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2021年10月18日
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カテゴリ: 感染爆発
 先進国では検査体制、看護体制、ワクチン接種などがすすみ、新型コロナウイルスとの共存体制が整いつつある。
 旅行業、観光業以外の経済が再開しつつあるが、回復に水をさす危機が進行しているという。
 比較的長期間のコロナ禍で、人生観、労働観が変化し、労働力不足が起こるとの危機感が生じている。
     ​
米国で失業給付が終わっても
「働かない人」続出の異常事態 ​。
労働力不足とサプライチェーンの寸断が
世界恐慌の引き金に
=高島康司
2021年10月3日 MONEY VOICE
  … (略) …
本当の危機は「労働力不足」

 実はいま、主要メディアで報道されている危機が水面下で進行している。それは、 労働力不足によるサプライチェーンの寸断 という状況だ。
 いま世界各地で新型コロナウイルスのパンデミックが緩和し、経済活動が徐々に再開されるにしたがい、いままで長期のロックダウンや行動規制などで抑制されてきた国内の消費が急速に回復している。
 それにもかかわらず、それを充足する供給が追いついていないのだ。
 これは、あらゆる産業分野に見られる現象になりつつある。これが背景となり、あらゆるモノの価格が急上昇しているのだ。
 その主な原因は、当メルマガの前回の記事にも書いたように、労働力不足によるサプライチェーンの寸断だ。
 IT機器のサプライチェーンの一端を担っている東南アジアの国々では、まだロックダウンが続いているところもあり、それが原因で労働力不足が生じている。また新型コロナウイルスの完全なコントロールに成功したとされる 中国では、感染者が一人でも発見されると、港湾や工場を完全に閉鎖する ので、そのたびに生産と物流が止まってしまう。
     ​
 しかし、サプライチェーンの寸断とそれによるモノの価格の上昇が、新型コロナウイルスの対策による労働力不足によってもたらされたものであれば、しばらく時間が経つと解決されるはずだ。
 もちろん、この冬にかけて第6波のパンデミックがある可能性は否定できないが、このままパンデミックがピークアウトして落ち着くと、労働者不足も解消され、サプライチェーンも元に戻るはずだ。
     ​ ​​


 しかしながら、状況はもっと複雑だ。 パンデミックでは説明がつかない労働力不足が発生している のだ。これはアメリカの例を見ると分かりやすい。
 米労働省が9月8日に発表した7月の雇用動態調査で、求人数から採用数を引いた人数は426万人と過去最多を更新した。 企業は需要に見合った採用拡大を目指すが、働き手の間では求職に慎重な動きが続いている。 人手不足の解消は見通せず、景気回復の足かせとなっている。
  … (略) …
     ​
 つまり、失業給付が打ち切られても人々は働いていないのだ。コロナの流行を機に仕事や生活への国民の考え方は変わっているようで、雇用が回復するかは不透明だとされている。
 このように、 失業給付が打ち切られても、人手不足が深刻が状況は続いている。 米CNBCが主要企業の最高財務責任者に実施した8月の調査では、「求人に見合った人手を確保するのがさらに難しくなっている」との回答は95%に達した。
 こうした人手不足が原因で、サプライチェーンが混乱し、物流の遅延は過去最悪となっている。
 また、オフィスワークでも人々の退職は続いている。
 「モーニング・コンサルタント」の調査では、 テレワークの選択肢がない場合、39%の従業員が退職を考えている という。また、全米ではわずか28%の従業員しかオフィスに戻っていないのだ。
     ​
世界でも同じ状況
 人手不足が解消しないという状況はアメリカだけではなく、世界的な現象になっている。欧米先進国でも、パンデミック下で支給されていた手厚い失業給付や支援金は、縮小されているか、またはすでに打ち切られている。そんな状況でも人手不足は続いている。
  … (略) …
 よくアメリカのメディアの記事に「人々はどこに行ってしまったのか?」という問いかけを目にする。上に書いたように、7月の段階で失業給付が打ち切られた州でも、いまだに人手不足が深刻な州が多い。
 ということは、 人は働かなくなっている のだ。この状況はこれからも続く可能性が高いように思う。
 では、人はなぜ働かなくなったのか?もしかしたら、パンデミック以後、我々の意識や行動になにか本質的な変化が生じているのかもしれない。この変化は、既存のシステムにとって危機であると同時に、脱資本主義へと向かう新たな変化なのかもしれない。

 もしかしたらこれは、「恒大集団」の問題や米債務上限引き上げ問題がもたらす結果よりも、はるかに重大な変化につながる可能性もある。
  ―  引用終り  ―
​     ​ ​​
 米英のエッセンシャルワーカーの多くは、外国人、不法・合法の移民労働者にかかっている。
 コロナ禍でヒトの流出入の流れを大きく制限したので、サプライチェーンが停滞しても不思議ではないとも考えられる。
​     ​ ​​
 交通機関や企業が整った大都市で、高単価で働き、効率的に遊ぶGDPの拡大に寄与する社会観、生活観を、生活の質(QOL)の観点からスローライフに切り替えた人々が少なからぬ人数いるのかもしれない。
 地球上には豊かな国ばかりではないので、即脱資本主義につながるとも思えないが、現在の地球上の富、食料をはじめとする資源は、膨大な人類を十分養いうる水準にあるのも事実。
 脱資本主義の展開は、グローバルな経済格差の是正がすすめられるかどうかにかかっている。
 国内の保守は「成長の果実の配分の適正化」を唱え、リベラルは「富の配分の適正化」を唱えており、いまだ噛みあっていない。
 GDP拡大に向ける改革の契機は、グローバルな脱炭素社会の展開、エネルギー資源の節約の展開あたりか。
​     ​ ​​
​ OECDのデータによると、人々が余暇に費やす平均時間は1980年代以降減少している。2010年代に、データが入手可能な13カ国のうち8カ国で余暇時間が減った。減少幅は、韓国14%、スペイン11%、オランダ6%、ハンガリー5%、米国1%。
 コロナ禍で、誰かが時間を​盗んでいることに気が付いた人が増えたのかもしれない。
     ​
​ 
一方で、生き続ける苦闘を続けている人々もいる。

…貯金もなく全身ボロボロでも働く日々
2021年10月4日 SPA!
 年収と健康には因果関係がある――近年、さまざまな研究によってそんな事実から明らかにされてきた。格差が広がる日本でも問題視され始めた「健康格差」が今、新型コロナの影響で深刻化している。残酷なまでに広がりだした“命の格差”とは?
 今回は体調が悪くても働かないと生活できない高齢者の実態に追る。
◆高齢者でも限界寸前で働く現実
 「4年前から体調を崩し始めて、今は不整脈、ちくのう症、膝も壊していて歩くのもやっとの状態。全身ボロボロですが貯金もないので仕事を辞めるわけにいかず、年齢的に転職も厳しいので限界まで今の職場で働くつもりです」
  ―  引用終り  ―
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最終更新日  2021年10月18日 06時00分09秒
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