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サルミという料理は、主として野鳥類に使われる調理法だ。 まず、鳥はベリーレアにサッとローストする。捌いてトリガラと肉に分けて、ガラは強火で炒めてワインとスープを加えて出汁をとる。出来た出し汁に前もって取り置いた濃い鳥の出汁を加えて煮詰め、、キノコのソテーを加えてよく煮詰める。濃度が十分に出たところで生焼けの肉をこの煮汁に入れて肉にちょうど良く火を通す。御覧のようにロゼに火を通すのがベスト。煮汁から肉を取り出したあと、さらに煮詰めてからバターでモンテ(整えて)して仕上げる。鳩で作ったこの皿。鳩特有の豊かな風味が全て表現されている様に思う。もう、これはいい赤ワインを飲むしかない料理だ。
Feb 28, 2006

ブイヤベースは、南仏プロヴァンスの郷土料理だ。地元の本来の作り方は、市場で売られているポアソン・ア・スープという白身の雑魚を出しにしてちょっとどろどろするくらいのスープ・ド・ポアソン魚味トマトサフラン風味のスープを作り、そのスープで魚や海老貝類などを入れて火を通して食す料理だ。 サンク・オ・ピエ5周年記念コースの一品。 サンク・オ・ピエホームページ
Feb 23, 2006

鹿の背肉のローストにボルドーの赤ワインで炊いたリゾットを添えてある。ソースは赤ワインベースのポワヴラード・ソース(胡椒風味のソース)。 シャトー・モンローズの87年にあわせてみた料理がこれ。モンローズはボルドーのグランヴァンの中でももっとも長熟なワインのひとつ。87年はリリース当時の評価は低かったのだが、10年程してから見直されてきたヴィンテージ。開けてみるとまだ若いくらいで、果実味もたっぷり残しながらも古酒の複雑な風味も出始めていて、サンテステフ特有の土の香り、、、雨上がりの森のような湿った土と腐葉土の香り。干したプラムやチェリーのニュアンス、さらにエスプレッソコーヒーやクローブやアニスなどのスパイス系の香りもちらほら、、、。 ボルドーワインにボルドーワインで炊いたリゾットを添えて、赤ワインベースのソースを合わせればこれはもう間違いのない組み合わせと言えるだろう。
Feb 22, 2006

オマールや伊勢海老のアメリケーヌ風というと、海老の殻やミソを使ったゴージャスなソースがクラッシックなフレンチソースの中でも王様的な存在だろう。 作り方を簡単に説明すると、、、。 まず海老は、必ず元気に生きていなければならない。海老はまず熱湯できっかり2分間茹でて氷水にとって冷やす。オマールの場合ハサミと尾の身と頭の中のミソを取り置いたら、残りの海老の殻を細かく砕いてから強火で炒めて海老の香りを高める。たっぷりのコニャックでフランべしてから、白ワインをくわえる。ミルポワ(香味野菜)とトマトや薄いブイヨンを加えて1時間弱煮込んで海老の味を抽出しきる。濾してから煮詰めて味噌を加えて仕上げる。大体こんな感じ。 この画像の料理は、ソースに仕上げる前のオマールの出し汁でリゾットを炊き込み、そのリゾットに海老ミソを加えて仕上げてある。海老の身はアメリケーヌソースで軽く煮込んである。とにかく海老の旨味をひとつ残らず食べてしまうと言う貪欲な料理だ。
Feb 21, 2006

フォアグラと言うと私の店では、フォアグラのソテーが人気メニューなのだが、、、。 私自身が食べるなら、このテリーヌのほうが好み。材料はフォアグラと調味料(塩、胡椒、砂糖、ナツメグ)のみ。フォアグラはしばらく室温に戻してから血管や筋を取り除いてテリーヌ型にぎゅっと詰めて、低温のオーブンで湯煎にかけてゆっくりと火を通す。 なんといってもワインとのマリアージュが素晴しい料理だ!ボルドーの貴腐ワインソーテルヌと合わせると、、、あー、よだれが出そう、、、。 2月21日よりはじめる5周年記念コースの前菜です。 詳しくは、ホームページを御覧ください。
Feb 18, 2006

最近、妙に人気なメニューがこれ。うちの店で一番高いメインディッシュ、シャラン産窒息鴨の胸肉のロースト。通常のメインの\1600増しなのだ。 シャランと言うのは、フランス一の大河 ロワール河の河口地域のことで葦原が広がる広大な湿地帯だ。 彼の地で、300年ほど前から飼育されている鴨がこれ。 私の店では、普通の鴨料理にこのシャラン産のモモ肉を使い、最高のご馳走に胸肉を使っている。 まあ、うちの店では一番高いメニューなのだが、高名なトゥールダルジャンの鴨(一皿一万円以上)とほぼ同じ物が、半額以下で食べられるのだから価値の分かる方には安いものだと思う。 実際、本当に美味い!私のたまの贅沢はこの肉を焼いて、そばを茹で 自家菜園のネギを添えて、、窒息鴨南蛮そばにすること。やーー、美味いですよ!!
Feb 16, 2006

今年に入ってから魚料理はこればかりやっている。 もちろんリゾットはイタリア料理だが、最近はフランスの三ツ星シェフたちも積極的にイタリア風の“アルデンテ”のリゾットを取り入れているようだ。 私のリゾットのやり方は、ベニスのハリースバー(ヘミングウェイが常連だった有名店)のリゾットの作り方を周到したもの。詳しい作り方は過去ログにあるので探してみてください。 鯛とホタテをソテーして、イカ墨のリゾットを添えてトマトとサフランのソースを使ってある。青味は菜の花。春も近い。
Feb 13, 2006
今日は誕生日。46になりました。最近やっと大人になってきたのかなぁ?と言うのが実感。自分なりには、まだまだ技術も進歩しているつもり。 少なくとも、10年20年前よりは思い通りの仕事が出来るようになっている。職人仕事に完成はないのだと言うことが、実際に見えてきたような気がする。日々、精進ですね!! もうすぐお店も5周年、記念のコースメニューを考えてうなっている毎日です。(アー、早く考えなくちゃ、、、。)
Feb 8, 2006

塩豚に興味をもたれる方が多いようなので、、 本来の保存食用の作り方は、肉に対して塩は大量で、もうめちゃくちゃしょっぱいから食べる時には流水で2~3日も塩抜きしてから使うのだが、、私がいつもやっているのは、軽く塩漬けにして水分を抜き、味を凝縮させ、さらに数日間から半月ほど熟成させることで独特の風味を引き出し、肉を柔らかくすることが出来るというもの。 材料は塩と豚バラ肉(バラ肉以外の肩ロースやロース肉でも作ることは出来るが、肉が厚く塊が大きくなるほど難易度が上がる) バラ肉は最低一キロくらいの塊を使いたいところ、、、まあ手に入らなければ、500グラム位でもオーケー。 塩は、良い物を使いましょう!塩田で作った天然塩がベスト。私の場合フランスのカマルグ産の海塩を使っている。塩化ナトリウム99.99%の塩は絶対に使わないでください(あれは私に言わせれば、化学薬品であって調味料とは言えないのだ)。 塩のあんばいは、肉一キロに対して15グラムくらいを目安にしてみて下さい。実は、私は塩を量ったことが無い。長年の勘に頼っているので、肉の脂の乗り方や水分量やサイズに自然に反応して塩を振ってしまうようになっているのでね、、、。まあ、料理とはそういうものです。何回もやってみて次第に思い通りに作れるようになるというものだ。 ラップを大きめに広げて肉を脂身を上にして置き、用意した塩の1/3位を振り掛ける、反対に返して1/3、もう一度返して残りを振る。ラップをきっちりと巻いて最低3日間は冷蔵庫で寝かせる。少し切って焼いて、味を見て、塩分を調節して下さい。(塩分が足りなければ少し塩を振る) この段階では少ししょっぱいくらいでいいです。熟成すると味が柔らかくなるのでね、、。あとはペーパータオルに包みポリ袋などに入れて1週間ほど熟成させて食べる。厚切りを上手に焼くのは難しいので塩カルビのようにして焼いてサラダと一緒に食べるのが手軽。または、塩を30グラムで漬け込んだ肉でポ・ト・フを作ると実に美味しくできる。塩を多くするほど熟成期間を長く取るのがコツかな、、。
Feb 6, 2006

プティサレ(Petit sale)は、塩豚のこと。ヨーロッパの多くの国では豚肉の塩漬けが古くから行われている。特にバラ肉は、ベーコンやパンチェッタになり、後足は生ハムになる。 人類の歴史を100年も遡らなくても電気ガス水道無しの生活だったわけで肉や魚を保存する手立ては、塩漬けや干物や燻製にするしかなかったのだ。冷蔵庫が無いのですからね!そうして、干物や燻製にする時もまずは塩漬けから始まるのだ。 日本では豚肉料理の王道と言うと豚カツなわけで普通生肉を使用するわけだが、ヨーロッパの多くの国では豚料理の王道は塩漬け肉ということになる。 ただ最近は冷蔵庫があるので保存のための塩漬けではなく、食味向上のための塩豚を作っているわけだ。軽く塩漬けにすると余分な水分が抜けて生臭みが抜け、旨味が凝縮される。つまり肉が締まり旨味が増し、熟成の結果柔らかくなる。 この画像は、塩豚のバラ肉を2センチ位の厚さに切ってグリエ(網焼き)したもの。ブルゴーニュ産のディジョンマスタードを使ったソースを添えてある。
Feb 4, 2006

うちの店では、ウサギと言うとローストばかりしているのだが、、ウサギのモモ肉といえば普通煮込みにすることが多い。と言うのは下手に焼くと固くなり臭くなり、、、手ごわい肉なのだ。 私は焼きに自信があるから、この手ごわい肉を上手に柔らかく焼き上げることによって、技術を見せ付けるという実に地味な玄人にしか分からないような活動を続けて??きたわけだが、、、。 やはりウサギの煮込みは美味しい。おとなしい動物なだけにやさしい味わいの肉なのだ。 フランス人にとっては田舎のおばあちゃんの味のイメージだ。
Feb 1, 2006
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