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戦後80年、「美術が戦争をどう伝えてきたか?」ということをテーマに企画された展覧会。チラシもポスターも作らずひっそりと公開されている特別展。 普段、東近美の戦争画のコーナーで見慣れている藤田嗣治などのアメリカからの無期限貸与の作品を中心に当時のポスターなどの周辺資料も多数あり、見ごたえがありました。 第2章 アジアへの/からのまなざし一見戦争とは無関係のような作品をあらためて時代の文脈の中で見直す必要があると紹介されていました。福沢一郎の「牛」は、満州の大地が舞台となっていたことははじめて知った。ピンクの大地にたたずむ牛はボロボロ。満州の現実を批判したものだそう。梅原龍三郎の「北京秋天」は、印象派風の明るい空が大好きだったのだが、描かれた時代を考えると単純に美しさだけに浸っていられないのですね。 第3章 戦場のスペクタクル山口蓬春の「香港島最後の総攻撃図」このブルーはとても美しい。市街地に上がる炎も美しい。このように美しく描くことで戦争は美化されてしまうのです。第4章 神話の生成藤田嗣治の「アッツ島玉砕」。この絵の前に賽銭箱を置いて実際に藤田自身が立って、お金を入れてくれた人に対して、お辞儀をしたとのこと。今度は絵画の目的が仇討や追悼になってきている。 第7章 よみがえる過去との対話この章のほとんどは広島平和記念資料館が1974年に一般から収集した原爆の絵。これらの絵が、今回の展覧会でいちばん衝撃的だった。そこに描かれている文字を読みながら、涙が溢れてきました。 あの時代、アートも大きなうねりの中では、個人の自由も飲みこまれ、美も芸術も戦争に協力せねばならなかったという本末転倒の凄まじい状況だったということに思いを馳せ、現在の平和の尊さを深く感じました。(8/27)
2025年09月11日
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8月の読書メーター読んだ本の数:11読んだページ数:4124ナイス数:217怪異ー百モノ語ー 僕が君に語りたい百の怖い話 (MPエンタテイメント)の感想図書館からご予約本が届きましたと、メールが来たのですが、なぜこの本を読もうと思ったのかまったく記憶がありません。それでも、ダラダラと読んでしまったらこのラスト。まぁ100話も読み終えたことに満足。読了日:08月03日 著者:椎葉 伊作日本美術史不案内の感想百物語以上の150篇のエッセイ。日本美術にかかわるものから映画、世相、政権批判まで幅広く、小気味よい。今後の読書案内にもなった。閉館前の出光美術館で「鳥獣花木図」をありがたく見てしまったのが悔やまれる。読了日:08月05日 著者:佐藤 康宏まんが日本美術史〈3〉明治現代の美術 (アートコミック)の感想30年前に出された本ですが、とても分かりやすいのにびっくり。勉強になりました。中学生までの漢字しか使ってなく、さらにすべてにふり仮名までつけてあります!しかし、抽象的、概念的な言葉が多く、これを理解できる小中学生がいるのかは疑問。読了日:08月07日 著者:中島 純司普天を我が手に 第一部の感想昭和元年に生まれた4人の男女。昭和が終わった年には64歳。今の自分よりも若い。ああ、自分は戦後の良き時代に生まれ育ってよかった。そんなことをふと思う。昭和元年から真珠湾攻撃まで、テンポよく読んだが、その行間にあったであろうことを思うと胸がふさがれる感じがした。読了日:08月12日 著者:奥田 英朗ロードムービー (講談社文庫 つ 28-11)の感想辻村制覇と積読本解消を目指して。「冷たい校舎の時は止まる」のスピンオフということだが、残念ながら登場人物はさっぱり忘れていて心当たりがなかった。が、特に表題作の小学生の家出の話はホントにロードムービーっぽくって良かった。どんでん返しもあるし。読了日:08月15日 著者:辻村 深月Nの逸脱 (一般書)の感想直木賞候補作ということで読んだ初読みの作家。「場違いな客」と「占い師B」はダークな世界観が日常の裏に潜んでいる感じでよかったが、「スタンドプレイ」は障害者差別の要素が絡んでいて読むのが辛かった。読了日:08月16日 著者:夏木 志朋アナベル・リイ (角川ホラー文庫)の感想例えば季節の移り変わりや登場人物の心境、そして幽霊の出る状況なども、緻密に、そしてしっとりと描かれる文章に引きづりこまれる。やはり昭和の時代の作家だなぁ。猛暑の夏にはぴったりのゴーストストーリー。読了日:08月18日 著者:小池 真理子キャラ絵で学ぶ! 江戸の暮らしと文化図鑑の感想小学生向けの江戸時代入門書。でも大人が読んでも大変参考になる。春画→「エッチな浮世絵、小学生は見ちゃダメ!」の説明には笑える。「男性がお金を払い、女性とおつきあいをする場所、それが遊郭です。」なるほど!読了日:08月20日 著者:広重ぶるう (新潮文庫 か 79-10)の感想北斎や歌麿など、多くの浮世絵師がいるけれども、それぞれが活躍した年代とか、他の絵師とどう関わっていたのか、どう影響を受けているのかとかなどよく理解していなかったので、この本は大変参考になった。版元と絵師の関係などもよく分かった。名所江戸百景は、安政大地震で荒廃した江戸の町民に自信を与えようと出版したとのこと。江戸っ子広重の心意気を感じます。読了日:08月23日 著者:梶 よう子中庭の出来事 (新潮文庫)の感想恩田陸コンプリートを目指すために何とか読了。しかし複雑な構造が理解できず。もやもや感だけが残ってしまった。読了日:08月27日 著者:恩田 陸日本の不思議な建物101の感想ほぼ東京都内と近郊の建築だけなんで、「日本」と広げて謳っていいのだろうか?1932年の奥野ビルから、2015年のキュープラザ原宿まで。普段よく歩く場所の上部がこうなっていたのかなど発見があって楽しかった。でも写真が今ひとつ、美しくないのが残念。読了日:08月27日 著者:加藤 純読書メーター
2025年09月01日
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