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韓国文学の紹介、翻訳のエキスパート! まあ、我が家では絶大なる信頼を得ている人です。ボクが彼女の仕事を知ったのは最近ですが、同居人にチッチキ夫人は仕事柄、かなり以前から読んでいたようです。
私は研究者ではなく、知識と関心が限られているため、この本は文学史でもなく、網羅的な文学案内でもないことを最初にお断りしておきたい。作品の選定には偏りがあり、飛躍も多いが、個人的な経験に基づく読書案内と考えていただければと思う。 まえがき でこんなふうに断っていらっしゃいますが、それで充分ですね。
全体の構成は、日本で韓国文学への注目が定着しだした二〇一〇年代後半を起点として、植民地支配が終わる一九四五年にまでさかのぼる形となっている。 というわけで、 第1章 は 「キム・ジョンが私たちにくれたもの」 です。 チョ・ナムジュ という作家の 「82年生まれのキム・ジョン」 (筑摩書房) が邦訳されたのが 2018年 で、ボクも読みましたが、その後、20万部を超えるベスト・セラーになったという話題から始まる 斎藤真理子 による 小説論、作家論、韓国文学論 は、ナカナカの読み応えです。
「フィフティ・ピープル」(斎藤真理子訳・亜紀書房) から最も印象的な場面を紹介してみたいと思います。この小説はある大病院にかかわる五十人の人たちのショートストーリーをまとめたものですが、その中の、イ・ホという名前の七十代の医師が、ぐっと若い後輩の医師「ソ先生」に語る言葉です。 斎藤真理子さん が、愚かしいヘイトのあらしが吹き荒れるこの国で 韓国文学 を 翻訳、紹介 している
ソ先生は産業医で、地域の労働災害や自分たち自身の労働環境の改善に努めていますが、一向に問題は解決されません。一緒にボランティアをやっている大先輩のイ・ホ先生に思い切って相談すると、次のような言葉が返ってきます。
「私たちの仕事は、石を遠くに投げることだと考えてみましょうよ。とにもかくにも、力いっぱい遠くへ。みんな、錯覚しているんですよ。誰もが同じ位置から投げていて、人間の能力は似たりよったりだから石が遠くに行かないって。でも実は、同じ位置で投げているんじゃないんです。時代というもの、世代というものがあるからですよ。ソ先生はスタートラインから投げているわけではないんだよ。私の世代や、そして私たちの中間の世代が投げた石が落ちた位置で、それを拾って投げているんです。わかりますか?」
「でも、傲慢にならずにいましょうよ。どんなに若い人にも、次の世代がいるのですから。しょせん私たちは飛び石なんです。だからやれるところまでだけ、やればいいんです。後悔しないように」 (P311~312)
覚悟のようなものを感じますね。ボクは、 彼女の案内 を頼りに、隣の国の新しい文学の世界を読んでいこうと考えています。皆さん、いかがですか?
追記
ところで、このブログをご覧いただいた皆様で 楽天ID
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