森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.10.20
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回避性人格障害の状況をどう考えていったらよいのでしょうか。

1、 対人恐怖の人は他人から否定的な意見を少しでも聞くと、すべてが台無しになったような気になります。
そして新しい試みに挑戦してみようという勇気がなくなり、すっかりやる気を失ってしまいます。
さんざん否定的なことを言われ続けてきたので、そういう風に言われると、過去のマイナスのトラウマがどっと出て来て、「やっぱりだめだ」「どうせ自分なんて何にも出来ないんだ」と否定的に考えてしまう。
この考え方はあまりにもマイナス思考に偏っています。
こんな時「認知行動療法」では、3つのことを試してみなさいと言っています。
第一に、そう考える根拠は何ですか。逆の事実はありませんか。
第二に、だからどうなるというのだ。それが本当だとしてどんなひどいことが起きというのだ。最悪を受け止める覚悟を決めましょう。
第三に、現実的で柔軟な代わりの考え方を探してみよう。


2、 パニックになって両面観で考えることが出来なくなっています。
今誰かとうまくいかなくなっていても、別の誰かとうまくゆくということも考えられます。
学校や職場では人間関係が悪いかもしれないが、趣味や同好会の仲間とはうまくいくかもしれない。
今の仕事は能力的にも、体力的にもハードかもしれないが、職業は2万種類ぐらいあるそうだから、自分に合った仕事が見つかる可能性は高い。
また今の学校を卒業しなくても大検などで進学できる可能性がある。
大学に行かなくても放送大学や専門学校で自分の欲しい資格は手に入れることが出来る。
視野狭窄にあると融通が利かなくなる。
逃げ場所を作ったり、選択肢を広げることによって、本人の思い込みや追い詰められ感を和らげて、復活できる可能性は強い。
動いてみれば、自分を縛っていたのは、実は自分自身の動けないという金縛りにあっていただけということも分かるだろう。

3、 対人恐怖の人は自分は神経質でよいところは何もないと思っている。
ところが神経質の性格特徴を学習してみればよく分かることだが、性格にはプラス面とマイナス面が同時に存在している。


4、 逃避したときは一時的に楽になりますが、それはほんの一瞬です。
逃げてしまうと、むなしくなる。退屈になる。
そして何事も無気力、無関心、無感動になってしまう。
ふがいない自分に注意が向き、自己嫌悪、自己否定するようになる。
失敗から学ぶチャンスはなくなり、もっと大きな失敗をするようになる。

廃用性萎縮が起きて、体力が衰え、抵抗力が弱る。
精神疾患、病気や死の危険が近づいてくる。
生きがいとは無縁な人生に甘んじるしかなくなる。
このことはよく肝に銘じておかなくてはいけない。

5、 父親が亡くなって、生活費を自分で稼がなくてはならなくなってはじめて対人恐怖が克服できたという人がいる。
対人恐怖は依存できる親、親の遺産等の後ろ盾があるとなかなか良くならない。
今の時代、集談会に来て悩みを解決したいという人が減少している。
それは生活のために働かないと生きていけない社会的状況にあるからである。
自分の生活費は自分で稼ぐという気持ちになれば、対人関係の悩みは相当軽くなると思われる。





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Last updated  2014.10.20 07:08:07
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