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12月の3週目と4週目の夜は、ほとんど毎日、NHK衛星第2放送の虜と化していました。3週目は単発の海外大作ドラマ週間で(<でも、『バルザック/情熱の生涯』は録画したきりまだ観れてない…/涙)、4週目は韓国ドラマ『冬のソナタ』の再放送を横目に観つつ、その流れでアニメ『十二国記』のアンコール放映をナニゲなく観ていたら、何だか予想以上に面白くて続きが気になりだし、そのまま最終章まで残らず鑑賞するハメに。結局、今日は録画しておいた『美しき日々』の特番も観ちゃったし、ホントに誘惑に弱いよなぁ自分…(呆)。その海外ドラマのうちの1本は、15日(月)と16日(火)の二夜連続で放映された、フランスが中心になって製作した歴史ドラマ『ナポレオン』。これがドラマ級とは到底、思えないような本格仕様で、人の生涯を描くには3時間半弱でも時間が足りないような気はしたけれど、ジェラール・ドパルデューやらジョン・マルコヴィッチやらキャスト陣も豪華だったし、ナポレオンの戴冠式のシーンはルーブル美術館のダヴィッドの絵そのまんま、他にも美術館に飾られている名画を彷彿とさせるような絵ヅラが多く、それらを拝めただけでも観た甲斐はあったドラマだったかも。何より、ナポレオンを演じていたクリスチャン・グラビエが、小柄でちょっと小太りなオジさんながらも、童顔(<しかも結構、美形)で人懐っこい笑顔が何とも魅力的な役者さんでした。いや~、こうやって女は悪い男(?)に騙されていくのね~(苦笑)。もうひとつの海外ドラマは、19日(金)に放映された、父親殺しの容疑者の少年を有罪か無罪か12人全員一致で決める、陪審員制度の内幕を描いたアメリカの傑作法廷ドラマのリメイク版『十二人の怒れる男』。高校生の時の芸術鑑賞会で舞台版を観て、物語の展開の面白さに感動し、自分の舞台好きのきっかけとなった演目だっただけにどうしても見逃せず、リアルタイム鑑賞。実はアメリカの役者さんが演じている本場仕様は初めて観たので、アメリカ国内の社会情勢がさらにリアルに感じられて、話の展開を知っているにも関わらずやっぱりむちゃくちゃ面白かったです。そして日本人として観るなら、三谷幸喜版の映画『十二人の優しい日本人』がさらにリアルでオススメ(笑)。煮え切らない態度、相手の出方次第でコロコロと変わる意見等々、いかにも日本人らしい国民性にアレンジされた脚本が最高でした。東京サンシャインボーイズの舞台版は1度観たきり、映画版のキャストでも十分良かったし面白かったけれども、あのクライマックスの臨場感を出来ればまたナマで味わってみたいものです。アニメ『十二国記』は、原作が面白いと前からその評判は聞いていた、大河ドラマ仕立ての中華風ファンタジー小説のアニメーション版で、22日(月)から25日(木)まで、毎日4、5本ずつまとめて一気に放映していました。小説にはない設定も色々とあるらしいけれども、今回、アンコール放映されていた「風の万里 黎明の空」の章が(<確か現在発刊中の原作の半ばアタリの話だったような…)、主人公・陽子を含めた、同じ年頃の立場も生まれ育った場所もそれぞれに違う女の子達3人の人生と、陽子の治める慶国の情勢とが絡み合って展開していくストーリーがかなり面白かったです。しかもTVアニメにしては結構、シビアな感情表現の描写もあったり、長らく官僚達が政務を取り仕切ってきた慶国において、王として何をするべきか葛藤し、そしてそこから導き出した陽子の答え(国としての方向性)にとても説得力があって、おおっとそうくるのか!と言った感じで、ちょっと感動してしまいました。………いいなぁ陽子…好みのタイプだなぁ…!大体、市井を彷徨って苦労してきた人間が、人の上に立って葛藤すると言う状況にも弱いからな、自分は(苦笑)。出来れば原作も読んでみたいんだけれど、でも、この状況じゃいつ読めるかちょっとわからないなぁ…(悔)。………アンタ一体、どこが極力簡単に、よ(爆)。でも、とりあえあず今年の鑑賞記はこれでオシマイ!新年始めの日記はRotK海外鑑賞後につき、恐らく今年始めの日記と同じような、全く学習能力の感じられない雄叫びを上げていることでしょう…(<処置ナシ)。
2003/12/31
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16日(火)G2プロデュース♯7『止まれない12人』 新宿・全労災ホール/スペース・ゼロ17日(水)『ファインディング・ニモ』(字幕版)24日(水)『ミトン』&『パリ・ルーブル美術館の秘密』 渋谷・ユーロスペース 『生誕100年記念展 棟方志功-わだばゴッホになる-』 渋谷・Bunkamuraザ・ミュージアム29日(月)『武士(MUSA)』 新宿・シネマスクエアとうきゅう30日(火)『ポルノグラフィティ/6thライブヴサーキット“74ers”』 千駄ヶ谷・東京体育館あともう数時間で新年だって言うのに、こんなにたくさん書いてられっかーっ!!(ちゃぶ台ひっくり返し)………なんて、自分で自分の首を絞めておきながら逆切れしてどーすんの(呆)。とりあえず今年の鑑賞記を新年まで持ち越したくないので、簡単に、極力簡単に、字数制限を越えない程度に(…)、書き納めをしておきたいです(<いつもダラダラとなっがい文章だしなぁ…)。まず、16日(火)のG2プロデュース♯7『止まれない12人』。作:後藤ひろひと/演出:G2出演:岡田義徳、植本潤、山内圭哉、楠見薫、池田鉄洋、久ヶ沢徹、神野美紀、曽世海児、奥野ミカ、関秀人、小須田康人、後藤ひろひと時速500キロで走行可能な超特急「雷神号」のプレミアム試車会に乗り合わせた12人が、それぞれの事情を抱えながら車内のハプニングに巻き込まれていくパニック・コメディ・ドラマで、劇場中央付近に設置された、乗客部の天井を取り除いた超特急「雷神号」のセットそのものが舞台上となっている、客席が対面式の舞台でした。なので、結構、役者はあちこちに向かって喋るのでちょっとセリフが聞き取りずらい部分もありましたが、人間の持つ暗部をストーリーに組み込んで深みを加えつつ、都合良く(?)次々と起こるハプニングがむちゃくちゃ笑える面白い芝居でした。いや~、オチがアレですか、「電車でGO!」ですか!!『ダブリンの鐘つきカビ人間』を観て以来、後藤ひろひとさんのファンなんですが、今回も期待に違わぬ舞台でますますファンになってしまいました♪…あ、そう言えば帰りがけのロビーで、またしても佐藤アツヒロ氏を発見。これで4回目…ぐらいじゃないのかな、劇場ロビーであっくんを見かけるの。ホントによく観に来てるのねぇ舞台…っつーか、よくまぁこんなに運良く(?)あっくんとばかり遭遇するよな自分…。17日(水)は、予告編を観てからずっと楽しみにしていた『ファインディング・ニモ』(字幕版)を鑑賞。既に物語冒頭で涙ぐんでしまった自分に、オイオイ相手は所詮おサカナだろう!?と、我に返って心の中で突っ込みながらも、実は今でも場面場面を思い出しては、思わず涙と笑いが込み上げてきそうになる自他共に認める超ヒット映画だったのでした。もう、ピクサー・アニメーション・スタジオの皆さんグッジョブ!!と、心から拍手を贈りたい気持ち。これは『千と千尋の神隠し』以上に、大人にも子供にもぜひ観て欲しい映画かも…。こんな決して押し付けがましくない、暖かい愛と笑いに溢れた(照)映画を未だ作れる国・アメリカ。現在のアメリカ(…って言うか大統領とその周辺か)の独善的な方向性にはとても賛同出来ない状況だけに、何だか返ってちょっと切ない気がするかも…。24日(水)の昼間は、ロシアの人形アニメーション『チェブラーシカ』(未見)のロマン・カチャーノフ監督の短編映画『ミトン』と、フランスのドキュメンタリー映画『パリ・ルーブル美術館の秘密』を観た後、夕方には『生誕100年記念展 棟方志功-わだばゴッホになる-』を鑑賞。人形アニメは、『ミトン』の他に『レター』と『ママ』と言う短編アニメの3本立てで、家族(親子)の愛情を描いたアニメながらも、特に『レター』は海軍士官の父親からの手紙を待ちわびる母子、『ママ』はどこのお店も長い行列を待たなければ買い物が出来ず、ひとり家においてきた幼い息子を心配する母親と言う、当時(70年代前半)のロシア(ソ連)の社会情勢を垣間見させる、どこかホロ苦さを感じるようなほのぼのとした作品でした。そしてその短編作品の中で1番可愛らしかったのが『ミトン』で、キレイ好きのママに子犬を飼うのを反対されて、ひとり寂しがっていた女の子の赤いミトンが可愛い子犬に早変わり、その女の子の為に頑張ると言う、絵本の中のお伽話のような心温まる作品でした。続けて同じ劇場で鑑賞した『パリ・ルーブル美術館の秘密』は、まさにルーブル美術館の内幕を紹介したドキュメンタリー映画。美術品の修復に追われ、それぞれの絵画の配置レイアウトに頭を悩ませ、大作絵画を何人もの人達の手作業で展示する(<むちゃくちゃ神経を使う力仕事だなぁ…)。そして美術館内にはスタッフ専用のトレーニングルームがあったり、地下には隠し部屋のような作業場やそれらを繋ぐ15キロにも渡る通路があったり、様々な職種の人達が1000人以上も働いている、さしずめ「株式会社ルーブル」と言った様相でとても興味深かったです。今度はぜひ、『ローマ・ヴァチカン博物館の秘密』ってのを観てみたいんですが!…って、たとえ他のミュージアムはオッケーだったとしても、ヴァチカンの内幕ものはちょっとムリっぽいかなやっぱり…。『生誕100年記念展 棟方志功-わだばゴッホになる-』は、職場の同僚から招待チケットを貰ったので観に行きました。棟方志功の作品をナマでこんなにたくさん観るのは初めてだったんですが、どの作品も力強く、しかも彩色の色合いがキレイで、さすが生誕100年記念展だけあるだろう、見応えのある作品群でした。それにしても、この展覧会で棟方志功の好きな音楽家がベートベンだったと言うことを知って妙に納得。好きな画家はゴッホだし、やっぱり同じような熱い魂(<ちょっとクサい表現…)を持った芸術家には、時代や国籍を越えて惹かれるものがあると言うことなんでしょうか。ところで、個人的に特に気に入った作品が3点あったんですが、どれもミュージアムショップでは絵ハガキにさえもなっておらず(涙)。自分の好みが世間のニーズとはビミョーにズレている?とは承知していましたが、それにしてもちょっと納得いかないなぁ…。赤で彩色された不動明王、カッコ良かったのにぃー!(<…カッコイイ?)29日(月)にはやっと『武士(MUSA)』を鑑賞、結局、これが今年の見納め映画に。どうやらこの劇場公開版は、インターナショナル版としてオリジナル版を少しカットしてあるらしいとの情報を仕入れていたんですが、確かに東京フィルメックスで観た時よりも短かったような気がする…って言うか、チェ・ジョン将軍やパク・チュミョン通訳官のシーンがもうちょっとあったような気がする。…う~ん、気のせいかなぁ…どちらにしろ、出来ればオリジナル版をそのまま公開して欲しかったな。話の展開の流れやスピード感もモチロン大切だけれど、ほんのちょっとした心理描写をカットしてしまうだけでキャラクターの印象が変わってしまうこともあるし、物語の厚みや理解度そのものにも影響が出てしまうこともあると思う(<それはLotRでよくわかった)。せめてDVDになったら、オリジナル版からカットしたシーンを特典映像として付けてくれればいいんだけれど。それにしても隊正チンリプと別将カナム、そしてランブルファ将軍はやっぱりシブくてカッコ良かった!そしてどのキャラクターもそれぞれの武器の扱い方が全然ウソくさくなくて、現代人っぽく見えないところがとにかくこの映画の最大の魅力かなと。しかもみんな汚れても汚れても、むしろトコトン汚れている時の方がカッコ良く見えると言うか、男のカッコ良さの真価は汚れてからなんぼ、と言うか(笑)。そう言えばTTTのSEE役者コメンタリーで、エオウィン役のミランダ女史が、アラゴルンは汚れれば汚れるほどステキ!なんてツワモノ発言をしていましたが、確かに私もそう思うんだよなぁ(苦笑)。『タイムマシン』のガイ・ピアースも小綺麗な時よりも汚れている時の方がダンゼン、カッコ良かったし、男前の基準って、結構、奥が深い…かもしれない?30日(火)は、この忙しい年末に(…)、チケットを取ってくれた友人の米子さんと、去年に引き続きポルノグラフィティの年末ライブを見に行きました。今回はミュージカル仕立てのライブってことで、MCナシの約2時間ぶっ続け、おかげで座るタイミングが全くなくて、高めのヒールのロングブーツを履いた足にはちょっとキビシかったな(<軟弱者め…)。それにしても、あのファンタジーっぽい、ありきたりなボーイ・ミーツ・ガールな演出(<プロデュースド by ハルイチ)はどーなのよ?(爆)20代最後のツアーってことでちょっと変わったことをしたかったんだろうとは思うけれど、あんな古臭い演出じゃぁ、ちょっといただけないなぁ。…って言うか、元々ミュージカルに関しては素人なんだから、その道のプロにお任せした方が良かったんでは?(<もう、散々な言い草/苦笑。でも、これも愛ユエなんで許せハルイチ)まぁ、メンバーのライブそのものは良かったからいいんだけれど。特にアキヒト、黒髪がよく似合ってて、相変わらずの童顔なんだけどミョ~に凜々しかったと言うか、歌ってる姿が今までにないぐらいにちょっとせくし~な感じでカッコ良かったわ。そしてアンコール時のトークは、いつまでたっても純朴…っつーか垢抜けない感じ(爆)が、やっぱりポルノだったんだけれど、ライブ中の彼らはいつ見ても好きなんで、また次のツアーも見に行けたら行きたいです♪
2003/12/30
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既に先々週の鑑賞記と化してますが(爆)、とりあえず先週の鑑賞記・ラスト2本をアップ。12日(金)には、日生劇場で『リチャード3世』を鑑賞。作:ウィリアム・シェイクスピア/翻訳:松岡和子/演出:蜷川幸雄出演:市村正親(リチャード3世)、夏木マリ(エリザベス)、香寿たつき(アン)、瑳川哲朗(バッキンガム公)、高橋長英(クレランス公)、松下砂稚子(マーガレット)、東恵美子(ヨーク公爵夫人)、鈴木豊(リッチモンド)、他とにかく舞台前半部では、何人も出てくる“エドワード”と言う名の王族達が、一体、誰がどのエドワードなのかを把握するのに必死でした。そして休憩中にパンフレットを購入し、そこに掲載されていたイングランド王家の関係図で人間関係を復習、後半部ではその関係図がほぼ頭にインプットされたので、前半部よりは余裕を持って舞台を観ることが出来ました。そもそもこの物語の発端となった、ヨーク家とランカスター家の対立から生じた、15世紀イングランドで起こった薔薇戦争そのものの歴史を自分はよく知りません。もちろん、その歴史をよく知らなくても舞台そのものは面白かったんですが、最終的に物語はその薔薇戦争の終結を描いていたので、出来ればその歴史をもう少し詳しく知っていたら、より楽しめた舞台だったかもしれないなと感じました(<高校時代の不勉強のツケがこんなところに…/涙)。それにしても、身体のハンディキャップを乗り越え、それどころか返ってそれを武器にし、巧みな話術と演技で敵対する人間達までも取り込み、着々と野望を達成していく市村さん演じるリチャード3世はかなり魅力的でした。今年観た篠田正浩監督の映画『スパイ・ゾルゲ』のゾルゲもそうでしたが、あの、片足を引きずって歩く姿が、返って観る側(自分、もしくは女性)の母性本能をくすぐるような気がするのはこれいかに?口の上手過ぎる男はハナから信用出来ないなぁ…と思いつつも、一見、不器用そうに見えるあの姿で必死に懇願されたら、もしかしたら自分も騙されてしまうかもしれないと思わせるような不思議な魅力がありました。そしてその市村リチャードを相手に、1番セリフの応酬が凄まじかったのが夏木マリさん演じる前王妃エリザベス。肉親を殺されて彼を罵る言葉ばかりを発していた彼女が、その憎い敵であるハズのリチャードの巧みな話術と演技に取り込まれていく様子は、この舞台最大の見せ場でした。そんなふたりの熱演とはウラハラに、リチャードの母・ヨーク公爵夫人を演じていた女優さんのセリフまわしが棒読みのように聞こえたと言うか、ちゃんとセリフ入ってます…!?と、プロの役者さんに対して超失礼なことまで頭を掠めてしまうような、むちゃくちゃ危なっかしい演技に思えました。香寿たつきさんのアンもなかなかの熱演だったので、余計に役者陣の演技のバランスの悪さが目についてしまったと言うか…。リチャードやエリザベス達に呪いの言葉を発する元王妃マーガレットの演技も、イマイチそのセリフの中の悲痛さや嘲りの気持ちがこちら側に伝わってこなかったんですが、実は彼らの演技の温度差の違いは、悲劇を体験させられた者と、これから同じ悲劇を体験するだろう者とを対比する為の演出のうちのひとつ…だったのかしら???実はかなり凄惨な内容にも関わらず、全体的にブラックユーモアが漂っている演出だったので、そう言うイミでは、わざとシリアスに徹しないようにしているような、どこかコミカルで、かつシニカルな雰囲気のある舞台でした。ところで、エリザベスのふたりの息子達が、リチャードによってロンドン塔に幽閉された様子を描いた絵画を、以前、画集か何かで観たことがあります。それなりに有名な絵だったと思うんですが(<ラファエロ前派の絵だったかなぁ…?)、なるほどあの子供達がこの時代の家督争いに巻き込まれたあの王子達だったのか!と、納得。何せどの時代のどの国の歴史も通史として理解していないので、自分の頭の中の世界史は穴ボコだらけの、何の絵が描かれているのかもほとんどわからない状態のジグゾーパズルのようです(汗)。でも、こうやって映画と舞台、舞台と絵画、絵画と小説…と言った風に、過去に自分が観たり読んだりしたものがだんだんとリンクしていくのが実感出来るのは、結構、面白かったり。しかしそれって、究極の超個人的かつ超自己満足的トリビアだったりするんだよなぁ…(苦笑)。13日(土)には、当時、確か10億円ぐらいでゴッホの「ひまわり」を落札して話題になった、損保ジャパン(旧・安田火災)東郷青児美術館で『ゴッホと花/ゴッホと同時代の画家たち』展を鑑賞しました。最終日前日の土曜日の午後だったせいか、ビルの42階にある美術館へ上るまでのエレベーター前には長蛇の列が。入館するまでに30分近くかかったような気がするんですが、エレベーターで行き来するには人数が制限されるせいか、館内へ入ってみると思ったほどは人がたくさんいなかったので、比較的落ち着いて絵を鑑賞することが出来ました。そして今回の展覧会には母親を連れて行ったので、『レンブラントとレンブラント派』展で味を占めた自分が解説係担当と言うことで、また音声ガイドをレンタルして、その内容を母親に解説しつつ観て周りました。でも、実際に描かれている草花については、母親の方がずっと詳しかったりしたので、この花は○○ね~と、返って解説をされる始末(苦笑)。展覧会のテーマの通り、ゴッホと同時代の画家たちのモネやルノアール、セザンヌやピサロ等々、錚々たるメンバーの描いた草花の絵が数枚、飾られていましたが、見たことのない絵でも、その絵のタッチを見ただけで誰が描いたかは一目瞭然だったので、この綺麗な色使いと特徴のあるわかりやすさが、印象派の画家達の絵の根強い人気の秘密なんだろうなぁと改めて感じました。そしてこの展覧会のキャッチコピーで、「ゴッホが夢見た“三幅対”日本で実現」と謳っていた作品群の前には、さすがにひっきりなしに黒い人だかりが。音声ガイドの解説によると、今回、左に東郷青児美術館所蔵の「ひまわり」、右にアムステルダムのファン・ゴッホ美術館所蔵の「ひまわり」を配して、まるで祭壇画のようにその中心に据えられたアメリカのシカゴ美術館所蔵の「ルーラン夫人」のモデルになった女性は、ゴッホにとってはマリア様のような存在の、アルルで彼に親切に接してくれた数少ない友人のひとりだったとか。そう言えば「郵便配達夫」と言う、ゴッホの有名な絵があるけれど、音声ガイドで、ルーラン夫人はゴッホの飲み仲間の郵便配達人の奥方だったと解説していたので、要するに彼に親切だった夫婦共々、ゴッホの絵のモデルになっていたと言うことに?昔から画家とモデルには密接な繋がりがある場合がよくありますが、このゴッホの絵も、当時の彼の心境や生活が如実に現れている、私小説ならぬ私絵画だったりもするんだなぁと感じました。ちなみに左の「ひまわり」は右の「ひまわり」を元に描かれたとのこと。そう言った関係の「ひまわり」が他にも数点あるそうですが、元の絵よりもその絵をアレンジして描かれた「ひまわり」の方が全体的に色使いが明るく、個人的にはアレンジ版の方が好みでした。それにしても、ゴッホの「ひまわり」に対する熱意が伺われれば伺われるほど、いかに彼がゴーギャンとの、そしてその他の絵描き仲間達との共同生活を夢見ていたのかがイヤと言うほどわかって、その後の彼の人生を多少なりとも知っているだけ、何だかちょっと切なかったです。実物を見ながらではないと描けない画家だったと言う、何だからし過ぎる不器用さ加減がさらに切なさ倍増(涙)。いや、そんな後生の平々凡々な一般人に同情されてはゴッホも心外でしょうが、彼の人生を垣間見ることによって、以前よりもゴッホの絵に愛着が湧いてきたのも事実です。あっ、それから昔、芦屋の山本顧弥太と言う日本人が所蔵していた「ひまわり」があって、それは火事(<戦争の火災で…だったかな???)で焼失してしまったとか。一般には2度ほど公開されたことがあるそうですが、そんな幻の「ひまわり」も日本には存在していたんですね。………ぐわ~、もったいない!!ところで、この特別展の最後に、美術館常設の絵画も展示されていたんですが、そこには何だか子供が描いたような可愛らしい絵が2点。こんな絵、前からあったっけ?しかし可愛いな~♪と思いながら解説パネルを読んでみて、ふむふむグランマ・モーゼス…って、何これ99歳の時の作品!?と、驚愕。………あれ?でも、このお年寄りが描いた絵って、何かどっかのTV番組で特集してなかったけ…?と思っていたら、隣で同じくその絵を観ていた小学生ぐらいの男の子が、お母さんに向かって「これ、今日の『美の巨人たち』でやるよ~」と話しているじゃぁないですか。…それ!それだーっ!!しかしキミ、そんなに小さいうちからそんな番組を観ているとは将来有望だな、ぜひおネェさん(<おこがましい呼称)とお友達にならない?なんてその子のお母さんのいる前で言えるハズもなく、しかしナゾは解けてスッキリした気持ちで帰宅の途へつきました。そしてその日の夜に放映された『美の巨人たち』では、確かに東郷青児美術館で見たグランマ・モーゼスの絵のうちの1点「砂糖づくり」が紹介。…少年よ、ありがとう。キミの博識かつ冴えた記憶力のおかげで、おネェさんとそのお母さんは、その日1日、ちょっと得したような幸せ気分を味わえましたよ(笑)。
2003/12/23
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10日(水)は、製作当時の不安感はどこ吹く風、前評判の良さに気を良くして、『ラストサムライ』を観に行ってきました。感想はと言うと、悪い意味ではなく、日本文化(サムライ文化)に憧れている、異国の人の撮った映画だったなぁ…と。お金の問題はヌキにしても、今の日本では色々な意味で、あそこまで徹底的に美化された日本人(武士)を描くことは出来ないんじゃないかなと思いました。なので、観ている間中、嬉しいような、気恥ずかしいような、何とも一言では表現しにくい気持ちでいっぱいでした。そして日本人なら多かれ少なかれ、物語の展開とは関係なく、やっぱりビジュアル面等でチェックが入ってしまうもの。始めからニュージーランドで撮影していることはわかっていたので、仕方のないことだとは思ったんですが、それにしても森の中のシダ類のシルエットはどーにかならなかったのかと(爆)。あと、地面の草が妙に青々としていたのも気になったかなぁ…。でも、10年ぐらい前に公開された『天と地と』の川中島の戦い in カナダロケ(<注:日本映画あーんどテーマソング by テツヤコムロ)に比べたら、まだ日本っぽかったんじゃないかと思いましたけどね(苦笑)。そしてどーしてもツッコミ(?)を入れずにはいられなかったのは、えっ!アレ拾わないの?あのまま捨ててっちゃうの!?と思った切られた髷。心の中では、拾え~拾え~頼むから拾ってくれぇ~!と、ずっと念じていたんですが、結局、可哀相な丁髷クンは最後まで拾われることはなくて、何だかちょっと哀しかったです(涙)。私も決して日本文化に精通しているワケではないのでエラそうなことは言えませんが、上手く言えないんだけれどどっか違う気がするこの絵ヅラ…と言う違和感は、観ている間中、どうしても頭の隅から離れなかったものの、それでも全体的には日本人の鑑賞に堪え得るものだったと思うし、話の展開の着眼点等も良かったんじゃないかと思います。何より、役者陣の熱演が光ってましたし…。ただ、個人的には、きっとあの映画の出演者の中では、1番、所作やセリフ回しの美しい役者さんだったんじゃないかと思われただけに、真田広之氏の出番が予想以上に少なかったのはちょっと残念でした。………あ~、結局、今日は1件しか書き切れなかった(苦)。残り2件はまた後日か…。
2003/12/15
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7日(日)『飛ぶ教室』 恵比寿ガーデンシネマ8日(月)『アンダー・ワールド』9日(火)『レンブラントとレンブラント派/聖書・神話・物語』展 上野・国立西洋美術館10日(水)『ラストサムライ』12日(金)『リチャード3世』 日比谷・日生劇場13日(土)『ゴッホと花/ゴッホと同時代の画家たち』展 新宿・損保ジャパン東郷青児美術館この年の瀬の忙しない中、ラストスパートをかけるが如く、先週もまた色々と鑑賞しまくって参りました。7日(日)に観た『飛ぶ教室』は、エーリヒ・ケストナーの原作は未読ながらも、ドイツの子供達の学校生活を描いた、心温まる良作と言う作品紹介に心惹かれて観に行きました。そして観始めてすぐに驚いたのは、時代設定が今現在の現代になっていたこと。この原作って、確か随分と前に書かれた児童文学じゃなかったっけ…?ジェット飛行機?ストリートダンス??ベルリンの壁???………と言うことで、ヨーロッパの歴史を感じる寄宿舎や街並の映像を期待していた自分にとっては、この大幅な時代設定の改変にはちょっと面食らいました。でも、良く言えば伝統的な、悪く言えば重苦しいヨーロッパの気風から逃れて、若い世代が新しい文化(ロックやラップ等)に傾倒する気持ちは理解出来るし、子供同士の社会や、大人世界の諸事情等を、上手く表現していた映画だったんじゃないのかなとも思いました。それにしても、自分は大人数で暮らす寮生活と言うものを体験したことがないので、現実は色々と大変だろうとは思うけれど、毎日が修学旅行のような、あの子供達の(ケンカのシーンでさえ>)楽しげな様子に、微笑ましいやら、何だかちょっと羨ましいやら。そしてクリスマス劇で「飛ぶ教室」の舞台を披露した彼らが、休暇を家族と過ごす為に学校を後にするシーンでは、クリスマス休暇の楽しさと、友達と別れる寂しさを一緒になって追体験してみたり。………前々から自覚はありましたが、こう言う気持ちを実感するたび、自分はつくづく大人になりきれていないよなぁと(苦笑)。でも、反面、そう言う気持ちはいつまでも忘れないでいたいなぁと思ったりもするので、そのうち原作も読んでみようかなと!そして映画鑑賞後は、劇場近くのウェスティンホテル東京で、この映画にちなんだアフタヌーンティーセットを食べに行きました♪鑑賞券の半券を持参すれば料金割引も受けられると言うことで、ドイツの代表的なお菓子“シュトーレン”の載ったデザートセットと紅茶を、クリスマス仕様にデコレーションされたホテルの内装を楽しみつつ(<でも、ウェスティンの内装は元々ちょっとハデなんだよなぁ…/苦笑)、ゆったり2時間以上もロビーラウンジで寛いでしまいましたが、それでもデザートは半分以上、食べられなかった(爆)。スコーン2個、スクエア型サンドイッチ4切れ、キッシュ2切れ、プディング、ゼリー、シュトーレン2つ、クッキー、マカロン、ケーキ2種…。既にスコーンを2個食べた時点で、バターの量の多さにムカつき始め、「さっぱりしたしょっぱい和食が食べたい…」と言い出す始末。帰りは、恵比寿ガーデンプレイスの屋外中心部に展示されていた、バカラの美しいガラス燭台を横目に見つつ、新宿に寄って京風ラーメンと鳥丼を食べて帰りました(<アンタは飲み屋帰りのオヤジか)。あの時はもう、最後の方は見るのもカンベン状態でしたが、今思えばあのデザート一皿、いっそタッパに詰めて持って帰りたかったわ…!(惜)8日(月)には、吸血鬼(ヴァンパイア)VS狼男(ライカン)の戦いを描いた『アンダー・ワールド』を鑑賞。ゴシック・サイバー・アクションと言う触れ込みで、ゴシック的雰囲気もサイバー・アクションも好きな自分にとってはまさにうってつけの映画。しかし、こう言う、キャラの個性…と言うか、ビジュアルを前面に押し出しているコミック要素の強い映画にはありがちな、続編を作る気満々なラストに「…またか…!」と呆れつつも、その続編が公開されたら恐らく観に行ってしまうだろう罠に、まんまと嵌ってしまう自分が憎い(苦)。役者陣では、ライカンの処刑人で主役のセリーンを演じていたケイト・ベッキンセールの、この世のものとは思えない、まるでCGアイドルのようなプロポーションの良さにひたすら溜息。演技的には、マイケル・シーン演じるライカンの首領ルシアンが、スコット・スピードマンが演じる人間マイケル・コーヴィンに己の過去を指摘された時、何とも微妙な、自嘲しているようにも見える、哀愁を垣間見させる目の表情がかなり印象に残りました。それにしても物語のキーポインターだった人間マイケル、終始、ヴァンパイアにもライカンにも追い掛け回されるわ守ってもらうわ、まるでか弱きお姫サマ仕様のヒロインのようでした(爆)。自分的には、ルシアンがマイヒーロー的存在だったので別にいいんですけど、思わぬ運命に翻弄される役柄とは言え、さすがにちょっと物足りない役所だったかな。まぁ、あのラストからすると、きっと続編では彼が最強なんでしょうけどねぇ…。9日(火)には、閉会間近の『レンブラントとレンブラント派/聖書・神話・物語』展を鑑賞。今回は久しぶりにひとりで展覧会を観に行ったので、初めて音声ガイドを借りてみました。まだまだ自分は宗教的知識が乏しいし、しかも一般的にはあまり有名ではないと思われる主題の絵が多かったので、鑑賞する上でかなり役に立って良かったです。そしてレンブラントが作品を製作する上で自分が特に共感したことは、同じ銅版画に何回も手を加えて、中には主題を変えて別の作品になるまで手を加えているものがあったと言うこと。これでもういいだろうと思われる妥協(?)が半永久的にないところが芸術家らしいし、テーマを追い求めて何かを作り出そうとする人にとっては、誰にでもそう言った感覚が少なからずあると思うし…。ところで、昔、レンブラントの画集で見て以来、実物を見てみたかった「黄金の兜の男(マルス)」が、最近、観たNHKの特集番組で、実はレンブラント工房の製作した絵だったと知った時は本当に驚きました。今回、実物を観てみても、アタリマエですが自分にはまるで区別がつきません。まさかポルトガルの美術館にある、同じような兜を被った若い男の絵も、実はレンブラント工房の絵とか言うんじゃ…?でも、工房の絵はレンブラントの指導の元に描かれているものだし、たとえ本人の作でなくとも、その絵が素晴らしい作品だと言うことに変わりはないと思います。逆に素晴らしい作品だったからこそ、長年、本人の作品だと信じられてきたとも言えますし…。………え~、3件書き込んだ時点で既に息切れしてきたので(…)、残りの3件はまた明日。
2003/12/14
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昨日、渋谷のシアターコクーンへ、蜷川&藤原版『ハムレット』を観に行ってきました。作:ウィリアム・シェイクスピア/翻訳:河合祥一郎/演出:蜷川幸雄出演:藤原竜也(ハムレット)、西岡徳馬(クローディアス&亡霊)、高橋惠子(ガートルード)、たかお鷹(ポローニアス)、井上芳雄(レアティーズ)、鈴木杏(オフィーリア)、高橋洋(ホレイシオ)、新川将人(ローゼンクランツ)、中山幸(ギルデンスターン)、小栗旬(フォーティンブラス)、沢竜二(座長&墓堀り)、他今回の蜷川版ハムレットは、劇場内の中央付近にステージを設置し、客席を対面式した、ちょっと変わった形式の舞台でした。音楽にはブルースが使用され、物語の前半部ではその舞台の四方を高いフェンスで囲った、まるで牢獄のような作り。それらは父親の死と、母親の早過ぎる再婚を嘆き苦しむハムレットの、やり場のない心情をそのまま表現しているかのようでした。そのハムレットが、叔父クローディアスによって父王が暗殺された確証を得た時、宴の真っ最中に突然、起こった思わぬ騒動に、その場に居合わせた人間達がスローモーションで徐々に退場していく様子が、劇的な瞬間と登場人物達の様々な驚きの心情を見事に表現していて、今回の舞台の中では1番インパクトのある、しかも蜷川さんらしい演出でした!物語後半部では、その牢獄のようなフェンスが全て取り除かれて、舞台上にはセットらしいセットのない、殺風景かつ広々とした空間が。ハコ(劇場)の大きさと演出が相まって醸し出す劇場内の雰囲気は、今年、世田谷パブリックシアターで観た、野村萬斎さんの『ハムレット』の方が密度が濃いように感じましたが、若木のようにのびのびとした役者達にとっては、今回のようなシンプルな舞台の方が、返ってその魅力が引き出されて良かったのかもしれないなと思いました。そして往年のハムレット役者から見ると、若過ぎるぐらいに若いハムレット像を演じた藤原くん(21)。膨大な量のセリフを、切れの良い滑舌で淀みなくしゃべり、若さゆえの潔癖さによると思われるような、怒りと苦悩の狭間で葛藤する演技が期待以上に良かったです。復讐を密かに決意し、周囲には気が狂ったように見せかけるシーンではそれほど狂っているようには見えなかったんですが(<それとも、あれは平静さの中にも狂気が見え隠れするような演出だったのかしら…?)、時折、両手で口元を覆ったり、自分の胸元の辺りをかきむしるようにする仕草が、感受性の強い若者の心情をよく表しているように思えて、個人的にはかなり好みの演技でした。あと、これはちょっと深読みし過ぎかもしれませんが、彼の黒い喪服姿が、自分には若い修道士のようなイメージにも見えたので、父親と言う名の神に己の生涯を捧げた聖職者のようにも見えるなぁ…と思ったり、レアティーズからの決闘の申し込みを伝える使者を前にしている時、腹心の友のホレイシオが、後ろで軽く背もたれに寄りかかりながら立って控えているその椅子に、ちょっと姿勢を崩した状態で座って、その申し出に耳を傾けるハムレット…と言った様子が、やっぱりハムレットは正真正銘の王子なんだよなぁ…と、さりげなく思わせる姿に見えたので、自分の中ではかなり印象に残るシーンでした。そのハムレットと同じく、父親を亡くした若い王子と言う立場にいたフォーティンブラス。小栗くん、セリフまわし…と言うか、発声そのものがまだ舞台仕様にはほど遠い感じで、声を張り上げるセリフが、ただただ大きな声を出しているだけのような、重みのない言葉の羅列になってしまっていたのが何とも残念でした。物語のラストは彼のセリフで締めくくられるのに、あれでは全く締まらない。血気盛んな若者と言う設定だったとは言え、もっと王家の子息らしい威厳と品格が欲しかったな…。その点、井上くんのレアティーズは発声も良く(<ミュージカル俳優なんだから当たり前だけど)、ホントにいいトコのボンボンなのねぇ…と言うような育ちの良さがプンプンと匂ってくるような感じ(笑)。藤原ハムレットの黒い衣装とは対照的に、井上レアティーズの衣装は真っ白で、スラリとした長身同士が並び立つとむちゃくちゃサマになるツーショットでしたが、決闘シーンの殺陣はふたりともまだ腰が軽い感じで、イマイチぎこちなさが目についた…かな(苦笑)。それから、同じく父親を亡くした若者のひとりでもあるオフィーリア。鈴木杏ちゃんの演技には結構、期待していたんですが、恋に関する乙女の心情を語るセリフまわしがまだ自分のものになっていないような、所々上滑りをしてしまっているように感じられたので、よく通るキレイな声をしていただけに、個人的には、思っていたよりも真に迫ってこなかったのが残念でした。フランスへ向かう兄レアティーズとのやりとりは、かなり可愛らしかったんだけど…。全体的には見応えのある面白い舞台だったし、藤原くんの年若いハムレット像がいい方向に作用した舞台だったと思います。その年若いハムレット像に呼応するものとしての演出からか、高橋惠子さん(<美しかった…!)のガートルードが、息子を愛してはいるけれど、女としての自分も捨て切れない妖艶さもある母親像に描かれていたのも印象的でした。萬斎さんの『ハムレット』で演じていた篠井英介さんのガートルードは、息子を心から愛していながらも、かつては義弟だったクローディアスの支えがなくてはいられないだろうと思わせるようなか弱さがあって、ハムレットから自分の所業を容赦なく罵られるシーンでは、篠井さんの身も世もなく嘆き悲しむは母親像の方が真に迫って見えましたが、見るからに若々しい息子を持つ美しい母親像としては、今回の見せ方の方がリアルな演出なのかもしれないなとも感じました。それにしても、こうやって何十年、何百年と、様々な演出家や役者によって、色々な解釈で演じ続けられているシェイクスピア戯曲。日本でこれに相当するものって、歌舞伎を始めとする古典芸能…になるんでしょうか。ただ、古典芸能は限られた者だけに受け継がれていく技と伝統の制約があるので、やっぱりちょっと違うかな?以前は、シェイクスピア劇の、あの切れ間なく続く膨大なセリフ量に観ていてちょっと疲れを感じることもありましたが、今ではそれらを楽しめるような余裕も出てきたので、自分も観客としてそれなりに成長したもんだなぁと(笑)。来年は、安寿ミラさんがハムレットを、植本潤さんがオフィーリアを演じる男女逆転の異色の『ハムレット』を観る予定なので、そちらの役者の演技や演出の違いを観るのも、今からかなり楽しみです♪
2003/12/06
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とうとう今月の1日に、ニュージーランドの首都ウェリントンで、RotKのワールドプレミアが開催!そのプレミアの様子を映したフォト画像が続々とネットにアップされるのを見て、パソコン画面の前でこちらまで興奮してくるやら、とうとうこの日が来てしまったんだなぁと一抹の寂しさを感じるやら。おかげで(?)、何とヴィゴ氏のお宅にホームステイをさせてもらうと言う、むちゃくちゃ突拍子もない、ファンの願望丸出しの夢まで見る始末(でも幸せだった…♪<バカ)。実はそのプレミアの様子を見る数日前に、原作にとってもファンにとっても重要なシーンが、実際には撮影されていながらも、RotKの劇場版ではカットされてしまったらしいと言う情報を知ってかなりショックを受けてしまったけれど、2年前に劇場でFotRを観て以来、魅了され続けてきた映画LotRが、作品としてどんな風に締めくくられるのか、今はとにかくその完成された映画を観るのがとてもとても楽しみです。そして昨日は、楽天ショップで予約していたTTTの日本版SEEが到着、とりあえずむちゃくちゃ気になっていた役者陣のコメンタリーを堪能しつつ、追加映像の字幕や吹替、メイキング映像の翻訳内容を大まかに確認出来たので(<ショーン・ビーン氏のコメントが…!/嬉泣)、残りは時間をかけてゆっくりじっくり鑑賞していこうかなと。その特典映像のメイキングを観るたびに思うのは、映画は総合芸術の結晶と言うけれど、LotRはまさにそれそのものだなぁと言うこと。各ジャンルのハイレベルなプロフェッショナルが集い、そこへお互いを尊重し合うチームワークの良さが加わっているんだもの、それで悪いものが出来るハズがないじゃない!と、ファンとしてはまるで自分のことのように嬉しかったり誇らしかったり。ところで、FotRのSEEを観て実感したのが、追加映像があるかないかで、更に作品の…と言うか、登場人物達の深みが変わってくるものだなぁと言うこと。TTTの劇場版では、ゴンドール執政家チームの映像が全てカットされてしまったけれど、あのシーンでの父子のやりとりがFotRでの裂け谷会議に繋がり、そしてボロミア&ファラミア兄弟のその後の運命に大きな影響を及ぼすきっかけになったのかと思うと、切ないやら感慨深いやらで、心底、一般公開した劇場版でも観てみたかったなぁと。でも、そもそもあのシーンは3部作をまとめて撮影した時点では存在しなかった映像だし、1部でのボロミアの死を惜しむ声が大きかったおかげで?追加撮影されたものと考えると、SEEで彼らの人となりや運命に触れる重要な映像が観られただけでも、ファンにとってはラッキーなことだったのかな。何より、特にLotRのファンと言うワケではない、フツーに映画を楽しもうとする人達にとっては、劇場で3時間半以上も座りっぱなし…と言うのは、かなりしんどいだろうと思われるし(苦笑)。どちらにしろ、役者やスタッフ陣に対してはもちろん、あのファンタジー世界の壮大さを大胆に表現する一方で、小さい人や大きい人達の、試練に葛藤する精神面のドラマをリアルに映し出したピーター・ジャクソン監督の手腕を、映画LotRのいちファンとして尊敬せずにはいられないです。とにかくRotKのSEEが発売されるまで、何が何でもついて行きますからね、監督…!
2003/12/04
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先月最後の週は、27日(木)に、鴻上尚史の第三舞台時代の脚本をミュージカル化した、『天使は瞳を閉じて』をル・テアトル銀座にて、30日(日)には、第4回東京フィルメックスの特別招待作品のひとつ、アレクサンドル・ソクーロフ監督のロシア映画『ファザー、サン(Father and Son)』を、有楽町朝日ホールで鑑賞しました。まずは、『天使は瞳を閉じて』。作&演出&作詞:鴻上尚史/音楽プロデュース&作詞:森雪之丞/音楽ディレクター&編曲:西平彰作曲:杏里、GAKU-MC、岸谷香、木根尚登、高橋幸宏、TAKUYA、TAKE(FLOW)、デーモン小暮閣下、中西圭三、山本恭司、他出演:佐藤アツヒロ、天野ひろゆき、純名りさ、辺見えみり、風花舞、生方和代、根田淳弘、橋本さとし、京晋祐、大高洋夫これは私自身は観ようかどうか迷った舞台で、同行の不破さんが第三舞台の作品が好き、アーンド京晋祐さんのファンだったので、んじゃまお付き合いしますかねぇと言う感じだったんですが、観に行く前に、職場の音楽畑の人から天野っちの歌は結構、いいらしいよ~と聞いたので、それを楽しみに観に行ってきました。確かに、あのコロっとした見た目(<可愛い/笑)からは想像がつかないようないいお声。この舞台、主役はあっくんじゃなくて天野っちでしょう!?と言いたくなるような美声で、彼の歌はどれをとっても良かったです♪反面、あっくんは、役柄がプロのロッカーと言う設定だったにも関わらず、思わずアンケートに「もう少しがんばりましょう」のハンコを押したくなってしまうような歌唱力。いや、まぁ、始めからあまり期待はしていませんでしたけどね…(苦笑)。他のメンバーの歌に関しては、元宝塚の娘役トップだった風花舞さんがダンスも含めて良かったのと、辺見えみりが意外と(?)上手くて、しかも女の子っぽい甘えんぼな役柄の演技が、わざとらしくなく自然な感じでとっても可愛らしかったです♪その彼らの歌う楽曲の提供者は、現在に至るまでのジャパニーズポップス界を作り上げてきた錚々たるメンバー。それにしても、観劇中、どれが木根さんの作曲かはしっかりとわかってしまうあたり、10代の頃に慣れ親しんだ感覚と言うのは、無意識に身にしみついているもんなんだなぁとつくづく実感(苦笑)。話の内容はと言うと、亀やはりねずみの行動を日々見守るしかないふたりの天使(天野ひろゆき&純名りさ)が、自分の受け持ち区域ではない、地球のある地域にだけ生き残った、透明な膜のような壁に守られて暮らす人類をたまたま見つけて、興味に駆られて彼らの行動を近くで見守るようになると言う物語。努力しても報われない者、権力を手に入れて様変わりする者、自分が何をしたいのか見つからない者など、10人の登場人物達のそれぞれの葛藤が前半はコメディちっくに、後半はシリアスに絡み合うドラマでした。特別大きな山場のない前半部に比べて、後半は話が盛り上がってきたな~と面白くなってくるも、クライマックスからラストまでの見せ方が、結構、あっけなくて、ちょっともったいない感じの展開だったかな。人類を、放射能やら紫外線やらの危険な物質から守っていた薄い膜のような壁があっけなく壊れてしまう展開は、そのありがたみは失って初めて気づくもの、そしてそのアタリマエのような恩恵を失う時と言うのは意外にあっけなく、それは自分自身の内面や、他人との関わり合いや、その他、様々なことに関して色々なものを象徴しているからこそ、あのような幕切れだったのかもしれないなぁとも思いましたが。ミュージカルを楽しむと言うイミでは、前回、鴻上さんが演出した『シンデレラ・ストーリー』の方がミュージカルっぽかったかも。ケラリーノ・サンドロヴィッチさんのミュージカルもそうだったけれど、小劇団系の舞台らしい、役者のノリと小ネタを駆使した笑いと、一筋縄ではいかない人間模様や、演出側の強いメッセージ性を音楽と組み合わせた作品として見るには、オリジナリティはあるけれどどこか歌と内容の融合性(バランス?)がイマイチのような気がすると言うか、ミュージカルらしく歌で観客を引っ張っていくには、まだまだ魅力や突き抜け方が乏しいような気がすると言うか…。同じ小劇団系の舞台をミュージカル化したもので言えば、野田秀樹さんの『贋作・罪と罰』を元にした『天翔ける風に』が飛び抜けて良かった。でも、あれは野田さんがミュージカル化したワケではなくて(<野田さんはミュージカルが苦手だし)、その道のプロの謝玉栄さんが演出や構成をしたものだったからなぁ…。単に好みの問題なのかもしれませんし、確かにファンタジックな設定はミュージカル向きではあったかもしれませんが、自分にとっては、出来ればストレート・プレイで観てみたかった内容だったかも…と感じた舞台でした。そして東京フィルメックスで観た『ファザー、サン(Father and Son)』。この映画、ソクーロフ監督の1998年の作品『マザー、サン』(未見)を含む家族をテーマにした3部作のうちの2本目の作品で、ロシア映画の家族ものと言うことでちょっと興味を惹かれて観に行ったんですが、去年のフィルメックスで、リィウ・イエくん目当てで観た『藍宇(ランユー)』以上に、個人的には、観ていてちょっといたたまれないものを感じずにはいられなかった作品でした。話の内容は、子離れ出来ない父親と、親離れ出来ない息子と、彼らを取り巻く寂しい人間達のドラマ…かな?母親を失った父ひとり子ひとりの親子関係が、ある一面ではほのぼのと和むものではあったけれど、どちらかと言うとお互いを気遣うがゆえの寂しさや不安感、そして時にはその親密さ加減が恋愛的だったりして、美しくも儚げな映像のひとつひとつがかなり意味深に見えたせいか、何とも形容し難い妖しさと哀愁感のある映画でした。心身共に戦争で傷ついた父親は終始うつむきがちで、軍人志望の息子が真っ直ぐに見返す視線が印象的だったんですが、あるイミ、なまじの恋愛映画を観るよりも甘々、完全にふたりの世界で、はっきり言って女性(他人)の入り込む隙間なんてありやしません(爆)。………ぐわ~、侮れじ(<ハナから侮ってないけど)ロシア映画!おかげで観ている間中、何だかずっといたたまれなかったよ~(滝汗)。でも、基本的にロシア映画は、自分の性には合っているかもしれないです。まだ、『シベリアの理髪師』や『エルミタージュ幻想』など、数えるほどしか観ていませんが、観終わった後、あ~面白かった!と思えるような満足感はないものの、映像的にも内容的にも哀愁漂う叙情性があって、それが結構、好みです。何と言っても、男女共にお美しい方が揃っていらっしゃいますし…って、またそんなミーハー根性丸出しで!いい加減、少しはお控えなさいよ…(呆)。
2003/12/01
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