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2023年03月19日
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テーマ: ロシア(98)
カテゴリ: 航空&ミリタリー
 ロシアのウクライナ侵略軍の主力戦車はT-72。性能向上型のT-80、T-90や最新型のT-14などいろいろな機種が存在するが、圧倒的に多く使われているのはT-72
であるとの見解が多数。
 ロシアのウクライナ侵攻が始まって1年が経過した。英シンクタンクの国際戦略研究所など複数の海外機関は、この間に、ロシアが主力戦車T-72のおよそ半数を失ったとするリポートを公開した。
 米ワシントン・ポスト紙は同機関によるリポートを取り上げ、もともと2000両あったロシアの主力戦車T-72のうち、約50%が失われたと報じた。
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プーチンはロシア軍の実力を見誤った
2023年3月12日 プレジデントオンライ
  
■主力戦車T-72のおよそ半数を失った
  ロシアのウクライナ侵攻が始まって1年が経過した。この間にロシアは保有する主力戦車の最大半数を失った、と海外情報機関が分析結果を公表している。
 英シンクタンクの国際戦略研究所など複数の海外機関は、ロシアが主力戦車T-72のおよそ半数を失ったとするリポートを公開した。
 米ワシントン・ポスト紙は同機関によるリポートを取り上げ、もともと2000両あったロシアの主力戦車T-72のうち、約50%が失われたと報じている。同紙はT-72を「ロシアの戦車の中で圧倒的に多く使われている戦車」だと指摘する。
 国際戦略研究所の分析によると、これ以外の型式を含めても、戦車全体の40%近くをロシアが喪失した可能性があるという。同研究所はリポートを通じ、開戦からの過去1年間でロシアの兵器庫が「著しく」変化したと指摘している。
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■調査報道グループの分析も同様の結果に
 英経済誌のエコノミストは、調査報道グループ「ベリングキャット」から派生したオープンソースの防衛分析サイト「オリックス」による分析を基に、ロシア側が1700両の損失を記録したと報じた。ウクライナ発表の3250両には及ばないが、それでも目を見張る数字だ。
 オリックスは、ネット上などに公開されている写真や動画を基に情勢を分析するオシント(OSINT:オープンソース・インテリジェンス)の手法を活用し、昨年2月24日の侵攻以来、ウクライナで確認されたロシア軍の損失を分析している。
 米CNNは同サイトによるリポートを取り上げ、少なくとも1000両の損失が明確に確認されたと報じている。このほか、ロシア戦車544両がウクライナに鹵獲(ろかく)され、79両が部分的に損傷し、65両が放棄された。
 同サイトに寄稿する軍事アナリストのヤクブ・ヤノフスキ氏は、この数はオリックスが映像から確認できたものだけを計上したものであり、実際の損失は2000両に近いとの推察を明らかにしている。
 ヤフノスキ氏は「ロシアは開戦時、稼働できる戦車を約3000両保有していたことから、その半数を失った可能性が高い」と指摘した。
 大規模な喪失により、ロシアの攻撃ペースが鈍化するのではないかとの読みも出ている。同誌は、「ウクライナ戦で優位の確保に失敗したロシアの戦車だが、装甲車両による満足な支援なしには、ロシア軍が再び大規模な攻勢をかけることは困難となるだろう」との見通しを示している。
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■ロシア紙「月20両しか戦車を作れない」
 ただしこの事態は、ロシアが直ちに戦闘不能になることを意味するものではない。ワシントン・ポスト紙は、「喪失にもかかわらず、ロシアは相当な数の旧型戦車を保有しているため、戦力を維持することが可能とみられる」と分析している。
 とはいえこのままでは在庫は尽きる。戦闘継続のためには戦車の増産が欠かせないが、経済制裁下のロシアは自動車の製造にも困窮している。戦車の製造ペースは思うように向上しないのが現状だ。
  ―  引用終り  ―
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 正常化バイアスにより、戦力が低下することでロシアのウクライナ侵略が早期に終結するとの見方もでているが、多くの独裁的な権力者は背水の陣となっても諦めない。プーチン大統領もそうであろう。
 ロシアは、不足しているデジタル部品を代替物で補って戦車を新造し、多数保管している旧式戦車を改造して戦場に送り出す。ロシアの独立紙『ノーヴァヤ・ガゼータ』は、ロシア唯一の戦車工場の生産能力が月産20両にすぎないと報じたが、それがロシアの戦車生産の全てである保証はない。
 英・エコノミスト誌はロシアメディアによる報道を基に、 戦車製造のウラルヴァゴンザヴォド社がこうした古い戦車を月間8両のペースで再整備しているほか、その他の修理工場で17両を再生していると報じた。
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 同じく戦車が不足しているウクライナからの度重なる要請を受け、米国はM1エイブラムス、ポーランドはドイツ製レオパルト2、イギリスはチャレンジャー2の供与を決定した。ウクライナにとっての戦力維持の「鍵」とする見解が多いが、確かなのは戦争を長引かせる「鍵」であること。
 極地戦の長期化で最も潤うのは、各国の軍需産業。ドイツはメルケル前首相の時代に軍隊・軍備とともに軍需産業を極小化しており、緊急かつ旺盛な需要に対応できない。
 危機感を強めたポーランドは、国防費を大幅増額し、多数の韓国製の戦車、自走砲などの購入を決定した。いくら安いとはいえ、使い物にならない可能性の高い兵器をとりあえず購入したのは、自国の工業力の高さを信じて、導入後改良して使用することを考慮しての決断かもしれない。
 今後米国の軍産複合体は、バイデン政権を通じて、韓国に対してより厳しい要求を突きつけることが想定される。
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 西側諸国の支援を得てウクライナが反転攻勢に出ている現状、地上戦の主力となる戦車の不足は、プーチン大統領の誤算とされるが、全て戦争の長期化に起因する事象。長期化を除くと、ロシアにとって想定外の誤算は、主力輸出産業である兵器市場でロシア製の信頼が地に落ちたことだけかもしれない。
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最終更新日  2023年03月19日 06時00分08秒コメント(0) | コメントを書く
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