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世界一美味しい物なんていう言い方は、本当はあまり好きじゃないんですが、、、誰が決めたんだという話になりますし、「あんたがいくら美味いといっても俺は嫌い!」という事がありますからね、、、。でも、美食の国フランスにあって、ただ一つAOC(Apellation d'Origine Controlee)原産地統制呼称を与えられたブレス産の地鶏を世界一の地鶏と言ってそうそう異存のある方はないだろう。値段的にもたぶん世界一なのだから、、、。ブレスの鶏を1羽焼くとカルフールのローストチキンが20~30羽買えるくらいのお代になりますから!(笑) ドーンと来ました!Poulet de Bresse!!何が違うのかというと、、、まず飼育期間。ブロイラーが6週間から8週間ぐらいに対して、なんと18週間4カ月あまりもかけて育てます。それから飼育スペース。ブロイラーが10平方メートルに20~30羽詰め込まれるのに対して、ブレス鶏は、1羽につき10平方メートルの原っぱが必要です。法律で一つの農家で500羽以上は飼えないのですが、500羽を飼うためには50000平方メートルつまり東京ドーム1個分以上の敷地が必要なんです。すごい広さですよね!ちなみに野球の塁間は約27メートル、4つのベースに囲まれた正方形の中でブレス鶏なら70羽余りしか飼えませんが、ブロイラーなら1800羽余り飼育できる計算になります。 ひよこから20日ほどは温かい屋内で飼育しますが、あとは16週目までは、ほとんど放し飼いです。餌は、ブレスの地元のトウモロコシや麦などに牛乳や脱脂粉乳なども与えられ、放牧中は自分で草や種をついばんだり、土を掘ってミミズを捕まえたりして、自由に暮らします。最後の2週間、足の鋭い蹴爪を切り落とし体を傷つけないようにしてから、運動をさせずにトウモロコシと牛乳で肥育して出荷します。羽はすべて手で素引きにされます。これもブロイラーと違うところ。ブロイラーは効率の良い湯引きなんですね。つまり熱湯につけて軽く火を通してしまえば簡単に羽が抜けますから、、、。素引きは大変です。手間がかかります。でも、ちょっと茹でてしまった鶏とそうでないもの、、、どちらが本来の風味があるかは、考えなくても分かりますよね!鶏に触ってみればすぐわかりますが、みなさんよくスーパーなどで買う鶏肉は濡れた感じがするでしょ?素引きの鶏は皮が乾いていて、べたべたしません。少し霧吹きで水分を補ってやらないと塩を振ってもくっつかないほどです。 これが胸肉。ホロホロ鳥やキジに近い位の濃い色をしています。 そしてもも肉。豚肉の赤身に近い位の色をしてます。 さばいてみると実感するのが、とにかくしっかりとした肉質だという事!鶏は通常5枚おろしと言って、1羽から胸肉2枚もも肉2枚と鶏ガラにさばくわけですが、、、私の場合、ブロイラーだったら5枚おろしに1分もかかりません、たぶん40秒くらい。でもブレスの鶏だと関節の軟骨や骨もしっかりと固く、しかも肉が骨にしっかりと着いているので、5分くらいかかります。まるで別物です。しっかり動いて来た筋肉だなぁーと実感しますね。 鶏ガラとはずした骨。これをぶつ切りにしてオーブンでこんがり焼いて、出汁をとります。 天板にこびりついた旨味も全部溶かして出汁に入れます。その出汁がJus de pouletジュ・ド・プレ英語で言うグレービーですね。 胸肉は、フライパンで皮をパリッと身はしっとりのポワレに、もも肉は遠赤外線グリラーで皮目をカリッと焼き上げます。しばらく温かいところで休ませ、出てきた肉汁とフライパンにこびりついた旨味と仕込んでおいた美味しいジュを混ぜてソースとして仕上げます。切り分けて、盛り付けて、黒コショウを挽いて、ソースをかけて召し上がっていただきます。Menu de Poulet de Bresse AOC世界一の地鶏!フランス、ブレス産若鶏のコース 2名様より承ります。2~3日前までにご予約ください¥5800(お一人様)Entree au choix前菜をお好みで一皿お選びくださいSoupe aux oignons nouveaux gratinee今年の新玉ねぎのオニオングラタンスープSupreme de poulet de Bresse poeleeetCuisse de poulet de Bresse grilleavec son jus世界一の地鶏!ブレス産の若鶏の胸肉のポワレともも肉の遠赤外線グリエ鶏のジュを添えてCreme brulee a la casonadeFinacier du chefPave de chocolat de VALRHONA de Craiveクレーム・ブリュレ・カソナード風味シェフ風フィナンシェヴァローナ社のカライブ使用の生チョコcafe de SAKMOTO ou theさかもとこーひーまたは紅茶 そういう事で、6月からブレスの若鶏のコースをやります。これだけ美味しい鶏なので、スープも今年の新物のオニオングラタンスープにして、これだけのメインですから、デザートも美味しい物をという事で、必殺クレームブリュレとフィナンシェになんとヴァローナのショコラを使った生チョコです。いつも使っているベルギーのカレボー社のチョコも美味しいんですが、フランスが誇るヴァローナはさらに上をいきます。フランスの三ツ星はほとんどがヴァローナを使っています。ヴァローナにもいろいろ種類があるんですが、私が一番好きなカライブというチョコを選びました。カリブ海諸国産のトリニタニオという種類のカカオ豆で作られているもので、苦味甘味のバランスや葉巻やドライフルーツの香り上品な酸味など素晴らしいチョコレートです。さかもとさんにお願いして、また美味しいこーひーを仕込んでもらおうと思ってます。 詳しくは、ホームページをご覧ください。
May 30, 2011

こういう器具がありまして、種が簡単に取れます。サクランボとオリーヴの種抜き以外に使えないので、かなりマニアックな道具です。(笑) これを赤ワインと砂糖とフランボワーズヴィネガー少しでコンポートにします。それをフォアグラのソテーの付け合わせに、、、。 こんな感じです。泡の立たないシャンパーニュのロゼ・デ・リセなんかをちょいと冷やして合わせたいですね!今の時期のフォアグラは、新玉ねぎの甘いローストかこのアメリカンチェリーのコンポートが付け合わせになります。
May 24, 2011

空豆は、必ず空に向かってサヤが生えてきます。そのサヤが下を向いてくると完熟です。割ると中にはフワフワの綿に包まれて豆が入ってます。過保護なやつです。茹でて皮を剥いて、カマルグの塩とサルディニア島産の極上オリーヴオイルだけで調味します。これが一番美味い!それを皿に盛ってパルミジャーノチーズを薄く削ってかければ、立派な一品になります。あっさりしたピノグリージョの白ワインとか、ロワールの辛口のソーヴィニヨンブランとか辛口のカヴァ(スペインのスパークリング)なんかどうでしょうか? こちらはスナップエンドウ。サヤごと食べられるので、フランス語では、Pois mange toutポア(エンドウ豆)・マンジェ(食べる)・トゥー(全部)と言います。全部食える豆というまんまの名前です。まあ、収穫が遅れると固くなってグリーンピースの出来そこないみたいなってしまいますが、、、。うちの畑のは、とにかく甘いですよ!自宅では茹でたのにマヨネーズつけて食べますが、お店では、ガーリック風味のオリーヴオイルを刷毛でぬって、ちょっと温めて付け合わせにします。 アメリカンチェリーも出てきたので、サクランボウのクラフィティーを作りました。クラフィティーはフランス中央部のリムーザン地方が本場。本来はタルトの皮に流して焼き上げ、グリオットという小粒で黒くて甘いサクランボウを種付き枝付きのまま作るのだとか、、、。タルト生地に流して焼いても美味しいのだが、せっかくのパイ生地がちょっと時間がたつとへなへなになってしまうのが難点なので、私の場合このようにパイ皿に流して作ることが多い。リムーザン地方といえば、フランスを代表する高級磁器のリモージュ焼がありますね。リモージュといえばリムーザン地域圏の首府、オート=ヴィエンヌ県の県庁所在地の都市です。画家のルノワールはここの出身で若いころはリモージュ焼の絵付けをしていたそうです。リモージュの皿にクリストフルの銀器とバカラのグラスというのが、フランスでは最高の食器といわれてますね。 話が横にそれましたが、クラフィティーは本来クレープの仲間なんです。田舎風の作り方だとなんだかウイロウみたいな感じなんですが、最近の傾向は粉をかなり減らしてカスタード的というかプリンっぽい物が多いようです。私の場合はジョエル・ロブション氏のレシピを参考にしたものですが、小麦粉を使うところを最近見つけたフランス製のカスタードクリーム専用のクレーム・スペシャルという粉を使ってます。それで、肝心のサクランボウですが、これがまた本物のフランス産のグリオットを使ってます!(冷凍ですけどね) アメリカンチェリーのほうは、赤ワインにフランボワーズヴィネガーをちょっと垂らして砂糖を加えてコンポートにして、フォアグラのソテーの付け合わせにします。これで少し冷やした軽いブルゴーニュの赤ワインとか、マルサネのロゼやシャンパーニュのロゼを合わせると最高に美味しいです!フォアグラに甘くないワインが合うという貴重な組み合わせです。チェリーのコンポートの甘みがワインに必要な甘みを補い、赤い果物の風味が赤ワインやロゼのワインとの橋渡しをするんですね。
May 23, 2011
春先に千葉市で発生した鶏インフルエンザのため出荷自粛状態だったときめき鶏(ときめき鶏自体は、インフルエンザは出ていません)の出荷がやっと軌道に乗り、サンクオピエ用の1.5キロサイズの丸鶏が入って来ました。やはり地元の鶏なので鮮度も良いしボリュームもあるので、サンクオピエでは人気メニューです。
May 21, 2011

これは、フランスの野原に自生するasperges sauvageアスペルジュ・ソヴァージュ(野生アスパラガス)、またはasperges des boisアスペルジュ・デ・ボア(森のアスパラガス)まあ、アスパラガスの原種的なものです。言わば、フランスの山菜みたいなものです。この時期にほんの2~3週間しか入荷しませんから、時期ものですね。 土曜日に忙しい合間を縫ってクリヤマコトが来てくれた。奥さんと母上も一緒。新しい20周年記念アルバムもやっと到着しました。このアルバム、また産地直送で直売します!豪華メンバーで18人ものミュージシャンが次々に登場するという趣向で、演奏も派手で格好良い曲ばかりで、ノリノリです。これからの時期に大音量でかけたい感じですね。 今日は定休日で、また畑に行ってきました!美味そうな空豆とスナップエンドウ、柔らかいラディッシュなど収穫してきましたよ!
May 16, 2011

これは、フォアグラのテリーヌ。フォアグラを室温に戻し、中の太い血管を掃除してから塩と胡椒とカソナード(フランスの三温糖)とナツメグ少々で調味してテリーヌ型に押し込んで、湯煎にかけたままオーブンでゆっくり火を通してから冷やし固めたもの。テリーヌというのは、材料を詰め込む器の名前で、それ自体食い物ではない。つまり牛丼とか天丼というのと同じで、この場合丼は食い物ではなく器のことでしょ、、、。 よく料理とワインのマリアージュなどといって、料理とワインの相性のことを言いますが、マリアージュとはフランス語で結婚のことで、文字通りワインと料理やその他の食物が仲良くなってどちらも美味しくなる現象のことをいう。 実は私の場合、料理人ではあるがワイン(他の酒もですけどね)がとことん好きなので、如何にして食べて飲んで美味しく楽しくなるかということばかり考えて30年近くこの仕事をしてきたといっても良い。そういう中で、ワインと料理のとびきりのマリアージュをいくつかあげろと言われたら、間違いなくベスト3に入ってくるのが、フォアグラのテリーヌといくつかの甘いワインだ。 まずは王道といえば、ボルドーのソーテルヌの貴腐ワイン。最高級品のシャトー・ディケムChateau d'Yquemとまでいかなくても、ソーテルヌのそこそこのワインで十分に楽しめるし、ソーテルヌ周辺や川を挟んで対岸の地域、ルーピアックやサント・クロワ・デュ・モンやプルミエール・コート・ド・ボルドー等の甘口のワインでも実に楽しいマリアージュが体験できる。更にボルドーから南下してベルジュラック地区の中のモンバジャックの甘口もソーテルヌに似て楽しい。それから、北フランスのアルザス地方のユニークな芳香の白ワインゲヴェルツトラミネールの甘口ヴァンダンジュタルティヴがあれば、もう思い残すことないというほど素晴らしいといえるし、ソーテルヌと並ぶ世界三大貴腐ワインの一つ、ハンガリーのトカイのワインも忘れられない、これももちろん甘口。もう一つの三大貴腐ワイン、ドイツのトロッケン・ベーレン・アウスレーゼももちろん合うのだが、私の好みとしてはやや変化球だが、スペインのシェリーのアモチリャードなんかもお勧め! あまりワインに詳しくない人には、まったく聞いたこともないようなワインが多いかもしれません。それにフォアグラと言ったら肉系だから赤ワインなんじゃないの??という方もいるでしょう、、、。上にあげたワインは、ちゃんとしたソムリエさんなら知っている組み合わせなんです。決して私の独りよがりの選択じゃありません。もちろん赤ワインでも悪くはない物はたくさんありますが、フォアグラのテリーヌと甘いワインの組み合わせのびっくりするほどの心地よさは決して赤ウィンでは味わえないと思います。ただ、ちゃんとしたソムリエさんというのが、実はなかなかいなくて、、、日本のソムリエさんはワインオタク的な方が多く、畑の地質や気候やはたまたその畑の持ち主の人間関係やワイン会社の経営の出資者、栽培法や醸造法やワインの樽の材質などにばかり詳しくて、料理をあまり知らない方が多いような気がします。まあ、私が親しくしている優秀なソムリエには、そんな人はいませんが、、、。 というわけで、フォアグラのテリーヌを作りました。サンク・オ・ピエでは、それに良く合うワインも、ソーテルヌ系、アルザスのゲヴェルツトラミネール、ハンガリーのトカイの貴腐ではないけど遅摘み完熟甘口、シェリーのアモチリャード、全部お手頃価格のグラスワインでそろってます!!こんな気の利いた店、ちょっとないですよ!自信もって自慢します!
May 12, 2011

アプリコット入りのアーモンドケーキと野イチゴのフランにはちみつと牛乳のソルベ。これは、4月5月のコースのデザートのイチゴのミルフィーユに合わせて作ってくれたさかもとこーひーの特別ブレンドが、イチゴによく合うのでという事で、そのこーひーに合わせて作ったデザートです。そのブログを見たさかもとさんが、、、 イチゴのミルフィーユに合わせたブレンドを作り...サンクのシェフが、それならとそのブレンドにも合うように、野いちごのフランやアーモンドプードルを使ったアプリコットのケーキを作り...それならと、違うアプローチで新しいブレンドを作る。愉しい仕事。しかも、ジャズのアドリブのように一瞬で...。スペシャルティコーヒーの世界ってほんと楽しいです。(どんなに素晴らしい素材だって、手の内に入れなきゃ職人の名折れですからね。) という訳で、この盛り合わせに合うこーひーが届きました。これが実に上品!基本的にこーひーが苦手のうちのマダムもこれ美味しい!といってました。前回のブレンドは、イチゴの酸味に対してこーひーにも酸味がほんのりあって、それが調和しながら最後は柔らかくフィニッシュしていく感じでしたが、今回のこーひーはさりげないけどしっかりした芯がありアプリコットや野イチゴの結構鋭い酸味が来てもゆるぎないんです。イチゴやアプリコットなどの甘酸っぱいフルーツは通常こーひーには合いにくいはずなんですが、その酸味にも負けないというより、さりげなくかわすという感じです。全く違うアプローチなんですが、どっちも心地よいという、また見事な仕事ぶりでした。最近のさかもとさんの仕事の自由自在ぶりには、職人としての円熟を感じますね! 春先に植えた新玉ねぎが取れ始めました。うちの畑の新玉ねぎは、生で丸かじりできるほど甘く、それを焼くともう砂糖か蜂蜜でも使ったのかというくらいに甘くなる。このようにカラメリゼしてフォアグラのソテーの付け合わせにすると美味いですよ! これはパルマハムと豚足のコラーゲンテリーヌのサラダ仕立て。4月の1カ月で1本使い切ってしまったパルマ産の生ハム。最後に生食にはちょいと固いスネ肉の部分が残る。これの皮を剥き氷水に一晩漬けて塩抜きをする。 これは、豚足。コラーゲンたっぷりの部位です。豚足は、薄いブイヨンで3時間ほどかけて柔らかく煮て、煮汁に漬けたまま冷ます。冷めたら豚足を分解して骨から身をはずす。細かい骨が多いので、完全に取るのは難しいので、取りきれない部分は私のおつまみに(笑)塩抜きしたハムのスネ肉を豚足のブイヨンで柔らかくなるまで煮込み、竹串がスーッと通るくらいになったら煮汁に漬けたまま冷ます。冷めたらスネ肉を一口大に切る。また煮汁に戻して、はずした豚足の身も加えて少し煮る。味を調え、シャンパンヴィネガーを少し加える。これをテリーヌ型に入れて冷やし固めれば、出来上がり。薄めに切ってサラダにのせて供する。 スネ肉も豚足もコラーゲンが多い部位だから、冷やすと固まります。ねっとりした感じなので、シャンパンヴィネガーの酸味を加えて少しさわやかさを出している。原型は、ジャンボン・ペルシエという料理でハムのゼリー寄せパセリ風味。ペルシエというのはパセリのことだが、霜降り肉という意味もあり、ジャンボン・ペルシエを霜降りのハムと誤訳している本もたまに見かける。パルマハムの旨味がきいていてとても美味しいテリーヌです。 天窓から差し込む光の陽だまりはうちの猫だまり。あー、お気楽でうらやましいですねぇ!
May 11, 2011

これは、鹿児島産の黒豚のバラ肉のコンフィ。コンフィというのは、塩漬けにした肉をラードや鴨やガチョウの脂などで低温(80度程度)で煮込んだものをその脂ごと冷やし固めて保存するという昔ながらの保存食が原型。冷蔵庫がない時代では、かなり塩を利かせて作り、壺などに入れて保存したのだが、今の時代は保存するために作るわけではないので、塩は控えめにする(食べてちょうどよい位) コンフィの良いところは、脂で煮るので旨味が溶けて流れて出てしまわないこと。水分で煮ると、肉は旨味が抜けてしまうが、脂だからそれがないわけ。80度程度で時間をかけて煮込むと、肉の旨味を残したままコラーゲンだけがほぐれて柔らかくなる。つまりトロトロに煮込んだ食感なのに肉の旨味がしっかり残っていて、ほぐれたコラーゲンがねっとりとコクを感じさせてくれる。しかも脂で煮るから、脂っこいのかと思うが実は逆で、脂で煮ることで余分な脂が抜けて、かえってさっぱりするのだ。さらに仕上げに肉がカリッとするように焼くので、一層余分な脂が落ちるわけ。 箸でも簡単にほぐれるくらい柔らかくて、ねっとりとコクがありカリッと焼けて香ばしく肉の旨味もしっかり残っているこのコンフィ。サラダを添えて、煮詰めてバルサミコを少しかけて仕上げる。まるでフォアグラを食べている感じという人もいる。いきなりメイン?というぐらいに、ボリュームがある前菜ですが、、、、まあ、コンフィは好きな方にとっては飲み物みたいなもんです(笑)
May 8, 2011

ウサギのブランケットです。クラシック!!ウサギのもも肉は、水洗いした後水からゆっくり煮ます。アクは徹底的に取らねばなりません。以前ポトフで使った時もそうなんですが、ウサギのブイヨンはとても美味しいんです。ブランケットの場合は、こうして2時間も煮て柔らかくした肉をいったん取り出し、ブイヨンはしっかり煮詰めます。そのあと煮汁をブールマニエ(小麦粉とバターを練り合わせたもの)でとろみをつける。生クリームとバターで仕上げる。ソースにはさらにフランス産のマッシュルームも加えて旨味を強化している。 煮込んで柔らかくして、旨味を抽出し、その煮汁を煮詰めて旨味を凝縮し、リエゾン(とろみをつけること)してソースを作り料理を仕上げる。古典的なフランス料理の技法ですね。繊維も繊細で、旨味も深く生クリームとバターのコクが何とも言えない美味しいソースで、「ああ、フランス料理って美味いねぇ!」という感じがしますね。 こういうクラシックな料理には、やはりワインを合わせなきゃいけませんね、、、。わが友シニアソムリエの高山氏のお勧めは、、、白いソースの料理ですから、まずは白ワインなら、、、ブルゴーニュのミネラル系の軽い白リュリー、優しい味わいのモンテリー、赤ワインならヴォルネイやサヴィニイやショレイなどのボーヌ、もっと良いのなら、シャンボール・ミュジニー、それからマルサネの美味しいロゼも、、、フェイントでイタリアのピエモンテのネッビオーロ(バローロやバルバレスコ、これらはやや古酒)とかバルベーラも意外に面白いですよ。とのことでした。 このウサギのブランケットは、今年の干支にちなんだウサギ料理コースでやってます。結構美味いですよ! これは、最近のデザート。さかもこーひーのブログに近頃よく出てくるアプリコットケーキが気になったので、私も作りました。アーモンド生地のカトル・カール(1/4が4つという意味のケーキ生地で、この場合は、アーモンド粉とバターと砂糖と卵が同割)にアプリコットを入れて焼きました。それから、野イチゴのフラン、ミュール(桑の実)フランボワーズ(木苺)フレーズ・デ・ボア(野イチゴ)ミルティーユ(ブルーベリー)グロゼイユ(赤スグリ)カシス(黒スグリ)などのフランス産ミックスフルーツのコンポートをのせたバニラのフランです。シャーベットは定番の蜂蜜と牛乳です。 4月5月のコースのデザートのイチゴのミルフィーユのためにさかもとさんが作ってくれたサンク・オ・ピエブレンド、イチゴというと普通はコーヒーには合わないのだが、そこはさかもとさん、見事にミルフィーユにあうこーひーを作ってくれました!せっかくイチゴ用のこーひーがあるので、いつものカラメルとバニラのプリンの代わりにこの野イチゴのフランを作ってみたという訳です。野イチゴやアプリコットの酸味を見事にこーひーが受け入れて、食後の楽しみが深まります。さかもとこーひーとサンク・オ・ピエのこーひーとデザートの楽しいコラボは、世界でも例のない試みだと思います。料理とワインがマリアージュするように、こーひーとデザートのマリアージュも実に楽しいですよ!
May 6, 2011
ユッケの事故がありました。人間も含め、動物の体の外側には様々な微生物が付いています。これはもうどうしようもない。完全な無菌状態というのはまずあり得ません。ここで体の外側というのは、口から肛門にいたる消化器官も含むことになる。一見体の内部のようだが、口から食道、胃から十二指腸、小腸から大腸、直腸から肛門にいたる消化管の中身は、体の外側なんですね。 で、大腸には善玉悪玉含めて大腸菌がたくさん住んでいます。これは人でもその他の動物でも同じ。腸内細菌と動物は共生関係にあり、微生物の力を借りないと最終的な消化ができません。特に牛などの草食動物は、微生物による消化作用に大きく依存した生き物です。 そのほかの体の内部、つまり消化器官以外の内臓や筋肉などは、病気にかかっていなければ基本的に無菌状態です。本来の意味での体内というのは、このことを指します。 生食用の肉というのは、精肉加工するときに消化器官の中の雑菌に汚染されないように万全の注意を払い、速やかに低温で処理されたものでなければなりません。ところが日本の場合、こういった処理をされた生食に適した生肉というのは、九州などで生産される馬刺し用の肉と馬のレバー刺し用だけらしいんですね。あとの牛肉などのほとんどは基本加熱用です。つまりみなさんが普通に食べていた、レバー刺しや牛刺しやユッケやタルタルステーキなどはほとんどが加熱用肉だという訳なんですね。 肉の生食をするときは、表面をガスバーナーで数秒あぶるだけでもかなりの殺菌効果がある。ガスバーナーの炎は2000℃近いから、どんな細菌も瞬時に死んでしまうからだ。だからまるきりの生の刺身と、ガスバーナーであぶったたたきとでは、かなりリスクが変わってくる。 抵抗力がある健康な成人なら、よほどたくさん細菌が付ていない限り、まず問題はありませんが、お年寄りや幼児や体調が悪い人などは、発症する危険があります。これは、魚の刺身でも同じことです。肉でも魚介でも生食には、こういうリスクが伴う事は、食べる側も知っておくべきだと思う。こういう事件が起きると、提供する側の責任のみが追及されがちだが、強制力を持った生食用肉の規制をきちんとしていない厚労省の責任は大きいはずだし、ユッケのようなものを子供に食べさせてしまう親にも責任の一端はあると思う。 例えば、蜂蜜を乳幼児に与えてはいけないという事を知らないお母さんがたまにいる。はちみつというのは、あまりに高い糖度のため浸透圧の関係でほとんどの細菌は死滅するが、ボツリヌス菌の胞子は生きたまま含まれることがある。これを乳幼児が食べると、胃液の酸が弱いものだから、ボツリヌス菌が活動し出して食中毒が起こる。大人の場合は胃酸があるので、胞子も消化されていまうから蜂蜜を食べても安心なのだ。 例えば賞味期限も、保存法や温度管理を間違えれば何の意味もなくなる。与えられた食物が、すべて安全とは限らないという事は、常に考えておくべきことなのではないか?と思う。 もちろん私は料理人としてお客様の安全を守るのが第一と考えているが、100%安全な生食はないという立場で、常にリスクはあるという事を忘れないようにしています。
May 4, 2011

この爆裂キャベツを刻んで、4日間炒めてできたスープがこれ。 旨味というより滋味という感じですかね。自家菜園の有機野菜の力強さを感じますね。 これは、種子島の名産の案納芋を食わせて育てた黒鉄(クロガネ)ポークの肩ロース。これは、今回の生ハムを卸してくれた登馬商事さんのおすすめの肉。もちろん種子島産で、いわゆる六白黒豚で、四肢の先と鼻ずらと尻尾の先が白いバークシャー豚を焼き芋にすると糖度が40度にもなる案納芋を餌に与えているという。 肉の味は餌によって大きく左右される。豚はほとんどなんでも食べるといっていい動物だが、魚粉などや高カロリーの配合飼料ばかり食わせた豚は美味しくない。それに対して、野菜や穀物などをメインに食わせた豚の肉は癖がなく美味しい。有名なイベリコ豚のベジョータは、豚を山に連れて行ってドングリを食わせて太らせる。ベジョータという言葉そのものがドングリを意味する。この黒鉄ポークの場合は、案納芋という訳で脂の味も軽くてきれいで、赤身の部分もきれいな味わい。濃厚なのに重くない美味しい肉です。これは、グリエにしてみました。 塩だけで焼いて、盛り付けてコショウを挽きかけ、カマルグ産フルール・ド・セルをパラリと落とし、サルディニア島産の極上オリーヴオイルをかけ、粒マスタードを添える。シンプルですが、肉がよいのでこれで十分美味しいですよ!たまに仕入れて使っていこうと思います。ただし、出荷量がとても少ないらしいので、結構レアものです。 定休日の昨日も畑に行ってきました。また耕運機。 だいぶ慣れてきました。(笑)すっかり農家のおじさんですね。 夏野菜の苗も植えてきました。千両茄子、水茄子、米茄子、ミニトマト2種、ピーマン、唐辛子、ズッキーニ2種など、、、。筍も少しだけど採れました。
May 2, 2011
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