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先日のワイン会でこのマレルバ社の栗粉を使ったパスタを作った。もちろん手打ちです。イノシシのコンフィや赤ワインとマルサラ酒で風味をつけた濃厚な富士幻豚のラグーソースなどに合わせるのに、秋という事もあり栗粉を使ったわけです。栗粉のパスタは結構高級料理で、打つのも仕上げるのもとても難しい。イタリアでも普通は高級リストランテのメニューではないかと思う。みなさん、美味しくて絶賛してくれました! ところで余談だが、イタリアでは乾燥パスタつまり乾麺はデュラムセモリナ粉と水だけで打つことが法律で義務ずけらている。デュラムセモリナとは、硬質小麦であるデュラム小麦のセモリナ粉つまり荒挽き粉のことだ。で、そんなこともあって、手打ちパスタにもデュラムセモリナを使う人がいるが、あれは基本的に間違い。というのは、デュラムセモリナ粉は人間の手の力で捏ねたくらいでは、コシがでないからだ。つまりグルテンが形成されないのだ。だからパスタのコシが出ないわけ。あれはできるだけ少ない水分で機械で練らないとだめなんです。強力粉か薄力粉と強力粉半々くらいが手打ちパスタには向いています。まあ、独特の旨味と香りを持ったデュラムセモリナ粉を香りづけのために少し入れるのは悪くはないでしょうが、、、。香りを出したいなら、極上のオリーヴオイルを少し混ぜるほうが私の好みです。 他にも、サフランを打ち込んだり、卵の黄身だけで打ったり、手打ちパスタには色々と技があります。まあ、うちはフレンチですから、究極的裏メニューですけどね!リクエストされてもとぼけてしまう事が多いです。(笑)
Oct 31, 2011

ホットカーペットでくつろぐ猫たち。 黒トラのノアール姉さん。 ソマリと和猫のミックス、レノ坊。 こいつ本気で寝てます。
Oct 31, 2011

これは、デザート三点盛り。ヴァニラ風味のプリン、チーズケーキと蜂蜜と牛乳のシャーベット。サンク・オ・ピエで最も人気があるデザートです。特に蜂蜜と牛乳のシャーベットは一番リクエストが多いですね。 チーズケーキはもう15年くらい続けていて少しずつ進化してきたレシピで、この4~5年くらいで今の形に決まってきたもの。このケーキは食後のデザートとしてベークドチーズケーキを重くなく口解け良く食べていただくために、焼いたケーキなのにレアチーズケーキのような食感を目指したもので、レシピとしてはかなり特殊になっている。フィナンシェのレシピを応用して、焦がしバターを加えてチーズ臭さを抑えてあり、かなりたっぷり加える牛乳でしっとり感を出している。仕込んだ生地はまるでクレープ生地のように柔い生地で焼き上げてケーキとして固まるとは思えないくらいゆるゆるなんです。 プリンは、小さなココットで、18個を作るのに卵黄5個全卵5個牛乳900ccグラニュー糖180gとヴァニラビーンズ1本に別途カラメル用にグラニュー糖を少しというもの。特別な卵や牛乳は使っていませんが、ヴァニラビーンズを1本入れているのが、ちょっと贅沢な感じですかね、、、。 シャーベットは、牛乳を1リットルに蜂蜜270gくらい混ぜて、これをアイスクリーマーにかける。これも特に凄い蜂蜜を使っているわけではないが、蜂蜜がたっぷりなので結構風味がたつ。 これら三つのデザートのほかにしっとりしたガトーショコラがあって、この4種類が一番基本的なサンク・オ・ピエのデザートです。ランチコースはたいていチーズケーキと蜂蜜牛乳シャーベットの二点。ディナーコースでは、ガトーショコラとプリンと蜂蜜牛乳シャーベットの三点というのが最もベーシックなデザートになる。 もっとも私のレパートリーは安定的に作れるものだけで300種類は超えるが、やはり個性的な味わいの物となると評価が分かれることになる。好きな人には大好評だが、苦手な人も出てしまうわけですね。そうやっていろいろやってきた中で決まってきたのがこの4種類のデザート。まあ、チーズケーキ、プリン、ガトーショコラというとありふれたものだが、逆にこういうものが非凡なほど美味しければ、結構なインパクトがあるのでは、、、という事で研究してきたわけなんです。蜂蜜牛乳シャーベットも材料はありふれているのだが、意外にどこでもやっていないもの。これら定番デザートは、これからも少しずつレシピが変わるかもしれないが、ずっと作り続けていくと思う。 一方こちらは、フランボワーズ風味のビターチョコレートのタルト。これは濃くて重たいチョコレートのタルトにフリーズドライで10倍くらいに凝縮させたフランボワーズ(木苺)のパウダーを混ぜ込んで焼き上げたもの。ものすごく個性的な味わいで、このくらいになると合わせるワインがないと味がきつくて食べられないくらい。だから、ワイン会などで食後酒が出るというときでないと作りません。 先週土曜のワイン会。いつものKさんが主宰するさかもとこーひーの坂本さんも参加するワイン会で作ったもの。イタリアワインがテーマの会で、 Kさんのメールによると、、、NV Neblu Spumante Brut (Les Cretes)08 Trebbiano d'Abruzzo (Valentini)03 Barbaresco Vigneto Loreto (Rocca Albino)03 Barbaresco Vigneto Brich Ronchi (Rocca Albino)07 Chicca Primitivo di Manduria (Vigne&Vini)スプマンテはピエモンテの北に位置するイタリア一小さな州ヴァッレ・ダオスタのもので、プレメッタのという土着の黒ぶどうをシャンパン製法で醸したブラン・ド・ノワールで、しっかりしたタイプです。バルバレスコはロレートが大樽熟成、ロンキは小樽、大樽半々の熟成です。デザートのキッカはプーリアのプリミティーヴォのレイトハーベストで、自然な甘さです。生産者はアーモンドを使ったお菓子やチョコケーキに合うと書いてます。僕が飲んだ印象ではベリー系にも合うと思います。 料理は、最初のスプマンテに自家製スモークサーモンと富士幻豚の生ベーコンのサラダ。次のめちゃくちゃ濃い白ワインには、牡蠣のムニエルにフォアグラのソテーを添え冬瓜をつけ合わせてバルサミコと蜂蜜のソース。赤ワインは、大樽仕込みのクラシックなよくこなれたバルバレスコと同じ作り手同じヴィンテージながら、畑違いで小樽(バリック)仕込みの樽の味がきいたパンチがあるバルバレスコ。合わせた料理は、栗粉を使った手打ちパスタに富士幻豚のラグーソース(赤ワインとマルサラワイン風味)に対馬産のイノシシのバラ肉のコンフィを添えたもの。最後のプリミティーヴォという普通は濃い赤ワインになる品種のブドウで作った甘口ワイン。それをイメージして作ったのがこのチョコレートのタルトという訳。だからこのワインに抜群に合って、ちょっと笑ってしまうほどなのだが、ワインがなければ味がきつ過ぎて誰にでも出せるデザートではない。 つまり、料理やデザートにもTPOというか、適材適所というか、、万人受けを目指すなら緩い球をストライクゾーンど真ん中を目指して投げる感覚で、このチョコレートのタルトみたいに特別なデザートは、ど真ん中高めに155キロの速球をズバッと決める感じですかね、、。どうだ!まいったか!という感じで作ります。(笑)
Oct 31, 2011

これは、ジビエのパイ包み。 カットしたところ。そろそろ、肉屋さんから北海道のエゾ鹿入荷の案内が来てます。 これはエゾ鹿のローストのフォアグラ添え。もうすっかり秋本番ですね。 鹿は11月から始めます。そのあと、対馬のイノシシ、壱岐の網取り鴨、フランス産のキジやぺルドロなどジビエが続々続く予定です。 さて、お知らせです。本日のランチは臨時休業です。子供の学校行事に参加のためです。お店にはいませんので、電話は通じません。夜は通常営業いたします。ご予約お問い合わせは、メールでお願いします。なお、本日のディナーと明日のランチは空席ありますが、明日土曜日のディナーは予約で満席です。日曜日は、昼夜ともにまだ空席あります。
Oct 28, 2011

サラダにスモークサーモンの薄切りをたっぷりのせてお出しします。私の作るサーモンは、ねっとりと生ハムのような食感が自慢です。塩で漬けこんでから、5時間から8時間くらい30度以下で冷燻にかけて仕上げます。だから、全く火が通っていないので身は生なんですが塩で余分な水分を抜いてあるので旨味が凝縮されています。盛り付けたら、仕上げにサルディニア島産のオーガニックオリーヴオイルを少しかけます。レモンは、安物サーモンの臭みけしですから、私は使いません。 毎年楽しみにされている方が多い人気メニューです。市販の安いのは燻製にかけないで、燻液という煙風味のマリネ液で漬けただけなんで、本物の冷燻サーモンは一味も二味も違いますよ!先週からメニューにのっています。
Oct 25, 2011
少し前に書いた月と木星の話、最近は木星が月を追いこしました。例えば今夜なら、天頂を少し過ぎた木星が輝く零時半頃、東から火星が上ります。火星は、今地球にわりあい近いところにいるので、赤く輝いて見えるはずです。そのあと午前3時ころに細くかけた月が昇ってきます。木星は南西の空です。やはり今は地球に最も近いところにいるので、木星は明るいですね。 秋の夜、夜更かしする人はちょっと夜空を見上げてみたら、、、。
Oct 23, 2011

うちのように予約制のお店をやっていると、たまに予約が集中する特異日があります。すでに予約でいっぱいなのに、何組も電話やメールで問い合わせが続き、結果的に残念ながら何組もお断りをせざるを得ないような日です。あらかじめ予想できるのは、クリスマスくらいなもので、普通は予想がつきません。 先週は連休明けで、週の前半は暇でした。これはまあ予想通り。金曜日はまあまあの入りで、土曜日は昼から10名のワイン会だったので、貸し切り。夜も高額な予約が多く、10名で予約は打ち切り。翌日曜のお昼は、合計11名の予約があって、満席状態。夜は、2名の予約が二組に珍しく予約なしの3名が一組あって、ちょっと忙しいくらいでした。 それで、土曜日のお昼と夜と日曜の昼の分で、お断りした方がおそらく50名以上、、。一件の問い合わせが、2名としても20件以上でひと組は8名の問い合わせだったので、たぶん50名くらいお断りしたことになるわけ。あー、もったいない!50名が来週分散してきてくれれば、良いんですけどね!なかなかそういう訳にはいきません。 尚、10月の15日16日になぜこんなに予約が集中するのかは、原因不明です。たまにお断りすると、ちょっとキレ気味に「何日前に予約すれば予約がとれるの?」なんて言われたりしますが、実際のところ平日ならそうそう毎日忙しいわけではありませんし、土日だって満席になっていることもありますがそれも毎週必ずという訳でもありません。 だいたい、うちは16席ありますが、実際には10名前後しか予約を取りません。料理は私一人でやっているので、そのくらいが限度です。それで、お客様がお帰りになって席が空けば次を入れるかと言えば、実際には席が空かないんです。例えば、ランチは、11:30開店で14:00オーダーストップですが、11:30に入ったお客様が、14:00過ぎまでゆっくりしているのが普通なので、席が空かないんです。夜も同じで、18時過ぎに入ったお客様が、オーダーストップの21時過ぎまでゆっくりされるのが当たり前の店だからなんです。 滞在時間が、2時間から4時間くらいが当たり前というのはずいぶん長いなあと思われる方も多いかもしれませんが、実際にうちに来て食事をなさればそうなります。料理もゆっくり出ますし、一皿のボリュームも結構ありますから、デザートになるまで早くても1時間半以上かかります。しかも、食後は美味しいさかもとこーひーがお代わりまでついてたっぷり出ます。前菜を一皿か二皿、スープ、メイン、デザートときて、食事の余韻を楽しみながらのこーひータイムと楽しいおしゃべり、、、。3~4時間なんてあっという間です。19時ころに来たのに終電に間に合わないなんて方もたまにいらっしゃるくらいですから、、。 年末やクリスマス以外にたまにある特異日にお断りしたお客様、毎日毎週満席続きという訳ではありませんから、ご予約はお早めに!また週末でも「どうせ空いてないだろう」などと思わず、とりあえずお電話やメールをしてみてください。 あすから、シェフの手作りスモークサーモンがメニューにのります。それからサンク・オ・ピエ秋のコース2011が大好評です。ぜひご来店ください。 Magret de canard de "rabel rouge" fume du chefperfume a huile de truffe avec salade aux champignons du japonラベル・ルージュのマグレ鴨の自家製生スモークハム、トリュフオイルの香り、和きのこのサラダを添えてFoie gras chaud et Cepes "Gout verite du Monsieur Alain Chapl""アラン・シャペル氏の真実の味"フォアグラのソテーとセープ茸(ポルチーニ)Capuccino de creme de champignonsきのこのポタージュのカプチーノ仕立てCuisse de caille saute et risotte aux cepes secドライセープ(ポルチーニ)茸風味のリゾットを添えたウズラのもも肉のソテーGalette aux chataigne , Glace aux marrons et Pave de chocolat au coitreauローマ法王庁献上の栗粉のガレット、フランス産栗のアイスクリーム、生チョコ・パヴェのコアントロー風味Cafe de SAKAMOTO "Bella Notte"(Belle Nuit) ou the , 2painsさかもとこーひー"ベラノッテ"(美しい夜)又は紅茶、2種のパン それから、超希少種富士幻豚を楽しむコースも今月いっぱいくらい受け付けます。なんだ豚か?なんて言わないでください!とんでもなく美味い豚ですから、ぜひお試しください。入荷が少ないので、ご予約はお早めに!
Oct 17, 2011

スモークサーモンの仕込みを始めました。秋冬の定番メニューです。これは約5キロのノルウェーサーモン。うろこを取ってあります。 涼しくなってきたし、ちょうどパルマ産の生ハムも終わりそうなので、スモークサーモンを仕込むことにしました。サンク・オ・ピエでは、毎年4月から10月か11月くらいまで生ハムを仕入れてお出ししてます。秋になって寒くなってくるとスモークサーモンを作って、春先までやってます。サーモンは冷燻と言って、30度くらいの温度を保ちながら煙に当てるので暑い時期は出来ないんです。魚には全く火を通さずに燻製にしたいので、寒い時期限定です。 一口に燻製といっても、温度帯によって普通3種類に分けます。冷燻(30度以下)温燻(60度前後)熱燻(100度以上から250度くらいまで)よく、簡単な燻製キットで作るのはだいたい温燻です。素材に少し火が通っていぶされる感じです。熱燻の代表格は北京ダックですね。いぶしながら同時にローストします。温燻だとサーモンの場合白っぽく火が入ってしまい、煙くさい焼き鮭になってしまうのでスモークサーモンにはなりません。やはり冷燻で時間をかけていぶさないと美味しくないんです。 うろこを取って頭を落とし、三枚におろしたサーモンは、塩に1割ほど砂糖を混ぜて、ハーブや胡椒も加えて一日半から二日ほど漬け込みます。砂糖を入れるのは、塩だけだとサーモンの水分を奪いすぎるのと、味が過酷になりすぎるのを防ぎたいためです。砂糖は、サーモンにしみ込むわけではないので、甘くなることはありません。 しっかり漬かったら、塩を洗い落とし冷蔵庫にラップをせずに半日くらい入れて表面を乾かします。こうしないと煙の乗りが悪いんです。本格的な冷燻は1週間とかかけて煙に当てるんですが、私の場合はせいぜい8時間くらい。保存食にするわけではないので、ある程度桜のチップの香りがしみ込めばいいと思っています。食感は刺身よりもう少しねっとりとした感じで、ほのかにスモークの香りがするというものです。 燻製はこのように手間がかかりますから、ちゃんとしたスモークサーモンを買うとフォアグラ並みの単価になってしまいます。高級品は半身で¥10000以上もしますからね!スーパーなどで安く売っているのは、実は燻製にされていなくて、燻液というスモークフレーバーのマリネ液でつけただけの物なんです。日本の法律では、そうやって簡単に作ってもスモークサーモンとして売って良いので、大半がそういう偽スモークサーモンなんです。買うと高いし、安いのは美味くないとなると自分で作るしかないという、自家製ハムと同じ事情なんですね。 まあ、手間をかけるだけあって結構美味いです。この時期になると「スモークサーモンはまだ?」という問い合わせが入ってきます。 こういうサーモンには、レモンなんか絞ってはいけません!レモンは安いサーモンの臭みをごまかすためですし、第一レモンを絞ったらワインが不味くなるというもの。 合わせるワインは、定番ならロワールの上流のプイィ・フュメかサンセール、ちょっと粋にシャンパーニュのブラン・ド・ブラン!ステンレスタンク醸造のすっきりしたシャブリとか、シェリーのフィノやマンサリーニャもいけますね。 シェフの手作りスモークサーモンは、来週登場です!
Oct 13, 2011
私は、仕事が終わって帰りにふと夜空を見上げるのが癖です。秋の夜空は何となく澄んでいて星がよく見えるような気がします。まあ、大抵は「今夜の月は綺麗だな」くらいで終わってしまうんですが、たまに妙に輝く星が目についたりすると、自宅のPCに入れてあるプラネタリュームのソフトを起動します。日付や時刻が連動しているので、画面に今見た夜空そのものが出てくるようになっています。 9月の初めころに木星が綺麗に見えることに気づいて、最近はちょくちょく見ています。別に天文マニアでもないし、天体望遠鏡を持っているわけでもないのですが、近頃は月が天頂くらいに昇ると月に向かって左側に強く輝く木星が居ます。私の眼には黄色からオレンジ色くらいに見えます。太陽から見て地球よりかなり外側の軌道を回る木星ですが、今は地球に近い側にいるので輝きが強いんですね。反対に土星は太陽を挟んで地球から最も遠い側にいて、しかも今は地球から見てほとんど太陽すれすれのところにいるようなので、日没直後に地平線ギリギリに下から土星、水星、金星と並んでいます。これも珍しい。ただ、土星と水星は太陽の残照があるのであまり見えないかもしれませんが、宵の明星金星は燦然と輝いて見えますね。夕方の楽しみです。金星も日没後30分ほどで沈んでしまいますから、夕焼けが始まったらすぐに見ていないといけません。今日の日没は17:13、月の出が、16:00、月の南中が22:19、このころ少し左を見ると同じくらいの高さに強く輝く木星が見えます。綺麗ですよ! 今週後半は、金曜日にサンク・オ・ピエのご意見番的なお客様のK氏が、ちょっと手の込んだオマールエビの料理のリクエストでご来店。土曜は昼にフォアグラマッドネスのコース、夜はわが友クリヤマコトと商社マンのA氏と夫人にクリヤの仕事仲間でジャズヴォーカリストの吉川ナオミさんがご来店。日曜日はお昼にさかもとこーひーのさかもと夫妻がご来店で、リクエストは魚介中心で、、、(さかもとさんのツイッター)http://twitter.com/sakamotocoffee さらにその日曜の夜は、クリヤマコト夫妻にクリヤのバンドRHYTHMATRIXのパーカッショニストの安井源之新夫妻がご来店。実はクリヤが土日と2日連続で市原で野外ライブの仕事があったので実現した二連チャンでした。いやぁー濃い週末でした。(笑) それにしても、ヴォーカルの吉川ナオミさんもパーカッショニストの源之新さんもその奥様も気さくで楽しく、お料理も本当に美味しそうに召し上がっていただいて、私も楽しい時を過ごさせていただきました。さかもとさんともゆっくり食の話ができたし、安井源之新夫妻を見送った後クリヤ夫妻ともじっくり音楽の話もできたし(マコトの奥さんもヴォーカリストでありヴォイストレーナーでもあるんです)実に内容の濃い時間でした。楽しかった!!
Oct 8, 2011

ときめき鶏は、千葉市若葉区で作られています。だから新鮮さが魅力なんです。約1.5キロの丸鶏で取り寄せて、胸肉2枚とモモ肉2枚にさばいて使っています。残った鶏ガラは、出汁を取ってソース用に使います。 これがモモ肉。 こちらが胸肉。 胸かモモかと聞くとたいていの方がモモ肉が好きというのではないでしょうか?まあ、バラ売りの鶏肉ならモモのほうが値段が高いですよね。でも、フランスでは鶏の胸肉のことをsupreme スプレームと言いまして、意味は「至上の物」ということになります。つまり胸肉のほうが高級なんです。それが証拠にフランス料理の聖書と言われた、オーギュスト・エスコフィエ著のギード・キュリネールという約6000あまりのレシピが載った本の中で、鶏の胸肉の料理は数十種類載っていますが、モモ肉の料理は一つも載ってません。つまり高級古典料理においてはモモ肉は圏外の素材なんですね! なぜかというと、昔はブロイラーがありませんでしたから、全部今でいう地鶏なんですね。先日やったブレス産の地鶏のコースを召しあがった方ならわかると思いますが、胸肉はなめらかで上品な味わいに対してモモ肉は風味も強くちょっと固くてまるでジビエのようです。ブロイラーは、ほとんど運動させませんからモモ肉も柔らかいので、使い物になるというわけ。 ところが、、、たとえブロイラーといえども皮がカリカリで身がしっとりという100点満点の焼き上がりなら胸肉のほうがとろけるようにしっとりしていて上品です。胸肉は少しでも余計に火を通すとパサパサになってしまいますから、正確な火入れが不可欠です。まあ、モモは少しくらい焼きすぎても脂が多いので何とか食えるわけです。だから本当は、鶏の胸肉を美味しく焼き上げてこそプロの技ということになります。 サンク・オ・ピエの人気メニュー、千葉市若葉区産ときめき鶏のポワレ は、鶏1/4羽を皮をカリカリに身はしっとりに焼き上げたものです。胸肉かモモ肉かはお客さまに伺うとモモばかり出てしまうでしょうから、あえて聞いていません。順番に交互に使うようにしています。 鶏を焼くときには、黒いフライパンではなくアルミかステンレスの鍋を使います。焼いたときに鍋にこびりつく旨味をあとでデグラッセ(旨味を溶かす)してソースに使うためです。黒いフライパンだと肉汁が焦げやすいので、アルミかステンレスの厚底の鍋が適しています。火のあたりが柔らかいですからね。鍋に澄ましバター(バターを湯煎かけてゆっくり溶かして脂肪分と水分を分離させて上澄みの純粋な脂肪分だけにしたもの)とサラダオイルを多めに加えて、余分な水分を拭き取りしっかりめに塩をした鶏肉を皮目から焼いてゆきます。火は結構強め。皮から余分な脂を追い出してカリッとなるようにしっかり焼きます。皮側から肉に半分以上火を通してしまう感じです。しっかり香ばしく焼き色がついたら、ひっくり返して裏側をサッと焼きます。ほんの数秒です。そこで、鍋の中の脂を捨てて肉は鍋ごと温かいところ(55~60度)に置いて休ませます。この間に余熱で火が通って、ちょうど良く仕上がるようにすべての作業を滞りなく進めるわけです。焼き始めて25分から40分の間くらいがちょうど食べごろのタイミングです。ですから、前菜一皿、スープ、メインというコースなら、前菜を出す前から焼き始めます。肉を返してから裏側からもグイグイ火を入れれば、すぐに焼けますが、それでは美味しくありません。余熱でゆっくりが肝心なところなんです。まあ、30年近くそんなことを考えいろんな方法でやってきてやっと最近自分でも満足いく仕上がりにできるようになってきました。たかが肉焼きですが、奥が深いんです。 先日ブレス産の地鶏のコースをやったのも、「そろそろブレスの最高の地鶏も満足に焼けそうな気がする」と思ったからなんです。あれだけの素材になると最高の技術で臨まなければ使いこなせません。お客様から高い金を取って、パサパサだったり生焼けだったりする肉を出すわけにはいきませんからね。「どうです?最高に美味いでしょ!」と、胸を張って出したいですからね。その結果、ブレスの地鶏は大好評でしたね!皆さん、「本物の地鶏はこんなに美味しいんだねぇ!」と言ってました。 初めてサンク・オ・ピエに来て、ときめき鶏をオーダーして胸肉が出てきたらきっとびっくりするはずです。他では食べたことがない焼き上がりの肉ですから、、、。ですから、ほとんどの方が、胸とかモモとか気付かないうちにただ美味しいと完食してしまっていると思います。塩を振って焼くだけのシンプルな作業なんですが、大げさにいえば、人生かけてますから!(笑) 多くの料理人が、焼くということに対して無造作すぎるし、考察がなさすぎると思っています。何も考えないでやっているなら何年やっても仕事のレベルが上がるわけありませんからね。 前出のオーギュスト・エスコフィエの時代(19世紀末から20世紀初頭)は、料理人(キュイジニエ)は煮込みやスープやソースを作る仕事で、肉焼き師(ロティスール)が肉のローストをする仕事というように分かれていました。ギルドというか組合的なものも別だったんです。そんな時代にエスコフィエはこんな言葉を残しています。「料理人には誰でもなれるが、優れた焼き肉師には天性の才能が必要である」 いま私51歳ですが、おそらく26歳か27歳のころには料理は「塩と焼き加減だ」と感じてそれを具現するために日々精進してきたつもりです。まあ、だいたい25年くらいいかに上手く肉や魚を焼きあげるかと考えてきたわけですから、私にも少しは焼き肉師の才能があるのかもしれません。
Oct 5, 2011

急に涼しくなって着るものに困ります。あの暑かった残暑も嘘のようですね。すっかり秋の食材がそろってきましたのでキノコや栗を使った秋のコースを始めます。 毎週フランスから限定30枚しか入荷しないラベルルージュのマグレ鴨。これを私がスモーク生ハム仕立てにします。 イメージはこんな感じ。これにイタリアのトリュフ加工品の老舗のウルバーニ社のトリュフオイルを少し垂らします。これはもう妖艶の一言に尽きます。 スペイン産のセープ茸。イタリア語でポルチーニのほうが通りがよいかもしれませんね。かつて、夭折の天才シェフアラン・シャペル氏が「セープとフォアグラの組み合わせは真実の味わいがある」と言ったそうです。まあ、例えば鬼平の長谷川平蔵なら、「こいつぁ~本物だ」と、つぶやくところでしょう。 フォアグラのソテーをのせます。これ、本当に美味い!やばいです(笑) スープは、フランス産マッシュルームやエリンギシメジなどで仕込んだキノコのポタージュにフワフワに泡立てた牛乳をのせてカプチーノ仕立てにしました。これもアラン・シャペル風。 メインはウズラのモモ肉のソテーにドライセープやそのほかキノコいろいろを使ったリゾットを添えます。このリゾットが美味しい!ドライセープ(ポルチーニ)は干し椎茸以上に凄い旨味でキノコの魅力が十分に楽しめます。またウズラの肉も鶏肉以上に旨味があって実に美味いものです。 このコミカルな袋に入っているのはイタリアのマレルバ社の栗粉。毎年ローマ法王に献上されるという由緒あるもの。デザートには、この栗粉にアーモンド粉も加えて焼き上げた栗のガレットにフランス産のマロンペーストを使った栗のアイスクリームとベルギーのカレボー社のチョコレートにオレンジリキュールのコアントローをきかせた生チョコの三種類。今回は、さかもとこーひーの秋冬ブレンド“ベラノッテ”に私のほうが合わせたかたち。いつもは、さかもとさんに無茶振りをして私のデザートのためのブレンドを作ってもらうのですが、今回は久しぶりに飲んだベラノッテがとても美味しく好ましく感じられたので、さかもとさんにきいてみたところ、今回のデザートにはよく合うでしょうという確認もとれたので、ベラノッテを使わせていただくことにしました。Menu d'Automne Cinq au pied.2011サンク・オ・ピエ、秋のコース¥5600Magret de canard de "rabel rouge" fume du chefperfume a huile de truffe avec salade aux champignons du japonラベル・ルージュのマグレ鴨の自家製生スモークハム、トリュフオイルの香り、和きのこのサラダを添えてFoie gras chaud et Cepes Gout verite du Monsieur Alain Chapl"アラン・シャペル氏の真実の味"フォアグラのソテーとセープ茸(ポルチーニ)Capuccino de creme de champignonsきのこのポタージュのカプチーノ仕立てCuisse de caille saute et risotte aux cepes secドライセープ(ポルチーニ)茸風味のリゾットを添えたウズラのもも肉のソテーGalette aux chataigne , Glace aux marrons et Pave de chocolat au coitreauローマ法王庁献上の栗粉のガレット、フランス産栗のアイスクリーム、生チョコ・パヴェのコアントロー風味Cafe de SAKAMOTO "Bella Notte"(Belle Nuit) ou the , 2painsさかもとこーひー"ベラノッテ"(美しい夜)又は紅茶、2種のパン 以上のような内容です。そして、このコースは赤ワイン1本で通せる料理内容になっています。特にブルゴーニュの赤ワインがお勧め。もちろん、皿ごとにワインを変えることもできますが、、、大きなグラスでゆっくり美味しいブルゴーニュを飲んでいただきたいコースです。10月6日分のご予約から受け付けさせていただきます。詳しくは、ホームページをご覧ください。
Oct 3, 2011
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