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2024.12.26
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​パオ・チョニン・ドルジ「お坊さまと鉄砲」シネリーブル神戸​
​​​​ 何年か前になりますが、 「ブータン山の学校」 という映画に、妙に感動した覚えがあります。予告編を見ていると、やっぱり ブータン で、今度は お坊さ んが出てくるようです。
​​ 「ブータンか? わるないな。」
 ​ とか思ってやって来ました。​​​​
​​​ 見たのは 「お坊さまと鉄砲」 です。監督は パオ・チョニン・ドルジ で、 「山の学校」 と同じ人のようです。​​​
​ 映画が始まると ブータン でした。映っているところの標高が何メートルなのか定かなことはわかりませんが何千メートルという雰囲気です。高原の、ただでさえ人なんてどこにもいない雰囲気の山稜を若い坊さんのあとをついてカメラがのぼっていくと、正直、
​​こんなところまでどうやって建築資材を運ぶのだろう?​​
​ ​と思う山の中腹に建物があって、中に入って行くと誰かがいて テレビ を見ていました。​​ ​​​​
​テレビですよ、テレビ! ​​
 ​ で、それを見ているのどうも お坊さん のようで、テレビに映っている話題が 「総選挙」 なのです。見ていた お坊さん は、どうも偉い人のようで、カメラと一緒に上ってきた純朴そうな 若いお坊さん に何かいい始めました。​​​​​
​「エライことが始まる。これには銃がいる。それも2丁だ。次の満月の夜までに用意できるか。」
​​  ​​​​​​​​ ​場所が ブータン で、着ているものの雰囲気からして チベット仏教 の、だから、 ラマ教 の修業をしている 高僧 の弟子に対する厳かな発言で
​​「鉄砲!」​​
​  です。
 でも、人のよさそうな若い弟子は、もちろん理由も聞かず 「はい」 と返事をして 鉄砲探し が始まりました。
​​うーん、なんじゃそれ?​​
​​​​​​​​​​​​​​​​​​  弟子 が降りていったふもとの村は、 選挙騒ぎ です。で、村には アメリカ人の収集家 がよだれを垂らして欲しがる 「南北戦争」 で使用された カービン銃 があったり、偶然、 若い坊さん がテレビで見た 007 の映画でつかわれている AK47カラシニコフ という自動小銃二丁がインドから密輸されたり、シッチャカメッチャカなのですが、結論には納得でした。 拍手! ですね。​​​​​​​​​
 ​ここからは ​ネタバレ​ です。​
​​​​​​​​​​​​​​ 村の老人が所持していた 南北戦争時代の銃 は、 アメリカ人の収集家 の手に落ちる寸前、銃が必要だという 高僧 に喜捨され、いいつけを守って銃を探していた 若いお坊さん の手に入ります。 アメリカ人 とその案内をしている 通訳係 お坊さん を説得し、 師匠の鉄砲の必要性の目的 を知らない 若いお弟子さん が気に入った AK47 を2丁密輸して交換することを持ち掛けます。 お坊さん 鉄砲 が必要なのは明日の 満月の夜 だから、それまでに届ければ交換に応じると約束して、 満月の夜 になります。​​​​​​​​​​​​​​
​​ で、 その夜 高僧 は信者の村人を集め村の空き地で説教します。​​
「新しい時代が始まるときには、新しい時代の厄払いをするために、 仏塔 を立てなければならない、仏塔には厄払いになる何かを埋めてその上に立てるのだ」​
​人々は、 仏塔 の基礎に深い穴を掘り高層の宣言を待ちます。​
​「王様が退位なさり、選挙で指導者を決める時代に、もっともあってはならないのは争いであり暴力だ。暴力を象徴するもの、それは鉄砲だ。鉄砲をここに埋めて祈らなければ新しい時代を始めてはならない。」​
​  ​​ ​高僧 は、まず、手元にあった 南北戦争の銃 を穴に掘り込みます、そこに、警察に追われながら2丁の AK47 が到着すると、それもまた穴に掘り込みます。 ​​ ​​​
​​ おーっ! ​​
​  ​​ですね。
密輸人の二人 は、儀式への捧げものを運んだということで赦免されて無事ですが、もちろん、目的の古い銃も手に入れることはできません。
​はははは! ​​
​  ですね。久しぶりに胸がすっとしました(笑)。​​
​​​ 本当に、今、民主主義を始めた
​ブータンだから取れた映画ですね。​
世界中で民主主義に懐疑的な時代が始まっていますが、 「よりよい社会」 を希求する共同の善意と、 「暴力の否定」 を共有する公共性、相互理解が確立すればデモクラシーは可能です。​​​
 現実社会では、まず、国家間において暴力の否定の共有の重要性が成り立っていないのですから、まあ、いろんな意見が出ちゃうわけです。
​​ 映画で、南北戦争の名銃と、現代戦争の最高性能の自動小銃(世界で1億丁以上作られてきた)が捨てられるシーンは、あまりの結末にあっけにとられながらも爽快そのものでした。 パオ・チョニン・ドルジ監督 拍手!拍手! ​​
​さすがブータン! ​​
​  世界の高みから見事な現代世界批判でした。 拍手! ​​
​​  イスラエルもロシア も、 エエかげんにせえよ! でした(笑)。​​
監督・脚本 パオ・チョニン・ドルジ
撮影 ジグメ・テンジン
キャスト
タンディン・ワンチュク(タシ 若い坊さん)
ケルサン・チョジェ(ラマ 坊さん)
デキ・ラモ(ツォモ)
ペマ・ザンモ・シェルパ(選挙委員のツェリン)
ベンジタンディン・ソナム
ハリー・アインホーン(ロナルド・コールマン銃収集家)
チョペルチョイン・ジャツォ
選挙委員のプバタンディン・プブ
警察官ウゲン・ドルジ
ユペルユペル・レンドゥップ・セルデン
2023年・112分・G・ブータン・フランス・アメリカ・台湾合作
英題「The Monk and the Gun」
2024・12・15・no162・シネリーブル神戸no289



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最終更新日  2024.12.26 10:23:49
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