればいい 感情のままに父や兄に歯向かうように仕向けて」ルクレツィアは侍女に好意を示す。「聞いてもいい?心の奥にある闇のような秘密をあなたに打ち明けられるのかしら?」オルシーノ枢機卿「強い軍隊が頼りだ 共に戦うからには指揮官は本物の兵士にしてくれ わがままで無鉄砲な息子は断る」教皇「ホアンに良識ある行動を取らせろ だが助言だけだ 争うな」傭兵隊長は全て辞めてしまう。「長官のために戦えないと 誰が教皇だろうが俺達には関係ない」ホアンは去った二人を仮面の男に追わせる。チェーザレが仮面の男を見ている「アガピト 兄に仕えてる仮面の男について知ってるか?」「仮面に至るまで誰も知らない 噂話だけです」「家族の問題に介入させたくない」アルフォンゾ・デステも去るとルクレツィアに告げる。ルクレツィア「これは愚かな権力闘争よ あなたが戦場に出るというの?あなたが戦場に出ると思うと心配でたまらない あなたの勇気を分けて」ホアン「卑劣で臆病な枢機卿が私を責めるのか」ホアンは教皇に「もっと使える軍に立て直す 針や糸ではなく武器を使える兵士を」「私は戦わない 助言だけです」「兄弟は協力すべきだ」ルクレツィアは教皇に直談判「離婚したい 空しい日々はいや」教皇「夫に夫婦関係を求めずに離婚だと?熱烈さと無礼は紙一重だ」「ジョヴァンニをペーザロに返して」「スフォルツァ家は必要だ」「ミラノがフランスについても?」「私に外交の講義をするつもりか?それとも私を手玉に取る気か?だが私の方が長けてるDo not dare to lecture me on diplomacy, little girl. Or seek to confuse me with manipulation. I am the master of both. 離婚は許さん」負けた村の民が教皇の所にやってきて窮状を訴える。「ラパロの惨事が世に伝わるから私を生かした」ドイツの傭兵に演説するがやはりホアンには人望がない。金貨をざらざら…と落として兵士の士気をたちまち上げてしまうチェーザレ。やはり武将の器なのだ。ルクレツィアは愚痴をこぼす「半人前の男と暮らして愛している男は遠くにいる」マリア「私たちのような家柄の女に愛は贅沢」「私に幸運が訪れない限りジョヴァンニは死なない」教皇「フランスは教皇の特使を退けるのか ローヴェレより悪い」「教皇は神の代理人だ」大使を威嚇する。「スペイン王にはフランスの侵略で姪のマリアが危険だ」ジェム王子に戦略を説明するチェーザレ。ジェム王子「コロンナ家が破門されるとか」「素晴らしいが破門は象徴的なものだ 効果はあるのか?」ジュリア・ファルネーゼ「彼女が夫の死を願った?侍女として彼女の願いをかなえてあげなさい」ためらう侍女に「務めを拒めばでぃえら…出る手増え碁生きの船に荷物扱いで載せる If you do not find yourself up to the tasks, then by morning you will find yourself in the cargo hold of a ship bound for Tierra del Fuego.」マリア「仰せの通りに致しますLady, I will do as you command.」「 いいわ ヒ素を知ってる?アーモンド臭がするのGood. Now, um, have you ever heard of arsenic. Smells like almonds.」宴会で酔っ払うホアン。いまいましげに見ているチェーザレ。ルクレツィアを薬屋に連れていくルクレツィア。何を買うか知ったルクレツィアは「正気なの?」驚くが結局クスリを受け取る。「いただくわ」アレッサンドロを教皇の名で呼び出して謝罪するチェーザレ。「ピエロ・デ・メディチは留まる ロレンツォの息子だから」一人でローマにやって来るジョヴァンニ・デ・メディチ「父の像は壊された」受け入れる教皇。チェーザレ「祈りを唱えてる場合じゃない 私は教皇軍を立て直したが戦うのはホアンだ」ジョヴァンニ・デ・メディチ「君は兵でなく枢機卿だ 教皇の名のもとに我々は戦う 信仰は力だYou're a Cardinal, not a soldier. Remember, we fight in the name of our Lord. Faith is a powerful...」チェーザレ 「信仰?我々が虐殺されたら信仰など無益だ 信仰は勝者が得る報酬だFaith? What good is faith if we are massacred? Faith is a benefit bequeathed to the conqueror.」「神への冒涜だ」「信仰は強力な武器だ」ジェム「二度とイスタンブールに戻れないなら私は毒を飲む」そこへ教皇がやってきてチェーザレに残酷な命を下す。「戦いを仕掛けるのですか?」「違う コロンナとの和平には代償が必要だ お前の自由」「憎きコロンナの奴隷に?いやです 行きません」「教皇として命じる だが父としては背いて欲しい」アレッサンドロがチェーザレを抱きしめる「ローマは待ってる 美しい女性のように君を待つ」教皇をじっと見つめるチェーザレ。「仰せの通りに」「お前の犠牲のおかげで平和が戻って来る」ルクレツィアとヴァノッツァが教皇のもとへルクレツィア「コロンナの拷問を受け死ぬかもしれないのよ!」「ロドリーゴ 状況は察してる でもあの子は私達の息子 歩く前からあなたの法衣を握った 愛してるのはホアンとジュリア 失敗するとわかっていてもホアンを長官にした あなたの伯父のやり方と同じ」「既にチェーザレは発った 命は保証される」「嘘つきと人殺しよ」「ローマに危機が迫っている 嵐の中でも倒れたりしないがお前たちが頼りだ 既に二人なくしてる チェーザレの命は私の命より大切だ だが彼はボルジアとして自ら行った 最善の策だとわかってくれた」「私たちの人生をもてあそんでる チェーザレを案じても魂は死んでいるHow you enjoy playing games with our lives. Your heart may care about Cesare, but your soul is dead.」ルクレツィアをひっぱたく教皇「魂はローマに 街を救うためなら娘だって差し出すMy soul is Rome, and we will make any sacrifice, even our daughter, to save this city!」たまらず出ていくルクレツィア。振り返るヴァノッツァ。「殴るつもりは」「私がチェーザレを取り戻す ようやく無能な夫が役に立つ」ジョヴァンニに頼むルクレツィア「あなたの従兄が仕組んだの 飛鳥―ニオに交渉して兄を救って」着くなり目の前で愛馬を殺され裸にされ牢に入れられるチェーザレ。そして心も体もずたずたに。「私は何をした?」「必要なことを」ジュリアにも逃げるよう言う教皇。 失敗したと知っていよいよクスリを使って夫を毒殺しようとするルクレツィア。じっと夫を見つめている瞳は冷酷だ。ルクレツィアがジョヴァンニに「この命さえも捧げよう 君が望むなら本望だ」「ローマと私のために命をDie for Rome, and you die for me.」 ジュリアもフランス軍の捕虜になる。怒り出す教皇「これはゲームか?よかろう」スフォルツァ枢機卿「色欲が冷静な判断を狂わせる」かわりにフランス大使を監禁する教皇。「ホアン 期待に応えろ」ドイツの傭兵たちはチェーザレが人質に取られたと聞いてホアンを見限る。「父に何と言おう」街を歩くジェム王子は逃げ惑う人達を見る。解放されたジュリアがやって来る。「将軍に女王なみの歓待を受けた」「コロンナとボルジアを結ぶ?無理だ」ご満悦のマルコアントニオ。「今でも時々指があるような感覚になる」カタロニアの犬呼ばわりしてチェーザレに乱暴するマルコアントニオ。なんて回だ。『ボルジア家愛と欲望の教皇一族』と異なり戦闘シーンがないのでフランス軍の動きは会話でのみ伝えられる。部下掌握能力も戦略も人望がなく無能な兄より上なのに人質として差し出されるチェーザレの受難回。 表面はいい友達の振りをしながらルクレツィアの動向を探り父や兄と不和にさせようと企んだりスパイを侍女として送り込む悪女ジュリア・ファルネーゼ。彼女の策略に載せられて一度は夫を毒殺しようと企むルクレツィアだがジュリア―ノの善人っぷりが自身を救う。第9話 ローマ侵略 The Invasion of Rome1943年5月。フランス軍によるローマの陥落は時間の問題だった。そんな中、愛人ジュリアが子供を出産しロドリーゴは歓喜する。一方、取引により宿敵マルコアントニオ・コロンナに囚われたチェーザレは地獄のような日々を送っていた。無事に帰還した彼にロドリーゴは、ある重要な任務を告げる。『ボルジア家愛と欲望の教皇一族』とは異なり本作の教皇聖下はバチカンを出てサンタンジェロ城に避難。アレッサンドロ・ファルネーゼ「もはや戦いは無法状態 霊廟として建てられたサンタンジェロが避難所 フランスが来れば墓場になるかも 数日か数時間かYes, but the rules of war no longer rule. Hadrian built Castel Sant'Angelo as a mausoleum, not a shelter for Roman refugees. When the French army arrives, I fear this fort will be used as a tomb once more. Within days, hours even.」教皇「勇気を出せStay brave, Eminence.」「ナポリ軍は勇気ある兵でしたが今はローマ北部で屍に 王は退位させられたWith all due respect, Holiness, the army of Naples was filled with brave men, who now lie putrefying on the fields north of Rome. And their king has abdicated, fled to Gaeta.」ジュリアは出産の真っ最中。「聖下 枢機卿団は分裂しています チェーザレは囚われメディチは隠れ コロンナ オルシーニたちはフランスに ローヴェレは教皇の座を狙う」カラファ枢機卿「ダニエル書のように壁の言葉を読み取らねば」「我々は君の国を守ろうとしているのに」オルシーニ枢機卿「では聞く ローマ長官はどこだ ドイツ人が脱走したら消えた まるで泡だWhere is the Prefect of Rome? No one has seen Juan Borgia since the Germans deserted. He is like a bubble. Bloated, then Pop. Gone.」「手厳しいな 息子の行方は知らん」女の子が生まれる。「心配ない シャルル8世と折り合う」「聖下は何を差し出すつもりだ 攻撃の必要がなければ話し合うはず」「話しあう?ラパロの住民はシャルルに虐殺された」「ラパロはローマとは違う 彼が王位を要求してナポリに向かう時ローマの通過を許可する 代わりにチェーザレの早急な解放を求める」その時教皇に女児出産の報せが。「娘は長生きする 他国に支配されないローマで」「少し年上なだけなのに望みを全て叶えてる 私の願望はかなわないのに 愛する男は戦争に行き私は愛のない結婚を強いられる」マリア「不正な結婚より辛いわね」「不正?」「不在ね 不在の結婚」扉が開く。マルコアントニオ・コロンナ「お前のせいで戦況が動いた 枢機卿でなく農民の服だ風呂の時間もない 悪いなThe vagaries of war have swung in your favor. Your cardinal's robes were destroyed. Here are peasant's clothes. Now, there's no time for you to bathe. Triple apologies.」チェーザレ「また会う あと一度だけWe shall meet once more. But only once.」不敵に笑うチェーザレ。ちょっとぞっとするマルコアントニオ。チェーザレが解放されたと聞いた教皇「簡単すぎる 私は木馬にトロイの門を開けたプリアモス王になった気分だ」ローマにもどってきたチェーザレ。出産直後のジュリアに迫って「痛い!」と怒られる教皇。あんたって人は。「すまない 私は…」手についた血を一瞬見る教皇。ローマに大砲が運び入れられる。チェーザレを見つけた式部官ブルカルド「危険です 家族のいるサンタンジェロ城に 私は妻と子供のいる家に行く」街の女とセックスしたあと泣き出す教皇。「好きなだけ泣いて でも金は払って」シャルル8世と並んでローヴェレ枢機卿がローマに入る。援軍が来ないと知って怒り出す教皇「ローマはフランスに占領され君はつまらん話を持ち込む」アレッサンドロ・ファルネーゼのいる要塞に向かうチェーザレ。チェーザレ「近くで見ろ 本当に見てるか これで父の元に戻れるか」アレッサンドロ「王子の肖像画のように変身する」シャルル8世の軍の司令官イヴ・ダルグレがやって来る。「前と変わらず母性が花咲いている 彼女をもてなせて光栄でした シャルル8世はサン・マルコ宮殿に聖下と同行を」「ここで迎えると言ったはずだ こちらの指示は聞いたな」彼が去って「彼はお前に夢中だな 幾番捕虜でいた」「嫉妬に無駄な力を使わないで 女の心は未来をのぞき見ている フランスがあなたを追放したら私とラウラは?」「追放はない」チェーザレを見て驚くルクレツィア。「ホアンは?」教皇「秘密の任務だ」「簡単に私は城へ入れた それが心配です」「城の防御は任せる コロンナの待遇はどうだった 枢機卿にふさわしいか?」「想像できますか 食事は一日一度だけ 砂糖がけのラザニア」「命令は簡単だ 勤務中は酒を飲むな」その夜兵士を殴るチェーザレ。ヴァノッツァもブリソネ司教の息子ジャンに襲われる。「あんたは教皇の女だった 試させろよ」「墓が次々と彫られていく お前は王に兵を制止するように求めろ」「この任務は猊下に重すぎます」ルクレツィアを呼び出す教皇「お前の願いを聞き入れジョヴァンニとの離婚を決めた」アレッサンドロ・ファルネーゼ「離婚するには次のどちらかの理由が必要だ 夫の性的不能 妻の不貞」「夫は性的不能者よ 私は浮気してない すごく嬉しいわ ありがとう」ヴァノッツァがルクレツィアの所にやって来る。そこへチェーザレが。チェーザレ「フランスから逃れて…」チェーザレに「辛い時人は安心を求めるの」「男が怖いのは当然です でも私はあなたの子供 あなたがしてくれたように私にも慰めさせて 苦しみが分かる」そこら中に斃れたり殴られたりしている兵士。ジョヴァンニがルクレツィアの所へ「愛しい人」顔をそむけるルクレツィア。「これは?」「無効の宣告」「婚姻が無効に?同意しないと聖下に伝えてくれ」アレッサンドロ「では正式に審問を行う 性的不能だ」「あなたの問題よ あなたは失敗した 愛にも戦争にも男としても ボルジアにも私の心にも居場所はない」右手をぶらぶらさせてるシャルル8世「私がローマ教皇を求めたら非嫡出子の息子が来た おまけに隠れユダヤ教徒 ボルジア枢機卿 噂とは違う印象だ なぜ教皇が自ら来ない」「通りは剣と血で溢れています 教皇は神に選ばれた統治者にローマに敬意を払って欲しいと 暴力行為の停止を要求します」「要求する?He demands?」笑い出すシャルル。「アレクサンデル6世の退位の会議を求める」口々に叫び出す枢機卿。チェ―ザレ「救世主は堕落したパリサイ人に同じように非難された」ローヴェレ枢機卿「関係ない 王冠はいばらの冠ではありません ロドリーゴはキリストを学ばない」「ローヴェレ あなたも 陛下はイングランドと協定をかわされました ヘンリー7世は何というか 神が全ての人々を委ねた人をアンヌ王妃は何て言われるか」「私の妻か 敬虔な信者だ “私はブルターニュ女公 チューダー朝とも結婚できた 最高の女王があなたに命ずる 王ではなく何よりも聖下の尊厳を守りなさい 守らなければ二度とベッドを共にしない”妻を喜ばせたくてたまらない 狂おしいほどに イタリアを救うつもりはなかったが 気が変わった 神のものは神に 追加の条件があある 一つ聖下自身が私を訪ねること 2つサンタンジェロ城は私の管理下に置く 3つジェム王子は今から私の捕虜だ」教皇「この城を渡せば城はローヴェレに与えられ私は川に浮かぶ 退位ではなく死だWe cannot give up this fortress. Charles would hand Sant'Angelo over to della Rovere and soon my body would be floating in the Tiber, decomposed instead of deposed.」チェーザレ「拒んでも奪われる フランスの大砲は破壊力がある」フランチェスコ「王の一番の狙いはジェムです」教皇「戦争中だ 守れないこともある あの下種が私の寝床に 向こうから来い いいな」フランチェスコ「目と鼻の先にいればどちらかが折れないと」チェーザレが妥協案を提案。シャルル8世「カタロニア人の足に口づけなどできん」「これで全てが同等です あとは王が誘う」シャルルが話しかける「ブリソネを司教職に 彼は熱望している」ジョヴァンニとルクレツィアの結婚無効の話し合いも泥沼化。ジョヴァンニ・スフォルツァ「もう一度試させてくれ 金はいいが性的不能は国中の笑い者だAllow me to try once more. The ducats are not what matter, but rather my reputation. Impotence! The whole of Italy will ridicule me.」ルクレツィア「密通を試せるわWe could try to fornicate again.」「 Yes?えっ?」アレッサンドロ「忠告を聞いてくれ 今は自分を守る時だ」「最初の妻はお産で死んだんだ!」チェーザレ「病気を装うことで彼への嫌悪を示した」教皇「牛耳るのではなく牛耳る」ブリソネを司教に任じる教皇。息子ジャンを捕らえたチェーザレ「母親はいるか 理由はわかるな」彼を刺すチェーザレ。こそこそと鎧を抱えて戻ってきたホアン。「戻った報せはなかった」「お互い様だろ」「私は強力なドイツ軍部隊を作った」「ごろつきだ」「だがお前が無能で彼らを失った」「私は家族を守るため自由を捧げた お前は逃げ出し酒を飲み震えてた」「くたばれ 一族の物笑いのくせに 来いよ 真のボルジアは私だ」「今夜人を殺した まだ血の匂いが」教皇が止めに入る。「争う時ではない ホアン来なさい」ひっぱたこうとするが止める。「息子を亡くしたかと思った」抱きしめる教皇フランチェスコ「父親の愛は素晴らしい」アルフォンゾに出す手紙をスパイとも知らず侍女に代筆させ送るよう命じるルクレツィア。手紙はジュリアのもとへ。なかなか出てこないシャルル8世「道に迷ったか ローヴェレ枢機卿がいても?」教皇「あなたにはキリスト教王の称号を与えよう」「我々の選んだ者が行く」「あなたが同行できないなら信頼できる者を チェーザレ」「同行します」人質でなく教皇特使としてチェーザレを行かせると名言する教皇。ルクレツィア、ヴァノッツァ、アレッサンドロにチェーザレを行かせないよう教皇を説得してくれと頼まれたジュリアだがやったことは逆だった。ジェム「あなたは私だけでなく自分の息子も裏切った」「来た時からわかってた 私は幽霊のような存在 だがチェーザレは違う 息子を敵に渡すくらいなら1000回でも死ぬ」教皇「息子はどこに?」「チェーザレを息子とは思わないのか」「永遠に私の息子だ」「息子?父上はルクレツィアとラウラの二人の娘と暮らしてる 弟がマリノから帰って3人に」「何だって?本当か」ホアンに殴りかかるチェーザレ「やわらかい女の髪だ 初めて気づいたよ 興奮してるな わかるぞ」「骨を折った」「当然だ 立ちなさい 弟の不幸を誰にも話すな いいな」「父上 私はあらゆる力で戦いました」「お前の父として教皇としてその時が来たら復讐してやる」教皇「心が痛む」ジュリア「悩まないで 正しい行いなの」「どうだ 私は教皇を味方につけた 特使 私のそばに」ホアン「お詫びします 昨夜の行いです」スペイン大使に怒る教皇「フェルディナンドよりシャルルの方が権力がある シスネロスが自信喪失している?腐らせておけ 意欲のない人間を?なぜそこまで?そんな話は前代未聞だ」教皇「諸君 我々は集い旅立っていく ファルネーゼ 今日シエナに発て コロンナはフェラーラ オルシーニはベネツィア リーリオ・サンソーニはフィレンツェ イタリアを救うために再び団結すべきだと首長や商人や聖職者に話せ スペイン王も加わる 神聖ローマ皇帝も 我々は神聖同盟を結成しフランスを倒しローヴェレを屈服させる コンスタンティヌス1世 カール5世 ロンギヌスの槍は保有者に勝利を与えるWe have come together, my brothers, only to part. Farnese, you will leave today for Siena. Colonna, for Ferrara. Orsini, for Venice. Riario-Sansoni, to Florence. You will convince the dukes and doges, the merchants and the clergy in each city, that we must, once again, come together to save Italy. The King of Spain will join us. So, we are certain, will the Emperor. We shall forge a Holy League which will decimate the French and bring della Rovere to his knees.As with Constantine, Justinian and Charlemagne, the Lance of Longinus bestows victory upon its keeper.」ヨハン「 教皇万歳!All hail Pope Alexander!」解放され農民の服を与えられたチェーザレが自分に乱暴したマルコアントニオに「また会う あと一度だけ」とにやっと笑いながら言う場面に戦慄。何かを吹っ切った酷薄なマキャベリストチェーザレ誕生。出産直後の愛人に手を出して叱られ街の女のもとで泣く教皇。フランス王の所に教皇が出向くのかその逆かという政治的な駆け引きが繰り広げられる一方でルクレツィアのジョヴァンニ・スフォルツァとの離婚に向けた下世話な話し合いが並行して語られる。「ボルジアにも私の心にも居場所はない」と言われ不憫なジョヴァンニ。人質に差し出されるジェム王子が教皇にした質問「息子が可愛くないのか」から暴かれるチェーザレの過酷な人質生活。ジョヴァンニ・スフォルツァとチェーザレ・ボルジア二人が男としてのプライドをずたずたにされる回。教皇がロンギヌスの槍で反撃の狼煙をあげる第10話 奇跡 Miracles1493年6月。駆け引きの末、ローマを撤退したフランスのシャルル8世は、事実上の捕虜としたチェーザレとジェームを連れてナポリに向かった。しかしその道中、チェーザレは野営テントを爆発させ逃亡する。その頃ローマでは、ホアンの妻マリアが夫の浮気と暴力により追いつめられていた。雨のフランス軍陣営。ジェムとチェーザレはチェスをしている。ジェム王子「君の負けだ トルコ人はチェスの達人だYou're in peril, Cesare. We Turks are masters of chess.」チェーザレ「奇蹟の達人だろYou mean masters of the sneak attack.」「いつになったらナポリに着くHow much longer 'til we move on, 'til we reach Naples?」「この雨だ 時間がかかるWith this weather? Quite a while.」「故郷と違い湿ってる 寒いIstanbul is never so damp. The chill...」侍従「シャルル8世King Charles.」 ジェム王子「なぜ陛下自らがおいでに?Majesty, to what do we owe the honor?」フランス王シャルル8世「私が自分で知らせに来るべきだと思った 手紙を渡す 王子 君の息子が死んだ お悔みを言うI come bearing a dispatch, which I feel compelled to deliver in person. Shahzadeh, your son is dead. My condolences.」ジェム「私の息子 私の兄が殺したMy son, murdered by my brother.兄は私の息子の首を切った わずか2歳だったのにMy son Murdered by my brother. Bajazet cut off my boy's head. Oguzhan was only two years old.」チェーザレ「神アッラーは君の息子を慈しんでいたのを知るGod, Allah, he will see that your son is nurtured and treasured.」ジェム王子「子供を殺す奴は人でなしだA man who kills a child is no man!」泣き出す。ラウラの代父にと呼ばれたマクシミリアン皇帝の甥フェルディナンド王子。まだ子供だ。フランチェスコ「王子!教えた通りやりなさい!」教皇「大きな声で話さないと聞こえないぞ」フェルディナンド王子「軍隊はアルプスにいてもうすぐ着く 本当ですそう言ってました 今すぐ帰りたい」ホアン「マジパンは好きかな?」子供には優しいホアン。教皇「支援はなくても彼の動きにベネチアは動揺する 味方にならないならゴンドラでなくドイツの船で溢れる」離婚以来初めてアルフォンゾから手紙が来て浮かれるルクレツィア。マリア「踊る気分じゃない」「なぜだめなの?」「これ見て」マリアの体にはあちこちにあざが「お兄様の仕業よ 私の夫 私は残虐な怪物と下劣な街に囚われてる」「服を着て 手を貸して」「私の事をホアンが殴るから流産するんじゃないかと心配で」フランス王の陣営。やはり長雨。咳こむようになったジェムジェム「兄と戦うのは何のためだ 肩書か 王権か 父の死後も私は必死に示そうとした 統治するのは私で父のお気に入りの兄ではない 答えてくれ 私の野心は正しかったか」スープを吐き出すジェム「何を飲ませるつもりなんだ」「咳にきくスープです」呑ませようとするチェーザレ「二人で逃げ出すだけの体力をつけておけ」ホアン「私を遅刻させたいのか」マリア「ごめんなさい 早く歩けないの」二人の様子を見ているルクレツィア。ジュリア「ルクレツィアの計画がうまくいくように動けばいいの 彼女が何にでも口出しすればいい ホアンが妹の仕業と知ったら激怒するでしょう あなたが彼女を吊るしてはだめ」ラウラの洗礼式の間フェルディナンドはずっと泣きっぱなし。教皇「叔父の元へ返せ 泣き声を聞き続けるくらいなら退位する」ますます風邪がひどくなるジェム「フランスの医者はやぶだ」こっそりとマリアを逃がすルクレツィア「私の行いは正しい?」遂に血を吐くジェム「アッラーだ アッラーが呼んでる」チェーザレ「息子の復讐をしろ」「息子が見える」隙に乗じてチェーザレは脱出。その報せは教皇にも。フランチェスコ「シャルルに馬を送ったのは脱出用ですか」教皇「スペインが迎え撃ってくれれば」イヴ・ダルグレがやってきてチェーザレ逃亡を告げる。教皇「つまりローヴェレが戴冠式を行った」「約束を守ったのにあなたは破った」「我々が?」「スペインをけしかけた 息子を引き渡すか苦痛を味わうか」「誰もがボルジア枢機卿は健康だったと知っている 行方不明の彼を見つけたら元気な状態で彼を生かしておけ」「必ず見つけてあなたのジュリアと同じように歓待する 彼女には楽しませてもらった また楽しみが増える」顔色が変わる教皇。教皇「自由欲しさに寝たな 私に触るな 選択肢は二つだ すぐに永久に出ていくか自らの罪を糺せ」ジュリア「あなたもラウラも必要なの ロドリーゴ何でもするから」「私の前から消えろ」ロザリナはヤーケス郷と婚約中。そこへホアンが入って来る。「何の用?」「妻を知らないか?」「知らないわ」「お兄様を見るたび怖くなる」「前は尊敬してた」フランチェスコ「ダルグレがひどい不幸に見舞われたそうです 彼の部屋に何者かが侵入し睾丸を切断した」教皇「素晴らしい女だ」教皇の部屋に置かれていたものは…。「“全て正された ジュリア”」吐きそうになる教皇。オルビエートにやってくるチェーザレ。アレッサンドロと抱き合う。ルクレツィアの部屋にホアンがいた。「私の部屋で何をしてるの?」「お前のアルフォンゾの甘い文章を読んでる やつは私たちの敵だ」「家族の問題を話し合おう 座って 丁寧に頼んでる 座って チェーザレと遊んだ こんな風に どうした?子供の遊びだぞ デステが家族を裏切れと?妻を帰したな」「違う」「お供から聞いた」「私よりあの男を信じるの?」「妻にペニスをなめさせてたのにかわりにお前がなめろ 教皇はなめさせたか」「正気じゃない」「お前は変態だと噂だ 元夫のジョヴァンニだよ 向き合ってやるのか 後ろからか」「みんな信じてるの?あなたはどう?ジョヴァンニは私の名誉を傷つける 私達一族を傷つけ自分の欠陥を隠す あなたと同じね 変態ぶりは知ってるわ マリア・エンリケスが国に帰ればk真実は王に知れる 教皇はどうするかしら ボルジアにスペインの王位を その夢をあなたが台無しにした スペインはフランスに対する戦争からも撤退する」去るホアン。教皇「奇遇だな 3万のベネチア兵が共に戦うと スペインの軍隊がフランスを攻撃する そしてミラノまで味方に 公爵はフランスの敗北を確信し勝つ側につくわけだJust as 30,000 Venetian soldiers move in concert with King Ferdinand's army to attack the French by land and sea, you suddenly arrive to announce Milan's change of allegiance. The French must be finished, for Lord knows the Sforza only join the side which holds victory in its grasp.」スフォルツァ枢機卿「 我々はあなたと同じですHow are we any different than you, Holiness?」「ミラノを神聖同盟に歓迎する」アレッサンドロ「妹のコネで枢機卿の地位を得たからだ 私は醒めた目で見るが君は批判と捉える」チェーザレ「いつも君は正しいよ」ホアンとルクレツィアが残され教皇はオルビエートへ「弱いと残って強いと逃げるの?」「何でも“はい”と言え」「お前の言葉が響いた お前の愛を得るため努力する」ローヴェレ枢機卿「陛下にひざまずかないのか」シャルル8世「愛らしいな 父親はどこだ」ルクレツィア「知りません」「ここにいないならどこだ 教皇はどこにいる」「知りません」「女だって男と同じように推測する」ホアン「間違ってたら?」「お葬式で泣くわ 喜びか悲しみかわからないけど」教会にいるロザリナに笑いかけるホアン。ペルージャで死んだ赤子を生き返らせる修道女を見る教皇。しかし未来を問われると修道女は怯える。夜ロザリナがホアンの部屋へ。二人はいいムードに。ロザリナ・デッラ・ミランドラ「父に勘当された もう私は終わりよMy father has disowned me. I am dead, Lucrezia. I am dead.」ルクレツィア「いいえ 死ぬまで終わりではないNo, you stupid fool. You're not dead until you are dead.」「 どうしようWell, what should I do?.」「ヤーケス郷に単なる噂でまだ嘘だと言うの Tell Lord Jaches that this is rumor, tavern gossip. That you are still a virgin..」「ボルジア家は皆同じ嘘つきの集団You Borgia are all the same, a cabal of liars!.」「真実に苦しむの?Then suffer with your truth!」「 ロザリナ?Rosalina?」「 死ぬまで終われない"You are not dead until you are dead."」ロザリナは窓から身を投げる。「 Oh!」茫然とするルクレツィア。勝利を知って快哉を叫ぶ教皇。かわいいぞ。「彼を出し抜いた キリスト教王に教皇の勧告を アルプスに戻れ イタリアの平和を乱すな」チェーザレ「父上は不可能に見えたイタリア半島全土を団結させた」「神がなさった 我々は神の敬虔なしもべだ 感謝の祈りを」祈っているルクレツィアの所にアルフォンゾがローマにいるという報せが。何と病院にいるという。「どうしたの?首を斬られるの?」アルフォンゾ・デステ「水銀浴だよ 蒸気で毒を洗い流す 綺麗だね I am being fumigated in a mercury bath. Uh, You look beautiful.」ルクレツィア「顔どうしたの? What is that on your face?」「 梅毒に感染してしまったのでローマで最高の治療を受けてるI have contracted the Great Pox. That is why I am in Rome, for the best in medicinal treatments.」「フランス病なの?You have the French disease?」「フランス人はイタリア病という 本当は新世界からと聞いたFunny, the French call it the Italian disease. Uh, I'm told the pox actually came from the New World.」「 売春婦と寝ると感染すると聞いたわAnd I am told the pox is contracted by sleeping with whores.」「ルクレツィア 戦争で孤独だった」「私は寂しくて孤独だった」「でも君は女だから」「女でよかった」教皇「ローマは何度見ても初めてのようだ」「スペインの支援で自由が訪れた」教皇がホアンに「まだ追放する気はない 妻を呼べ この場にいるべきだ」ルクレツィア「修道院に入って神に仕えたい お父様が反対でも私の人生よ」「ホアンが正しい 後にしろ」「言いつけで何人もの豚と婚約した」「男は皆豚よ あなたも 父親なら私を護るべきよ」「守ってる 全力でお前や家族やローマも」「キリストの名で私を売春婦扱い チェーザレも」「娘はもう一人いる ラウラだ」ホアン「駄々っこだな」喜ぶ人々を眺めるチェーザレ。「奇蹟は祈る者だけに起きる?教皇の才覚でローマにいる ローマは自由 奇跡だ」ルクレツィア「保護を 逃げてきました 入れて下さい We beg sanctuary. We are running for our lives. Please, I beseech you, take us in.」コルンバ「誰からの保護を求めますかYou seek sanctuary? From whom?」「父からの From my father.」「父親から?Your father?」「教皇アレクサンデル6世ですPope Alexander VI, Supreme Pontiff of Holy Mother Church.」扉が開き中に入るルクレツィア。やけに“もてなし”を強調すると思ったらジュリアの解放には理由があった。「なしにするか去るか」という教皇の無茶ぶりに任侠っぽいやり方でしっかり応えたジュリア・ファルネーゼを姐さんと呼ぼう。フランス撤退を奇跡と喜ぶ民衆の中で「神ではな父が為した行為」と冷静に分析するチェーザレ。怖かった兄ホアンを出し抜いてDVに悩む妻を逃がし脅されても理屈で言い負かす。フランス王にも怖気づかないいつの間にかこんなに強い女性に成長していたルクレツィア。首飾りにつられたり自己評価が低かったルクレツィアも過酷な経験や最初の頼りない夫次の恋人の不実に傷つき遂に昔願っていた修道院行きを父に告げる。しかし互いの気持ちがすれ違った父から「娘はもう一人いる」と打ち捨てられてしまう。第11話 神の怪物 God's Monster1493年7月。スペインの支援により敗北したフランス軍がナポリから撤退。ロドリーゴは空位となったナポリ王にホアンを推すが、枢機卿たちに反発される。そんな中、信仰があっても報われないチェーザレはホアンから衝撃の告白を聞き、修道院に身を寄せていたルクレツィアは神の奇跡を目撃する。オリヴェイロ・カラーファ枢機卿「フランスが敗れ名ポロ王の座が空位に 聖下 国民にかわってお願いします 先の王の弟フェデリーゴ・ダラゴーナを王にSince the defeat of France, the kingdom of Naples has been without a sovereign. On behalf of my flock, I ask you, Holiness, to invest Federigo d'Aragona, brother of our late liege, with the crown.」教皇「フェデリーゴは善人だが統治者としての経験は乏しい 彼が王では不安だFederigo is a good man, but he has little experience in government. We fear more unrest if he rules.」「彼は提督だHe is an admiral.」ジュリア・ファルネーゼ「政治以外の話は?Must we talk politics?」教皇「 今はだめだYes, La Bella.」「では御婦人方は別の部屋で噂話をしましょうThen come, ladies, we shall adjourn to a more festive room and gossip...」「美形と噂のコルドバ将軍に会うのが楽しみ」チェーザレ「ダラゴーナは問題を起こした一族 王位を与えるべきか」教皇「トリカリーコの王子を推薦する 結婚によって一族と縁戚関係にもある」カラーファ枢機卿「悪くとらないでほしいがあなたはブラッチャーノで敗れ教皇軍からも見放された 国を統率するには力不足という証では?」ホアン「戦いで実力を証明すればナポリ王として歓迎するか?」「いいでしょう」シスター・ルチアの聖痕を見て驚くルクレツィア。娘を見る法皇「すべての娘は純潔のままでいるとする法を定めよう」ジュリア「私も娘だけど純潔のままでいさせる?」「いつも通りジュリアは例外だ」「私が彼女に会いに行けば落ち着く?」ジュリアが修道院を訪ねて来る。ジュリア「泥まみれの汚い道をようやく来たのに」ルクレツィア「純潔でいるために何かが必要だったの」「それが修道院?世間の現実から自分を隔離して真実がどこにあるの?」「宮殿でいた頃より神が近い ジュリア 天職を見つけた」「あなたが幸せなら私は幸せ」ルクレツィアと抱き合いながら後ろにいるパンティシリアを見つめるジュリア。ホアンはセックス中。「教皇は息子がユダヤ人と寝て何ていうかしら?」コルドバ将軍が来るのにホアンはいない。ウルビーノ公もやって来る。スペイン人はユダヤ人追放を強要する。教皇は美形のペドロを見てルクレツィアへの使者にしようと考える。教皇「公爵や伯爵でなく農民の息子がローマを救った」フランチェスコ「彼が救った?あの青年を使うのか」「神は神秘的だ 突然彼が現れた」ジュリア・ファルネーゼ「教皇はお兄様の判断を信頼しているのよ 大きな出世よ 良い勉強いも “他人の願望を知ることは弱みを知る手掛かりになる”Rodrigo sees you as uniquely qualified to make decisions in his name. A large step and good training. "Listening to the desires of others is the key to learning their weaknesses."」ジュリア「ルクレツィア」アレッサンドロ「哀れな子だ」「哀れ?誰もが満足なんてない 教会にいた方がいいと教皇に進言した」「お前にも」「 言葉は計算ずく 欲しいものを得るためI calculate my words, however false, to get what I want.彼女を訪ねた話をしたとき真実を話すのを忘れてた 幸せそうだった 彼は他の娘で満足すべきなの ラウラ」ペドロがルクレツィアを訪ねる。ルクレツィア「どんな伝言でも興味はない」ペドロ・カルデス「でも伝えるのが役目です」「私を恋しがってた?私を政治的陰謀に利用できずにね 人生をキリストに捧げるためにここに残る」「私は品位に欠け粗野ですみません」「修道女になる?あなたを解雇します。あの少年とバチカンに帰りなさい 出ていって」パンティシリアを解雇するルクレツィア。皇帝ネロの黄金宮殿ドムス・アウレアにやってくるホアンとチェーザレ。チェーザレ「彼はここに住まずバカ騒ぎを行っただけだ 何世紀も埋もれていたが」ホアン「我々に関係でも?」「ローマ帝国の栄光の日々に誘う この発見は素晴らしい前兆だ」「私がナポリ王に?」「なぜ将軍を避けた?ウルビーノ公を避けた?」「弟よ お前と和解したい 実力を証明せねば 将軍は自分の兵を私の教皇軍に入れるのを拒んだ」「王が即位を認めると思うのか」教皇「ローマが解放され聖堂の建設に着手できる 街も民も美を求めている」ホアンがやって来る。「ナポリの有力者とスペイン王にお前が適任だと納得させる」ホアン「私は多くの失敗を挽回しなければなりません ユダヤ人追放を」「だがユダヤ人は貿易の税をもたらしてくれる 税は惜しい」ホアンはユダヤ人に改宗させる案をジョヴァンニ・デ・メディチ枢機卿に持ちかける。ホアン「君と一族に栄光を取り戻す行いをしないか?洗礼だ 聖水をかければユダヤ教徒でなくなる 教皇の財を増やせる 洗礼を行う 君以外にいない」ジュリア「ロドリーゴは可愛い兵士を送った」パンティシリア「貞節な誓いではなく裕福な夫を求めてローマに 私は解雇された」「開拓地では娼婦を求めてる あなたを送るわ」「シスター・ルチアに感銘を受けているらしい」と教皇に話すペドロ。「もし本物だと分かれば?」「医師は指示通りの診断をする 事実よりも重要な真実がある 娘には友人が必要だ 娘の友人に」「兄は教皇から告解を命じられた 彼をからかう」チェーザレはホアンの告解を聞くとアレッサンドロに告げる。チェーザレ「彼は王になれば悪事をやめるか?」アレッサンドロ「やめない 絶対に」「では私が彼の悪事を聞いても同じだ」アレッサンドロ「流行なのか?」「ドムス・アウレアの発見でネロが人気だ」ヤコポ師が相手だと思って告解を始めるホアン。「自分本位な行いをしたことがあるな」「いいえ ヤコポ師 実は 長い間罪を抱えてる 命に係わる罪 その秘密は私を悩ませる」「罪を告白なさい 罪の牢獄から心を放つ」「神聖な告白は沈黙が守られるのは確かだな 魂の死にかけて?」「ペドロ・ルイスを殺した イスラム教徒の仕業に見せかけ雇った暗殺者を殺害 どうだ 衝撃的だろう 神の気分を害した 二度と兄弟殺しはしない ヤコポ師?」「許された」「贖いは?」「父に話すこと」「だめだ」「では神の愛はない」扉を開けてホアンはチェーザレを見つける。「とうに気づいてた 声でばれた 私の方が上手だ」「殺人者めMurderer」「私がナポリ王になったら訪ねてこい 司祭」パンティシリアはヴァノッツァを訪ねて来る。「修道院にいます 娼婦になりたくない」そこにチェーザレも。「娘は修道院に?初耳だわ」「父が言うなと ボルジア家は秘密だらけ ペドロ・ルイスはホアンに殺された」「まさか 嘘よ」「彼が認めた 直接聞いた」「冗談だわ」「違うよ ママ」「確かめなさい」「真実なら?」「ホアンに死を」ホアンがマスクの男に命じる。「弟に命を狙われるかもしれない 彼を殺せ ローマのためだ」ヴァノッツァ「ルクレツィアに会わせてもらえなかった」ジュリア「ロドリーゴが自分の使い以外会わせるなと 彼は本当に愛した女は二人だけといった 私とルクレツィア 平穏を得たと言ってもだめ 彼に会い彼女の決心を認めさせて」「それは自分のためね あなたは怖い女ね」「あなたを欺こうなんて私も愚かだった」「私もあなたに倣うわ また敵同士 パンティシリアを雇うわ 給料は払ってね」「ご自由にどうぞ」マスクの男がチェーザレを訪ねて来る。「ご安心を あなたを殺せと」「なぜ私に打ち明ける」「忠誠は善良な者に払われるもの Loyalty is a price paid not to the highest bidder, but the better man.私の命を捧げる」「もう一度 なぜだ」「仮面越しに見えた あなたは君臨する人だ」「私に仕えるならペドロ・ルイス暗殺の真相を暴け」「真実はいつか明らかになるもの」教皇はウルビーノ公への謝罪を命じる。ホアン「他人の失敗に金を払う?」教皇「教皇職を狙う者やフランス軍をあと一歩で一掃できる 将軍の支持なしにお前はナポリ王になれん」ホアン「作戦は失敗し あなたは捕らえられた だが私は解放できずに 悪かった」ウルビーノ公「私は教皇に仕えると誓いました」ヴァノッツァ「娘が修道院にいる」教皇「母親似で衝動的」「昏睡状態から醒めた時天職の話をした」「選ぶ権利はない」「娘は私でもあなたでもない」「子供じみた犯行だ」「話をさせて」「計画が失敗したら母親らしいキスで迎えろ」「あなたは神ではない」ホアンの相手をしていた娼婦は教会でユダヤの教えを唱えホアンに放り出される。マルコアントニオ・コロンナが囚われてくる。一方スペインからマリアが死んだと知らせが入り起こったホアンは修道院のルクレツィアを訪ねて来る。双子の子供は無事だと言う。ルクレツィア「私は導きを求めてます あなたから 修道院に呼ばれる夢を見た 私は嘘をついて殺人をもくろんだ 親友は私の企みで死んだの ここにいることも教皇への反抗 共に祈って 私にも聖痕をと 神に」ルチア「あなたは聖痕を望むの?」「愛の神の印を持つことは神に祝福され許された証」「“私は I Mean”ばかり それは自己本位と自惚れ こんな災いを願う?聖痕は信仰の深さを表す褒美ではないわ これを願うあなたは神の祝福に値しない あなたはここにいるべき人ではない」チェーザレ「私はホアンの戴冠を阻止する」仮面の男はマルコアントニオを殺す。ルクレツィア「神の声を知ってる?やわらかい雪の中を飛ぶ鳩のよう それ以来神の声を探し求めていたDo you know what God sounds like? Like a dove flying through a gentle snowfall. I have been searching for the sound of His voice, the clarity, ever since.」ペドロ・カルデス「この修道院で見つけましたか?」「私は見つからなかった」「あなたのような体験は戦場では存在します 良い事は最初で最後です 大切にしなくては. 悪いことは最初で最後です だから安心してください。 On the battlefield, I learned that there are experiences you can only truly have once. The good ones, you must cherish, for they are your first and last. And the bad ones Take comfort, for they are your first and last.」「父は何て命じた?」「友人になれと」「父は望んでも友人は望まない」ペドロにキスするルクレツィア。「私の恋人に」服を脱ぎ出すルクレツィア。「ここで?」ルクレツィアが戻って来る。「よく娘を戻してくれた 彼の模範的な行動について将軍に話そう」アピガト「彼の忠誠もホアンの企みかもしれません」チェーザレは母の宿屋でフィオメッタと息子を見つける。チェーザレ「あばずれめ!You whore!」フィオメッタ「枢機卿 女は男から作られたI am the woman you created, Cardinal Borgia.」息子を抱き上げるチェーザレ。茫然として去る。「いつホアンは王になる」「聖下 なれません 民が選ぶのはフェデリーゴ・ダラゴーナ フェラーラ サボイ スペイン王もフェデリーゴを承認しています」「つまり教皇の要請は無視か」「わかった 同意する 不幸にもホアンは妻を亡くした そこでカルロッタ・ダラゴーナとの結婚を」カラーファ枢機卿「新王は喜ぶでしょう」ドムス・アウレアに呼び出されるアレッサンドロ。「注意しろ 幽霊が回りを彷徨っている プルタルコスを読んだ ネロは本当に怪物だ ところで君は父親になる」「そうだ」「同じだな」「君と?」「私の息子を死の扉から戻した」剣を抜きアレッサンドロに迫るチェーザレ。チェーザレ「自分は神の怪物だと思う時があるSometimes, I think that I am God's monster.」アレッサンドロ「助けてThen do not kill me.」「命乞いをBeg for your life.」「殺さないでPlease, do not kill me.」「 マルコアントニオに犯されても屈しなかった 男らしく戦った 君は男か シルヴィアの子の父親は別の男だ 君にこうがんなどありはしない 突き刺すぞ 雄牛のようにCoward. I did not whimper when Marcantonio shoved his cock up my ass. I fought, as any man would. Are you a man, Alessandro? This fetus inside Silvia must belong to someone else. You have no balls, you never had. I could gore you, as a bull does.」「やれよ 気持ちが晴れるなら だが君は私の死を嘆き後悔から川に身を投げる 私は愛ゆえに行った 君の行いは高慢だ 神に対する酷い罪 自己愛だThen do so, if that will make you feel good about yourself. But I know you, Cesare. In an hour, you will be drowning in a Tiber of remorse, weeping over my carcass. What I did was misguided, but done out of love. What you do now is pride. The worst sin against God, self-love.」アレッサンドロを殴るチェーザレ。「 たった今から君と私は敵同士だYou and I are henceforth enemies...」「あなたは君臨する人だ」ホアンの元にいたミゲル(ミケロット)が雇い主ホアンを見限る。チェーザレは自らの怪物性God's monsterを自覚し息子の存在を隠した友アレッサンドロと決別。聖女に「あなたは“私はI Mean”ばかり」と指摘され神の救いを諦めたルクレツィア。第12話 毒蛇の台頭The Serpent Risesナポリ王女と結婚し王子となったホフレが妻と共にロドリーゴを訪問し、久々に兄弟全員が顔を合わせる。新しい恋に浮かれるルクレツィア、女癖の治らないホアン、頭角を現したチェーザレ、そして野望に執り憑かれ、一族を守り抜いた長ロドリーゴ。ボルジア家の運命はいかに…。ラオコーンの彫像が発掘される。群衆「おい 来てくれ Hey! Hey!」教皇「神官ラオコーン 古代ローマ全盛期の遺物だ この物語は教訓的だ 彼はトロイ沁みんい木馬は危険だと警告した “ギリシャ人の贈り物を信用するな”と 女神アテナはこの警告に怒り海の大蛇を使って彼と息子を絞め殺した そして市民は神官の警告を無視した 神に殺された人間が正しい事もあるThe Laocoon, a relic from the magnificent days of ancient Rome. A cautionary tale, the high priest Laocoon tried to warn the Trojans about the large wooden horse. Fear the Greeks, even bearing gifts. The goddess Athena, as revenge, sent a serpent, which rose from the sea to destroy Laocoon and his sons. The Trojans believed that Laocoon's death proved him wrong. God may destroy a man, but the man may still be right.」ホフレが身重のサンチャを連れてローマに。「神により子を授かった まだ顔を見ていない孫がいる 大切な孫達を抱きしめたいと切に願う」視線を交わし合うサンチャとホアン。コルドバ将軍とウルビーノ公がヴィルジニオ・オルシーニを連れて来る。ホアン「なぜ遅れた」チェーザレ「追放は戻る 異国の軍隊と共に」ホアン「処罰の方法は私に」いちゃいちゃモードのパオロとルクレツィア。二人をピクニックに誘ったヴァノッツァ。「パンティシリアが戻ったわ」「私を裏切った女よ それも酷く」「あの女はスペインから来てすぐジュリアに仕えた お前の一言一句がジュリアに伝わった ジュリアは友人じゃない お前の敵よ」ミゲルの所にやって来るホアン。「私は愚か者ではないI'm not a stuped. チェーザレほど聡明ではないが弟を殺せと命じたはずだぞ 無能なのか裏切り者なのか だがお前は無能ではない 今夜は母がチェーザレの別れの晩餐会を催す 弟が屋敷を出た後墓場行きにしろ」ホアン「教皇庁長官トリカーリコ王子は話題を選べるAs prefect of Rome, Prince of Tricarico, I can say what I choose.」チェーザレ「兄上は勇敢だが浅はかだ 剣はあっても腕はないBrother, you have the helmet but not the brain. The sword, but not the arm to wield it.」 ホアン「サンチャ この一族の良さは非難を浴びるのを恐れずに好きに物を言えることだ」じっと見つめ目を伏せるホフレ。「この命より母上を愛します そして兄弟たちも」ルクレツィア「パンティシリア 修道院を出たわ また仕えてくれる?あとはジュリアの許可が必要だわ」パンティシリア「あの方には脅されて仕えていた ローマに来たばかりで誰を信用していいかわからなくて」「今夜一緒に戻りましょう」母上の店に行くというホアン。チェーザレ「気を付けろ 上着の鈴の音で敵に素性がばれる」チェーザレは店を探す「ホアンは?」フィロメッタ「なぜ?自分の兄上と寝るのを見たい?」教皇「チェーザレの運命は」フランチェスコ「あなたが決めた だが神は別の運命を授ける」酒場で酔っ払うチェーザレ。ホアンを殴る。チェーザレ「息をするのは容易だ 真のボルジアは誰だ?」ホアン「お前だ お前だよ」そこへ仮面の男がやって来る。家に戻ったチェ―ザレはルクレツィアの所へ。「チェーザレ」「話がある」「寝るために阿片を吸ったの」「では明日話す」廊下に出るとパンティシリアがいた。チェーザレ「So, tell me cous', What have you learned living in the Borgia household?ところで教えてくれないか ボルジア家で何を学んだ?」パンティシリア「To take what I want, regardless of the cost and who gets hurt.欲望を満たす方法 たとえ犠牲を払い他人を傷つけても」妖しく笑うパンティシリア。コルドバ将軍に金の薔薇が授けられる。儀式にホアンもチェーザレもいない。やっと目覚めたチェーザレ。「なぜお前が?私は禁欲を破った 昨夜のことは忘れろ」「今度は私を打っていいわ」表情が変わるチェーザレ。ホアンの馬だけが戻って来る。「長官の馬だ 鐙が切られている」フランチェスコ「ロドリーゴ ホアンの馬が戻ってきた」チェーザレ「すぐ仮面の男を呼べ 生死に関わる問題だ」ユダヤ人街に行くチェーザレ「ユダヤ人が関与してたらお前たちの民族は永遠に消える」教皇「ガセット 聖堂で一人祈っているとうめき声が聞こえた 私は気づいた あの激しいうめき声は私自身のものだ」ホアンおつきの武官が重症で発見される。船着き場に入る男を尋問するチェーザレ。「昨夜何か妙な光景を見なかったか?けんかも?死体も?」「ああ 死体なら見ましたよ 夜中の2時ころ」「お前を見たか?」「俺は隠れるのがうまい 仮面?実の所はわからない 毎年100もの死体が捨てられるのを見てる 探しに来る者などいない」川さらいが行われホアンが発見される。チェーザレ「喉が切られ7か所…9か所刺されている」「強盗ではない 復讐です」チェーザレが告げた言葉は音声が消されている。ゆっくりと部屋にこもる教皇。言葉もない。「ホアンは私の右目だったHe was my right eye.」ドアが閉まる。ルクレツィア「ホアンが死んだ」仮面の男を探させるチェーザレアガピト「いつもの場所にもどこにもいません」物を壊し一人部屋で嘆く教皇。ラオコーンの修復が行われる。ジュリアが頼んでもドアは開かない。ホアンの亡骸にキスした後唾を吐くチェーザレ。ヴァノッツァ「パンティシリアはどこ?侍女は必要よ」ルクレツィア「誰もいらない」ホアンの葬儀が教皇不在で営まれる。カラーファ枢機卿「母親なのに息子の死に涙を流さない」「誰が指揮する?」「あなたは殺人の容疑がかかってる あなたと私とで容疑者の尋問を行う」「なぜ呼ばれたと思っている?」スフォルツァ枢機卿「私が殺したと思っているから」「私は政治の表も裏も知り尽くしている 個人的な感情は持ち込まない」「従兄のジョヴァンニは?」「彼と一時間話せばわかる あいつはろくでなしだ スフォルツァの大胆さが少しもない 彼は神に誓った通り不能だ 哀れなろくでなしに歴史は動かせない」アガピト「彼は何を知っているのですか」チェーザレ「あの夜私がいた場所だ」ルクレツィアが声をかけても二日も食事をせず嘆き続ける教皇ルクレツィア「私達は友達だと言った友達なのに冷たい でも今でも嘆き悲しむ人を二人とも愛してる だから力を合わせるべきよ」ジャンバティスタ・オルシーニ枢機卿「まず話しておく 兄の命と引き換えにホアンは金銭を要求した」「支払ったのか?」ホアン「足りないな 私の方がずっと優位だ」オルシーニ枢機卿「長官は限りない慈悲をお持ちだ」「魂が卑しい」「長官は厚情から釈放を決めて下さったのだ」ヴィルジニオ・オルシーニ オルシーニ枢機卿の兄「もし私が謝れば?」「そうだ」「長官 戦争についての格言だ “よい兵士になるには敵を真似ろ それが邪悪で傲慢な臆病者でも” お前など真似るものか 命乞いはしない」「ヴィルジニオ お前の勝ちだ その檻の中で体を曲げたまま余生を送るがいい そして死ぬ頃には足を伸ばす感覚も忘れている」「お前と違うのは私は天国に歩いていく」「つまり君にはホアンを殺す充分な動機がある」チェーザレ「ヴィルジニオの連行時と同じだ 偶然か?」「私は殺す技術など持っていない 私の一族はローマ近郊に2000年住んでいる 一族の末裔の私が死ねばオルシーニ家は絶える だが気高く死ぬ 復讐の罪を犯さずに」「無意味な言葉だ」「なら私も檻に入れろ」「寝ずに棺を護った」「彼を殺したのはホアンだと?」「最近知ったがなぜ訊く?スペイン人を忘れたか 我々は闇討ちはしない 殺すのは戦場でだ」「君はどうだ」「殺してないが証明できない あなたと同じ」「私の言葉に揺るぎはない 子供の命にかけて私は無実だ」「我々は同盟国だ共通の敵に目を向けよう フランスに」Guillaume Briçonnet「ボルジア枢機卿 君の裁きは受けない 息子を殺した君が裁きを受けないように」チェーザレ「拒否するのは長官の暗殺に関与した証だ」Guillaume Briçonnet「君が嫉妬から兄を殺した その噂は真実なのか If hearsay is gospel, I would believe that *you* stabbed the prefect out of jealousy.」「嫉妬? Jealousy?」Guillaume Briçonnet「原因はルクレツィア イタリア全土で噂は広まっている 君たち兄弟は妹と近親そうかん関係にあるOver the Lady Lucrezia. Rumors span from the tip of Sicily to the doors of Notre Dame, that both you and your brother have had incestuous relations with your sister.」「よくもそんなYou dare speak such words?」Guillaume Briçonnet「 私はそんな噂は信じない 私の主君もだ だが君の一族が異常だと簡単に信じる者たちもいるI do not subscribe to this gossip. Neither does my king. But what does it say about your family that others are so easily convinced the perversions are true?」教皇の部屋の前で祈るジュリアとルクレツィア。それでも教皇の嘆きはやまない。ファブリツィオ・コロンナ「ファブリツィオ真実か?君は妻のナニアを殺した」「君たちボルジア家と一緒にするな 私は罪を心から悔いている 自分の不死の魂を信じている フランスとの同盟に私は加わらなかった」「それならマルコアントニオを殺したあなたを狙う彼の死は当然だ 我々は彼の悪事を知っている」吐いてしまうチェーザレ。「答えも証拠も有力な容疑者もいない」「一人いる 君だ」「私は彼をよく知らない」「捜査を担当すれば捜査されずに済むと言った 君の従兄は教皇を憎んでいる」「だが今はフランスにいる 私は教会を愛している 恋人と同じように守るためなら何でもする ローヴェレが有罪という証拠があれば信用できる証人がいれば」「では誰だ 誰が殺した」「ロムルスはレムスを殺した そしてローマが生まれた 自分の一族と自分を見つめたらどうだ」ホフレ「僕の妻とも寝た?妻の腹の子は兄上の子?」チェーザレ「お前は中立だな だから無実だ」チェーザレ「公用できました」ヴァノッツァ「疑ってるの?」「殺人者を見つけなければ 私のために」「私は王女メディアじゃない 自分の子供は殺せないわ それがわからないなら私達は他人よ」教皇の部屋の前に発つチェーザレ。「兄の死が世界の終わりじゃない」ドアをたたき壊す。背中に鞭の跡の教皇。壁にも。泣き出すジュリア。教皇「誰が息子を殺したWho killed my son?」チェーザレ「神ですGod.」 「神はそんなに残酷ではないGod is not so ruthless.」 「神は自分の子を殺した あなたの子も殺すHe killed his own son. Why would he not kill yours?」何日かぶりに皆の前に姿を現す教皇。「これ以上の悲劇はない 神の国にいる誰よりもホアンを愛していた 深い悲しみが魂に入り込んだ 生きる興味を全て失った 神は我々を私を罰した ホアンが殺される理由はない 息子がラザロのように墓から蘇るなら教皇の冠を差し出そう」よろける教皇をチェーザレが支える。「殺した者も殺した理由もまだわかってない だがスフォルツァ コロンナ オルシーニの一族は無罪とする 神よ 罪人をお許し下さい 決心した 直ちに ローマ・カトリック教会への義務を果たす もはや私利私欲は捨てる 現世の歓びは慰めにはならない 改革を開始する 聖ペトロの座に上り詰めると約束した通り 私は誓う 聖なる槍に」拍手する枢機卿たち。堅い表情の教皇ジュリア「この部屋を前よりも美しくするわ ネロの黄金宮のように」教皇「出ていけ ローマから 私は聖職者だ 一人で生きる」「どこへ行けと?ロドリーゴ お願い」ルクレツィア「ペドロと結婚したい」教皇「望みを叶えてやりたいがダメだ 明日スペインに行き修道女に 兄の遺児を育てなさい」「娘とは反抗的なものだ だがお前は兵士だ」「はい 従います」「そんな 嫌よ」ペドロ「私のために祈って Pray for me, sweet Lucrezia.」ルクレツィア「幸せだったのにI was almost happy!」 「 降伏とは肉欲でなく神に仕えることだLust is not happiness, child. Being faithful to God's truth is.」チェーザレ「嘆くのはおやめください ホアンの死には重大な悲劇が潜んでいます 彼はペドロ・ルイスを殺した」教皇「死者に対して何という偽りを」「コルドバが証明します 悲しみを和らげるためにお伝えしたのです 謁見は延期に?」教皇「だめだ」「明日の実りのため過去は葬るWe will bury the past in the rich soil of tomorrow.」教皇「フェデリーゴに王位を授け国を出ろ 大司教就任以来バレンシアを訪れてないな」「スペインに行き聖職者の役目を果たせWe command you to go to Spain and fulfill your pastoral duties.」チェーザレ「父上 もし私が大司教も枢機卿も辞めたいと言ったら?And what if, Father, I said I no longer wished to be archbishop? Nor wear the red robe of a cardinal?」「私の耳は聞こえずお前の口の動きも見えないWe would, like a deaf man, stare blankly as your mouth moves.」枢機卿「私の従妹のジュリア―ノも自分の息子の死のように嘆いています」教皇「彼を枢機卿会議に戻せ 全て許す」チェーザレ「肉親を去らせ敵を近づけるのですか」教皇「彼等は敵だがいつも真実のみを話した 私の息子達とは違う 行け ボルジア枢機卿」ローマを去るジュリア。「彼を変える方法が?」アレッサンドロ「私は新しい同盟を組む」「兄上の遺産です」鎧に手を振れるチェーザレ。チェーザレはルクレツィアを訪ねる。ここからのクライマックスが凄い。「ごめん また起こしてしまった 話がしたくてお前と 記憶がない どんな罪を犯したのか 私が殺したのか?」「殺してないわ」「なぜそう言える ローマ市民は誰もが私を疑っている なぜ責めない 何か知っているなら私を苦しみから解放してくれ」泣き出すチェーザレ。彼を見つめて何か考えている風のルクレツィア。「あの夜ホアンを見たわ お兄様に喉を斬られかけた後 でも彼は生きてた 酔ってもいなかった 冷静だった」ホアン「また死に魅入られた 今回は死の接吻を受ける寸前だった ルクレツィア 私の魂は罪の重荷で潰されかかっている 死ねば地獄の炎に永遠に焼かれる」「何をしたの?」「12歳の時父は私をペドロ・ルイスの元へ 彼の強さも 彼に向けられる人々の愛も 彼が生きている間は私は上に立てない だから彼は死んだ ペドロ・ルイスは マリア・エンリケスはお産で死んでない 船がマルセイユに停泊中に船長を買収して妻を絞殺させた」ルクレツィア「あなたは悪魔だわ Do not fear the devil, Juan, for you are he.」「真実の愛がほしかったのに ルクレツィア お前だけが」「教皇に話すわ」「夜明けに教皇にひれ伏す」「天国に行かせまいと」ナイフでホアンを刺すルクレツィア。「お前が?9回刺したのか」「死ななかった ペドロは兵士よ 殺し方を知ってる」斃れるホアン。話を聞いて茫然とするチェーザレ。ルクレツィア「私にも人を殺せるのが驚き?」「 I tried to give myself to God, but he refused. And am I not following the example of my father and brothers? Am I not a Borgia? Do not hate me.神に身を差し出したけど拒絶された 父上や兄たちに倣ったの 私もボルジアよ 憎まないで」チェーザレ「お前にはいろいろな思い出がある だが憎しみはない お前は勇敢だった 私よりも イヴはアダムより勇敢だった 禁断の果実を勧められイヴは楽園以上の存在を知ったI have a great many feelings towards you. Hate is not one of them. You have acted bravely. More bravely than I. In the Garden of Eden, Eve showed more courage than Adam. When the serpent offered the forbidden fruit, she knew that there was something better than paradise.」「私達は愛し合ってると噂だ 本当だと証明しよう 嘘を真実に」しかしチェーザレはペドロが隠れているのを見つけてしまう。チェーザレ「だましたな お前まで」「やめて」教会で改革委員会の発表をしている枢機卿団と教皇。そこへペドロとチェーザレが駆け込む。ペドロは教皇の法衣を掴む。「私の法衣に触れれば聖域の中 剣を置け」「従います だが彼の言い分を聞いて欲しい」「何もしていません」はずみでペドロの手が離れる「聖下に嘘をつくのか」駆けこんでくるルクレツィア。後ろから背中を刺されるペドロ。倒れ伏すルクレツィア。血がばっと教皇に散る。チェーザレ「 息子は父の人生を讃える存在 その人生が無意味で無価値でも だが息子が男になるには自分の名を高め父の名前より偉大にしなければ 歴史を通して光り輝く名前にしなければ 私はチェーザレ・ボルジアだ!A son exists to glorify the life of his father, as meaningless and worthless as that life might be. But if the boy is to become a man, he must glorify himself, and make a name even greater than his father's. A name that will shout throughout history.I am Cesare Borgia!」黒い衣で剣を持ち去っていく。何も言えない教皇。噂するジョヴァンニとアレッサンドロ「チェーザレかホフレが殺したと噂になってる」「ルクレツィアに手を出されペドロ・カルデスが殺した?」「真実はわからない その方がいい」川にはパンティシリアの死体が。修復なったラオコーンの像を見つめる教皇「古代の神々は誰もが残酷だった 我々は賢くも神を一つにまとめ愚かにも愛している そしてまた愚かにも短く傷着きやすい人生を愛している 我々の望みに関わらず元の状態に戻すのだThe ancients had many gods, all cruel. How wise of us to consolidate them into one supreme being. And how foolish we are to love God - to love so deeply something as brief and fragile as life.Rodrigo Borgia: This should be as it was, not as we wish it to be.」 像の腕を壊す教皇。「見つからぬ場所に埋めろBury the statue where it will never be found.」一人部屋にこもる教皇。マザーグース風に言えば「誰がホアンを殺したの?」ミステリー仕立てで第一容疑者チェーザレのその日の行動と尋問が描かれる。枢機卿将軍など外部に加え父と末弟以外家族も容疑者というボルジア家の恐ろしさと恨みを買いすぎるホアンの行状が露に。いやー、いつ我々の知るところのチェーザレになるのかと思ってたらラストで一気に弾けた。教皇と妹の目の前の殺人、剣を抜くとシュッと血が教皇の顔に飛び散る。もう父に従順なPopeの道には戻れない。「I am Cesare Borgia!」チェーザレの高らかな独立宣言。ラス回でなぜかホアンもチェーザレもルクレツィアに熱視線。チェーザレなんて「どうせ噂になってるんだから噂を本当にしちゃおうぜ」とノリノリ(をい)。青い鳥は自分の目の前にいましたとさ…なんてキレイな話になるもんですか。原題のSerpentとはボルジア家の誰にも当てはまる。第1話で自らに鞭うった息子チェ―ザレと最終話で息子の死に際し鞭打った父教皇。頑なに聖職者を歩ませようとしたのは同族嫌悪か。神に殺された神官と息子二人の像が示唆するのは。覇道へ突き進む教皇一族。この先見たかったです!途中からお目付け役につけられたアガピトは最後までチェーザレに付き従い、ルクレツィアに彼の死を告げる使者となる。【レンタル落ち】DVD ボルジア 欲望の系譜 全6巻セット【中古】afbブックセンターいとう 楽天市場店
July 3, 2020
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みなさんこんばんは。病院関係者らにエールを送る企画が始まっていますね。映画はじめてのおもてなしを見ました。はじめてのおもてなしWILLKOMMEN BEI DEN HARTMANNS/WELCOME TO GERMANY ミュンヘンの住宅街に一軒家を構える、病院の医長のリヒャルトと元教師のアンゲリカの夫婦。長男フィリップは妻に逃げられその息子は勉強そっちのけでラップとゲームに夢中で、長女は31歳になっても大学生という状態だった。ある日、教師を引退して生き甲斐を見失ったアンゲリカは、夫リヒャルトの反対を押し切って難民を受け入れると宣言して、ディアロというナイジェリアから来た青年を連れてくる。家族ははじめてのおもてなしに張り切るが、大騒動が起きてしまう。さらに、ディアロの亡命申請も却下に。果たして、崩壊寸前の家族と天涯孤独の青年は、平和な明日を手に入れることが出来るのか? 日本は周囲を海に囲まれているからあまり意識しないかもしれないが(とはいってもイギリスも難民は多い)ドイツは地続きで難民がやって来る。過去の経緯から難民を受け入れざるを得ない所があるが、良しとしていない層がかなりいるのは映画『帰ってきたヒトラー』の突撃インタビューでも知る通り。 本編では辛い過去を持つ若者を引き受けたことで、家族が再生してゆく。ストレスが急上昇したリヒャルトは部下にあたりちらし、職場で孤立し若い娘に走るというやっちゃいけない中年ロードを一直線。フィリップは仕事優先で息子とゆっくり話す時間も持てない。男性陣が現実を見ずに突っ走るのに対して、女性達は地に足の着いた暮らしに戻ってゆく。アンゲリカは、ディアロにドイツ語を教え、庭仕事を指導するなど、かつての輝きを取り戻し、何をやっても中途半端だったアンゲリカは一つの再会によってシアワセを見つける。ディアロを危険視していた隣人がネオナチよろしく松明を掲げて家の前でシュプレヒコールするのは例えこの作品がコメディといえど怖かった。 2016年度ドイツ映画興行収入NO.1を記録。アンゲリカ役を演じるセンター・バーガーは監督の実母。はじめてのおもてなし【Blu-ray】 [ センタ・バーガー ]楽天ブックス
April 27, 2020
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みなさん、こんばんは。SF作家の眉村卓さんが亡くなりました。最近訃報ばかりですね。今日は映画の紹介です。ドイツ映画5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~を見ました。5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~MEIN BLIND DATE MIT DEM LEBEN監督マルク・ローテムント出演コスティア・ウルマン真面目で成績優秀だったサリアは、先天性の病気により10代の時に95%の視覚を失った。だが彼には、5つ星ホテルで働くという諦めることができない夢があった。目が見えないことを隠してミュンヘンの一流ホテルで見習いを始めたサリアは、親友の助けを借りながら持ち前の明るさと努力で研修課題をクリアしていく。しかし、職場で恋をしたことから慎重に築き上げてきた偽装が崩れ始め、厳しい現実の中で自分の目標も失い始める。 本当に視力が落ちたのは、さあこれから学校を卒業して未来に飛び立とう!としていた頃なので、彼の陥った絶望は並ではない。父親の「現実を見ろ。マッサージ師か電話対応か」というアドバイスも外れてはいない。実際、目が見えない状態で危ない刃物が飛び交う厨房に入ったり、道を歩くのだって危ない。今回はなかったものの、災害が起きた時には、いくらホテルまでの道を覚えていたとしても、たどり着くのは困難だ。ただ、サリヤはやり遂げた。一人の力ではなく、研修の時に助けてもらった事を機に父親のレストランで練習をさせてくれたり、何度も彼のピンチを救うマックスや、厨房で知り合ったハミード、研修の時に彼の障碍を見抜いたコックなど、働きやすい環境を整えてくれた周囲に支えられてやりおおせる。だからこれは奇跡ではない。いくつもの人の善意が積み重なった結果である。一方サリヤも奇跡的な記憶力でマックスを救い、母国では外科医なのにドイツでは皿洗いに甘んじているハミードを助ける。視力が弱い事は何もできないことではない。移民問題に対して厳しいと思われるドイツで、明らかに肌の色が異なるサリヤが能力で正当に評価されたのは素晴らしい。 視力をほとんど失ったことを隠してドイツの5つ星ホテルでキャリアを積んだというホテルマンサリヤ・カハワッテの著書「My Blind Date with Life」を映画化で大ヒット。主演のコスティア・ウルマンは、特注のコンタクトレンズで視力を抑えるという演技アプローチで役に臨んでいる。5パーセントの奇跡 〜嘘から始まる素敵な人生〜 [ コスティア・ウルマン ]楽天で購入
November 23, 2019
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みなさん、こんばんは。イギリスの次はドイツの小説、ドラマ、映画を紹介してみます。放送されていたアメリカドラマバビロン・ベルリンを見ました。完走しましたよ~。素晴らしい完成度です。バビロン、ベルリンBabyron,Berlin■キャストフォルカー・ブルッフリヴ・リサ・フリースペーター・クルト■スタッフ監督:トム・ティクヴァ、アヒム・フォン・ボリース、ヘンドリック・ハンドレーグテン舞台は1929年、ワイマール共和国時代のドイツ。ケルンからベルリンに赴任してきたゲレン・ラート警部は、ヴォルター上級警部と共に地下シンジゲートのポルノ犯罪を捜査している。貧しい一家を支えるため警視庁の記録係として働くシャルロッテ・リッターは刑事に憧れている。戦争によるPTSDに苦しみ薬物に頼るゲレオン。昼は記録係、夜は別の顔を持つシャルロッテ。時代の波に呑まれながらも懸命に生きる2人は、次第に革命と金塊が絡む巨大な陰謀に巻き込まれていく。第1話1929年、ベルリン。ケルンから転任したばかりのラート警部がヴォルター上級警部とともにボルノ映画の撮影現場に踏み込む。拘留された撮影監督のケーニヒは隠し持っているフィルムの所在を明かさない。貧しい家庭を支えるため、昼間は警視庁での事務員、夜は別の顔を持つシャルロッテは、ある日、殺人課の写真整理を任される。ソビエト連邦からベルリンを目指す1台の貨物列車。ロシア人に乗っ取られたその列車が国境を越えた知らせに、ベルリン在住のトロツキスト集団が歓喜に沸く。第2話ラートはフィルムの在り処を探るべく、ケーニヒに尋問を行う。しかし、尋問中にケーニヒはラートの拳銃を奪い自殺してしまう。ケーニヒは何者かに口封じをされて自殺したと踏んだラートは、引き続き黒幕の調査をする。カルダコフとスウェタは列車の“貨物預かり証”を入手。明日にはイスタンブールに行くことが決定し、トロツキストたちは旅立ちの準備にかかる。その頃、ソビエト大使館に1人の女が訪れる。女はトロツキストグループのリーダーがカルダコフであるという情報を流す。莫大な賠償金を背負い街には浮浪者が溢れ失業者は列をなして仕事を求める一方で若者は恋をし享楽的で刹那的。数少ない豊かさを享受する者もいる首都ベルリン。テロで革命を起こそうとする共産主義者も入ってきているワイマール共和国時代のドイツ。依存症のゲレオン警部が狂言回し。第3話ロシアの貨物列車がベルリンに到着。スウェトラーナは運転士に、行き先がイスタンブールからパリに変更になったと告げる。共産主義組織が5月1日にベルリンで禁止されているデモを強行するため、警察は厳戒態勢。その頃、運転士はカルダコフの下宿を訪れ、そこに滞在するラートと鉢合わせする。カルダコフの下宿を張っていたロシア人は、運転士を誘拐。彼を拷問し、貨物の中身と、イスタンブールに向かう理由を聞き出そうとする。第4話5月1日。ラートとヴォルターは、共産党のデモ隊と警察部隊の騒乱に巻き込まれる。避難した先の住宅で、2人の女性が銃撃によって命を落としてしまう。彼らが遺体に付き添い解剖室へ行くと、殺人課のベーム警部がシャルロッテを伴い現れた。警部が担当する身元確認中の遺体は、ラートが見覚えのある男だった。その頃、駅で足止めされていた貨物列車は、介入してきたソビエト政府の要望により、車庫で積荷の調査が行われることに。ある晩ナイトクラブで友人と踊っていたシャルロッテを、1人の人物が待ち受けていた。招かれざる客の登場によってトロツキストカルダロフの金塊を用いた計画に図らずも近づいていくゲレオン警部。カルダロフを裏切るスヴェトラーナの目的は。ゲレオンを夕食に招きつつ彼を探るヴォルターに脅迫されゲレオンに協力者を申し出るシャルロッテ。第5話思いもよらない人物から撃たれたカルダコフは奇跡的に一命を取りとめる。ラートはグレーフから情報を得て、あるフィルムラボを訪ねたが、ネガは保管されておらず、捜しているフィルムにもたどり着けない。多数の犠牲者を生んだメーデーの後、激化していく警察への抗議運動を鎮めるため、警視総監と行政長官は驚くべき秘策を打つ。カルダコフの行方を捜すラートとシャルロッテは、彼を知る人物を訪ねるべく2人で夜の街に繰り出す。第6話ベンダ審議官に誘われ、教会のミサに出席したラート。告解室で自分が兄の奥さんを愛してしまったことを懺悔する。その後の茶会でラートは警視総監から5月暴動の報告書を警察に有利になるような内容で書くよう圧力をかけられる。その頃ニッセン家の敷地では秘密の軍事演習が行われていた。金塊の存在をエドガーに打ち明けたカルダコフ。金塊の存在を証明すべく、カルダコフはエドガーらと共に貨物駅に向かう。アパート上階から撃たれてもガスを浴びても恐らく生き延びるであろうしぶといトロツキストカルダコフ。深夜のダンスに水遊びに躍動するローリング20sの若者たちはこの10年後命を異国の地で散らす。初めてヒトラーが台詞に登場。警察の偽の報告も拷問も越えた時代がすぐそこに待つ。第7話シュミット博士は戦争神経症に関する研究を発表するが、インチキ科学だと非難される。シャルロッテは貨物駅に潜入し、ガスの漏出で中毒者が出たことを知る。ソビエトから戦争物資の密輸を行っているのは “黒い国防軍”と呼ばれる秘密の戦闘部隊。その手先が鉄鋼会社のアルフレッド・ニッセンであることが明らかになる。一方、シャルロッテはトロツキストのアジトで、イスタンブールの配達先住所が記載された貨物書類を見つける。第8話行政長官の元へ連行されたニッセンは、殺虫剤の輸送には何らかの手違いがあったと主張するが、貨車からは極めて危険な毒ガスが検出されたことを知らされる。グレータはベンダ一家の留守中に家を抜け出して、フリッツと湖へ出かける。8時までに帰宅するつもりだったが、岸へ戻る船の最終便を逃してしまう。ラートとヴォルターは、独房で禁断症状に陥ったクライェフスキーに、クスリをエサにフィルムの在り処を吐かせ、保管場所へと案内させる。失われた帝国の栄光をいつか取り戻そうとする者、戦争のトラウマから逃れられない者、全く新しい秩序を外から齎そうとする者、民主主義を根付かせようとする者。それぞれ別の方向を向いている勢力がせめぎあう果実ベルリンにこの先ヒトラーが現れる事で彼等が向かう方向が一つになる。今回からシーズン2に突入。第9話赤の砦のメンバー15人の遺体が発見されたが、その中にカルダコフは含まれていなかった。ラートはベンダの任命により殺人課に加わり、ソビエトの政治犯罪だと思われる本件の捜査を進めるが、捜査への参加を望むシャルロッテを遠ざける。その折、建設現場でコンクリート詰めの遺体が見つかる。被害者はアルメニア人の手下で、遺体の銃痕を見たラートは、あるシーンのフラッシュバックに襲われる。ラートを訪ねてベルリンに来たヘルガとモーリツはヴォルターの家に滞在することになる。第10話シャルロッテはモカ・エフティで警視総監が何者かと話している現場を目撃する。列車をソ連に戻せと警視総監に圧力をかけていたのは、トロシンとヴェーント大佐。しかしその後、大佐はニッセンから金塊の存在を打ち明けられ、列車をソ連に戻すべきでないと力説される。そんな中、森の遺体の鑑識結果により、赤の砦のメンバーを殺した犯人が判明する。ベンダとラートはソ連大使館に向かい、ある取引をトロシンに持ちかける。ベンダの元でスパイを続けるイェニケは目を疑う会合を目撃してしまう。今回からS2。シャルロッテとゲレオンがカップルなら年齢的にぴったりだが母親の葬儀や何やでオトナの男っぷりを見せるヴォルターに靡く。ゲレオンは義姉にデレすぎて甥に見抜かれる脇の甘さを見せ妄想シーンとはいえ初のミュージカルを披露。ロシア令嬢と謎の男達の暗躍に沈む助手。ヴォルターがゲレオンの甥に銃を持たせるシーンが嫌。敵意を向ける相手がいて銃があったらその時。シャルロッテの母のドレスを「ユダヤ人が高く買ってくれる」と姉の情夫が言う場面。ドイツ人が苦しい時に札束で顔を叩いて大事なものをかっさらっていくイメージが今後の敵意に繋がる。第11話ドイツ国防軍が、モスクワ南東のリぺツクにドイツ空軍の秘密基地を建設していた疑惑が浮上。ラートはトロシンから、疑惑のある将校たちのビザ申請書を受け取る。検察官が書類だけでは証拠として不十分とすると、ラートは現地行きを志願。シュトレーゼマン外務大臣は証拠を確保したら、国防軍を裁判にかけるようベンダに指示する。頻繁なフラッシュバックに悩まされるなか、ラートは警察のカメラマンを連れて飛行機でリペツクへ向かう。第12話リペツクでの極秘任務から帰還したラートは、助手のイェニケが殺害されたことを知らされる。聖人ヨーゼフ殺害事件との共通点が発覚したことで、ラートはベーム上級警部から事件への関与について問われる。しかし、2つの事件の凶器が判明したことから、ラートはある人物に疑いの目を向け始める。イェニケの遺体から抜き取られていた手帳に何らかの手がかりあると考えたベンダの命を受け、捜索にあたっていたラートは、意外な場所で手帳を発見する。薬の効果が現れ次第に現実と空想の区別がつかなくなるゲレオン。祖国の密かな再軍備化を知りながら何食わぬ顔でフランス外相を迎える共和国外相が言うのはかつての国の名前“ドイツ帝国は複雑”。お互いの秘密を知るゲレオンとヴォルターの腹の探り合い。シャルロッテを攫ったのは誰?第13話冷蔵倉庫に監禁されたシャルロッテは、命の危険を感じつつ、イェニケの手帳を読み始める。そこに書かれていたのは、ある人物に関する子細な行動記録だった。ラートたちがリペツクで撮影してきた写真を有力な証拠に、国防軍の参謀たちへの公訴が受理され、ゼーガースらが逮捕される。尋問に対し、口を割らない将校たち。彼らが集う拘置所で語られたのはある壮大な計画であった。権力者の圧力により、参謀たちの釈放を迫られたラートは状況の打開を探るべく、カテルバッハに支援を求める。第14話逮捕されたゼーガース少将の調査が行われる。ラートはベーンケに渡された黒いファイルから、窒息剤の輸送に関わる注文請書に少将のサインがあることを発見する。ベンダはこれを明日にでも記者会見で公表することを決意。一方グレータはオットーからフリッツの死を知らされる。フリッツはベンダの命令で殺されたと聞かされ、グレータは復讐心を募らせる。そして聖体の祝日当日、国防軍による作戦が着々と進行する。ラジオ放送を聞いていたラートは、何かに気づき劇場へと急行する。死を覚悟した妻との別れが切ないヴォルター。ゲレオンの甥が口ずさんでいた「メッキー・メッサー」から映画「知りすぎた男 」のような舞台を利用した陰謀に気づくゲレオン。最も民主的なのにユダヤ人の豚と憎まれるベンダ行政長官の不穏なこの先。暗殺は止めたが容疑者は解放される痛み分け。第15話ラートはシャルロッテからの情報で、ヴォルターとニッセンが貨物列車に隠されたロシアの金塊を強奪する計画だと知る。2人が車で現地へ向かう途中、突っ込んでくる対向車を避けたラートの車は川に転落。車はそのまま川底に沈んでしまう。グレータはベンダの留守中にオットーを家に招き入れ、ベンダの書斎の机の下に爆弾を仕掛ける手助けをする。その後、逃亡するため駅に向かったグレータは、そこで信じられない光景を目にする。最終話金塊の強奪を企むヴォルターらを阻止するため、ラートはへニングたちと合流し、すでに出発した列車を追って、イェニケの手帳に記されていた127キロ地点を目指す。ロシアに向かっていた列車は黒い国防軍によって行く手を阻まれる。TY 2305の車両を発見したヴォルターは1人で車内に入っていく。中に積まれていた箱を開けると、捜し求めていたソロキンの金塊がぎっしりと詰まっていた。だがその時、手にした金塊に見入るヴォルターの前にラートが現れる。 遂に姿を現した鉤十字とカーキ色の制服によってユダヤ人の市長と行政長官は倒され新任の行政長官は部屋の消毒を命じる。共産主義者とユダヤ人がこの後国内の敵と看做される事が示唆。かつての帝国の栄光を夢見るヴォルターの壮絶な最期と強かに生きるスヴェトラーナの退廃美in巴里。ヒトラーが画面に一度も登場していないのにゲレオンが表向き殺人課刑事として裏で頼まれる任務とか共産主義者やユダヤ人への人々の態度等ドイツ人の想いがこの先どこへ向かってゆくのかわかる流れになっててうまい!信念を持つヴォルターと揺れるゲレオンはドイツの二つの姿でもある。
November 22, 2019
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みなさん、こんばんは。そういえば以前から放送されていたのにやっぱり9月30日には定期の券売機やみどりの窓口に長い列ができていました。人間の気質って変わらないんでしょうね。ナチスドイツの犯罪はずっと向き合っていかなければならない前世紀の闇ですね。映画ブルーム・オブ・イエスタデイを見ました。ブルーム・オブ・イエスタデイDIE BLUMEN VON GESTERN/THE BLOOM OF YESTERDAY ナチスドイツの戦犯を祖父に持つ研究者のトトと、祖母がナチスドイツの犠牲者のユダヤ人であるインターンのザジ。きっかけは違えど、共にホロコーストの研究に没頭する二人は、アウシュビッツ会議を企画することになる。反発し合っていた二人の距離は、少しずつ縮まっていく。そして、過去を検証する旅で意外な事実が発覚し……。 かたやSSの末裔の男性、片や犠牲者の末裔の女性。二人が恋に落ちたらまさにロミオとジュリエットばりの悲恋…になるはずなのに、シリアスなテイストではないことは、アウシュヴィッツ会議の主導権を巡って男二人が殴り合いをしている側で、主導している教授がひっそりと亡くなっていくという冒頭からも、明らかだ。悲劇は喜劇のすぐそばにある。 むしろ「ロミジュリばりの悲恋」になるはずと決めつける側に問題があるのかもしれない。例えどんな因縁を背負ったとしても、個人対個人として向き合い、好きなら結ばれればいい。ところが、トトもザジも、見た目通りのわかりやすいキャラクターをしていない。売名行為と名誉心から会議の主導権を握りたがっているかに見えたトトは、どうしてもこの問題に取り組みたい理由があり、何でもあけっぴろげで捉えどころがない(話す度にミドルネームが変わる)ザジも、突発的に自殺を図るような危うさがあった。過去の因縁から来る危うさを抱えた二人が、寄り添う事で救いを見出すことができる。そうであれば大団円のハッピーエンディングだったのに、あからさまなわかりやすさを監督は好まないようだ。かといって、断絶は断絶のままに残しておくのではない。こういう乗り越え方があったか!と思わず膝を打つ。そしてつくづく思う。女はやはり強い。ブルーム・オブ・イエスタディ [ ラース・アイディンガー ]楽天ブックス
October 3, 2019
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みなさん、こんばんは。翁長知事が亡くなりましたね。真面目な人でした。映画生きうつしのプリマを見ました。生きうつしのプリマDIE ABHANDENE WELT/THE MISPLACED WORLD出演バーバラ・スコヴァ監督&脚本マルガレーテ・フォン・トロッタ ドイツの小さなクラブをクビになった歌手のゾフィは、父親にインターネットのニュースを見せられて驚く。そこには死んだ母エヴェリンとうり二つの女性がいたのだ。彼女は、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で歌うプリマドンナのカタリーナ。ゾフィは、父からカタリーナのことを調べてほしいと頼まれてニューヨークへ旅立つ。ウェブ上で発見した亡き妻に生きうつしのプリマドンナ。彼女の正体を探れ。まなじり決して迫る父の命を受け、娘ゾフィはドイツからニューヨークへと飛ぶ――。 『ローザ・ルクセンブルグ』『ハンナ・アーレント』のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督と女優バルバラ・スコヴァが再びタッグを組み、バルバラが母とオペラ歌手の二役で熱演。一人の女の生きざまをテーマにしてきた監督がまたもやあぶり出したのは、やはり一人の女の生涯。但しローザやハンナのように歴史に名を残した有名人ではなく、平凡な妻であり母であった女性の生涯である。ところが一見平凡に見えた彼女には誰も知らない過去があった。彼女の過去を探るのはインターネットで彼女を見て動揺した父に煽られた売れない歌手。自分とは違って売れっ子で裕福な女性に会いに行ってどう話を始めるものやら?大体一般人がスター歌手の楽屋にほいほいと入れるもの?などツッコミどころはある。一番のツッコミどころは「彼女(カタリーナ)にドイツに来てもらえ」と自ら事態を動かしながら、予想外の事実が明らかになったら当事者と取っ組み合いの喧嘩をするゾフィーの父親だ。故人についての厭な事を知りたくないのならば、そもそも藪をつつかなければよかったのに。ミステリと見せかけたコメディ? ほぼ40年前、新たな家族を知った監督の実体験が本作のヒントになったという。生きうつしのプリマ [ カッチャ・リーマン ]楽天ブックス
August 11, 2018
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みなさん、こんばんは。働き方改革法案可決されましたね。過労死が増えないといいけれど心配です。さて、ナチスドイツ特集、今回は映画を紹介します。ドイツ映画ヒトラー暗殺 13分の誤算を見ました。ヒトラー暗殺 13分の誤算ELSER/13 MINUTES監督オリヴァー・ヒルシュビーゲル 1939年11月8日、ドイツ・ミュンヘンでナチス指導者のヒトラーの演説が行われた。演説を予定よりも早く終わらせ退場したヒトラーだったが、その直後、会場が爆破される。逮捕されたのは、ゲオルグ・エルザーという男だった。ゲシュタポは犯行の黒幕を吐かせようとエルザーを拷問にかけるが、彼は爆破装置の製作や設置を一人で行ったと告白する。 オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督の映画は、決定的瞬間に向かったある人物について、過去と現在を交錯させながら描くスタイルだ。『ヒトラー~最期の12日間~』はヒトラー、『ダイアナ』は、イギリスのイコンとも言える皇太子妃ダイアナ。そしていずれも、決定的瞬間は幸せな瞬間ではない。本作もしかり。 単独犯行とゲオルグは主張を終始変えなかったが、新聞ではイギリスの諜報機関が疑われ、ヒトラーが疑ったのは共産党とその背後にいるソ連だ。ヒトラーの疑いは、この先ソ連侵攻を目論んでいた事を考えれば、ソ連という事にした方が、後々都合がよい。もし、どこにでもいる一国民が犯人ということになれば、他の映画のタイトル『顔のないヒトラーたち』ではないが、国民一人一人の間に総統に対する不信感が育っていることを突き付けられる。それはヒトラーにとっては何よりも怖い。 「ヒトラーは危険だから」というのがゲオルグの主張だが、これなら単なる主観として(もし開かれでもしたら―開かれないが)裁判でも否定されるレベルだ。一番の理由はヒトラーの登場により閉塞感を感じるようになったからではないか。 最も古い過去としてスイスで友人たちと遊ぶ場面が登場する。青い空、青い湖、開放感溢れる画面が、この後次第に変わる。ナチスが第一党になって以降、鉤十字と赤のトレードマークが街に増えてゆく。カーキ色のヒトラーユーゲントの少年が街を行進し、ユダヤ人と交際していた女性が札を下げられて晒し者にされる。友人の共産主義者が収容所送りになり痩せていくが、それ以外の人たちには全く危機感がない。映画館でニュースを見ながらゲオルグが周囲を見回すシーンがあるが、民衆たちは皆同じ表情で画面を見ていた。全体主義の恐ろしさをよく表すカットだ。違う表情をする者はすぐにわかるし、はじき易い。 この時ゲオルグを糾弾したうちの一人、ネーベが映画『ワルキューレ』で知られるシュタウフェンベルグ大佐の作戦に参加して裁かれる側になるのも皮肉である。皮肉といえば、シュタウフェンベルグ大佐のやった事とゲオルグのやった事は全く同じで、ターゲットを仕留められず巻き添えの死が出たことも同じなのに、歴史の受け止められ方は全く異なる。一方は破滅に向かう国を救おうとした英雄的行為として讃えられ、一市民のゲオルグについては隠し続けた。行為によって裁いているのでないとすれば、その違いは何によって生まれたのか。ヒトラー暗殺、13分の誤算 [ クリスティアン・フリーデル ]楽天ブックス
July 1, 2018
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みなさん、こんばんは。日本チームの試合、もやもやしましたね。眠れませんでしたか?さて、今日から5日間はナチスドイツがテーマの作品を紹介します。最初は実在の検事を主人公に据えたテレビ映画です。検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男DIE AKTE GENERAL1959年、ドイツ。ナチスの戦争犯罪の時効まであと7年に迫り、フリッツ・バウアー検事が中心となって、ナチ犯罪追及センターが設立された。バウアー検事の独自の調査で、ナチス親衛隊アドルフ・アイヒマンの逃亡先がイスラエルであるとの情報を掴み、政府に起訴と身柄送検の要請をする。しかし、過去の罪を消し去りたい政府や組織内に潜むスパイの妨害によって、阻止されてしまう。自身にも監視がつくようになり、自由に動くことができなくなったバウアーは、若き検事ヨアヒムを助手に任命。簡単な裁判でも失敗続きで上司から見放されていた彼を気にする者はおらず、政府やスパイたちからの恰好の隠れ蓑となったのだった。バウアーとヨアヒムの決死の捜査で、次々と真実が明らかになっていくが、ナチス残党の起訴まであと一歩に迫った時、周囲に潜んでいたナチス残党のスパイが動き始めるのだった…。敗戦国は勝った国に裁かれる。その時既に判決は出ている。勝敗が明らかなのだから、敗戦国は悪い=有罪しかありえない。ただ、裁かれた国の民はこれからも生きて行かなければならない。だからドイツも日本も、結局は戦争犯罪を個人の犯罪に集約させた。だが、本当に裁かれた個人だけが悪人だったのか?戦争の高揚に紛れて、知らず知らずに無辜の市民も戦争礼賛に傾いていなかったか。 フリッツ・バウアーはナチスの犯罪を裁くには最適の人間と言えた。ナチスドイツに迫害されており、民族的にも責める権利はある。ただ、恨みで裁くなら復讐になる。行為を明らかにし、法で裁くのが理想的だ。だがバウアーがいた頃のドイツではできなかった。当時政権の奥深くにもナチスドイツの協力者はおり、彼等なしでは戦後ドイツは成り立たないようになってしまったからだ。また「罪なき者のみこの女に石を投げろ」と言うならば、当時同性愛が犯罪だったドイツでバウアーに石を投げる資格はなかった。それでも過去を清算するため、バウアーは妨害をものともせずアイヒマン逮捕を目指す。「皆さん、またお会いしよう。これが人間の運命というものだ。私は神を信じてきた。そして神を信じながら死んでいく。」これがアイヒマンの最後の言葉だ。本来なら罪を悔いて亡くなってほしかっただろうに、彼は自分の任務を露ほども疑ったことはない。裁判で本当に明らかにせねばならなかったのは、なぜ善良で法を順守する国民が、一人の狂気にいともたやすく踊らされて滅亡に突っ込んでしまったかという経緯だ。ドイツは小説や映画で繰り返しナチスドイツの問題を取り上げては注意喚起を行っているが、日本はどうもその意識が弱いようだ。敗戦国としてのみじめさが強調され、戦争に臨んだのは「流れを止められなかった」という消極的動機を挙げる。手痛い罰にはそれなりの効能がある。二度としようと思わない。だが日本は。高価なおもちゃを買わされて、使ってみたくてたまらないのではないか。検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男 [ ウルリッヒ・ネーテン ]楽天ブックス
June 30, 2018
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日大アメフトの選手会見と大学の会見を見るまでもなく、巨大な権力に抵抗することは難しいです。でもそれをやってのけることができた人がいます。実在の女性を基に製作された映画を紹介します。白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々SOPHIE SCHOLL - DIE LETZTEN TAGEベルリン国際映画祭最優秀監督&最優秀女優賞 1943年、反政府組織「白バラ」のメンバーであるゾフィーは、兄とともに大学構内で反戦ビラを配っていたところを逮捕される。厳しい尋問に屈せず信念を貫く彼女に、尋問官モーアはある取引を提案するが……。 第55回 ベルリン国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀女優賞を受賞した、史実に基づく映画化。近年新たに発見された尋問記録や関係者の証言を基に、反ナチス運動を展開した「白バラ」メンバーのゾフィー・ショルが逮捕され、5日間という短い尋問の末の判決、処刑に至るまでを描く。 ゾフィーの服は最初から最後まで変わらない。赤いカーディガンだ。大学を出た所を逮捕され、ずっと収容されて家に帰る間もなかったからだが、赤は情熱の色でもある。若くて理想に燃える彼女にぴったりの色だ。 そして危うい色でもある。クライマックスの裁判では、ゾフィーと対峙する場に裁判官ローラント・フロイスラ―がいる。彼の背後には大きな鍵十字の旗。フロイスラ―の服も赤で、旗の外側の色も赤だ。こちらも情熱の色。但し、対峙する両者が情熱を向ける先は全く異なる。 フロイスラ―の尋問は裁判官というよりも検察官だ。国選弁護士もつけられるが反対尋問を一切せず、ただ裁判という体裁を保つための存在に過ぎない。裁判は最初から結末が決まっている。但し実際のフロイスラ―はゾフィーの裁判の時は冷静だったそうだ。それはそれで恐ろしい。信念が揺るがないから冷静でいられるからだ。「今にこの場所にあなたが立つことになる」というゾフィーの捨て台詞は脚色だったのか、本当の記録か。もし本当に言われたとしてもそんな記録は抹消されただろうが。 ゾフィーと対峙する尋問官モーアはフロイスラ―よりも少し緩やかだ。ヒトラーの思想を信じるというより、彼が為政者になってから自分の生活は明らかに良くなった。だから今の体制を指示するというスタンスだ。「元仕立屋でよくても田舎で巡査どまり」とゾフィーに話している。もし以前の社会であれば、市長の娘であるゾフィーとは縁のない人物であったろう。尋問官としての給料は恐らく遥かに良く、お客にへいこらしていた仕立屋よりも、人を尋問する立場の方が畏怖される存在だ。ゾフィーの罪を理論と事実で追求する術は見事で、実際彼にはその能力があった。境遇が許せば教育を受け、法曹界でもやっていけた。それがヒトラー体制のもとでしか花開く事が出来なかった事は不幸である。フロイスラ―は裁判を待たず爆撃で亡くなるが、思いがけずヒトラーのもとで活躍出来た尋問官はその後どうなったのだろう。【楽天ブックスならいつでも送料無料】白バラの祈り -ゾフィー・ショル、最期の日々- [ ユリア・イェンチ ]楽天ブックス
May 26, 2018
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みなさん、こんばんは。正月始まっての連休はほっとしますね。映画ジョン・ラーベ~南京のシンドラーを見ました。ジョン・ラーベ~南京のシンドラーJohn Rabe出演香川 照之 ダニエル・ブリュール 柄本 明 スティーヴ・ブシェミ 杉本 哲太 日中戦争が始まって間もない1937年12月。日本軍は中華民国(蒋介石)の首都南京へ侵攻し陥落させた。首都機能はすでに重慶へ移転しており、数十万の市民と中国兵士、そして十数人の欧米人が南京に残留した。残った欧米人たちは、迫りくる日本軍から市民を保護する為、南京安全区国際委員会を設立、その委員長に選ばれたのがシーメンス南京支社長のジョン・ラーベだった。 ドイツ映画賞で主演男優賞・作品賞・美術賞・衣装賞を受賞、バイエルン映画賞では最優秀男優賞・最優秀作品賞を受賞。日本では上映不可能とまで言われた本作品がついに日本初公開!とはいってもロードショーをうたれたわけではなくホールなどでの限定公開になった模様。まあ南京大虐殺が出てきますからね。皇族出身の将校が「生きてる捕虜は見たくない」と一言言えば、泣きそうになりながら部下は慌てて「生きてない状態」にしなけりゃならない。日本人は典型的な悪役に描かれていますが、実写映像も挿入されるので誇張だけではなかろう。中国人に対しては酷い扱いだが、同盟国のドイツや外国人にはそれなりに配慮していた風が見える。例えば死んだと思っていたラ―ベの妻が生きていたことを、彼女自慢のお菓子を届けることで知らせる、なんて気が効いてると思うんですよ。 スティーヴ・ブシェミやダニエル・ブリュールら知っている俳優も出ているので機会があれば見て欲しい。ブシェミ演じるアメリカ人医師が最初は嫌っていたラ―ベと意気投合してナチス高官を揶揄する変え歌歌うシーンなんて戦争中とは思えないほどユーモラス。 ツイッターでなるほど、というコメントが流れていてそれは「こちらではナチス党員が中国人を日本人から救い、海外では杉原がナチスからユダヤ人を救った」というもの。国ではない、それぞれの人柄、信念が最後は人の値打ちを決める。【中古】南京の真実 / ジョン・ラーベ 著/エルヴィン・ヴィッケルト 編/平野卿子 訳 / 講談社いやひこ堂 楽天市場店
January 6, 2018
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みなさん、あけましておめでとうございます。さて、こちらは昔懐かしいTVアニメのヒーローが実写で登場です。ビッケと神々の秘宝WICKIE AUF GROSSER FAHRT/VICKY AND THE TREASURE OF THE GODS日本では70年代に『小さなバイキングビッケ』としてTVアニメ化され大ヒットした原作は1965年のドイツ児童図書賞を受賞し、今もなお世界中で読み継がれる名作。アニメはその後ヨーロッパを中心に全世界に輸出され、世界中に多くのビッケファンを誕生させた。腕っ節は強くないけれどめっぽう頭がいいビッケが鼻をこするとあら不思議、名案がわき出てくる!アニメでも名案がわくと星が飛んだが、実写版でもその通りだったのはアニメの影響? ひょんなことから神の秘宝を探す旅に出たビッケたちフラーケ族。宿敵のライバル・スヴェンにビッケのお父さん・ハルバル海賊長が誘拐された上に、美女の島で美女の大群に奇襲をかけられたビッケたちの運命は! ?↑と書いてますが、これは誤解を生みます。ビッケ達が流れ着いた島がアマゾネスの島で彼女達のスタンスは「もう男性達に虐げられない!」というもの。別に男性と聞けば襲ってくるようなものではない。むしろ帆がなくて困っているビッケにあるものを提供してくれるなど優しい。 さて、今回秘宝として登場するのが、なんとマイティ・ソーことソーの斧。取り上げると雷を振りまわして本当に危ない。いやー、ソー様、あまり自分の武器を振りまわすと危ないですよ。 そういえば子供向け映画とはいえ、負けた側は勝った側の使用人になる所まで映していてシビア。あと、スヴェンの娘が髪の毛に編み込みしていておしゃれだった。ビッケと同様父親に認められないコンプレックスを持っているが、父親に面と向かっていけないことはいけない、と言える強さを持っているなかなか魅力的なヒロイン。一回だけの登場はもったいないくらい。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ビッケと神々の秘宝 [ ヨナス・ハンメルレ ]楽天ブックス【送料無料】蜂蜜(はちみつ)ハニーお試しセット国産、外国産の純粋はちみつ28種類から5つ選べる!お得なはちみつ5点セット蜂蜜専門店 かの蜂
January 1, 2018
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みなさん、こんばんは。過去をやり直せたらって思うことってありますよね。で、ドラえもんのようなどこでもドアが本当にあったら?という話です。ただあまりに偶然が多すぎるんですけどね…。ザ・ドア 交差する世界DIE TUR/THE DOOR出演マッツ・ミケルセン 2003年、自らの不倫中に娘を事故で亡くし、2008年には妻にも愛想を尽かされ全て失った画家のダビッド。自暴自棄となった彼はある日自殺を試みるが、そこで不思議な扉を発見する。その扉は、娘を失ったあの日に繋がっていた。信じられない思いながらも、ダビッドは扉のあちら側にいる娘を救出することに成功する。ところが、安堵もつかの間ダビッドは不審人物と見なされ襲われてしまい、勢い余ったダビッドは相手を殺してしまう…のだが、なんと相手は“もう1人の自分”だった。果たして、ダビッドが辿る運命とは。 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で自分の両親が結婚しなければ自分がどんどん消えてってしまう!と焦るマーティ。そうなのだ。過去を変えると未来が変わってしまい、自分が存在しない可能性もあり得る。その考えで行くと、そもそもこの映画はおかしくなる。2003年の自分を殺してしまったのに、2008年の自分は生きている。なぜ?それぞれがパラレルワールドだから影響がないということ?でもそれなら、後からやってきた2008年の妻がわざわざ「2003年の自分を殺せ」なんて言わないと思うんだけど。互いの世界が影響を与えないのであれば、よその世界に送ればいいじゃん。 で、ご都合主義なのだろうけれど、周囲にもなぜか自分と同じ5年前からやってきた人達が沢山いる。なぜ同じ年代?もっと散らばっても良かったのでは?そして5年前から来る人達が皆自己中なのも頂けない。隣人の夫婦は来るなり2003年の自分達を殺して娘になりかわるし、そもそも何で2008年からやってきたんだろうこの夫婦。 2003年にやってきたばかりの2008年版ダビッドが「あなたは本物のパパじゃない」と言い切る娘に対して抱く切ない感情はよく出ていた。2003年の自分は娘に慕われるようなパパじゃないって一番わかってるのに、娘にとってはやっぱりあの女にだらしのない自分がパパなんだな、と感じるところ。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ザ・ドア 交差する世界 [ マッツ・ミケルセン ]楽天ブックス【送料無料】蜂蜜(はちみつ)ハニーお試しセット国産、外国産の純粋はちみつ28種類から5つ選べる!お得なはちみつ5点セット蜂蜜専門店 かの蜂
November 2, 2017
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みなさん、こんばんは。 『東ベルリンから来た女』で組んだ主演&監督がシチュエーションを変えて再び映画を作りました。強い女性を演じるニーナ・ホスが印象的です。あの日のように抱きしめてPHOENIX 1945年ドイツ、強制収容所から帰還したネリーは銃によって顔にひどいけがを負っており、顔の修復手術を受ける。生き別れになっていた夫ジョニーと念願の再会を果たすネリーだったが、妻は収容所で死んだと思い込んでいる彼は、顔の変わった彼女が自分の妻であることに気付かない。さらに、その遺産を手に入れるため妻のふりをしてほしいと持ち掛ける。 『東ベルリンから来た女』のクリスティアン・ペッツォルト監督が、主演のニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルトと再タッグを組んだ。前作では訳ありの医師と彼女に好意を寄せる医師という愛が生まれていく過程を演じた二人が、今度はいびつな愛を扱いかねる二人を演じる。邦題は妻の叫びだが、夫の願いではない。整形手術で妻が元の顔を選んだのは、一目で夫が分かってくれると思ったからだ。しかし夫は気づかず、妻が呼んだ愛称で自分を呼ぶことを拒否したばかりか、彼女と決して目を合わそうとしない。本物に夫が「妻はそんなじゃない」と視線のやり場まで教えているシーンは何とも皮肉だ。夫の方こそ彼女をわかっていなかったのに。クライマックスでネリーが歌う「Speak Low」は「時の流れはあまりにも早いから早く愛の言葉を囁いて」という歌詞で、これはネリーがジョニーに向けたメッセージでもある。ジョニーは彼女のメッセージを受け止め、望む答えを返してくれるのか。二人の俳優の抑制のきいた演技が良い。監督の二人に向けた信頼がよくわかる。原題「Phoenix」は、原作のタイトル「Le Retour des Cendres」(直訳すると「灰の復帰」の意味)由来で、灰から復活するという不死鳥に因み、アウシュビッツから生還するネリーを象徴するとともに、劇中に登場するキャバレーの名前にもなっている。あの日のように抱きしめて [ ニーナ・ホス ]楽天ブックス
July 24, 2017
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みなさん、GWももうすぐ終わりですね。あっという間でしたか?映画グランド・ブダペスト・ホテルを見ました。グランド・ブダペスト・ホテルThe Grand Budapest Hotelアカデミー美術賞&メイクアップ・ヘアスタイリング賞&衣装デザイン賞&作曲賞出演レイフ・ファインズ エドワード・ノートン エイドリアン・ブロディ ジュード・ロウティルダ・スウィントン フランク・マーリー・エイブラハム マチュー・アマルリック レア・セドゥ ビル・マーレー オーウェン・ウィルソン トム・ウィルキンソンシアーシャ・ローナン ジェフ・ゴールドブラム ウィレム・デフォー ハーヴェイ・カイテル監督&脚本ウェス・アンダーソン この話、話中話の中に更に話が入っている、という入れ子構造になっている。まず、1.現在、売れっ子作家(トム・ウィルキンソン)がうるさい孫をおしのけながら、あるホテルで若い頃体験したことを画面=観客に向かって語る2.1960年、若き日の作家(ジュード・ロウ)が滞在したホテルで、最上階を使っているオーナーと知り合い、そもそもこのホテルを手に入れることになった経緯を聞く ただ聞くだけの作家、最初と最後だけの語りかける作家に両俳優を使う豪華さよ。 さて、ここからはオーナーの若い日の物語になる。舞台は東ヨーロッパにある架空の国。1932年、雪の中左右対称のピンク色のホテルが建っている。これぞ品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルだ。若き作家が滞在した時は閑古鳥が鳴いていたが、この頃はまだやんごとなき客も多かった。ここを仕切る名コンシェルジュのグスタヴ・Hは、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。しかし、常連客のマダムDが殺されたことでばく大な遺産争いに巻き込まれてしまう。グスタヴは信頼するベルボーイのゼロと一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡り……。 街の並びやホテルの部屋など、左右対称の景色が多く登場する、美意識あふれる均整のとれた画面を、時折破壊的なキャラクターが横切っていく。例えば、ウィレム・デフォーが演じる、グスタヴ・Hとゼロをどこまでも追いかけてくる必殺スナイパー。大雪の中も構わずバイクで追いかけてくる姿はまるでターミネイター。また、もうひとり、ハーヴェイ・カイテル演じるグスタヴ・Hが入っていた刑務所の同僚。雪の降る国にいるというのになぜか裸で(カイテルはよく映画で裸になる)全身刺青だ。一方のグスタヴ・Hは刑務所でもお気に入りの香水がないと落ち着かないくらいのきっちりした性格。映画を構成している均衡と不均衡のバランスを、傍観者として見ているのがゼロだ。彼の見方は幾分懐古調で、すっかりさびれてしまったホテルの華やかなりし頃と、その時代を生きた人達をこよなく愛する思いから来ているのだろう。グランド・ブダペスト・ホテル [ レイフ・ファインズ ]
May 7, 2017
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みなさん、こんばんは。ワルガキって言葉を知っていますか?こちらの映画に登場するのはワルガキですが、ちょっと一味違うのです。悪童日記A NAGY FUZET/THE NOTEBOOK/LE GRAND CAHIERドイツ・ハンガリー合作映画 第2次世界大戦末期の1944年、双子の兄弟は、両親から引き離されて都会から田舎に疎開する。ハンガリーに住む祖母は20年ぶりに戻った娘との再会にも不満顔で、娘を「メス犬」双子達を「メス犬の子」と呼ぶ。双子たちだけが農場に残され、村人たちに魔女とうわさされる祖母のもとで水くみやまき割りなどの仕事をこなしていく。 原作未読のまま映画だけを読むと、いろいろ分からない事が多い。祖母と母親が疎遠だったのは、恐らく結婚を反対されたからだ。「結婚式に招待したのに来なかった」という台詞があるので、祖母が頑なだったのだ。ではなぜ反対したのか。 戦争中、父は母と離れていた事が、ラスト近くの、母だけが祖母の所にやってくるシーンで分かる。そして妻が夫に対してそう強い貞操観念を持っていたわけではないことも同時にわかる。戦争だから爆撃の危険性が高い都会よりも、安全な田舎に子供を疎開させたのはわかる。しかし、なぜ夫と妻が離れ離れになったのか。 もしかしたら思想的な相違があったのかもしれない。それも、父親にかなり強い拘りがあったのか。戦争中父親は拷問を受けて爪を剥がされている。ソ連支配下のハンガリーを脱出しようとする事から、自由主義国への憧れが戦前からあったのかもしれない。一方母には思想に対する拘りはなさそうだ。だから今の父親とも結婚を決めたのだろう。 父親はなぜ二人に日記を渡したのだろう。この理由も明かされない。再会した後、余裕がなかったのか日記の事には全く触れていない。ただ戦争中の気休めになればという思いなのか。正直な所、彼の息子への愛情もよくわからない。 このように傍から見ればいくつもの不可解さを残すが、少なくとも外見上は理想的な両親のもとでぬくぬくと育った双子が「働かざる者食うべからず」のスパルタ方針の祖母の元、戦争中を生き抜く。そして日記に淡々と感情を交えず、あったことやすべき事だけを綴っていく。意図したわけではないが、そこから浮かび上がるのは両親の嘘や、世の中とあるべき姿との乖離=つまり、嫌になるほどの現実だ。 ‘絶対に迎えに行くからね あなたたちを愛してる たった一つの喜びなの’と別れる時に甘い甘い菓子のような言葉を残して去っていった母が、実際に何をしていたか。「お父さんが言った‘悪い事をした人はどういう罰を受けるかわかってるのか?’お母さんが言った‘神は全てお見通し’ 」それなのに、双子に同情して靴をくれたユダヤ人の靴屋は、皆に殴り殺され、解放者に今までにない笑顔を向けた少女は悲惨な目に遭う。何を信じてよいかわからない世の中で、あれだけ何度も「別れたら死んでしまう」と呟いていた双子までもが別れ別れになるに至り「これは全体ハッピーエンドなのだろうか?」と頭をかしげた。自由世界に行った子と、ソ連の支配を受けるハンガリーに残る子。ここまでは二人はほぼ同じだ。顔こそ違え、個々の名前は紹介されていない。どちらかが思うことは、必ずもう一方も同意してきた。だが、これからは違う。一切感情が記されなかった双子達が、どのようなルールに従ってそれぞれの戦後を生き抜いていくのか。その先をこそ別の形で知りたい。映画「悪童日記」この作品情報を楽天エンタメナビで見る【楽天ブックスならいつでも送料無料】悪童日記 [ アンドラーシュ・ジェーマント ]楽天ブックス
January 25, 2017
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みなさん、こんばんは。今夜は雨が降っています。寒そうです。手紙は憶えているを映画館で見てきました。手紙は憶えているRemember出演クリストファー・プラマー マーティン・ランドー ブルーノ・ガンツ ユルゲン・プロホノフ監督アトム・エゴヤン 90歳のゼヴは、妻を亡くしたことさえ忘れるほど物忘れが進んでいた。ある日、彼に友人マックスが1通の手紙を託し、家族を殺したドイツ人兵士への復讐を依頼する。「君は、やると約束したんだ」自分と同じくアウシュビッツ収容所の生き残りで体が不自由な友人のために、ゼヴは単身でリベンジを果たそうとするが……。 最近ミステリー小説で老人ともいうべき年齢の男性がハードボイルドタッチで敵を倒すストーリーが評判を呼んでいる。今回もその類のように見えるし、実際そうである。記憶障害に苛まれながら、託された任務を果たそうと奮闘する話なんて、涙なしには聞けませんでしょう?「ナチスに家族を殺された男が、殺した相手に復讐する=殺す」そう書くと、ミステリのねたばらしなんて反則では?と思うかもしれないが、この大筋を話したところでネタばれにはなっていない。「君と僕しか相手の顔を知っている人はいない」と告げるマックスの言葉まで、嘘は一つも言っていない。それでも、大事な点はずっと隠されたままなのだ。 邦題もどんぴしゃり。原題は『Remember』で「覚えている」という意味の動詞だ。でも、邦題はここに言葉が加わって「手紙は憶えている」になっている。そして、その方が事実に即している。なぜならばこの手紙を持って歩いているゼブは記憶があちこち飛ぶのに対して、手紙=書かれたことは変わらないし、書き手であるマックスも記憶を持ち続けているからだ。監督は『スウィート ヒアアフター』のアトム・エゴヤン。彼のポリシーは「悪事を為したものはそれがどんなに小さくとも報いがある」。『スウィート ヒアアフター』でもたった一人生き残ったサラ・ポーリー演じる少女は脚が不自由になってしまう。事故に遭った彼女は被害者で悲劇のヒロインであるかのように見えるが、彼女もイエスが言った「この中で罪のない者だけが彼女に石を投げていい」と言った、石を投げられるべき人ではない。本篇でも同じで、罪を犯したものは絶対に逃れられず報いを受けることになる。そしてそれは、当人のみならず家族にまでも暗い影を落とす。大変厳しい人生観である。 鋭い人は途中でネタがわかってしまったかもしれない。自身ももしかしたら?と思った時がある。それは、ある人物がある部屋に入って、まるで当然のようにある服を身にまとう所だ。もしかしたら当人が覚えていないだけで、奥底では覚えているのかも?と思わせるようなシーンだった。手紙は憶えている [ クリストファー・プラマー ]楽天ブックス
November 28, 2016
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みなさん、こんばんは。今日は話題の築地市場に行ってきました。築地まつりやってましたよ。中国人が多かったです。こちらはあの有名なグリム童話の映画化です。野獣がストーカーと化してます(笑)美女と野獣Die Schöne und das Biest 片田舎に住む美しい娘エルサは、父ヒューゴと二人暮らし。ある日、仕事で遠方に出掛けたまま戻らない父を心配し、エルサは森へ捜しに出掛けることに。一方、道に迷ったヒューゴは、偶然辿り着いた人けのない古城で一夜を明かし、翌朝エルサへのプレゼンにと、園庭の美しいバラを一輪摘み取った。その瞬間、野獣のような唸り声と共に恐ろしい姿をした男に襲われてしまう。必死で助けを求めるヒューゴに、男は非道な交換条件を言い渡した。それは、この城を出てから最初に会う人間を差し出すということ。しかし、ヒューゴが城を出て最初に出会った人間は、娘のエルサだった。 えーと、実はこれ、仕組まれてます。最初から野獣はエルザ狙いです。だって木の影からエルサと父をじーっと見てるシットがあるんですもの。そして野獣、とにかく性急です。まあ理由があるんですけど、出会い頭にこうですよ。「俺の妻になれ」「キスしろ」「お前は俺のものだ」はい、立派なストーカー認定おりました。初対面でこんな俺様発言された引くでしょう。そしてこの台詞を言うまでに、くんくんとエルザの匂いを嗅いでます。ああキモイ。「野獣なんか信じない」とつれないエルザに「心の声に従え」と野獣が言うのですが、従ってたら速攻で帰ってます。それが証拠にこの後あまりの衝撃にエルザは倒れるのですが、部屋で目覚めるが早いかすぐ脱出を試みます。 召使が男女二人いて、事情を知っているらしいのですが、「事情を言ったらだめなのよ」と言いつつ、実はぽろぽろしゃべってます。まあ召使だから口が軽いという設定なんでしょうか。でも野獣も言いたそうなんですよね。ただ「事情を言って呪いを解いてもらったらアウト」という縛りがついているとは聞いてないんですよね。呪いをかけた相手は多分神様でしょう。いやー、ラストはちゃんと王子様っぽくなるのですが、野獣があまりにも野獣すぎて、エルザがちゃんと好きになる時間が足りなくなるのでは?とハラハラしました。【送料無料】美女と野獣/コルネリア・グレーシェル[DVD]【返品種別A】
October 10, 2016
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みなさん、こんばんは。今週末また台風が来るようですね。それも台湾からぐるーっと回って。今年の日本はなんて台風に好かれてるんでしょう。さて、本日紹介するのはヴィスコンティの有名な映画でも描かれたのですが、ドイツ版ルートヴィヒです。2時間半の長尺。ルートヴィヒLudwig IIもう説明の必要がないくらい、知っている人は知っているバイエルン国王ルートヴィヒ2世。突然の父王の逝去により、19歳で即位した彼は「貧困もなく我が国は平和になる 歌って踊るのだ 歌と踊りのない国はない 技術と科学が栄えるだろう 私がこの国を栄光に導く 皆の者に言う いつか理解するであろう 芸術は大事だ バイエルンを美の中心地に」と理想を口にする。ラストの一語は皮肉にも彼の死後、ノイシュヴァンシュタイン城が一大観光名所となることで叶ったが、それ以外はいかにも絵空事だ。傍にはドイツ統一を念願とするビスマルクとヴィルヘルムがいて、時代は近代へと向かおうとしていたのに、ルートヴィヒだけが中世を向いていた。 数々の言動を見る度に「国王でなかったら良かったのだ。なぜ国王になってしまったのだろう。」と残念でならない。彼が国王であったことは、彼にとっても、国民にとっても不幸だった。なぜなら彼は現実の国もその民も少しも見ていない。ワーグナーの歌劇の中にある、自分の理想の国を作り上げることに夢中になった。 冒頭、皇太子時代のルートヴィヒが野を馬で駆けるシーンがあるが、それ以外は屋内の書割の森の中で馬を駆けるなど、悉く世間と距離を置いた。そのため、最初は彼と意気投合していた王室秘書官ルッツ(のちのバイエルン首相)や、彼の招聘を受けてやってきたワーグナーも、やがて彼から離れていく。彼等は現実を生きなければならなかったからだ。彼の憧れとして描かれる事が多いオーストリア皇后エリザベートも、すぐに旅に出る困ったちゃんだが、この映画の中ではルートヴィヒよりも現実的で、逃避する自分の事を客観視できている。重ねて言うが、国王であったことが彼の不幸だった。願えばどんな事も叶える財力とネームバリューを持っていたから、白鳥の城も昼夜逆転も実現できた。周囲が彼をどんな目で見ているか、バイエルンがどんな国になってゆくかを一切無視した彼には、やがて悲しい結末がやってくる。だが、実際のところ、夢を叶えた城から追い出された時に、彼が生きられる現実の場所なんて、この世にはひとつもなかったのだ。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ルートヴィヒ [ ザビン・タンブレア ]楽天ブックス
September 15, 2016
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みなさん、こんばんは。映画帰ってきたヒトラーを見ました。映画が公開されてから1か月は経っているのに一回目は既に満員で二回目もすぐに満員になりました。帰ってきたヒトラーER IST WIEDER DA/LOOK WHO'S BACK ナチス・ドイツを率いて世界を震撼させた独裁者アドルフ・ヒトラーが、現代によみがえる。非常識なものまね芸人かコスプレ男だと人々に勘違いされる中、クビになった局への復帰をもくろむテレビマン・ベリーニにスカウトされてテレビに出演する。何かに取りつかれたような気迫に満ちた演説を繰り出す彼を、視聴者はヒトラー芸人としてもてはやす。戦争を体験した一人の老女が本物のヒトラーだと気付くが……。 「無名の名優をヒトラー役に」というリクエストに応えて登場したのは、舞台を中心に活躍するオリヴァー・マスッチ。確かに、映像で見るヒトラーは小男でマスッチは大きい。しかしそんな事は、映画を見ているうち気にならなくなっていく。あの自信に満ちた口調で言われると、映像に残っていたヒトラーと二重写しに見えてくるのだ。 まずヒトラーはブランデンブルグ門に登場する。周囲の反応は明らかに「何かのやらせ番組?」と思っている節はあるが、明確な拒否感は感じられなかった。むしろ面白がってツーショットを撮ったり、笑顔で遠巻きに見ていたりしたので、ヒトラーという存在はもうタブーではなくなった、というのが、俳優ではない一般市民の素の表情で分かる。 アドルフ・ヒトラーやヴォルフスシャンツェ(映画『ワルキューレ』で描かれた暗殺未遂事件が起こったところですね)をメールアドレスに指定しようとして、ほかならぬ本人が拒否されたり、本人はいたって真面目に言っているのに奇妙に会話が成立してしまう(「ユダヤ人はネタにしないで」「もちろんだ。笑い事じゃない!」)件など、最初のうち、カルチャーギャップにうちのめされるヒトラーに笑いが起こった。しかしその笑いは、途中からあまり起きなくなった。 一つは、ヒトラーが現代ドイツの人々にインタビューしているドキュメンタリー部分があったからだ。ドイツの色々な地方を旅するが、明確に拒絶されたのは「こんな所でヒトラーなんて冗談じゃない!」と男性が怒っていたドレスデン(爆撃があったところですね)くらいで、明らかにフェイクと分かっている安心感なのか、カメラが回っているにもかかわらず外国人排斥や原子力、「働かない人はぶちこみゃいい!」という収容所必要論をぶつ人まで出てきた。虚構と現実が絡み合うセクションで、一枚岩ではない本物のドイツをまざまざと見せつけられる。ドイツは先の大戦の事があるから、恐らく移民を限界ぎりぎりまで受け入れようとする。しかしそのしわ寄せが国民にじわじわと押し寄せていて、もし、今、そのしわ寄せを掬い取るような人が現れたら、多分そっちにいっちゃうんだろう、という現実を見せつけられて愕然とした。第二次大戦に向かうあの時もそうだったのだろう、と。そしてあの時よりSNSやインターネットは遥かに進んでおり、情報操作も統制もスピーディになった。フェイクの部分でヒトラーが瞬く間に人気者になってゆく件が描かれるが、わざわざ「宣伝相」という役職まで作ってプロパガンダに精を出していたヒトラーのこと、もし本物が現在に蘇ったらその影響力はいかばかりなのか。風刺だが風刺に留まらない。本当に映画が指を突きつけているのはヒトラーその人ではなくこの映画を見ている民である。あなたはどうするのか、と。【楽天ブックスならいつでも送料無料】帰ってきたヒトラー Blu-ray コレクターズ・エディション【Blu-ray】 [ オリヴァー・マスッチ ]楽天ブックス
July 22, 2016
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みなさん、こんばんは。舛添知事の公私混同、次から次へと出てきますね。お金がないわけでもないのに、けちですね~。さて、こちらはドイツ映画です。有名な作家ゲーテの若き日の恋を映画化しまた。ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~GOETHE!監督&脚本フィリップ・シュテルツェル 1772年、ドイツ。法律家の父の意向で法律を学ぶ青年ヨハン・ゲーテの夢は、作家になること。しかし、出版社に送った原稿はあっさりと突き返され、夢破れた彼は、父親に従って田舎町ヴェッツラーの裁判所で実習生として働くしかなかった。田舎町のパーティで酔った女性と出会ったゲーテは、ある日見違えるように美しい女性が教会で歌う姿を見て一目で恋に落ちる。その女性シャルロットもゲーテに恋をするが、こともあろうに彼女は父親の命令でゲーテの上司であるケストナーと結婚することに。失望したゲーテは自分の最後の気持ちを彼女に伝えるために、ゲーテとシャルロッテのかなわぬ恋の物語を書き始めるのだか……。 ナポレオンもファンだった「若きウェルテルの悩み」。1774年に刊行されたドイツの文豪ゲーテの小説誕生の背景を、青年時代のゲーテを主人公に映画化。法律家ばかりか政治家・詩人として多才ぶりを発揮するゲーテも、この頃はまだ何者にもなれていないただの若者。ただ頭は切れるので、裁判所で働くとすぐに頭角を現し、ケストナーに目をかけられる。ただ、どんなに優秀でも中身は子供だ。 シャルロットとの恋も彼女の方がリードしていて「キスすべき時じゃない?」と誘うのも彼女。二人の間では、大人の態度を取るのは常に彼女であり、ケストナーを含めた三人の中でも、最も成熟していたのは彼女だったように感じた。自分の結婚に家族の生活や父の老後がかかっていると知れば、自分だけ情熱に走る事はできないし、才能あるゲーテに田舎暮らしを強いることもできない。決闘にかこつけゲーテを殺そうとしたケストナーよりも、悲しみを持てあますゲーテよりも、理性的で常に賢い選択が出来る女性として描かれていた。彼女の選択が、この映画のラストをすがすがしいものにしていた。 史実ではケストナーは上司ではなく友人だった。ゲーテとケストナーとの間に実際には決闘は行われなかった。但しゲーテがケストナーの死を望んでいたのは事実で、プロデューサーのクリストフ・ミュラーがこのシーンを映画に取りこんだ。 映画「ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~」この作品情報を楽天エンタメナビで見る【楽天ブックスならいつでも送料無料】ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~ [ アレクサンダー・フェーリング ]楽天ブックス
May 20, 2016
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みなさん、おはようございます。今年も一年、スポーツの話題でもちきりでしたね。ドイツ版『いまを生きる』とも言われている映画コッホ先生と僕らの革命を見ました。コッホ先生と僕らの革命DER GANZ GROSE TRAUM/LESSONS OF A DREAM出演ダニエル・ブリュール 1874年、イギリス留学を終え、ドイツへと帰国したコンラート・コッホ。とある名門校へ英語教師として赴任した彼は、授業の一環としてサッカーを教える。サッカーを通して、子どもたちはフェアプレーとスポーツマンシップの精神を学び、それまで抱えていた階級や国籍に対する偏見が少しずつ薄れていった。しかし、帝国主義下にあったドイツでは反英感情が高まっており、イギリスで確立されたサッカーは反社会的なものの象徴であった。地元の有力者やほかの教師たちは、コッホを学校から追い出そうとするが……。 個性豊かなプレイヤーが自由にプレイするブラジル、無敵艦隊スペイン、カテナチオと呼ばれる堅守を誇るイタリア、発祥の地らしく層の厚いイギリス、南米の古豪アルゼンチン、そしてドイツも常にワールドカップでは優勝候補に挙がる強豪国だ。そんなドイツで、サッカーの父として同国の人々から敬愛され続けているコンラート・コッホの実録ドラマ。 第一次大戦前のドイツは普仏戦争に勝って鼻息荒く自信に満ちていた。さもあろう、まだ一度も負けた事が無いのだから、今までのやり方に疑問を感じる必要がそもそもない。世の中の空気は古くから決められた事には絶対服従が当たり前、学校にも自然と規律と伝統を重んじる雰囲気が蔓延する。そんな中で新しいものを持ちこもうとしたコッホが抵抗勢力から総スカンを喰らうのは、考えてみれば至極当たり前のことだ。むしろこれほど自信に満ちた祖国を離れ「どうしてコッホが自国でなくイギリス留学をしたのか」という理由の方が知りたい。もしかしたら戦争で亡くなった父に対して忸怩たる思いがあるのか。 いかにもサッカ―は規律とは相性が悪い。何せボールはコントロールできないこともあるし、決まったコースを通ってくれるわけもない。臨機応変の対応が求められるので自由な発想が出来る方がいい。雁字搦めの教育から自由になった子供達は、今までにない姿を見せるようになっていく。ちょっと太めの生徒はやっぱりサッカーでもキッカーにはなれなかったが、GKとしてじぶんの居場所を見つけてから、どんどん自分の意見を打ち出していく。後援会長の息子であることを鼻にかけていた級長も、単なるいじめっ子から父の呪縛を離れて自立していく。サッカ―の試合を通じて友情やフェアプレー精神に目覚めていく生徒達の自然な演技が良い。ドイツで全面的にサッカーが解禁になったのは第一次大戦後だが、もっと早くに広まっていれば、ドイツという国も変わっていたかもしれない。コッホ先生と僕らの革命 [ ダニエル・ブリュール ]楽天で購入
December 22, 2015
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みなさん、こんばんは。昨日は暑いくらいでしたね。さて本日紹介するのは日本にも縁のある話です。原子力は便利なのでしょうね。そして大量の金と人が関わっている。しかし未来に対する危険もこれだけあるのです。こちらはつい先ごろ脱原発を決めたドイツのドキュメンタリーです。イエロー・ケーキ~クリーンなエネルギーという嘘YELLOW CAKE: DIE LUGE VON DER SAUBEREN ENERGIE/YELLOW CAKE THE DIRT BEHIND URANIUM “イエロー・ケーキ”とは、天然ウランを含有する鉱石を精錬してできる黄色い粉末のこと。原子力発電所はこれを原料としてエネルギーを生み出している。本作は、そのウランの採掘、精製の現場を丁寧に取材し、その過程で処理不可能な放射性物質が大量に生み出されている実態を暴き、これまで地球温暖化を背景にクリーンなエネルギーと言われてきた原子力発電に改めて疑問を呈するドキュメンタリー。旧東ドイツ南部のヴィスムート社のウラン工場。かつては従業員12万人、世界第3位の産出量であったが、東西ドイツ統合後に生産は停止された。しかし、鉱山の残土や粉塵が放射性物質を含むことが40年間も明らかにされていなかった。廃坑後、ウラン採掘会社は放射性廃棄物処理の会社に変わった。周辺に放出された2億トンの放射性汚泥。元従業員の高い肺がん発症率。映画では、閉山後旧露天鉱に16年間放射性廃棄物を運び続けている元鉱員を取材する。危険地帯に指定されてはいるが、いまだに解決方法は示されていない。その他カナダ、ナミビア(アフリカ南西部)、オーストラリアを撮影拒否にあいながら取材。 福島の原発で除染作業にあたっていた人が亡くなったという新聞記事を見て「ああ、やはり」と思った。除染は必要な作業だから一日最低限の被ばく量を浴びて作業をするのが望ましい。とはいえ作業員の給料やタイムリミットがあれば‘最低限’とやらは軽視されるのがオチだ。やはりそれほど原子力は、いや放射能は危険なのだ。 映画ではウラン精製において99%は廃棄されるという。その1%が中国やインドの原発に送られるそうだ。日本の名前も挙がっていた。採掘や精製作業が行われるのは往々にして主たる産業がない貧しい地域や国で、どれほど危険だと訴えても、引き換えに与えられる援助や金には換えられない。だが、綺麗事を言うかもしれないが、金はいっときだが健康は損なわれたら一生引きずらなければならない。ナミビアの採掘現場で働く若い女性社員は、「国が女性の就業を後押ししたからここで働ける」と喜んでいた。しかし放射能の危険性を自覚しているとは思えない。働く人が危険性を自覚して、それでも選ぶというなら、それは個人の選択の問題であるから仕方が無い。しかし東ドイツの採掘現場でも、工員達は表彰されたりいい給料をもらったりはしていたが、その後がんになる確率が高いなどと誰も知らされていなかった。 蝕むのは人間だけではない。湖の半分では生物が住まなくなったり、露天に置かれた廃棄物は生態系をも破壊する。その事はいずれ人間にも跳ね返ってくる。最も大事なことは、その後始末が私達の子供世代どころか、孫やその先の世代に渡っても終わらないということだ。今、日本では、ようやく動かなくなった原発をまた稼働させる動きが加速している。「コントロールされている」と国の代表が明言していたが、オーストラリアの女性は自然がいかにコントロールできないかを力説していた。原発を動かすということは、かつてのリスクを国民全体が再び抱え込むということ、もう一つの福島を作りだすということだ。嘘で固められた安全より、本当の危険を知った上で、国民に判断を委ねるべきではないのか。【中古】洋画 レンタルアップDVD イエロー・ケーキ 〜クリーンなエネルギーという嘘
November 18, 2015
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みなさん、こんばんは。文化の日はやはり晴れますね。映画命をつなぐバイオリンを見ました。命をつなぐバイオリンWUNDERKINDER 1941年、ウクライナのポルタヴァ。ユダヤ人のアブラーシャとラリッサは、子どもとは思えぬバイオリンとピアノの腕で神童として騒がれていた。そんな彼らのうわさを聞き、同じようにバイオリンの名手であるドイツ人少女ハンナが一緒にレッスンをしたいと申し出る。音を合わせるうちに、3人は絆と友情を深めるように。だが、ナチス・ドイツがウクライナへの侵攻を開始。それを機にユダヤ人迫害も始まり、アブラーシャたちに危険が迫る。彼等の類稀なる才能に着目したナチスの将校は、ヒムラーの誕生祝賀会で完璧な演奏を行えば強制収容所送りを免除することを約束する。 1996年生まれで12歳にしてカーネギーホールでのデビューを飾った、ドイツでは知らない人がいない天才少年バイオリニスト、エリン・コレフがアブラーシャを演じる。 先ごろ首相が「謝罪は子供達の世代には引き継がせたくない」と言っていた。子供たちはそういった残虐行為に手を染めていないのだから、親達の世代で区切りにしたい。その気持ちはよくわかるし、有難いとも思う。しかし先祖がやった記憶は引き継がなくてはならないし、その事によって自然に生じる「謝りたい」という思いを禁じることはないのではないか。 同じ敗戦国であり同盟国であったドイツは、ナチスドイツによる残虐行為をテーマにした小説や映画を、21世紀以降もずっと作られ続けるだろう。特に『アンネの日記』のようなイコンもあるドイツは世間からのプレッシャーも凄いだろう。それでも国として、「もう過去から解放して欲しい」とは決して言わないような気がする。 大人達でさえ酷い実験や拷問にさらされたのだ。無力な子供達ならなおの事、ガス室への道は近かっただろう。例え天才少年少女であっても、ナチスにとってはユダヤ人でしかない。アブラーシャ達を生かすも殺すも自分次第という立場に立った将校は、わざわざ演奏前に親達の行く末を語ってラリーサの動揺を誘う。映画によってはナチスドイツであっても同情的なキャラを投入することもあるが、本編では一切それがない。ナチスドイツの軍部は悪の権化として揺るがない。美しい調べを愛する一方で、その音楽を演奏する人達をいとも簡単に抹殺する。このような悲劇が二度と繰り返されてはならない。例え未来の日本の子供達が謝ることをやめてしまっても「日本軍がかつてアジアに対して行ったような残虐行為を繰り返すまじ」という思いだけは、伝えていかなければならない。命をつなぐバイオリン 【DVD】HMV ローソンホットステーション R
November 4, 2015
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みなさん、こんばんは。先ほどまでテレビ朝日のドラマ民王を見てきました。山中さんはNHKの時代劇で見た事があるのですがこんなにコメディにはまるとは。何と言っても遠藤さんと菅田くんの入れ替わった演技がいいですね。映画ハンナ・アーレントを見ました。ハンナ・アーレントHANNAH ARENDT出演ジャネット・マクティア バルバラ・スコヴァ監督&脚本マルガレーテ・フォン・トロッタ 誰からも敬愛される高名な哲学者から一転、世界中から激しいバッシングを浴びた女性がいる。彼女の名はハンナ・アーレント、第2次世界大戦中にナチスの強制収容所から脱出し、アメリカへ亡命したドイツ系ユダヤ人。 1960年代初頭、何百万ものユダヤ人を収容所へ移送したナチス戦犯アドルフ・アイヒマンが、逃亡先で逮捕された。アーレントは、イスラエルで行われた歴史的裁判に立ち会い、ザ・ニューヨーカー誌にレポートを発表。ドイツ系の亡命ユダヤ人哲学者ハンナ・アーレントの「悪の陳腐さ」という言葉は、1960年代初頭、ナチスの戦犯アイヒマンの裁判を傍聴した彼女が「ザ・ニューヨーカー」誌に発表した長篇レポートで一躍知られることになった。彼女はアイヒマンとは冷酷非情な怪物ではなく、上官の命令を黙々と遂行する凡庸な官吏のごとき存在にすぎないと喝破した。その衝撃的な内容に世論は揺れる…。 日本とドイツはよく比較される。戦争末期のどさくさで奪われた領土問題も引きずり終戦記念の度に「何度も何度も謝罪をしろ、と言われてうんざり」しているのがよくわかる為政者はアジア諸国から未だに非難されるのに、ドイツは謝罪を果たしてあろうことか統一まで成し遂げてしまった。その違いは何だろう。 ドイツという国が日本より成熟していたという事も確かにあるのだろう。だが一方で、ドイツはある一部の人達(ナチスドイツ)に戦争責任をうまく押しつけたのでは、との思いも湧く。ナチスの責任はもちろん重い。ドイツ人全てがユダヤ人を憎んでいたとは思えないからだ。ただ、その言い分が正しいのであれば、彼等が一掃された今、二度とこのような残虐行為はこの世では行われないことになる。本当にそうか。悪を成すのは一握りの、偶然世に出た悪人だけか。誰の心にも悪の要素はあるのではないか。 ハンナ・アーレントはナチスの戦犯が「余りにも普通であった」ことを指摘したため多くの怒りを呼んだ。善人であろうとする人々は、ナチスドイツと自分達が同じ「普通」だなどと思いたくもない。ただ、本当に普通なのだ。実際の裁判の映像がインサートされてアイヒマンの映像が流れるが、頭ははげあがり、ガラスの壁に囲まれた男が「ナチスで恐れられた男」と言われてもどうもピンとこない。そんな一見普通の男が、一度戦争になり、狂気の指導者に率いられると「獣」「怪物」に変貌する。その恐ろしさにこそハンナは言及したかったのではないか。偏在する悪に鈍感でいるうちに、知らないうちに自分も悪に染まっていく危険性があることを、私達は常に肝に銘じておかなければならない。映画「ハンナ・アーレント」この作品情報を楽天エンタメナビで見る【送料無料】 ハンナ・アーレント 【BLU-RAY DISC】LAWSONほっとステーション
September 5, 2015
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みなさん、こんばんは。今日はうってかわって蒸し暑かったですね。どの新聞もエンブレムの話題でした。海外の評価が結構厳しいです。さて、現在公開中の映画あの日のように抱きしめての共演カップルが最初に共演した映画東ベルリンから来た女を見ました。東ベルリンから来た女Barbaraベルリン国際映画祭銀熊賞 ベルリンの壁崩壊の9年前—1980年夏、旧東ドイツ。田舎町の病院にひとりの美しい女医がやって来た。彼女の名はバルバラ。かつては大病院に勤務していたが、西側への移住申請を政府に撥ねつけられ、この地に左遷されてきたのだ。秘密警察(シュタージ)の監視付きで。新しい病院の同僚アンドレから寄せられるさりげない優しさにもシュタージへの“密告”ではないかと猜疑心が拭いきれない。西ベルリンに暮らす恋人ヨルクとの秘密の逢瀬や、自由を奪われた毎日に神経がすり減っていく。そんなバルバラの心の支えとなるのは患者への献身と、医者としてのプライドだ。それと同時に、アンドレの誠実な医師としての姿に、尊敬の念を越えた感情を抱き始める。しかしヨルクの手引きによる西側への“脱出”の日は、刻々と近づいていた——。 逃げても逃げなくても、一度疑われたら一生疑われる。いつも誰かから見られているのではないかという疑いがぬぐいきれない。だからバルバラは自転車に乗りながらしょっちゅう後ろを振り返る。部屋に入ってカーテンの隙間から外を覗くと、外には見慣れない車が常に止まっている。ちょっと帰りが遅くなれば、シュタージの人間が家を訪ね、女性捜査官によって恥ずかしい所を探られる。まとわりつくような相互監視社会の息苦しさは、どんな晴れた日でも彼女の頭から離れない。同僚のアンドレが「車で送る」と何度も言ったり、果ては彼女と同じ「自転車で帰る」と言い出した事であっても、普通の状態なら「ああ、気があるんだな」って素直に受け止められたけれど、バルバラの場合はつい身構えてしまうのも仕方のないことだ。 そんな彼女の唯一の希望は金持ちの西側に住む恋人。しかし一方で病院には気になる患者が二人もいる。彼女の心を変えたのは、死んだ患者の記憶から逃げずに、今自分と向き合ってくれる患者と真摯に向き合おうとするアンドレだ。 ベタベタしないラブシーンがいい。とてつもない決断をしたあとなのに、すっきりしたような顔で病室に現れるバルバラと、見つめ合うアンドレのラストシーンに余計な台詞は必要ない。【楽天ブックスならいつでも送料無料】東ベルリンから来た女 [ ニーナ・ホス ]楽天ブックス
September 2, 2015
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皆さまこんばんは。医療の最先端と言えば、今ならばアメリカでしょうけれど、昔医療の最先端はペルシアでした。そんな時代に医学を学ぼうと長い旅に出かけた少年の成長物語が映画になりました。千年医師物語 ~ペルシアの彼方へ~THE PHYSICIAN出演ステラン・スカルスゲールド ベン・キングズレー 11世紀イングランド、母親を亡くした少年ロブは弟妹と離れ離れになり、各地を旅して回る理容外科医に引き取られる。やがて成長したロブは医師を志すようになり、医学が発達した異国ペルシアのイスファハンへ旅立つ。数々の困難に見舞われながらも目的地に到着したロブは、世界的にも著名な医師イブン・シーナに弟子入りし貪欲に医学修業に励む。 近世になるとヨーロッパ=先進国、東洋=後進国というイメージが広まるが、それ以前は逆転しており、東洋の方が遥かに技術が進んでいた。医術もその一つだ。 主な舞台はイギリス・ロンドンとペルシャなのに製作国はドイツ。なぜに?と思うが主人公とその師匠の真面目で几帳面な生き方がドイツ人の気に入ったのか。 所謂DarkAgeと呼ばれ、宗教界からは医術が黒魔術Black Magicと恐れられていた時代。そうはいっても当時の医療なんていい加減で、そこらの野草を適当に摘んできて煮たりちぎったりしたものをつけるだけ。痛い手は無理やり引っ張る(痛い!)。人間の体の構造を全く考慮に入れていないので、魔術ではないが、非難も全くの見当違いではない。そして医療行為をする者は理容師と呼ばれており、本編に出てくる理容師は、手品まがいのこともやっている。いかにもいんちきくさい。その役を演じているのがステラン・スカルスゲールド。『奇跡の海』の時はエミリー・ワトソンが愛を捧げるもっさい男としての印象しかなかったが、ここ最近胡散臭い役も『パイレーツ・オブ・カリビアン』のウィルのおとーさんなどというおいしい(がメイクはすごい)役も演じている。 彼の演じた理容師などは、ロブを利用する一方で愛情を見せるなど振れ幅があるが、他は王役のオリヴィエ・マルティネスといい、イブン・シーナ役のベン・キングズレーといい、それぞれの俳優が抱かれているイメージをそのまま「豪胆な王」「威厳のある師匠」という記号的なキャラクターに写し込んでいる感じだ。千年医師物語 ペルシアの彼方へ [ トム・ペイン ]楽天ブックス
June 3, 2015
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みなさん、こんばんは。アイガー、メンヒ、ユングフラウはかつて行ったことがある。もちろん北壁に挑戦したのではなく、登山列車でその麓の村に行き、晴れた日にその美しい姿を眺めただけだ。しかしそこに登ってみたいと思う人達がいるのだ。美しい姿とは別の、恐ろしい貌を持っているその山に。アイガー北壁NORDWAND 監督&脚本フィリップ・シュテルツェル山に登る人達に理由を聞いた時の答えとして、最も有名なのが“そこに山があるから”だ。本編の主人公の一人、トニ―は、かつて恋人ルイーズに、理由をこう語っていた。「かつてトニ―が私に言ったことがある。壁のふもとで上を見上げるとこう自分に問いかける。一体誰がこれを登れる?そして誰がなぜ登りたいなんて思う?だが、そんな事は頂上に立てば皆忘れてしまう。必ず戻って来ると約束したただ一人を除いて。When you're at the bottom - Toni once told me - at the foot of the wall, and you look up, you ask yourself: How can anyone climb that? Why would anyone even want to? But hours later when you're at the top looking down, you've forgotten everything. Except the one person you promised you would come back to. 」トニ―・クルツとアンディ・ヒンターシュトイサーは、山岳猟兵学校に通っていた。ベルリン五輪開幕直前の1936年夏、ナチス政権は国威発揚のためドイツ人による前人未到の難所アイガー北壁初登頂を強く望んでいた。初登頂を成し遂げた者には、金メダルが授与されると発表される。同じ頃、オーストリアのエディー・ライナーとヴィリー・アンゲラーも北壁挑戦を狙っていた。同じ日に登頂を開始した彼らは途中で合流し、順調に登っていくが、落石によるメンバーの負傷や悪天候に見舞われ……。トニ―よりもアンディの方が初登頂に乗り気で、トニ―はコンビを組んでいる彼を放っておけなくて参加したというスタンスだ。登頂においてもアンディの方が積極的に意見を言い、経験もあるトニ―は、よほどの事がない限り彼に反対はしていない。きっと今までも、トニ―の慎重さとアンディの積極性がうまく絡み合って、数々の初登頂を成功させてきたのだろう。うまくいっている時はいい。だが、今回の登頂では、アンディの積極性が裏目に出てしまった。そして一つの事が裏目に出ると、その次も、その次も、悪いことは重なってやって来る。こうなると、もう運だけではどうにもならない。暖かい山の麓のホテルで初登頂を待っている人達の服装は豪華で、豪勢な食事を楽しんでいる。一方、トニ―達はどこの援助も受けずに自転車でやって来て、服装も薄汚れている。登頂中も邪魔になるから最小限の食料しか持っていない。ルイ―ゼは両者の中間に存在する。トニ―と別れベルリンで写真担当に抜擢された時は、初登頂の瞬間を収める事に名誉欲を刺激されていたが、彼等の登山を見ているうち、そして上司の無責任な発言を聞くうちに、よりトニ―達の気持ちに寄り添うようになる。山はただそこに在るだけだ。だが、気候と手を組めば山はこれ以上ない脅威となる。映画は自然の脅威と人の限界をこれでもかという位に見せつける。そこでは名誉欲も技術も何の役にも立たない。最後には、ただ生きたいというささやかな願いだけが残り、生命力だけが頼りになる。何かを食べ、何かをしながら見るという映画ではなかった。ずっと画面にくぎ付けだった。CGを一切使わないで撮影された映画は、一体どうやってあの傾斜や雪崩を撮影できたのだろう?という疑問が次から次へと湧いてくる。俳優達を上から撮影するショットも登場するが、本当に彼等の下には切り立った崖が口を開けて待ち構えている。これもまた前人未到の撮影だったのでは。【送料無料】アイガー北壁 [ ベンノ・フユルマン ]楽天ブックス
January 18, 2014
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昔映画館に見に行った映画です。萩尾望都さんの『ト―マの心臓』などギムナジウムものにはまった人にはいいかも。【5000円以上で送料無料】飛ぶ教室|中古DVD【中古】スマイルDVD 本店 楽天市場店『飛ぶ教室』 トミー・ヴィガント / 松竹Das fliegende Klassenzimmer原作エーリヒ・ケストナーヨナタンは寄宿学校を6つも替え、いずれも逃げ出した前歴のある少年。今度はライプチヒにある少年合唱団で有名な聖トーマス校の寄宿舎へ入ることになったが、ここも長くはいられないかもしれない、と思っている。ところが指揮者のベク“正義”先生は優しく、何かと理解を示す。頭が良くて冷静な、リーダー格のマルティン。体がきゃしゃで、いつも劇で女役を振られ、いじめられるウリー。実験精神旺盛で校長の息子のゼバスティアン。いつもお腹をすかしていて力自慢のマッツ。ルームメイトの少年たち4人ともすぐに意気投合し、ヨナタンは劇の上演に期待を寄せるが。初日に行ったら、席の8割くらいが埋まっていた。客層は幅広く、どちらかといえば女性が多かった。校長先生と同じ帽子とコートを纏った人が、鉛筆をくれた。金髪+1名赤毛の中で、目立つ黒髪のヨナタンは、その暴発ぶりがエーリクにそっくりで、エーリクの可愛さはウリーに受け継がれた。リーダー格のマルティンの大人びた様子は、ユリスモール。こんなに萩尾望都さんの漫画「トーマの心臓」とイメージが重なっているとは驚いた。ヨナタンの参入でドラマが動き出す所も、皆揃った制服も、漫画の筋と似ている。違う所は、学校自体を批判の目で見るオスカー的存在がいない所か。原作とは異なり、映画では彼等は今風の服装を纏って外出するし、町に出ればラップに夢中になる。今の観客に、過去のものをそのまま出して、距離を置いて見て欲しくなかった制作者側の意図なのだろう。ベク先生と旧友の長い間会えなかった事情や、生徒の家庭環境など、少しずつ設定が変えられているし、女の子も登場する。おおむねすんなり受け入れられたが、最後のミュージカルのバックのCGは、やっぱり違和感があった。どこかで、レトロなイメージを期待していたのかもしれない。見知っている俳優が一人もいなかったので、どれも役のイメージで見る事が出来た。冒険心もあり、自己主張もでき、友情にあつい。たとえ仲間でも、間違っていれば否を唱える。今どきにしては、随分と真っ当に育った子ばかりが出てくる。先生は暴発をたしなめ罰を与えつつも、友情にあつい彼等を賞賛する。これが架空の世界にしか感じられなくなってしまった現代って、やっぱり病んでるんだろうなぁ。後で原作を読んで比べてみよう。
August 23, 2013
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みなさん、こんばんは。台風が来てますね~。雨はまだ降っていませんが、皆さんのところではいかがですか?今回紹介する映画は、映画なのかな?と思うくらい台詞がありません。どんな映画かと申しますと…。【送料無料】四つのいのち [ ジュゼッペ・フーダ ]楽天ブックス四つのいのち LE QUATTRO VOLTEイタリア&ドイツ&スイス映画南イタリア・カラブリア州の山村、ヤギの世話をする年老いた牧夫は教会のほこりが病を癒やすと信じ、それを水に溶いて飲み続けていた。長年そんな暮らしをしていた彼が息を引き取った翌日、入れ替わるように一匹のヤギが誕生する。初めての放牧で溝にはまり、群れからはぐれたヤギはあてもなく山中をさまよい、大きなもみの木の下で眠りにつく。そしてもみの木は祭りのシンボルとして切り倒される。祭りのあと、もみの木は木炭となり、またそれぞれの家に運ばれる。映画ではここまで描かれていたけれど、多分この木炭を使うのは人間で…と最初に命のつながりは最初に戻ってゆくのだろう。人間、動物、木、木炭という四つの命を通して、この世に生きるすべての命のつながりを紡いだ映像詩。南イタリア・カラブリア地方を舞台に、生まれては死んでいく自然界の命の営みを全く台詞なしで描く。第63回カンヌ国際映画祭をはじめ世界各地の国際映画祭で高い評価を受けた。老いた牧夫を演じたジュゼッペ・フーダと2人くらいしか俳優の名前があがっていないが、正直誰がプロで誰がアマなのか見分けがつかない。村人はもちろん本当の村人たちのエキストラ出演。唯一プロの俳優?だった牧羊犬を演じた犬がパルムドッグ賞を受賞。通ろうとする人にほえて立ち往生させたり、追い払われてもまたもとの道に戻ってきたりと、受賞も納得の名演技を見せてくれるが、撮影時は大変だったそうだ。フレームの中に入るのを怖がったらしい。そんなことをみじんも感じさせないくらい、自然な反応を見せてくれる。犬はトレーナーがいるだろうけれど、山羊はどうやったのだろう?都合よく一匹だけ溝に落っこちてしまう山羊が最後までメ―メ―と泣き続ける。ああ、山羊にとって防衛手段も救助を得る手立てもなにもなく、ただ泣くだけなんだなぁと自然界の厳しさを思い知った。監督は、本作が長編2作目となるイタリアの新鋭、ミケランジェロ・フランマルティーノ。
June 19, 2013
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みなさん、こんにちは。戦場は敵と味方に別れて戦うところなのは言うまでもないですが、その戦場で奇跡が起こりました。その奇跡を元にした映画戦場のアリアを見ました。戦場のアリアJOYEUX NOEL/MERRY CHRISTMAS出演ダニエル・ブリュール ダイアン・クルーガー ギョ―ム・カネ第1次世界大戦下、フランス北部の最前線デルソーで、敵対するフランス・スコットランド連合軍とドイツ軍兵士たちはクリスマスを迎えることになった。そんな中、ソプラノ歌手アナと彼女の夫でドイツ軍兵士のテノール歌手ニコラウスは、塹壕で聖歌を披露するのだが……。ディケンズ『クリスマス・キャロル』に代表されるように、クリスマスは全てを許し合う日として有名である。では、人間の行為で最大の愚行とされる戦争は?朝鮮南北会談が開かれているこのタイミングで映画を見た。韓国映画にも板門店を挟んで対峙する兵士が実は交流を深めていたという『JSA』という傑作があるが、本作は音楽をきっかけに戦争の最前線で兵士達の交流が始まる実話がベース。たくさんの映画を見ているので、映画で涙が出てくることはあまりないが、オペラ歌手のドイツ兵が歌う「きよしこの夜」、スコットランド兵士のバグパイプに合わせて始まる歌のシーンは、知らずと涙が出てきた。歌詞は違っても(意味はほぼ同じ?)同じメロディを奏でて、その音楽を良いと言える。離れた家族を思う心など、わかり合える事はほかにたくさんあるのに、個人同士に敵意はないのに、なぜ戦わなければならないのか。この心温まる交流を捨てなければならないほど、大義というのはそんなに大切なものなのか。合奏・合唱とミサで終わればハッピーエンドなのだが、この映画はその後にひと山がある。一度交流を持った兵士達は、お互いのために心を砕き、力になろうとする。しかしそんな彼らは、兵士としては〝使えない〟。ドイツ、スコットランド、フランスのそれぞれで、奇跡のクリスマスを体験した彼らは、更に過酷な戦場に追いやられる。兵士としては失格だが、ひととしてはかけがえのない体験をした彼らは、おそらく生きて戻ることはない。彼らが味わえなかった(であろう)世界の幸せを願うクリスマスを、今年南北朝鮮の両国が迎えられることを望む。ヨーロッパに語り継がれる実話を映画化し、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。戦場のアリア スペシャル・エディション [ ダイアン・クルーガー ]楽天ブックス
October 26, 2012
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みなさん、こんにちは。今回はドイツ映画を紹介します。ドイツといえばやり玉に挙がるのが第二次大戦時代のナチスドイツがユダヤ人に加えた迫害の数々です。しかし本作は一風変わった二者の関係を描いています。これが実話だというのですから事実は小説よりも奇なりです。ヒトラーの贋札Die Fälscher監督ステファン・ルツォヴィツキーアカデミー外国語映画賞モンテカルロで、一流ホテルに泊まり、美女と一夜限りのベッドを共にする男、サリー。だが、ポケットに入りきらないくらいの札束を抱えていても、彼の瞳はここではないどこかを見つめていた。1936年のドイツ、ベルリン。パスポートや紙幣など、あらゆる偽造を行うプロの贋作師サリーは、犯罪捜査局の捜査官ヘルツォークに捕らえられ、マウトハウゼン強制収容所に送られる。そこは犯罪者の送られる刑務所ではなく、ユダヤ人を対象にした収容所だった。史上最大の贋札(がんさつ)事件と言われる、“ベルンハルト作戦”を題材にしており、実際に強制収容所で贋造に携わった印刷技師アドルフ・ブルガーの著書が原作。原作者ブルガーは、アウシュビッツで妻を亡くしたことからドイツSSには批判的。その態度は、SSから与えられた死んだ囚人の上着を拒否したところから最後まで一貫している。信念を持つ彼とは対照的なのが、主人公サリーだ。彼には信念などというものはない。生きていくことが大事で、SSにも平気でこびへつらうし、小便をかけられても殴りかかることはない。反体制のビラを配って捕まったブルガーと、犯罪者として捕まったサリーとの間には、当然意見の相違があり、何度もぶつかる。しかし彼らもナチスドイツに対して抱く気持ちは同じであり、共闘すべきところは共闘する。自分の命を守るぎりぎりのところで、自分自身をも守ろうとする男たちのせめぎ合い、友情が描かれる。人を平面的でなく多面的に描いており、リアリティがある。【送料無料】ヒトラーの贋札 [ カール・マルコヴィクス ]楽天ブックス
August 20, 2012
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本当に暑い毎日が続きますがお元気ですか?ところで、皆さん、音楽はお好きですか?今回はロベルト・シューマンとその妻クララ、そしてヨハネス・ブラームスという3人の音楽家の生涯を描いた作品を紹介します。【送料無料】クララ・シューマン 愛の協奏曲 [ マルティナ・ゲデック ]楽天ブックスクララ・シューマン 愛の協奏曲GELIEBTE CLARA出演パスカル・グレゴリー マ・ルティナ・ゲディック監督&脚本ヘルマ・サンダースブラームス音楽クララ・シューマン ロベルト・シューマン ヨハネス・ブラームスピアニストとしてツアーを回りながら、作曲家の夫ロベルトの妻として、7人の子どもの母として、多忙な日々を送るクララ。そんな彼女の前に、若き新進作曲家ヨハネスが現れる。自分の才能を評価してくれるクララに対し、ヨハネスは敬愛の念を寄せるが……。天才作曲家ロベルト・シューマンの妻にして、ヨハネス・ブラームスのミューズでもあったピアニスト、クララ・シューマンの真実に迫る。頭の中の声に悩まされ、せっかく音楽監督となったのに、団員との付き合いができずに指揮を逃げ出すロベルト。天才ゆえの感性と言われればそういうものかと他人なら納得して、そこから去ればいい。しかし、家族であり、本来なら大黒柱でいて欲しい夫がそんな状態だったら、妻としてはいたたまれないのではないか。声に悩まされない時、思うように作曲をしている時のロベルトはクララにも子供たちにも優しい。そして彼を訪ねてきた若き音楽家ブラームスにも、この上ない賛辞を送る。しかし一度狂気の罠にかかってしまうと途端に表情が変わり一人の世界に閉じこもってしまう。フランス俳優パスカル・グレゴリーが、ふとしたことで豹変する危うい天才シュ―マンをイメージ通りに好演。そしてクララだが、従来はひたすら夫を愛して尽くすという点に焦点が置かれていたが、今回は自立心を持った女性として描かれている。夫の代わりに指揮に赴いて楽団員達に馬鹿にされても、決して怖気づくことなく指揮をする。女性が指揮者となることなど考えられなかった時代に、危うい夫の影で本当の指揮をする姿は、今まで描かれなかった強い女性クララ・シューマンだ。その功績を決して鼻にかけず、子供とシューマン両方の母として一家を支える彼女が、たった一人弱みを打ち明けられた相手としてブラームスが据えられている。クララの演奏をただじっと聞いている、表情だけの演技の長いシーンがあるが、彼女への尊敬・崇拝、そして溢れんばかりの愛情が無言ながらもこちらに伝わってくる演技をしていた。監督はブラームス家の末裔にあたるヘルマ・サンダース=ブラームス。これまではタブーとされてきたクララとブラームスの関係に、結ばれたか、結ばれなかったのか、ギリギリのラインまで踏み込んだのは親族ならではの大胆さであろう。もし全く関係のない人が撮れば非難を浴びたのではないか。
August 17, 2012
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ザブングルの加藤さんが少女雑誌の編集に挑戦する仕事ハッケン伝を見ましたが、最近の女子中学生の用語はわからん!とつくづく思いました。中世ドイツに生きていた若者達の心情はどうでしょう?というわけで今回は有名な童話の映画化作品を紹介します。クラバート 闇の魔法学校 KRABAT出演ダニエル・ブリュール デヴィッド・クロス 夢に誘われるまま荒地の水車場の見習いになり、親方から魔法を習うことになった少年クラバート。過酷な労働を強いられつつ、週に一度カラスに変身して親方から魔法のレッスンを受ける日々を過ごした彼は、3年後、1人の少女への愛と自由のため、生死をかけて親方と対決する。 ドイツ作家オットフリート・プロイスラーの児童文学を映画化。主人公クラバートには『愛を読むひと』のデヴィッド・クロス、少年たちのリーダー格トンダには『グッバイ、レーニン!』のダニエル・ブリュールと若手俳優の共演作の面持ち。 物語の舞台は30年戦争と黒死病(ペスト)が蔓延する暗黒時代に設定されている。何も知らない無垢な少年が仲間と出会い、友情を育んだりいじめられたりするが、やがて親方の秘密に気づく。しかしその時にはしっかり植えつけられた恐怖感により逆らえなくなっていた。一番阿呆に見えていた少年が実は切れ者だったり、おべっか使いとみられていた若者が意外にオトコ気があったりとキャラクターは細かく作りこまれていて、人間ドラマとしても見応えがある。ただ、原作を読んで暫く経つのでおぼつかないが、黒魔術を少年達に学ばせる意図がわからなかった。村を襲わせるでもなし(むしろ悪者から助けている)、さりとて世界征服を狙っているわけでもない。どうせ自分の生贄にするのならば、少年達に魔術を習わせてどうするのだろう?少年達を惹きつけるためのフックとしては高くつきすぎである。 少年の解放には、外界から来た恋人に解放を叫ばせ、カラスに変わった相手を恋人が間違いなく見つけるという条件がつく。つまりは二人の愛がどれだけ強いかということが試されているのだが、クライマックスでクラバートに台詞で「愛の勝利だ」みたいなことを叫ばせるのはいただけない。わざわざ言わなくても結果でわかっているのだから。 ところで、来る日も来る日も粉ひきという勤勉な仕事を黙々とやるのは、やはりゲルマン気質なのだろうか。アシタマニア―ナ人種ではそもそもこのストーリーは成り立つまい。【中古】DVD▼クラバート 闇の魔法学校▽レンタル落ち楽天で購入
June 8, 2012
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節分ですね。早くも2月。皆さん恵方巻は食べましたか?今回は個人主義の国の子供映画を紹介します。弟が犬になっちゃった!(DVD) ◆20%OFF!ぐるぐる王国 楽天市場店『弟が犬になっちゃった!』Mein Bruder ist ein Hund犬好きの少年・マリエッタは、弟・トビアスが犬アレルギーのために犬を飼えずにいた。パパは仕事中毒でママとの仲がうまくいっていない。両親は関係修復のために旅行に出かけてしまう。そんなある日、マリエッタが誕生日にもらった願いの叶う石をこすると、弟が犬に変身してしまい…。 ファンタジー色があるけれど、テーマは家族の素晴らしさ。トビアスが犬になるとCM出演を頼まれて人気者になってしまう。このCM出演から芸能界へという展開が結構唐突なのだが、マリエッタがこの話を受けるには、出かけた店でトビアスが高価なガラスを壊してしまってお金が必要、という理由をちゃんとつけてある。両親が留守の間面倒を見にきたおばあちゃんが子供嫌いでマリエッタも最初のうちは結構煙たく思っているけれど、トビアスがCM出演したと聞いて「昔女優になりたかったけど諦めた」という話をしたあたりから、二人の気持ちが近づいていく。この時マリエッタが「どうして女優を諦めたの?」と聞くと「子供が出来たから」と祖母が答える。その子供とはマリエッタの父親の事なんだけど、「じゃあパパのためにやりたかったことを諦めたの?」なんてすまなく思い、それで祖母は慌てて「違うのよ、そんなことないの。私は家族を選んだのよ」なんてフォローするのかな?と思った。ところがさすが個人主義のヨーロッパ(舞台はドイツ)、祖母はその事実を否定もしないし、孫娘も「でもおばあちゃんが今ここにいてくれてうれしい」とも何とも言わない。ただその事実を淡々と受け入れるあたりが日本と違うと感じた。結果的には夫婦も仕事よりも家族が大事だと戻ってくるし、マリエッタも犬よりも弟がいいと家族の素晴らしさに気づいてめでたしめでたしの大団円。人気犬が突然消えてTV局の人や友人の叔母は何とも思わなかったのか?というツッコミはひとまず置いておこう。HID♪送料無料&代引無料&10倍ポイント♪66%offキャンペーン【H1.H3.H3c.H7.H8.H9.H10.H11.HB4...価格:5,950円(税込、送料込)
February 4, 2012
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料理で子供の心を溶かしていくハートウォーミングな映画です。ドイツで映画に料理が出てくるって珍しいですね。食欲の秋になりました。キャサリン・ゼ―タ・ジョーンズ主演でリメイクされたドイツ映画を昔映画館に見に行きました。Mostly Martha 主演セルジョ・カステリット…マリオ マルティナ・ゲディック…マーサ マクシメ・フェルステ…リナ 監督脚本サンドラ・ネットルベック 物語 ハンブルグにあるフランス料理店でシェフを務めるマーサ。 仕事では一流だが、オーナーには「街で二番目のシェフ」と言われてしまう。 ある日、姉のクリスティンが交通事故で亡くなり、彼女の8才になる娘リナが マーサの元にやって来る。マーサは妊娠した同僚の後任でやって来た シェフの出現に戸惑う。 母の死のショックで、自分の世界に引きこもったリナは 何も食べようとしない。ところが、そんな彼女がただ一つ食べたものは…。 真っ暗な画面で、まず台詞ありき。 「鳩はローストが一番風味が増すの。 つけ合わせにはトリュフやマッシュルームの…」 料理教室か何かかな?と思いきや、現れたのは精神科医と女性。 どうやらセラピーの真っ最中。彼女はシェフなのだ。 何でセラピーで料理の事を延々と語るのか? でも女性は嬉々としている様子。ならば一応は、セラピー効果があると言えるのか? 何とも変わったセラピーもあったものだ、と思いきや、 台詞から、彼女はオーナーに言われてセラピーに通っていて、どうやら 自主的な行為ではなかったらしい事が明らかになる。 だが、あんなに饒舌だった彼女は、皆がわいわい言いながら、 レストランのまかないを食べる場面では、一人新聞を広げている。 だからといって、皆と反目しているわけではない事は、厨房で皆に 絶え間なく指示を与えている時の様子でわかる。 映される調理場の様子(本当に美味しそう!) から、なかなか腕のいいシェフだという事もうかがえる。 そしてなぜ、「二番目」と言われるかも、そのすぐ後の、 苦情を言った客への対応の仕方で見せてくれる。 頑固なドイツ気質のマーサ。 鷹揚なイタリア気質のマリオ。 そんな彼等の結びの神となるのが、ドイツ人の母親と、イタリア人の父親との 間に生まれたリナ、とすごくわかりやすいキャラクター設定。 「異なる素材を調味料で味付けして、一つの味を持った作品に仕上げる」ことを料理と いうのなら、マーサとマリオという素材を、リナという調味料で一つの作品=恋愛に 仕上げるまでを描いたのがこの作品ということか。 一歩間違えば嫌な女になりかねなかったが、マルティナ・ゲディックが 反発しながらも惹かれていくマーサの心理を好演していた。 その彼女を受け止める、というより前半は掌の上でうまくあしらっていた感 のあるマリオ役のセルジョ・カステリットとの目隠しラブシーンは なかなかエロティック。そういえば、冒頭の鳩のローストに関する台詞も 深読みすれば、なかなかエロティックラストのもう一つくらい前で止めて、後は観客の想像に委ねても 良かったかな?とも思った。まあこれは、きっちりした性格の ドイツ人監督流なのだろう。映画「マーサの幸せレシピ」この作品情報を楽天エンタメナビで見る【送料無料】マーサの幸せレシピ楽天ブックス
October 19, 2011
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みなさん、こんばんは。ベルンハルト・シュリンク原作の小説をもとにした映画を紹介します。時系列の入れ替えが効果的です。愛を読むひとThe Reader出演ケイト・ウィンスレット アカデミー主演女優賞レイフ・ファインズ ブルーノ・ガンツ監督スティーヴン・ダルドリー脚本デビッド・ヘア原作ベルンハルト・シュリンク 1958年のドイツ、15歳のマイケルは21歳も年上のハンナと恋に落ち、やがて、ハンナはマイケルに本の朗読を頼むようになり、愛を深めていった。ある日、彼女は突然マイケルの前から姿を消し、数年後、法学専攻の大学生になったマイケルは、無期懲役の判決を受けるハンナと法廷で再会する。冒頭シーンは何とも艶めいている。ベッドから裸の女性がやって来る。「起こしてくれなかったのねYou didn't wake me. 」「眠っていたからYou were sleeping. 」「一緒に朝食を取りたくなかったら起こさなかったんでしょYou let me sleep because you can't bear to have breakfast with me.」後の会話から、娘がいることすら話さなかったこの女性とは、一夜限りなのか、そうでないのかもわからない。あまり人と関わりたくない性格のようだ。それは身近な家族に対しても同じである。ベルリンにやってきた娘との会話「僕は難しい男だ。誰に対しても心を開いてこなかった。I'm aware I was difficult. I wasn't always open with you. I'm not open with anyone. 」娘のジュリア「わかってた。でもそれは私のせいだと思ってた。I knew you were distant. You know, I always assumed it was my fault. 」「どうしてお前が悪いものかHow wrong can you be」 心を閉ざす理由になったのは、学生時代に出会った年上の女性との出会いと突然の別れ、そして再会。思いがけず彼女が戦前何をしていたかが法廷の場で明かされる。 マイケルが大学で師事する教授は言う。「社会は道徳と呼ばれるものによって運営されていると考えているが、そうではない。法律と呼ばれるものによって機能している。 8000人がアウシュヴィッツで働いていた。正確に19人が有罪判決を受け、そのうち殺人罪と見なされたのは6人だけ。問題は決して「間違っていたかどうか」ではなく、「合法だったかどうか」ということだ。そして、私たちの法律ではなく、当時の法によって裁かれるSocieties think they operate by something called morality, but they don't. They operate by something called law. 8000 people worked at Auschwitz. Precisely 19 have been convicted, and only 6 of murder. The question is never "Was it wrong", but "Was it legal". And not by our laws, no. By the laws at the time.」 もしマイケルが法曹家でなければ、終わり方は違っていたかもしれない。しかし戦後教育を受けた彼だからこそ、彼女の行為は許せず、後悔或いは懺悔の一言をずっと待ち続けた。“坊や”という呼びかけで、以前と同じ繋がりを求めていたハンナとはずっとすれ違い続け、面会でも遂にその言葉は彼女から聞かれなかった。一方、ハンナは求めていた言葉はわからなくても、彼が蟠りを抱いているのだけはわかった。二人を結び付け、ハンナの世界を開かせた本が、最終的には彼女を別の世界に連れていってしまった。愛を読むひと<完全無修正版> 【Blu-ray】 [ ケイト・ウィンスレット ]楽天ブックス
October 3, 2011
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