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2025.01.05
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​​​ 相米慎二「夏の庭 The Friends」シネリーブル神戸​ 2025年 映画館徘徊 最初の1本 唐十郎 のドキュメンタリィーにするか、 相米慎二 にするか悩んだのですが、見たのは 相米慎二 1994年 の作品 「夏の庭 Friends」 でした。
相米慎二 は2年前に 「ションベンライダー」 ​と ​​ ​​ 「台風クラブ」 ​​ ​​ を見てノックアウトされて、
​「もう、いいかな・・・」​
 ​だったのですが 「夏の庭」 原作 湯本香樹実 が贔屓の作家、もちろん原作は既読ということもあって、 相米慎二再チャレンジ でした(笑)。
 見てよかったですね。原作もそうですが、生きているのか死んでいるのかわからない一人暮らしの老人に小学生の男の子たちが興味を持って付きまとううちに、仲良しになる 一夏のお話 というわけですが、30年ほど前に原作を読んだ印象と、今日の映画の印象で、大きく変わったことがありましたね。
 単純に言えば、子どもと老人の間に起きる出来事に対して、 子どもの視点 ではなくて、付きまとわれる 老人の視点 に、あるいは 主観 に対する 共感 で見ている自分に気づいたことですね。はい、まあ、こっちも年をとったということですね(笑)。
​​​​​​​​​​​​  三国連太郎 扮する 一人暮らしの老人 1945年に20代の青年 だったわけで、映画が描いている時代である 1990年代 には 70代 なのですね。
 で、 が、今まで誰にも言わなかった、戦場からは帰ったものの、妻のもとには帰らなかった、
​​​家族を捨てるに至る 「秘密」 ​​
​​​​​​​ ​  だから戦場で何をしたかということを、付きまとう子供たちに語るんですね。この時の老人を演じる ​三国​ は、
​さすが三国連太郎! ​​
​  でした。
 そのシーンは映画の中盤の山場ですが、かつては、この 老人の心境のリアリティー がボクにはわからなかったと思うのですが、今回はドキドキしましたね。もう、これだけで、この映画はぼくの記憶に残ると思いますね。
 まったく別の話ですが、 浦沢直樹 「あさドラ」 ​というマンガで、 きぬよさん という、おそらく、 50代 の飲み屋の女将さんが、恋人が戦場から帰って来なかった哀しみを あさチャン に語るシーンが最新刊にあるのですが、あれは 1970年代 です。​​​​​​​​​​​​​​​​​​

​​​​​ この映画は 1990年代 、あの震災直前の 神戸 の町が映っているのも感無量でしたが、生きて戦場から帰ってきたものの、生きて帰ってくるためにしたことによって、いわば、自ら 「しあわせに生きること」 を捨てた 老人 が、面白半分に付きまとう子供たちによって
​「秋には何か種をまこう!」 ​​
 ​ ​​
​​ ​​​もう一度、生き直そう!
​ ​ とする様子には、強く胸打たれましたね。 ​​ ​​​​​​​​​​ 淡島千景さん が演じている、一人で子供を育てて45年間の戦後を生きてきた末に、記憶を失った おばあさん 待ち続けてきた 夫の棺 に跪いて
​「おかえりなさいませ。」​
​  と挨拶するシーンもそうですが、 老人 の亡き後、 には子供たちが種をまいた コスモス が咲く中、廃屋化する建物を延々と映し出すところに、 相米慎二
​「戦争は悪だ!」​
​​​​​​ を実感しました。 拍手! ですね。
 直接的な 戦争批判 というよりは、経済成長の中、拝金主義と無責任を蔓延させた 戦後社会 に対する疑いを描いているとボクは思いました。まあ、ボクなりですが、ちょっと、 相米慎二の輪郭 を​​​​​​​​​​感じた作品でした。
神戸 の震災直前の風景も、結構、あっちこっち映っていて懐かしかったのですが、 曲がり角にさしかかっていた戦後社会 を強く感じさせる映画でしたね。 拍手!
 ​​​​​​

監督 相米慎二
原作 湯本香樹実
脚本 田中陽造
撮影 篠田昇
音楽 セルジオ・アサド
キャスト
三國連太郎
坂田直樹
王泰貴
牧野憲一
戸田菜穂
淡島千景
笑福亭鶴瓶
寺田農
柄本明
1994年・113分・日本
2025・01・04・no001・シネリーブル神戸no294



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最終更新日  2026.01.04 11:33:21
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