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2024.12.24
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​カルラ・シモン「太陽と桃の歌」シネリーブル神戸 予告編 を見て
​​​「ああ、これは見よう!」​ ​​
​​​  ​ と決めていました。 神戸の初日 に見ました。見終えて、しばらく立てませんでした。とてもイイ作品だと思ったのですが、 ​​​
「これが、今という時代なんやなあ。」 ​​
​  と思うと、やっぱりへたりこんでしまいますね。
 見たのは カルラ・シモン という カタルーニャの女性監督 の、まあ、邦題では 「太陽と桃の歌」 という作品でした。
スペイン の田舎の村に開発とかの波が押し寄せてきて、一家で桃農家を営んでいる キャメットさん家 は、すべてが崩壊してしまう危機に直面します。 キャメット家 広大な桃畑 を、 大家族 日雇いの出稼ぎ労働者たち で栽培している、なんと、 小作農 なのです。
 まだ 小学生の子どもたち 、多分、ダンスにはまっているの 中学生の娘 、家の手伝いの方が勉強より性に合っていて、こっそり大麻かなんか栽培している 高校生の息子 、土地の権利証のことなんか考えたこともなかった オジイちゃんとおバーちゃん 、一緒に仕事をしている 妹夫婦 。結婚して家は出ているけど、双子の子どもたちはこの家で預かってもらっているというふうの おばさん 。で、しっかり者の 大家族 です。
​ この家族の描き方がとてもよかったですね。何しろいきなり始まる子供たちの、広大な桃畑のすみっこでくり拡げる 宇宙戦争ごっこ が素晴らしい!​
 で、その 子どもたち が最初に発見する 巨大なクレーン車 を先頭にした侵入者たちによって 家族全員 が絶滅の危機に巻き込まれる大騒動の物語が始まるのでした。
 子どもたちは勿論ですが、家族全員が、いきなり勃発した土地争いで右往左往していくわけですが、こういう事態が世界中で起こっているんでしょうね、
​​​スペインの片田舎カタルーニャ​​​
 ​​で、今、失われていきつつある 「ある時代」、「ある世界」 の姿を監督は描きたかったのではないでしょうか。危機にさらされた家族が、どんなふうに絆を保ち智づけることが出来るのか。映画は、それぞれの人間性のつながりを丹念にたどることで家族の崩壊を、なんとか保ち続ける物語を描きます。​​
​  で、 ラストシーン に映し出されるのは家族の暮らす美しい家とその庭です。これが
​カタルーニャの田舎の暮らしの風景!​
というそのかたわらでには、しかし、 大きなクレーン車 が桃の林を根こそぎ切り倒してゆくのをのを見て、ボクは胸が塞がりました。桃の木の苗を植え、水をやり、実をつけさせてきた技術はどうなるのでしょうね。子供たちが宇宙戦争ごっこをする基地も、宇宙船だったおんぼろ自動車も、もちろん撤去されてもうありません。
 家族の絆花とかなりそうですが、キャメットさんは太陽光発電場の管理人になって暮らすのでしょうか。土地を捨ててどこかの町で働き手になるのでしょうか。 ​​
​​ボクたちは、今、どんな時代を迎えようとしているのでしょうね。​
​​​ ​​  見ていてなんだか変だなと感じたので、調べたところ、映画は 「カタルーニャ語」 の作品で、登場人物たちは、どうも、プロの俳優さんたちではなかったようです。地元の人たちですね、きっと。ついでにわかったことは、元の題名の 「アルカラス」 というのは カタルーニャの地名 のようです。要するに、これは 「カタルーニャ映画」 なのですね。
 で、この映画は希望を夢みる温かい物語の結末を捨てることで ​​
滅びゆくカタルーニャの姿
を撮りのこすことにこそ、ひょっとしたら監督の意図があるのではないかとボクは感じました。​​​​​​​​​​​​​​​​​
監督 ​目の確かさと問いかけの鋭さ​ に唸りました。 拍手!
監督・脚本 カルラ・シモン
撮影 ダニエラ・カヒアス
美術 モニカ・ベルヌイ
衣装 アンナ・アギラ
編集 アナ・プファ
音楽 アンドレア・コッチ
キャスト
ジョゼ・アバッド(ロヘリオ祖父)
アントニア・カステルス(ペピタ祖母)
ジョルディ・プジョル・ドルセ(キャメット主人)
アンナ・オティン(ドロルス妻)
アルベルト・ボッシュ(ロジェー長男)
シェニア・ロゼ(マリオナ長女)
アイネット・ジョウノ(イリス末娘)
モンセ・オロ(ナティ妹)
カルレス・カボス(シスコ妹婿)
ジョエル・ロビラ(ペレ双子)
イザック・ロビラ(パウ双子)
ベルタ・ピポ(グロリア妹)
エルナ・フォルゲラ(ティア)
ジブリル・カッセ(ブブ)
ジャコブ・ディアルテ(ピニョール地主)
2022年・121分・G・スペイン・イタリア合作
原題「Alcarras」
2024・12・13・no160・シネリーブル神戸no287





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最終更新日  2024.12.26 00:41:34
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