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これは、初めて使った素材で、、、ラベルに書かれていることをざっと訳してみると、、La belle tradition(美しき伝統) Magret de canard fermier du Sud-Ouest(フランス西南地方の農家製マグレ鴨) Label Rouge(赤ラベル) ちなみに赤ラベルというのは農業大国フランスが、国家として指定する優良農産物のこと。 マグレ鴨というのは、フォアグラを作るために肥育した鴨のことで、基本的には脂っこくてやや硬めの肉質が普通だ。まあ、値段もピンキリなのだが、私としてはシャラン産の窒息鴨のほうが断然美味しいと思っていたのだが、、、。 肉の色が普通のマグレに比べて淡いし、皮の脂も真っ白できれい。見たところかなり繊細な肉質らしい。 もともとこの肉は、フランス食材の問屋さんの社長が「すごく良い肉らしいけど、自分で焼いて食べてみたらどうもよくわからないから、シェフが焼いたらどうなるか試しに焼いてみてくれないか?」ということで持ってきた肉なのだ。 シャラン産の窒息鴨にしても最近お気に入りのスペイン産デュロック豚にしても共通して言えるのだが繊細な性質の肉には、、非常に精度が高い火の通し、とても繊細な加熱法が必要になってくる。どうやらこのマグレもそういう気難しい肉らしいと見た。 焼いてみると、実際にもろくて繊細な肉で、こんなものを乱暴に焼いてオーブンに入れたりしたらおそらく台無しだろう。 30分以上も時間をかけゆっくり焼き上げて社長と一緒に食べてみると、彼も思わずにっこり!私も「こんなうまいマグレは食べたことがないですね!」と、、、。 世の中上には上があるもんですね!ただし、この肉を上手に焼き上げるのは至難の業。一歩間違えば、高いのに美味しくない肉ということになってしまう。 ロットの都合と単価の高さで、そうそう使える肉ではないが、、、たまには使いたいと思ってしまう。
Jul 29, 2008

これは、ヴィシソワーズ。浮かべてある緑色のものは自家菜園のモロヘイヤを茹でて刻みゆるいコンソメジュレと合わせたもの。 フランス料理の定番メニューのオリジナルの作り手が正確にわかっている料理は意外に少ない。たいてい諸説があったり、何人かの料理人がお互いに本家争いをしたり、、、よくよく突き詰めるとますますわからなくなることが多いのだ。 そんな中で、Créme Vicysoisse glacée クレーム・ヴィシソワーズ・グラッセほど素姓のはっきりしたメニューはないだろう。ニューヨークのリッツカールトンホテルの料理長だったルイ・ディア氏の発明で、20世紀のクラシックフレンチの一つだ。 見た目ほとんど変りませんが、これは茄子の冷製ポタージュ。少なくとも誰かのレシピを参考にしたものではないので、私のオリジナルなのかもしれない。茄子のクリームスープってあまり聞いたことないですよね?結構上品で旨いですよ!
Jul 21, 2008

これは、坊っちゃん南瓜。ソフトボールくらいの大きさで成熟する。 トマトもそろそろ採れだした。うちの菜園のトマトは露地物なので皮が固いが、うま味は濃い。
Jul 20, 2008

これは、エスカルゴの米茄子詰め。エスカルゴは、いわゆるブルゴーニュ風の味付け、、、つまり、パセリとエシャロットとニンニクを練り込んだバターをからめて焼き上げたもの。私の場合、さらにアンチョビも使ってある。 作り方は、、、、米茄子を半分に切って電子レンジで半生くらいに火を通す。少しくりぬいてエスカルゴを詰めて、ブルギニォンバターをのせてパン粉を振りオーブンで焼き上げる。 この料理、エスカルゴが主役のようだが実は、エスカルゴはオマケ!ニンニクとアンチョビ風味のバターが染み込んだ米茄子が主役なのだ。これは、ほぼ毎年定番のメニューだ。この他にもじゃがいも詰めや、玉ねぎ詰めなどのパターンもある。 これが、新作!水茄子と自家製生ベーコンのサラダ仕立。 水茄子は皮を剥いて軽く塩をして、上質なオリーヴオイルをかけておく。極薄切りにした養老渓谷産のモチ豚を使った、自家製ベーコンをのせて仕上げてある。 生ハムとメロンというスタンダードなメニューがあるでしょ?あれをもっと上品にした感じです。 水茄子は、生で食べるとほのかな甘みとややリンゴに似たような風味がある。そして噛み締めるとスーーっと溶けてなくなるのだ。そこに薄切りで口溶けが良い私の手作りベーコンをのせるのだから、茄子とベーコンが一体化して溶けていくのだ。未体験な美味しさが味わえるはず。かなり美味しいですよ!
Jul 18, 2008

デュロック豚のロースト。焼き方がだんだんわかってきた。豚肉のローストの断面がこんなに赤いと少し驚くかもしれないが、、。厚さ3センチほどの肉を1時間以上かけてゆっくり弱火で焼き上げると、このように柔らかく仕上がる。 このところ、このデュロック豚のローストが大評判です。
Jul 17, 2008

スペイン産のウサギの腿肉です。 ローストしたところ。 ウサギに肉は繊細な口当たりで、うま味が深い。ただし、ウサギの腿肉はピョンピョン跳ねる筋肉だから、火の遠し方を誤ると固くなってしまう。美味しく食べるためには、完璧な火の通し加減が不可欠なのだ。
Jul 12, 2008

これは、水茄子のサラダ。 水茄子は、大阪方面が原産でとても水分が多いのが特徴。塩揉みなどせずに完全に生で食べることができる唯一の茄子だ。 水茄子は、皮を剥きキュウリやインゲン紫玉ねぎなどとサラダにする。上質な塩とオリーヴオイル、そして少しのワインヴィネガーで和える。 水茄子を生で食べると、、、ほのかにリンゴのような香りがして、口のなかでアッというまに溶けてなくなる。 茄子が溶けるってわかります? この食感は、食べたことがある人にしかわからないだろう。私としても言葉では説明しようがない。 ただ、この儚い食感は捨てがたいなぁ!!水茄子のサラダは、入荷日だけの黒板のお勧めメニューです。是非体験?してみていただきたい。
Jul 11, 2008

これは、7月のコースの冷製ビーフコンソメ。 牛すね肉(国産牛)を約4キロ使ってコンソメを3リットル作ったものだ。牛すね肉はコラーゲンの宝庫だから、材料の肉よりスープを少なめに仕上げるとこのようにゼリー状に固まるのだ。 薄味のコンソメの上に軽く塩(地中海のカマルグ産)と挽きたての黒胡椒をして仕上げてある。 冷製ビーフコンソメにするときは、野菜の配合もセロリやパセリなどの香りが強いものを多めにして、トマトもたっぷり入れる。 コンソメは、卵白を使ってすっかり透明に仕上げるので、トマトは見えないが風味と酸味は残るはず。 さわやかで美味しいコンソメ。
Jul 10, 2008

これは、7月のコースの前菜のオマール海老のテリーヌ。 白身魚のムースにオマールのコライユを混ぜ込んである。 コライユというのは、直訳すれば珊瑚のことで、この場合は海老のミソのこと。よく脳ミソなどと言うが、海老や蟹のミソの主成分は肝臓だ。このミソ、生だと緑色や灰色だったりするが、火が通ると紅色に変る。その色が、紅色珊瑚のようなので珊瑚(コライユ)と呼ぶわけだ。 一本のテリーヌで、白身魚のムースを約一キロにたいして、活きたオマールを三尾使ってある。結構海老の風味が全体に回り、ただの白身魚のテリーヌとはちょいと違いますね。
Jul 9, 2008

茄子も三役が揃いました。上から米茄子、水茄子、普通の茄子(すいません、品種名までは把握してません) 米茄子は、アメリカ系の品種と日本の京都の鴨茄子との掛け合わせといわれている。日本の茄子のほとんどが皮が紫色でヘタも紫色だが、米茄子のヘタは緑色なのが特徴だ。 米茄子は日本の普通の茄子に比べるとアクが強くて味も濃い。米茄子の大きいものだと一個食べれば充分メインディッシュになるくらいのサイズだ。私はよく米茄子をフォアグラと合わせる。茄子は元々油脂類と相性が良いから、フォアグラのソテーの濃厚な脂とは、ベストマッチング! 水茄子は、大阪方面が原産でとても水分が多いのが特徴で、ヘタの辺りを切り落としてギューっと絞ればビックリするほど水分出てくる。身の肉質がとてもデリケートでもろく、普通の茄子のように塩揉みになどするとバラバラにちぎれてなくなってしまうほどだ。 新鮮な水茄子は皮を剥いて刺身にして食べることができる。酢醤油などつけて食べるとスーっと茄子が口のなかで溶けるのだ。ちょっと不思議な食感。去年はなかなか使いこなすことができなかったが、最近茄子を崩さずにうまくマリネする方法を思いついたので、何とか使いこなせるかもしれない。 普通の茄子は、ラタトゥイユをはじめ焼き茄子や炒め茄子などにして夏の付け合わせの定番になっている。 茄子は、昔の人が「親の小言とナスビの花は万に一つの無駄もなし」というように順調に採れ始めると、使いきれないほどたくさん届くようになる。そんなときに作るのが、茄子のポタージュ。自家菜園の玉ねぎのスライスを甘く透き通るまで炒めて、皮を剥いた茄子とブイヨンを入れて茄子が柔らかくなるまで煮込む。ミキサーにかけてシノワで濾す。牛乳少々で伸ばして仕上げる。冷製でも温製でも美味しいスープで、毎年何回か作るがちょっと正体不明な味で、「茄子のポタージュですよ」というと驚くお客様が多い。 新鮮な茄子は冷蔵庫にいれてはいけない。インド原産で夏野菜である茄子は寒いのが苦手。冷蔵庫にいれてしまうと固く締って美味しくなくなる。鮮度が良いほど火の通りが早いが、鮮度が落ちると長いこと加熱しても芯が残るようになる。 栄養分としては、水分と食物繊維くらいで特にビタミンやミネラルも特筆すべきものはないのだが、漢方では夏の体にこもった熱を排出する作用があるという。それから、皮の紫色の色素は、抗酸化作用があるポリフェノールの一種アントシアニンをたっぷり含んでいるので、アンチエイジングの効果もある。
Jul 7, 2008

サマートリュフのオムレツ。 このオムレツに使ってある卵はもちろんトリュフの香り卵だ。香り卵と言うのは、新鮮で香り立つトリュフと卵を密閉容器煮れて一晩ほど置いたもので、卵の中身まですっかりトリュフの香りが浸み込んだものだ。 香り卵を使えば、トリュフを入れなくてもトリュフ風味のオムレツが出来るくらい香りが浸み込んでいるのだ。 その香り卵に刻んだトリュフをたっぷり加えて、さらに香りを増強して焼きああげたのがこのオムレツ。食べるとまさに“容赦なく!”と言っていいくらいトリュフの香りが押し寄せてくる。 フランスのトリュフの名産地ペリゴール地方では、新鮮な生トリュフを厚めにスライスして塩をつけて食べるという、まさにトリュフ100%の食べ方が一番贅沢とされているが、実はこのように作ったトリュフオムレツのほうが、熱が加わるだけに香りはいっそう楽しめるのだ。 何しろトリュフは高い。このサマートリュフ(イタリア産)はキロ5万円ほど、冬の黒いトリュフはその倍くらい。イタリアのピエモンテ産の秋の珍味白トリュフだとキロ60万円を超える事もある。 だから、生のままスライスして塩で食べるというのではあまりに芸がないし、たいして量も取れない。だが、新鮮なトリュフの香りを卵10個に感染させて使えば5人前のトリュフの香りが濃厚なオムレツが出来るわけだ。 ただ問題は、合わせるワイン、、、。 一般的に卵料理に合わせるワインはない。と言う事になっている。つまり、ワインを不味くする食材と言うことになっているのだ。だから私もトリュフを楽しめる最高の料理であるこのオムレツをあえて作らないことにしていた時期もあった。 ところが、、、卵に合うワインが合ったんですね!それはスペインの銘酒、シェリー! スペインといえば、巨大な丸型オムレツ“トルティーヤ”がありますね!あれは、軽いシェリー、、例えばフィノやマンサリーニャなどとよく合うんですね。 そして、私の作るトリュフオムレツは、バターで焼くのでもう少しコクのあるアモンチリャードがとても良い感じにあってくれる。料理あってのワイン、ワインあっての料理ですからね! トリュフの産地ペリゴールでは、ピノー・デ・シャラントという葡萄果汁が2/3ブランデーが1/3という少し甘くて梅酒のようなワインをトリュフ料理に合わせるのだが、シェリーもそういうタイプのワインと言えるのだ。 今回のサマートリュフはもう終売しました。あとは、11月下旬の黒トリュフの時期までトリュフ料理はお休みです。
Jul 6, 2008
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