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2021年10月29日
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テーマ: 格差社会(4)
カテゴリ: 政について
 世界で拡大する一方の経済格差を解決するための方策のひとつとして、「すべての国民に生活に必要な額を毎月給付する」ユニバーサル・ベーシックインカム(以下、UBI)の導入を提唱する声があがっている。
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 9月26日、立憲民主党の枝野代表は、年収が1千万円程度を下回る人の所得税を1年間実質ゼロにする考えを示した。
 与野党ともに(!)、低賃金労働によるワーキングプアの発生など、日本国民の所得格差の拡大が深刻であるとの認識が広がっている。
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 ベーシックインカムとは、収入や資産にかかわらず全員一律に毎月定額を支給する通常の生計を維持しうる最低所得保障制度。
 具体的には、国民に対して最低限の生活を送るのに足りる金額を、政府が定期的に支給する制度。
 一時的なものは、ベーシックインカムとされない。
 国民配当、基本所得保障、最低生活保障などもベーシックインカムとほぼ同義。
 生活保護などと区別するため、ユニバーサルベーシックインカムを略して、UBI(Universal Basic Income)と呼ばれることもある。
 「ベーシックインカム」の起源は一般的に、イギリスの思想家トマス・モアが、16世紀に書いた『ユートピア』にあるとされる。
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 コロナ禍で長引く経済停滞のもと、日本維新の会、国民民主党などが2021年の総選挙で選挙公約に掲げる可能性が高く、より具体的な議論が展開されると考えられる。
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■ベーシックインカムの特徴
・貧困対策
 ワーキングプア対策にもなる。
・社会保障制度の簡略化
 「健康保険」「公的年金」「雇用保険」「生活保護」など社会保障制度を一元化できる。
 不正受給、不支給などが解消される。
・地方創生/地方活性化
 全国で一律の水準で給付される場合、地価・物価の安い地方で生活することがメリットになる。
・少子化対策
 子供が増えることで世帯所得が増加する。
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■ベーシックインカムの課題
・社会保障水準の低下
 一元化により、個別の事象に対応してきた保障がなくなる可能性がある。
・自己責任化
 現行の「必要な人に必要な金額・サービスを保障する」制度ではなくなるため、個人の負担が大きくなる可能性がある。
・財 源
 全国民に一定金額の現金を給付すると巨額な財源が必要となる。
 歳出過大な現在の財政状況から非現実的な政策となる可能性がある。
 財源確保のため、消費税増税、社会保障の国民負担等の財源論とセットで議論されることになる。
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 安倍政権、菅政権のブレーンの一人とされる竹中平蔵氏などが唱えるベーシックインカムは、社会保障の企業負担を逃れるための「弱者切捨て策」と思われる。





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最終更新日  2021年10月29日 10時00分10秒コメント(0) | コメントを書く


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