inti-solのブログ

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2020.10.30
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テーマ: ニュース(100302)
国産旅客機の開発凍結 三菱重、コロナで需要減 日の丸ジェット撤退の危機


運航に必要な国土交通省からの型式証明取得に向けた作業は続け、将来の再開に備える。ただ、今後3年間の開発費は19年度の6分の1の計約200億円に圧縮。新たな飛行試験も見合わせるため、型式証明取得は早くて24年度以降となり、量産と納入も先送りとなる。再開のめどについて泉沢氏は「需要の回復状況次第だ」と説明した。需要次第では撤退に追い込まれる可能性もある。

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何だか、恐れていたことが現実になってしまいました。

MRJ

採算が取れるのかどうか、心配になってくる

4年前、私はMRJ(スペースジェット)の採算が取れるかどうか心配していたわけですが、まさか採算云々以前に形式証明を取って営業飛行に就航することすらできないまま凍結に至るとは、この記事を書いた当時としては予想の斜め上を行く展開と言わざるを得ません。

すでに初飛行から5年が経過しようとしている飛行機です。機体規模などからライバルと目されたカナダ・ボンバルディアのCRJ-100は、初飛行が1991年5月、翌年7月に形式証明を取って11月から就航しています。同じくブラジルのエンブラエルE-Jetシリーズの元祖ERJ-145も、初飛行の翌年からエアラインへの引き渡しが始まっています。
そこから考えて、初飛行から5年経ってまだ形式証明が取れず、いつ取れるかも見当が付かず、納入延期が続いている飛行機なんて、もはや商用機としてまったく商品価値を失っているでしょう。
記事には型式証明取得は早くて24年度以降とありますが、形式証明を取って量産を始めても、新たに購入しようという航空会社はまずないでしょう。それどころか、すでに得ていた発注(4年前に書いた記事の時点で確定発注が243機、オプション180機、購入権24機、合計447機で、それでも採算ラインには遠く及ばない状態でした)もどんどん取り消されているはずです。Wikipediaによれば今年2月、つまりまだ新型コロナの影響が本格化していなかった時点で、発注数は300機余りまで減っていたようです。
新型コロナ騒動以前に、いつ納品されるか見当もつかない飛行機では、何の予定も立てられないですから。
三菱は、「いったん立ち止まる」と言い、撤退とは言っていないですが、再開は難しいでしょう。再開してもいつ形式証明が取れるか分からず、赤字がどんどん膨れるだけですから。

そもそも最初の計画では2011年初飛行と言っていたので、初飛行の時点ですでに最初の予定から4年遅れていました。それでも4年遅れで初飛行はできましたが、民間旅客機としては生命線のFAA(米連邦航空局)形式証明取得が、ここまで難関になるとは思いませんでした。いや、おそらく形式証明取得が難関なのではなく、そこに臨んだ三菱が著しくダメだった、ということなのでしょう。






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最終更新日  2020.10.30 20:36:48
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