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2005年07月27日
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カテゴリ: 旅行、おでかけ
さて、この 「NINAGAWA十二夜」 の原作は、シェークスピアの喜劇である。
今回の主演の 尾上菊之助 が、父の 菊五郎 に「十二夜」を歌舞伎でやりたいと相談し、
蜷川幸雄 氏に演出を直訴したのだと言う。
それだけ聞いても、何だかワクワクする話ではないか。

さて、幕が開き最初から度肝を抜かれた。
舞台一杯に満開の桜が咲き乱れている。

まるで観客席の中央に桜が咲いているように見えるのだ。
その斬新な舞台装置と美しさに観客席がどよめく中、
古典歌舞伎にはあまり聞かないであろう音楽と歌声が流れ、
大篠左大臣と従者が静かに登場してくる。

この作品は、シェイクスピア作品を原作としているため、
その登場人物も原作名をもじっている。
これが思わず笑ってしまうのだ。

(役 名)      (原作名)  (役者名)
琵琶姫 (びわひめ)   ヴィオラ   尾上菊之助
獅子丸 (ししまる)
斯波主膳之助 (しばしゅぜんのすけ) セバスチャン 尾上菊之助
丸尾坊太夫 (まるおぼうだゆう) マルヴォーリオ 尾上菊五郎
捨助 (すてすけ)
大篠左大臣 (おおしのさだいじん) オーシーノ公爵 中村信二郎
織笛姫 (おりぶえひめ) オリヴィア  中村時蔵

という調子である。
役者名でわかるように、尾上菊之助は双子の兄妹の二役を
父親の尾上菊五郎は、まったく違う人物二役を演じ分ける。
つまり、「早替わり」が頻繁に行われるのだ。
通常、歌舞伎公演は三幕が別の演目のことが多いが、
この作品は三幕で一つの演目である。
その上に、「NINAGAWA十二夜」は初演なので、
役者にとってはすべてのセリフや動きは最初から覚えなくてはならない作品。
おまけにこの作品はシェークスピア劇だけに、セリフが膨大な量である。
それだけに、セリフ(ことば)の面白さは何とも表現しようがないけれど、
その長台詞を立て板に水のごとくよどみなく演じるのには、ただただ感服。
この演目を、正味8日間の稽古で初日を迎えたという。
テレビでこの作品の紹介をしていた時には、
一週間足らずで初演作品を仕上げるとは、歌舞伎役者ってすごいなあと思ったが、
本物を見ると、それはとんでもないことのように実感する。
それにあの「早替わり」である。
歌舞伎ではよくある趣向であるけれど、
まったく違う衣装にあの短時間で変わるとは、まるで手品だ。
舞台右手に引っ込んで、左手から出てくるだけの一分足らずなのである。
そして、でて来た時には息を切らすこともなく、
涼しい顔でまったく違う人物を演じている。
今回の菊之助は兄と妹を演じ分けるのだが、
男装し小姓となった妹・琵琶姫が、
男性を演じながらも思わず女の部分が顔を出してしまうところなど、
その声色の変化やしぐさなど、あまりの見事さに感動してしまう。

このように書いていくときりがないので
詳しいことはこのくらいにするが、
シェークスピア劇が原作とは言え、完全な歌舞伎仕立て。
その中に近代的な演出や台詞回しの面白さ、
二役の演じ分けに象徴されるように、人間模様の複雑さや、
随所に風刺やユーモア、ペーソス満載の、実に面白い作品だった。
そして、各役者の修行で鍛えられた動きの素晴らしさ。
歌舞伎の動きやセリフの基本が完全に身についているから、
このような新作も短期間で自分のものにできるのだろう。
柔軟に新しいものを取り込むことのできる日本の伝統芸能の奥深さに、
これは私たち日本人の宝物だとつくづく思う。
思い切って見に行って、本当に良かったと思う。

歌舞伎初観劇の妹は、「歌舞伎って、面白いんだねえ」と感心しきり。
私が初めて歌舞伎を見たのは20代はじめだと思うが、
その時は 「坂東玉三郎」 のこの世のものとは思えない美しさに魅せられてしまった。
妹もまた、今回の尾上菊之助の美しさや瑞々しさに魅せられたようだ。
最近は、歌舞伎のみならず伝統芸能世界の若手かとても頑張っている。
その真摯な姿を見ると、「日本もまだ大丈夫かもしれない」と思う。
とても満足した一日であった。





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最終更新日  2005年07月30日 10時59分46秒コメント(0) | コメントを書く
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