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保険の異端児・オサメさんコメント新着

「哀惜の歌」
昔、
どうしても
別れたくはなかった
別れ。
愛されなくて
理解はされなくて
抱きしめようと思っても
僕の胸から 猫のように
逃げてしまった
とうとう離れてしまった
その時の心が
あなたを慕うよ
今、
不意に
ひょんなことから
ふと、
あなたに出会って
また
蛍篭のように
心が揺らされる
もう
随分たって
あの頃の
ように
美しくはない
あなただけれど
それでも
別れたくて
別れた
恋じゃなかったので
心が揺り動かされて
ほとほとと
点滅する
たとえば
駅の
改札口を出た時に、
あなたの久しぶりの
横顔を見た時の
驚き
まだ変わりはしない
左の手で髪をかき分ける
あなたの癖
傘をさすときに
空を見上がる癖も変わってはいない
あなたの涙を拭いてあげるのは
誰なのだろう?
十年ぶりに出会って
もうお互いに
若くはないのに
とても
なつかしい悲しさのなかに
僕は漂うよ。
あぁ
あなたの笑顔をもう一度だけ
見てみたい
この胸にもう一度だけ抱きしめてみたい。
呼びとめようと
思うのだけれど
ただ
あなたが
傍らを通り過ぎるのを
見ているだけだ
蛍篭を揺らされるような
僕の心の嘆きのしずく
ほとほとと点滅する
今はもう、
あなたの涙を
拭いてあげるのは
僕じゃない