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2022年02月23日
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テーマ: ミリタリー(154)
カテゴリ: 航空&ミリタリー
 ベルリンの壁崩壊、ソ連の崩壊で、1990年代に東西冷戦構造は終結した。
 ロシアは経済力の著しい低下から軍備を削減。
 NATO加盟の欧州諸国も産業振興と社会福祉に注力すべく軍事費を削減。
 とりわけメルケル前首相のドイツは、閣内から反対の声が上がるほど軍事予算を削減し続けた。
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ドイツ空軍大ピンチ
使える戦闘機は4機だけ? 
背景に「財政健全化」と「大連立」
2018/5/22  産経WEST
  …  (略)  …
 もし緊縮予算が続けば、外交にもかかわる多国間プロジェクトをキャンセルせざるを得ない-。こんなプレッシャーをかける必要に迫られるほど、ドイツの防衛費不足は切迫している。実際、英紙(テレグラフ紙電子版)ですら、空軍だけではなくドイツ陸軍においても 244輌あるレオパルト2戦車のうち、戦闘行動可能なのは95輌 などといった予算不足の実情をあげているのだ。
  ―  引用終り  ―
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 ロシアは伝統的に国境の先に中立圏を確保したがる。だからプーチン大統領はウクライナをロシア寄りにしたがっている。ウクライナがNATO加盟することは許せない。
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ウクライナ危機であらわになった
深刻なNATO軍の弱体ぶり
2022.2.16 政経電論
「ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加盟など許さない」とロシアのプーチン大統領は西側を恫喝、ウクライナを包囲するようにロシア軍15万人を配置して威嚇を展開。
  …  (略)  …
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 プーチンの思惑に関してはさまざまな憶測が飛び交っているが、軍事的威嚇が有効と判断した理由の一つとして、NATOの弱体化が挙げられる、との指摘も。軍事均衡(バランス)が崩れた結果、「今なら通常兵力でNATOはロシアに対抗できない」とプーチンは読んだのでは……という説で事実、冷戦終結後のNATO各国の軍縮ぶりは“しすぎ”ではないかと心配してしまうほど。
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 世界各国の軍事力を評価する「ミリタリーバランス」(英・国際戦略研究所)の数値を基に、欧州での戦いで主役となる陸・空軍の状況を検証すると――。
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今や英仏独の陸軍は陸上自衛隊より弱小
  …  (略)  …
 次に、約30年後の2020年の状況を眺めると、 NATOは加盟国を30カ国に増やしたものの正規軍約323万人(うち地上軍約173万人)と1989年と比べてほぼ半減 、準軍隊約76万人、予備役205万人を足した動員兵力も約604万人と2分の1に縮小し、 MBT約1万2400台、作戦機約5300機とこれら主力装備も大削減。
 さらにNATO主要国の軍縮ぶりを詳しく見ると、まず アメリカは地上軍約96万人(1989年、以下同じ)→約67万人(2020年、同)、MBT1万5400台→約2500台、作戦機約6100機→2900機と大削減 、特にMBTは6分の1まで圧縮。なおMBT約2500台とは別に保管車両(モスボールとも言う)が約3700台あるが、それでも戦車の減り具合はすさまじい。
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ドイツ(1989年時は西ドイツ)は地上軍47万人→約18万人、MBT約5050台→250台(他に保管約80台)、作戦機690機→約230機 で、MBTの規模は20分の1に縮小、島国・日本の陸上自衛隊が有するMBT約580台の実に半分以下。傑作戦車を多数開発し“戦車王国”を自負したかつての栄光はない。
 同国は世界最強クラスの国産MBTレオパルト2を多数有したが、冷戦終結後は無用の長物として大半を海外に売却。
 同様に隣国 オランダも同車を装備していたが、ドイツと二人三脚で外国に転売、その結果MBTは920台→0台 に。MBTを全部手放し戦車部隊も解散した大陸国の例は世界でも極めて珍しい。
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フランスも地上軍約29万人→約12万人、MBT約1340台→約220台、作戦機約690機→約250機 と大軍縮。特に地上軍兵力は日本の陸上自衛隊約15万人をも下回り、かつての“陸軍大国”の面影はない。
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イギリスは地上軍約16万人→約8万人、MBT約1300台→230台、作戦機約700機→230機 と大ナタが。そもそも戦車を発明した国で、国産のチャレンジャー2戦車を装備するが、残念ながら後継戦車の独自開発を放棄する方向に。
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 つまりアメリカはともかく欧州のNATO主要国はいずれも兵力はギリギリの状態で、 「とてもウクライナのために大部隊を動員など不可能」 というホンネが聞こえてきそう。
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ロシアのMBTは1万4000台以上
 これに対し 2020年のロシアは正規軍約90万人(うち地上軍約33万人) 、準軍隊約55万人、予備役約200万人を加えた動員兵力約354万人、 MBT約3400台、作戦機約1400機 。この数字を見る限り、ロシアも陸空軍戦力を数分の1に落としたと見ていい。このため「NATO戦力が極端に弱小とは思えないが」と見る向きも。欧州のような広大な平地が続く地域での陸上戦ではMBT戦力がポイントとなるが、これを踏まえると、いくつかの但し書きが付く。
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 まずNATOの主軸、アメリカの欧州駐留部隊が大幅縮小された件。1989年に最前線の西ドイツに展開する米陸軍は20万人を超えMBT約5900台を配備。英陸軍も兵員約7万人、MBT約1000台を派遣した。だが現在、 駐独米陸軍の規模は2万人強にまで減りMBTも推定50台レベル。イギリスもほぼ全面撤収の状況で現在の兵力は200人余り
  …  (略)  …
 これに対しロシアの MBT戦力は前述した約3400台に加えて、実は1万台以上を保管中と見られ、合わせると約1万4000台 に跳ね上がり、欧州にあるNATOのMBT戦力を軽く上回ってしまう。「仮にロシア軍戦車部隊をウクライナに攻め入らせてもNATOが戦車部隊で対抗できない」と、プーチンが読んだとしても不思議ではない。
  ―  引用終り  ―
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 戦力に優るからと言って戦争で解決しようとするほどプーチン大統領は愚かではないと信じたい。ソ連のアフガン紛争介入の悪夢を知っているからだ。
 だが、長期政権で数多くの内憂を抱えるプーチン大統領は、簡単に引き下がるわけにもいかない状況にあるのも事実。






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最終更新日  2022年02月23日 06時00分07秒
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