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先日、フランス食材の仕入先のW社長がウサギの背肉を持って現れた。何でも、特注で取り寄せたフランス産のウサギの背肉を使ったあるシェフが、「冷凍焼けしている上に臭いし、焼くとパサパサで使い物にならない。」と、クレームをつけてきたので私に試しに食べてみてくれというのだ。W社長とはもう20年近いお付き合いで、鴨、ウサギ、鹿、ホロホロ鳥、鳩、ウズラ、ジビエ各種、生ハム類などいつも申し分の無い食材を届けていただいているいるので、さっそくウサギ肉を見てみると、とりあえず問題無さそう。 W社長とウサギや鴨や鹿などの特殊肉の調理、特に火の入れ加減の難しさについて語り合ったあとそのときは忙しかったので翌日焼いて食べてみてから、感想を報告することになった。これがその焼き上がりの画像。まったく問題なくしっとりと焼けているでしょう?サンプルのウサギにはまったく問題が無かったようだ。それどころかとても美味しくいただいた。 ウサギは美味しく焼くのが最も難しい肉質なのだ。下手をすると出来損ないの高野豆腐のようになりかねない。このくらいしっとり焼き上げれば、繊細で深みのある旨みを持つ美味しく柔らかい肉なのだ。 タプナード(アンチョビと黒オリーブのペースト)をソースにインゲンを添えて食べた。一緒に飲んだボージョレ・ヴィラージュの美味しかったこと! クレームをつけたシェフは多分技術不足。ウサギという素材を使いこなせないのを素材のせいにしたのだろと思う。
Sep 29, 2006

ホロホロ鳥の丸焼き。普通はオーブンに入れる人がほとんどだが、私の場合オーブンは使わない。 鶏の場合、腿肉と胸肉の火の通る早さがまったく違うので、オーブンで均一に火を入れたら美味しく焼き上げることが、難しいのだ。 このように向きを変えながらプラックの上に鍋を置き、肉の向きを変えながら焼き上げてゆく。腿肉のほうが火が通りにくいので腿肉を左右何回かに分けて焼き、両側面、左右の胸肉、背中側と焼いてゆき、最後に胸肉の中央を焼く。 仕上げにこのように胸肉を下にしてお尻を上げて、温かいところで休ませて余熱でゆっくりと仕上げる。このような鶏の丸焼きのよさというのは、鶏の内部の骨格(鶏がら)ごと焼くことで中の鶏がらが蒸し煮の状態になり、鶏の内部に骨から出た美味しい肉汁がたまるのだ。その肉汁がこのように休ませている間に下にした胸肉に浸み込み胸肉がしっとりと仕上がるというわけ。 さばいて開いた胸肉。どうです、しっとりと旨そうに焼けているでしょう? その胸肉に栗や秋茄子を添えて、盛り付けたところ。 腿肉は、このようにサラダに仕立ててさっぱりと、、、。1キロサイズのホロホロ鳥を二人で召し上がっていただく場合このように胸肉と腿肉で仕立を変えて食べていただく。
Sep 27, 2006

冬瓜&フォアグラのソテー。 シャラン産の鴨のモモ肉のポワレ、冬瓜とローズマリー風味のローストポテト添え。 養老渓谷産のもち豚のグリエ、冬瓜、ローストポテト。 冬瓜、冬の瓜と書くが旬は夏の終わりごろ。皮の表面が硬い蝋質で覆われているので傷がつかなければ冬まで保存しておける瓜ということで、冬瓜というわけだ。 原産はインドか東南アジアあたりといわれているが、日本では古く平安時代から食されているらしい。水分が90%以上でカロリーはほとんどないのだが、カリウムが豊富で血圧の調整効果があるし利尿作用もあるといわれ、むくみや高血圧などに良いとされている。中華料理でも良く使う素材だ。淡白ながら独特の淡い風味と柔らかな食感が魅力。 私の場合、薄味のコンソメ煮にした後、バターで焼いて使うことが多い。 フォアグラをはじめとして、肉でも魚でも側に添えて違和感のあることはまず無い。実に引き立て上手な渋い名脇役いったところだろうか。
Sep 20, 2006

夏の終わりは、唐辛子の季節。赤く辛く熟して届いた唐辛子。 唐辛子は南米原産の茄子科の植物。茄子科の植物は、沢山あって唐辛子の仲間としては、しし唐、ピーマンとパプリカの類があり。もちろん茄子があり、トマトがあり、ジャガイモも茄子科である。もちろんサツマイモは違う。そういえば、なんとタバコも茄子科の植物でしたね。コロンブスが発見したアメリカ大陸(中南米原産)の植物のうち唐辛子とトマトとジャガイモほど世界の食生活を変えてしまったものも無いだろう。朝鮮半島の料理、タイをはじめアジアの料理、四川料理、インド料理などヨーロッパではハンガリー料理など唐辛子なしでは成り立たない料理がたくさんあるし、イタリアやスペインや南仏などトマトなしでは、料理できないだろうし、、ジャガイモなしのドイツ料理もありえない。 唐辛子にはカプサイシン(アルカロイド)という物質が含まれていてこれが辛味の元。この辛味、実は味ではなく痛感なんだそうだ。人間の体は苦痛を感じると脳内でエンドルフィンというモルヒネと同様の麻酔系麻薬系の物質が作られて、苦痛を緩和するように働くらしい。 激辛にはまっているような人は、カプサイシンで生じる苦痛を和らげるために出てくるエンドルフィンによる脳内麻薬中毒になっているという説がある。まあ、麻薬効果は別として唐辛子には痩身効果や新陳代謝のアップにも良いらしいですよ。程々に食べて健康にね!
Sep 18, 2006

低反発マット導入しました。すわり心地良いですよ!
Sep 16, 2006

今月お勧めの食材、フランス産ホロホロ鳥を焼いたところ。これは胸肉。鳥の胸肉なんてパサパサして美味しくないという方がいるが、胸肉がパサパサになってしまうのは焼き方が悪いからだ。上手に焼けば胸肉の本当に繊細で滋味深い味わいが楽しめる。皮がパリッと焼き上がり、身はしっとりと少しピンク色がかったくらいに焼き上げる。もちろん生焼けでは駄目。普通の鶏より野趣にあふれ、旨みがあるホロホロ鳥は美味しいブルゴーニュにぜひ合わせたい。 今月のお勧めです。
Sep 14, 2006

牛テールの赤ワイン煮込みの仕上がりがこれ。こういう料理に使う赤ワインは、若くて味のきついワインが向いている。固くてコラーゲンの塊のような牛テールとタンニンがたっぷりの赤ワインが、鍋の中でがっぷりと四つに組み、せめぎあう感じ。そこに熱と野菜の旨みが加わってバラバラだった要素が、仲良くまとまるのだ。煮込み料理には適切な時間が必要で、煮込み時間が長すぎても短すぎてもいけない。牛テールの場合、食べるときに肉と骨がぎりぎりくっ付いていて、ナイフフォークで触れるとほろりと崩れるくらいに仕上げるのが肝要。これがなかなか難しい。もうひとつ、仕上がったらすぐに食べるのではなく、煮汁と肉をそのまま一晩一緒に漬け込んでおいてから肉を取り出し煮汁を煮詰めて仕上げるのだが、そのときに出てくるあくや脂は徹底的に取り除く。こうすることによって雑味が取れてソースにつやと透明感が出るのだ。 見た目はかなり重厚なのだが、食べてみると意外に軽やかで柔らかい味なのだ。今回はボルドーワインを使って煮込んだので、カベルネ系のワインと最高の相性だ。もちろん、ブルゴーニュで煮込んでブルゴーニュを飲むのも最高に美味しい! この料理を食べていただいた“さかもとこーひー”の坂本氏のブログ。
Sep 14, 2006

これは牛テール。牛の尻尾の肉です。Queue de boeuf(クゥ・ド・ブフ)といいます。これで全体の長さが1メートル弱ある。重さは1.5から2キロくらい。これを関節ごとに切り分けると、、。 このようになる。これで尻尾の肉2本分です。これをブレゼ(蒸し煮)する。ミルポワ(香味野菜)として玉葱と少しのニンニクをいため、、。 テール肉はフライパンで焼き色をつける。 ここに赤ワインをたっぷり3本。加えて煮込んでゆく。肉がひたひたになるくらいの水分で蓋をして低温のオーブンで火を通してゆくのがブレゼという方法なのだが、ワインで煮込むときには必ずアルコール分を飛ばすことが肝心。アルコール分が残ると仕上がりの味がきつくなり、下品な料理になってしまうのだ。 火をつけてアルコールを飛ばしているところ。煮込み料理というと肉がとろとろに溶ける感じに何時間も煮込むイメージがあるが、牛テールの場合骨が完全に取れてしまっては価値が無いので、煮込み時間は意外に短く、3時間もかからないくらいだ。多分赤ワインの作用もあって肉が煮えるのは早い。 牛はハエなどを追うために一日中尻尾を振っているので、この肉はコラーゲンが豊富。やはり一日中もぐもぐしているから発達する牛のほほ肉と並んで煮込み料理にはとても適している部位。煮汁を漉して脂とあくを取りながら煮詰めてソースを仕上げる。仕上がりは、いずれまた、、。
Sep 10, 2006

近頃、フォアグラを200グラムとか300グラムとかたくさん食べてみたいというお問い合わせをよくいただく、、。 というわけで、とうとうレギュラーメニューに登場です!180gの塊を焼いちゃいますよ! 今までの人気のフォアグラコースの前菜に出しているフォアグラのソテーは60グラム(これでも普通のお店よりは大きいと思うのだが)この料理はその3倍の大きさ!まあ、どーーーーんと食べてくださいという感じですね。切り口のしっとり加減が実に旨そうでしょ?ゴージャスのきわみといったところですね。
Sep 9, 2006

Pintade evisceree sans abats 内臓抜きホロホロ鳥。100%植物性飼料、ビタミンミネラル添加、クラスAの表示。 ホロホロ鳥は、北アフリカ原産といわれているキジに近い種類の鳥である。味わいは、脂肪が少なく淡白ながらも旨みは濃くとても深みのある味。野性味があり、火を通しすぎると固くなってしまうので調理は難しい素材でもある。家禽でありながらジビエのような魅力を兼ね備えているので、フランス料理では定番の素材のひとつだ。 ただ、調理が難しい面もあるので生半可の料理人は手を出せないという面があるし、まして最近の若い料理人はこのように丸鳥からさばいて料理するようなことが出来なくなってきているのが現状のようだ。もちろん千葉ではたぶんホロホロ鳥の丸鳥など私ぐらいしか使わないのだ。 9月のお勧めで召し上がっていただく。ホームページをご覧ください。
Sep 6, 2006

さんまが旬に入ってきた。家庭ではたいてい塩焼きで食べることが多いのだろうが、近年刺身もはやっていて最近ではスーパーでも秋刀魚の刺身はこの時期の定番になりつつある。 実は秋刀魚をおろすのは結構難しい。背骨はかなり固いのに身が柔らかいから身を崩さないようにきれいにおろすためにはまずはナイフの切れ味が不可欠。画像に写っているナイフは、フィレ・ド・ソールというタイプで、薄刃だがこれで技術があれば大きな鯛でもおろせるナイフだ。まずは、二枚降ろし。 この後三枚におろして、軽く塩をした後水分をペーパータオルで除いてスモークをかけてから、グリエしてサラダ仕立にするというわけ、、。
Sep 1, 2006
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