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サンク・オ・ピエは、8月15日から18日まで夏休みをいただきます。19日は、18時のディナーからの営業です。詳しくはホームページをご覧ください。 大好評のブレスの地鶏のコースは8月いっぱいまでやります。このブレスの地鶏は本当に美味しいですよ!また、自分で言うのもなんですが、焼き加減が最高です!ぜひこの機会に召し上がってください。鶏の概念が変わりますよ! フォアグラマッドネスのコースも、需要があるようですので、もうしばらく続けます。こちらは、もうフォアグラ祭りですから、とことんフォアグラが好き!という方はどうぞ。 台風が去った後は、まるで秋が来たか?というくらい涼しかったんですが、また今日あたりから暑さが戻ってきましたね。ただ空を見上げると、入道雲は見えなくて、秋のようなスジ雲が浮かんでいて、空模様は秋っぽい感じがします。いつも夏の終わりは空から感じるような気がします。という訳で、私の中では暑くてももう気分は秋です。 とはいっても、まだまだ暑いので料理は夏モードです。これは、きゅうりの冷製ポタージュ。去年から作り始めました。きゅうりは皮を剥いてゆっくり時間をかけて、スエ(汗をかかせるくらいに野菜の水分だけで火を通す)してから、薄いブイヨンで煮てミキサーにかけてシノワで漉す。よく冷やして牛乳少しでのばす。薄塩でもんだきゅうりを浮かべカレー粉を少し振り、極上のオリーヴオイルを少したらす。ほんのり青臭いきゅうりらしさが、爽やかで美味しい。去年召し上がった方から、リクエストされたほどです。 きゅうりの冷製スープと言うと、トルコ風のヨーグルトを使ったものが多い。あれも美味しいのだけど、どうも好みが分かれることが多く全く手をつけない人もいるので、お店では出しにくいが、このポタージュはほとんどの方に評判がよいようだ。
Jul 25, 2011

これはヴィシソワーズ風冷製ポタージュ。 ヴィシソワーズほど、由緒がはっきりしている料理も少ない。 本物のヴィシソワーズは、ニューヨークの大ホテルのフランス人シェフ“ルイ・ディア氏”が40年以上前に考案したもので、ポロ葱とジャガイモの冷製ポタージュのヴィシー風というのがオリジナル。 ルイ・ディア氏の出身地パリ近郊のヴィシーにちなんだもの。彼が子供のころ母親が作ってくれたポタージュ・ボンファン。ポロ葱を炒めてジャガイモとブイヨンを加えて軽く煮崩すくらいにしたら、生クリームを加えて仕上げるというもの。ミキサーにかけたり裏漉ししたりはしない素朴な家庭料理ですね。ねぎはトロトロにジャガイモはゴロゴロという感じのお惣菜スープです。 これが余ると翌朝に牛乳でのばして温めてくれたのが、ルイ少年のお気に入りだったそうで、、、それをミキサーにかけて冷たくしたら、、、という事で作ったのが、Crème Vichyssoise Glacée クレーム・ヴィシソワーズ・グラッセという訳なんです。 この料理の本来のポイントは、ポロ葱の甘み旨味を表現するためにジャガイモはつなぎ的な役割なんです。そして生クリームのコクが最後の仕上げというわけ。 そこで、私の作るヴィシソワーズ風スープは、、、うちの畑の甘さ美味さが強い新玉ねぎとやはり旨味があるジャガイモが材料。まず、新玉葱を少量のバターでスエ(材料の水分だけで火が通るように蓋をして弱火で炒める)する、十分に甘みが出たら、ジャガイモと水を入れて煮込む。余計な味をつけたくないので、店のアルカリイオン水で十分。20分も煮ればジャガイモが柔らかくなるので、ミキサーにかけてシノワで漉してよく冷やす。これを塩で味を決めて、牛乳でのばすというのが私のスタイル。 料理に大切なものは、なんといってもバランス!! 特に強弱の感覚が大切です。音楽でいうフォルテとピアノですね。 炒めるととんでもなく甘く強い旨味のフランスのポロ葱、とろみの強いジャガイモ、しっかりした味の鶏のブイヨンとくれば、仕上げは生クリーム!という事になりますね。全体的にフォルテ(強め)のバランス。 うちの畑の野菜はフランス物ほど味は濃くない。そうなると、生クリームではなくて牛乳でたくさんなんですね。クリーム仕上げに比べると、メゾピアノ(やや弱め)くらいな感じ。 つまり、例えば、100人以上の大オーケストラでゴージャスにマーラーやチャイコフスキーやベートーベンをやるのも良いですけど、20人にも満たない室内楽団で演奏するモーツァルトやバッハの良さも捨てがたいわけです。あるいは、ヘビーメタルのロックとクラシックギターの独奏の違い、、、。良い悪いではなく、クラシックギターのバックでドラムスがフルボリュームで叩いたら、音楽にならないわけです。 私の料理のスタイルは、出来るだけ構成はシンプルに、味付けも旨味に旨味を重ねるような、重厚なものを目指すことはあまりないです。 そいう言う訳で、牛乳で仕上げて少しだけ香りがよいオリーヴオイルを垂らすという仕上げでやってます。 特に私の場合、生クリームは好きではありません。どうも、物の味を覆い隠してしまうんですね。マヨネーズと似てますね。使い方を間違えると、美味しいけど素材の味がわからない料理になってしまいますね。そのくらい、乳脂肪分というのは強烈です。フレンチのソースはバターやクリームなど乳製品を使うので、強烈に美味いんです。でもソースが美味すぎると素材がなんだか分からなくなる。逆にろくな素材でないなら、マヨネーズでもたっぷりつけてごまかすという事もあるんですね。 例えば、さかもとこーひーのように繊細な味わいのこーひーに生クリームをたっぷり入れたら台無しです。絶対に牛乳を使うべきなんです。まして植物性のポーションミルクなんてありえないです! 塩なんか一番端的なんですが、旧専売公社(現塩事業センター)の99.9%塩は、調味料というより化学薬品という趣です。塩味がきつ過ぎて素材の旨味を引き出す力がありません。海塩や岩塩などの天然塩でないと、料理には使えません。素晴らしい素材と柔らかい塩と適切な火の通しがそろえば、美味い料理になる可能性が高まりますね!そういうシンプルな料理を目指して、最後にクリームやバターやマヨネーズがたっぷりでは、元も子もないんですね。 例えば、静かな部屋で大人同士話し合うなら、囁くまでは行かなくても必要以上に大きな声を出さなくても会話が成り立ちます。すぐそばにいる人にメガホンで選挙演説をぶってもうるさいだけです。私が言うバランスとはそういう事なんです。 ワインにしても、チリやアルゼンチンやオーストラリアやカリホルニアなど、メリハリがきいて個性がはっきりしている強いタイプのワインがあります。ワインだけ飲んでみると、きっかりしていて美味しいんですね!でも、料理に合わせるとちょっとうるさいんです。料理に合うワインというのは、それだけではちょっと物足りない位でちょうど良いんです。料理とワインがうまく組み合わさってどちらも美味しくなるというのが理想的なんですね。 野球だって、1番から9番まで全部ホームランバッターじゃ成り立たないでしょ?サッカーでもそうですキーパーもいれば、ストライカーもいるし、ディフェンダーもいるわけです。 サッカーと言えば、なでしこジャパン!感動しましたね!!!凄い!世界一!東京オリンピックの女子バレーボール「東洋の魔女」の金メダル以来かそれ以上の快挙と言っていいでしょうね!本当に素晴らしかった。特に澤選手の最後の一点、難しいアウトサイドの絶妙シュートでした。そういえば、最近「東洋の魔女」チームが国際バレーボール連盟によって20世紀最高の女子チームに選ばれたそうです。今回のなでしこジャパンももしかしたらのちに21世紀最高の女子チームなんて言われるかもしれませんね!国民栄誉賞くらい検討しても良いんじゃないでしょうか?
Jul 16, 2011

近年日本の豚肉のレベルアップが著しい。これは、サンク・オ・ピエの定番で人気の前菜の養老渓谷産もち豚の自家製スモークハムと生ベーコン。千葉県南部の養老渓谷で作られるもち豚は、脂の味わいが綺麗で赤身も軽く霜降りで、実に美味しい豚で4~5年前から使わせてもらっている。豚肉というのは、食肉の中では一番脂が低温で溶けやすい。ハムやソーセージやサラミが、ほとんど豚肉なのは低温で口解けの良い脂のおかげなわけ。そういう訳だから、豚の味わいは脂です! で、おそらく(私は養豚業をやったことがないので詳しくは言えませんが、、、)脂の旨味は餌にかかわるような気がします。 まあ、豚だけじゃないんですが美味しいものを食べて健康に育った動物の肉は美味しいです。ジビエ(狩猟鳥獣)も含めてです。美味しいものを食べて、適度に運動している肉は美味しいです。 このもち豚のハムや生ベーコンの場合、、、豚肉と塩だけで作っています。ハーブやスパイスすら使っていません。燻製のための桜のチップを使うくらいです。ところが日本の法律では、ソルビン酸やら発色剤やら安定剤など特定の添加物を入れて作らないと、ハムやベーコンとして市販できないことになってるんです。そういう添加物系の味に異常に敏感な私にとっては、国産のハムやベーコンにはまともなものがないんです。仕方がないので自分で作るわけです。そうして始まったのが、この養老渓谷産の自家製スモークハムと生ベーコンなんです。 つまり、肉と塩だけ!私の最もベーシックな料理のスタイルです。この前菜は人気があります。毎回これしかオーダーしない方もいるほど、、、。 それから、、、今回登場した富士幻豚という豚。これがまた脂が綺麗!!!久しぶりにちょっとびっくりの脂の美味い豚に会いました。バラ肉を塩漬けにして、燻製にかけて自家製パンチェッタにしました。それを、、、 水茄子のサラダにのせる。とにかく気合を入れて薄く切ってのせます。パンチェッタがスーーっと溶けて、水茄子もスーーっと溶けます。イタリアのコロンナータのラルド(豚の背脂の生ハム)と同じくらい上品!!美味いです! 同じ豚で、今もも肉を1本ハムに仕込み中です。こうご期待!!
Jul 8, 2011

サンク・オ・ピエのビルは、今足場が組まれて外装のメンテナンス中です。外壁の塗り替えや、防水工事とタイルの目地のメンテナンスなどをやってます。昨日一昨日は、シンナー臭くて、、、。ちょっと厳しかったです。石油系の匂いには弱いもので、、、。 ウサギのもも肉のローストのタプナードソースです。ウサギのもも肉は焼くのがとても難しい肉です。繊維が緻密なので、少しでも焼きすぎると硬くなってしまいますし、パサパサになってしまいます。しかも、肉がシズクのような形をしているので太いところと細いところに均一に火を通すのが難しいです。ガス台がプラックでないとできないでしょうね。中心から外側に向かって熱の傾斜があるプラックですから、、、。 ソースに使っているタプナードは、オリーヴの実とアンチョビやケーパーなどを細かく刻んで混ぜたもので、南仏風の合わせ調味料です。オリーヴの実は黒でも緑でも良いんですが、やはり味わいが違います。肉系には黒オリーヴのタプナード、魚系には緑オリーヴのタプナードが合うような気がします。これはウサギですから、黒オリーヴですね。今年はウサギ年ですから、こんなメニューをたまにお勧めでやってます。 それから、、、 ご要望が多いので、フォアグラマッドネスのコースを再開しました。詳しくはホームページをご覧ください。
Jul 7, 2011

サマートリュフです。外皮は真黒ですが中は白っぽい感じ。香りも冬の黒トリュフほど強くはないです。トリュフには実は200種類くらいあるらしく、秋冬のトリュフの代表がイタリアのピエモンテの白トリュフで、実にキロ50万円前後で、高い時は100万を超える最高級品。冬の西南フランスでとれるペリゴール種の黒トリュフが、キロ10万から20万後半くらい。いずれにしても超高級品なんですが、このサマートリュフは、それに比べれば随分安いんです。まあその分香りもそれ相応というか、最高級の白黒トリュフは興奮を駆り立てるような強い香りなのだが、サマートリュフはもっとほのかで穏やかというか、微かでほのぼのした感じの香りです。夏の晴れた暑い日に石畳に打ち水をしたときのような湿り気のあるホコリっぽいような香りにキノコ独特のシイタケとか松茸とかに通じるような香りを混ぜたような感じですかね、、、。 これは、最高級の鴨肉、ラベル・ルージュのマグレ鴨で私が作ったスモーク生ハム。これ、実に美味いです!昨夜、久々に来てくれたソムリエの友人がこれを食べて、「こんなもん作ってやっぱシェフ変態やぁー!」と言われました。「変態」というのは、関西系のソムリエである彼の最高の誉め言葉なんです。これに、、、、 サマートリュフの繊切りとトリュフ風味のオイルを散らすと、もうやばいです!(笑) この生ハムに使ったマグレ鴨は、週に30枚しか日本に入ってこない希少な鴨です。ラベル・ルージュというフランスのトップクラスの食品に関する法律で規定された鴨です。その鴨を塩漬けにして、数日おいてから40度を超えない程度の温度で燻製にかけます。それを真空パックにかけて、氷温で熟成させました。自分で食べても本当に美味いです。しばらくは裏メニュー的な感じで研究して、そのうち定番に格上げするかもしれません。
Jul 2, 2011
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