森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.02.27
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​「強情」​ な人は、森田先生が指導すれば、すぐにそれに取り組んでみると言うのではなく、家に帰って考えてみると言う。
そういう人は森田先生が神経症の治療の分野ではすぐれた医師であるということを忘れている。
このように頭の中で納得して決心するとか、自信がついてから取り組もうと考えている人のことを言う。
「こんなに頭が悪くてはできるはずがない」と短絡的に考えて手をつけない人のことを強情というのである。

強情な人は「かくあるべし」が強い人である。
「○○しなければならない」「○○してはならない」と自分の考えを周りに押し付けることが多くなります。
指示、命令、強制、脅迫、非難、批判、否定することが多くなります。
人間関係は当然悪くなります。
それはアドラーの言う横の人間関係ではなく縦の人間関係になっているからです。

​「盲従」​ と言うのは、森田先生の言われたことを万能の神様のように信じて、馬車馬のように突進する態度のことです。
森田先生は当時入院されていた水谷啓二氏に、皆がいる前で、そこで三回ぐるぐる回ってお辞儀をしなさいと言われた。
水谷氏は恥ずかしいことだと思いながらも森田先生の言われる通りに行動した。
まわりにいるひとたちがクスクスと笑った。
それを見て森田先生は、だから君はダメなのだと言われた。
普通の人は「みんながいるのでそんな犬のようなマネはちょっと出来かねます」と言ってモジモジするはずだと言われている。
( 森田全集第5巻  266 から 268 ページより要旨引用 )

盲従というのは自分の意志というものは何もない。相手の言いなりになっている。
相手の無理難題の押しつけに対して、不平不満をいだきながらも受け入れてしまう。
こういう人は相手からの「かくあるべし」の押しつけに対していつも服従している人です。
相手からすれば自分の周りにこういうイエスマンばかりになるととても気持ちがよい。やりたい放題になります。

盲従する人は、心の底では反発しているのに、相手の無理難題を受け入れてしまいます。ストレスだらけになります。
不平不満でいっぱいになり、被害者意識でいっぱいになります。
そのうち相手の足を引っ張ることばかりを考えるようになります。
盲従は支配ー被支配の縦の人間関係になります。
いずれ対立して最後には破綻します。

強情も盲従も「かくあるべし」の押しつけという視点から見ると、どちらも同じようなものです。
「かくあるべし」を減らして、事実本位の生活態度を身に着けた方が得策です。








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Last updated  2024.06.02 07:56:29
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Re:強情と盲従の弊害について(02/27)  
stst さん
森田生涯様、こんばんは。
過去に何度かコメントをさせていただきアドバイスを毎度いただいており
非常に役立たせております、ありがとうございます。今回、また森田生涯様から
アドバイスを何かいただけれたらと思いましてコメントを書かせていただきました。

自分は強迫症の診断を病院で受けております。
悩みの内容なのですが、あくまでネット上の付き合いであった人との話しなのですが
長年追いかけていた人に対して個人的に非常に落胆する出来事がありました。
そういうわけでその人から離れようと試みたのですが、長年関わっていた人ということもあり
連想的な感じで何か出来事があるとその人関連のことが頭に浮かんでしまって
浮かばないようにしようと頑張ってしまいました。元々がその人に熱中していたからなのか
連想を避けようとしたことがきっかけなのかはわからないのですが
思い浮かべてしまうのが苦痛になり、夜ベッドで寝ようとしている時などに考えてしまうと
息苦しさや動悸などの状況が現れるようになってしまって眠れない日が増えてしまいました。
自分としては落胆する出来事について踏ん切りがついていると思ってはいたのですが
どうしても自分の身体に現れてしまう反応が反応なので微妙な所です…。
中々辛いのですが森田生涯様から是非今回もアドバイスをいただけましたら幸いです。よろしくお願いします。 (2024.03.06 02:13:29)

Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27)  
森田生涯  さん
ststさんへ

コメントありがとうございました。
ご相談の内容はよく分かりました。
ネットで交流があった人と何らかのトラブルが発生して、その後そのことにとらわれ、動悸や不眠症になり、薬物療法を行っておられるようですね。
今は交流がないのにもかかわらず、不安や恐怖で苦しい。
その人のことを早く忘れるようにしたい。
動悸や不眠の身体症状も改善したいということでよろしいでしょうか。

今の苦しい状況をすぐに改善したいと思っておられるように感じましたが如何でしょうか。
時間をかけて少しずつ改善していくように気持ちを切り替えることは可能でしょうか。

今はその人との人間関係のトラウマで100%頭の中がいっぱいではないかと思われます。
それを少し時間をかけて90%、80%・・・と減らしていく戦略です。
最終的に50%くらいまで比重を下げると日夜強迫観念に追い掛け回されることはなくなるように思います。

比重を下げる方法は、森田が教えてくれる方法を取り入れていくことです。
症状と格闘しているときは、それ以外のことは受け付けなれないという場合が多いように思います。
ですからいきなり目標を持てと言われても無理だと思います。

でも日常茶飯事に丁寧に取り組むことは可能ではありませんか。
そして規則正しい生活習慣を作り上げることに意識を振り向けてみる。
この方法は症状を改善するために大いに活用してもらいたいです。
この2点に取り組むことで、多少時間はかかるでしょうが、短期間で問題は大きく改善できると思います。
これ以外に自分の考えていることがありましたら是非教えてください。 (2024.03.06 07:18:26)

Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27)  
stst さん
森田生涯様、返信アドバイスをしていただいてありがとうございます。
こちらの苦しい状況なのですが3ヶ月ほど続いているもので改善したいと思っております。
時間をかけて頭の中から減らそうと頑張っておりまして何かに熱中をしている時などは
そのことについて考えることがいつもよりは減っているのを実感しています。
他に治すために考えていることなのですが
今の生活は日中のほとんどが椅子に座っていることが多く
運動もほぼほぼしておらず、日光に当たる時間も一日に2-30分あるかどうか程度です。
ネットの情報などを見ると強迫症やパニック障害などにも日光や運動は
全くしないよりも出来ればしたほうがいいという話をよく聞くのですが
やはり毎日椅子に座りっぱなしでいるのは強迫症にも良くないでしょうか?
改めてアドバイスいただけると幸いです、よろしくお願いします。 (2024.03.07 17:18:56)

Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27)  
森田生涯  さん
ststさんへ

今の生活は日中のほとんどが椅子に座っていることが多く
運動もほぼほぼしておらず、日光に当たる時間も一日に2-30分あるかどうか程度です。
ネットの情報などを見ると強迫症やパニック障害などにも日光や運動は
全くしないよりも出来ればしたほうがいいという話をよく聞くのですが
やはり毎日椅子に座りっぱなしでいるのは強迫症にも良くないでしょうか?

ststさんは改善策がよく分かっていらっしゃるように思いました。
ずっと椅子に座っていると、自己内省することが多くなります。
それもマイナスのことばかり考えるようになります。
日光に当たり、ウォーキングが習慣になるといいと思います。
ぜひ実行してみて下さい。
(2024.03.07 21:14:30)

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