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2021年09月08日
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カテゴリ: ファストフード
 牛丼チェーンの戦いは続く。
  8月27日、 松屋が値上げを発表。9月1日から、牛丼(並盛)の価格が吉野家の牛丼と同じ380円になる。
 牛丼チェーンでは、吉野家、松屋、すき家の「三つ巴」の戦いが展開されているが、「値上げはしない」とする吉野家に加え、すき家も値上げの「予定はない」としている。
 「食」の世界に正解は見出しがたいが、「食の経済」の帰趨は、業績面から次第に明らかになっていく。
     ​
吉野家とすき家の「牛丼並盛」に、
コロナ禍で明暗を分けた戦略を読み解く
  … (略) …
●すき家と吉野家の価格戦略
 次に価格戦略を見てみます。例えば牛丼の価格に関してですが、最もオーダー率が高い並盛で比較をすると、すき家は350円、吉野家は387円です。すき家の方が37円安くなっています。しかし、牛丼カテゴリーにおける並盛の全アイテムの平均単価を見てみると、すき家は508円、吉野家は490円となっており、すき家の方が18円高くなっています。
 つまり、すき家は最下限価格(カテゴリー内の中でも最も安い価格)を吉野家より安く設定しておきながらも、580円以上の高単価の牛丼バリエーションメニュー(鮭オクラ牛丼、エビチリ牛丼、ビビンバ牛丼)を複数展開することで、カテゴリー単価アップを図っているともいえます。こうした戦略を私は 「心理的最下限価格戦略」 と呼んでいます。
 消費者がそのお店の価格を判断する際に基準となる商品(オーダー率が高い)の価格を低く設定することで、心理的な“安さ感”を打ち出します。そして、「価格に敏感(価格弾力性が高い)な客層」を取り込んだ上で、高価格帯に魅力的な商品群を配置することで単価アップを図っていく戦略です。
     ​
 他の業態の事例で説明します。例えば、焼肉店においては、オーダー率の高い「並カルビ」の値段を下げて安さ感を演出をします。その上で、上カルビや希少部位といった高単価メニューをしっかりとオススメ販売することで客単価アップを図っていきます。
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 ハンバーガーチェーン業界ではどうでしょうか。ケンタッキーフライドチキンは、ランチタイムの価格帯を安く設定した上で、「価格に敏感(価格弾力性が高い)な客層」を取り込みます。そして、季節限定メニューなどで「高付加価値商品を求める(価格弾力性が低い)客層」を取り込んでいく「2層マーケティング戦略」によって、長引く業績不振からのV字回復に成功しています。
  ―  引用終り  ―
     ​
 コロナ禍で様々な食材価格の上昇、最低賃金上昇で人件費の上昇が想定される。
 「三つ巴」の戦い、「牛丼戦争」はまた新たなステージを迎える。





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最終更新日  2021年09月08日 16時00分07秒コメント(0) | コメントを書く


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