全31件 (31件中 1-31件目)
1
女優の吉行和子さんのお話です。2歳のころからひどい喘息でした。発作が起こると、それはもう死ぬほど辛いのです。でも、これは、誰かに「助けて」とすがったところでどうしようもない病気なんですね。とにかく、ひたすら耐えるだけ。そうすると1週間か10日ぐらいしてやっと発作がおさまるのです。筆舌に尽くしがたいとはこのことで、知らない人にはなかなか分かってもらえない苦しみでした。学校も休みがちで、将来に夢や希望なんか持てなかった。結婚なんてとても無理だと思っていた。家で習っていた編み物やお裁縫が唯一の特技でした。振り返ってみれば、いつも心のどこかに「こんな私だから」という思いがあった気がします。でも「こんな私」でもできそうなことがあれば、やってみよう。「こんな私」でもお役に立つのなら、頑張ろう・・・。病気のお陰で多くを望まなくなったのか、いつも目の前のことに夢中で、それをやっていれば幸せでした。「あれも欲しい。これも欲しい」とはあまり思わない。だから手に入らなかった時の挫折感や悔しさもない。考えてみれば、この性格が、私の心を軽くしてくれているのかもしれませんね。若いころから、自分は芸能界のきらびやかさとは無縁だと思っていました。廻りにどんなに美しく華やかな女優さんたちがいても、コンプレックスを持つこともなかったし、いい役についた人を羨むこともありませんでした。あれだけ苦しんだ喘息も、52歳の年にピタッと治ってしまいました。でもそのかわり、体のあちこち具合が悪くなって、生きるか死ぬかの大病を経験しました。何時間にも及ぶ手術とその後の闘病生活、でも不思議ね。そんなときでさえ私は落ち込まなかった。一つには、半世紀もの間、喘息の苦しさに耐えてきたということもあります。すっかり我慢強い人間になっていたのです。その時、思ったんです。どんなにつらい体験も、その後の困難を乗り越える力になるんだって。病気の経験ですら役に立つのだから、つくづく人生には無駄がありません。また、役者って変なもので、苦しみや悲しみですら「あっ、この感情、何かで使えるかも」なんて役作りの糧にしてしまうようなところがあるんです。(50代から人生を楽しむ人、後悔する人 PHP)吉行和子さんの演技は飄々として他の人をほっとさせるところがあります。それは筆舌に尽くしがたい体験のなかから醸し出されているものかもしれません。過酷な病気との付き合いの中から人生の極意を掴まれているのではないか。普通の人は喘息で苦しいとき、どうして私だけがこんな目に合わなければいけないのと思いますよ。そして人生に絶望して、投げやりになってしまいますよ。吉行さんは、過酷な状況にもかかわらず、何とか折り合いをつけて生きてこられました。そして喘息がおさまったとき、自分がやってみたいこと、自分ができること、人様の役に立つことを見つけて前向きに生きてこられました。この話は肺結核で苦しみながらも、苦しみがおさまったとき、懸命に創作活動を続けた正岡子規を思い出します。これは森田理論でいうと、上から下目線で事実を否定することをやめて、事実を受け入れて、事実に寄り添って共に手を携えて生きていくということです。森田理論を学習している人は、観念優先で事実を否定する生き方の弊害は多くの人が理解しています。ところが事実本位の生き方をものにすることは大変難しいのが実態です。吉行和子さんは、ご自分の体験を通してその道筋を教えてくれています。
2024.07.31
コメント(0)
医師の井出雅弘氏のお話です。患者さんのなかには、カウンセリングを受けたあと、「何もアドバイスしてもらえなかった」と不満や物足りなさを覚える人もいます。そうした印象を持つ人の多くは、カウンセリングを身の上相談と同じようなものととらえているようです。しかし、心療内科で行われるカウンセリングは、回答を出してくれる身の上相談とは基本的に異なるものです。カウンセリングの目的は、患者さん自身がそれまで抱えていた心理的な問題や自分の性格的な歪みに気づくことによって、同じ過ちを繰り返さない自分になることです。カウンセラーは患者さんが今までの考え方や行動の誤りに気付いてもらうためのお手伝いをしようとしているのです。行動や考え方の修正のアドバイスをするのが目的ではありません。主体はあくまでも患者さんです。カウンセラーに神経症を治してもらう。生きずらさを軽減してもらいたいと思っていても目的を達成することはできません。人間性の誤った認識について知りたい、正したいと考えている人にとっては役に立ちます。(自律神経失調症 井出雅弘 PHP文庫 140ページ)自分の抱えた問題の解決のためのヒントを自ら掴むというのは森田理論学習の基本だと思います。森田理論学習が受け身になると、気づきを得ることは困難です。森田理論に詳しい人の講話を聴く。自ら生活の発見誌や森田関連の本を読んで森田理論の学習を行う。集談会やオンライン学習に参加して学習を続ける。それが一方通行になると、猫に小判、豚に真珠のようなことになる。気づきを得るためには、森田理論と自分の考え方や行動パターンを突き合わせてみることが必要になります。双方の違いを発見することです。違いが見つかると、それが認識の誤りという気づきにつながります。森田理論は森田先生を始め、先人の知恵が詰まっているのです。そして集談会には学習仲間がいます。いわばその人たちがカウンセラーの役割を果してくれています。私たちは自分たちが主体となって、森田理論から気づきを得る。自覚を深めるようにすればよいということになります。私たちは森田理論に出会う前は、神経症の成り立ちが分からなかった。神経質性格はどういう特徴を持っているのか分からなかった。感情に法則があることは全く分からなかった。不安の役割や特徴、不安と欲望の関係については何もわからなかった。行動の原則については考えたこともなかった。観念中心で事実を軽視する生き方が葛藤や苦悩を招いていることが分からなかった。人間関係についての考え方が甘かった。子育ての基本が分かっていなかった。仕事をするという意味について考えたこともなかった。森田人間学が取り扱っている分野はとても広いものがあります。その一つ一つについて気づきや発見を得ていくことは楽しいものです。
2024.07.30
コメント(0)
①観念優先で「かくあるべし」の強い人は、理想の立場に身を置いて、事実を上から下目線で眺めて非難・否定を繰り返しています。この傾向の強い人は。森田でいう「思想の矛盾」で苦しむようになります。②事実優先で、課題や目標や理想を下から上目線で眺めている人は、打開策を求めて努力精進している人です。考えるだけではなく、手足がよく動いています。過度に不安や恐怖に振り回されることがありません。①と②のどちらの態度をとるかによって、その後の展開が大きく違ってきます。今日はその違いを比較してみました。過去のミスや失敗・・・①後悔と懺悔の気持ちでいっぱいになっている。②過去の失敗を貴重な経験として今に活かすことができている。現在の課題・・・①予期不安が湧き上がり行動できなくなる。②「今、ここに」集中することができる。取り越し苦労・・・①悲観的で、明るい展望が持てない。②窮地を打開してよりよくなる道があるはずだと考えている。問題の捉え方・・・①悲観的、自己中心的である。②楽観的、客観的である。鱈から鯛へ・・・①何々だっ「たら」が口癖になっている。②何々をやり「たい」が口癖になっている。自分の欠点・弱点・・・①目の敵にしている。隠している。隠しきれないときは取り繕っている。②欠点や弱点は、長所や強みの裏返しととらえている。隠す必要はないと考えてそのまま公開している。相談相手・・・①問題点を自分一人で解決しようとしている。②自分一人で解決できないときは、適切な人に相談している。考えかた・・・①一つの考え方に固執している。②両面観で見ている。選択肢をいくつか持っている。目の前の課題・・・①自分には無理だと考えている。②ダメもとでもチャレンジしてみたいと考えている。解決すべき課題・・・①できないことに安心している。②できる方法を様々な方面から検討している。目標への挑戦・・・①達成できない理由を探している。②達成できる方法があるはずだと考えている。気持の持ち方・・・①笑っている場合ではないと深刻に考えている。益々悲観的になって落ち込む。②笑うしかないと楽観的に考えている。今が波の底にいて、これから波は反転すると考えている。
2024.07.29
コメント(0)
樺沢紫苑氏のお話です。自己啓発書を読むと、「成功者は感謝の気持ちを忘れない」「感謝の心を持つことこそ、最高の成功法則」といったことが書かれています。「楽に生きている人は感謝が多い。イヤなことにも感謝する。もちろん、よかったことにも感謝する」これは斎藤一人さんの言葉ですが、感謝の大切さを端的に表現しています。私も感謝の大切さを実感して、常に感謝の心を忘れないように実践しているところです。なぜ「感謝の心」を持てる人が成功するのか?その理由は、人に感謝するとエンドルフィンが分泌されるからです。人に感謝するときも、人から感謝されるときも、人間は幸福感を抱くのです。NIH(アメリカ国立衛生研究所)の研究グループは、ボランティア活動をしている人の脳は「報酬」を受けたときの脳と同じ活性パターンを示すことを明らかにしました。確かにボランティア活動する人は、ボランティア活動をしない人に比べ、モチベーションが高く、活動的で、達成感や幸福感を強く感じています。さらに心臓疾患の罹患率が低く、平均寿命が長いのです。その理由は、ボランティア活動によってエンドルフィンが分泌されるためであるという研究があります。感謝されるというのは、人からほめられるのと同様に、精神的な報酬のドーパミンも一緒に分泌されます。人に感謝する。人から感謝される。あるいは、人の役に立つ。人に貢献する。そういう瞬間に「報酬系」の扁桃体が刺激され、ドーパミンやエンドルフィンを分泌させるように働くのです。(脳内物質仕事術 樺沢紫苑 マガジンハウス 315ページ)感謝する習慣は、観念中心の生活から事実中心の生活に転換する方法の一つとなります。そのためには、日記を書く時に感謝の言葉を最低一つは書ようにする。仏壇のある人はご祖先の顔を思い浮かべて感謝の言葉を口にする。「ありがとうございます」「助かります」「おかげさまです」という言葉を意識して使う。人の為に何かをするとき、その人を感動させたいという目的を明確にして取り組む。すると相手から感謝されて、自分も幸せな気持ちになれます。
2024.07.28
コメント(0)
ミスや失敗をすると今までの努力は水の泡となります。他人からの評価を落とします。金銭な損失を被ることもあります。そのため多くの人はミスや失敗を恐れて嫌がるようになります。しかしミスや失敗を回避する事ばかり考えていると進歩や成長はありません。挑戦することが怖くなり、回避的、消極的な生き方しかできなくなります。そういう方は発想の転換をはかることが必要になります。今まではミスや失敗を回避することばかりを考えていたと思います。これからは敢えて積極的にミスや失敗の体験をするように心がける。今までの取り組みとは真逆なことをするのです。その際、ミスや失敗の予定回数を設定して、その目標値をクリアするように心がける。今までミスや失敗を避けていた方はびっくりされると思います。これは逆転の発想です。森田先生も不眠の人に逆転の発想を応用して、今夜は一睡もしないでその詳細を明日報告させるようにしました。患者は意外にもその夜はぐっすり寝てしまったというエピソードがあります。集談会では大人になる前に、3000回の失敗を経験することが肝心だと教えてもらいました。ミスや失敗を避けてきた人は、精神的には子どものままで、身体だけ大人になったのかもしれません。営業職で大成するためには、まず仕事のやり方の基礎を覚える。次に実際に仕事をこなす中で、ミスや失敗を繰り返さないためのコツをつかむ。仕事にもよりますが、成功のためのコツをつかむためには、3年から10年くらいはかかるのではないでしょうか。ミスや失敗を避けているばかりでは、いつまで経ってもコツをつかむことはできません。ミスや失敗を積極的に受け入れている人との差は開くばかりになります。気が付いたときは後の祭りとなります。結婚適齢期になると、多くの人は結婚相手を探します。その時失恋を繰り返した人が、最終的には自分にあった人を選択できる確率が高くなると思います。それは失敗や挫折の経験からいろんなことを学んでいくからです。最低でも5人くらいの人から、断られることを視野に入れて、多くの人と交際してみることをお勧めいたします。そのとき「ダメでもともと、上手くいけば儲けもの」という気持ちを持っておくことです。そうすれば断られたときに大きく落ち込むことは少なくなります。そうして多くの人と付き合っていると、結婚相手を見る目が育ちます。結婚は基本的には一生ものです。それをその時の成り行きで決めてしまうと後で後悔することが多くなります。結婚後あんな人とは思わなかったというのでは、生まれてきた子供がかわいそうです。その際参考にしてもらいたいことがあります。結婚すると相手と喧嘩をすることがあります。そのときにどのように解消していくのかを相手ときちんとすり合わせをしておくことです。合意ができない場合は結婚は控えた方がよいと思います。それから今は共稼ぎでないと生活が苦しい場合が多いと思います。家計費の分担、家事の分担、子育ての分担、親戚や隣近所の付き合い方などを相手と合意しておかないと後で問題が起きます。私の知り合いは、熱烈な恋愛結婚で一緒になった人も多いです。しかし、あばたもえくぼに見える状態で結婚したため、結婚後衝突することが多く、離婚や家庭内別居に追い込まれている人が多いです。実に残念なことです。
2024.07.27
コメント(0)
樺沢紫苑氏のお話です。先日、ピアノの先生をしている私の友人から、次のように相談されました。「お母さんが厳しすぎる子供は、なかなかピアノが上達しません。そういうお母さんに、どう接したらいいのか悩んでいます」ピアノの上達を強く願う気持ちはわかるのですが、「どうして、そんな簡単なところで間違うの!」「練習が少ないから、なかなかうまくならないのよ!」と、ヒステリックに子供を叱責するお母さんが多いのだそうです。ピアノ教師を目の前にしていても、そういう態度をとっているのです。家ではもっと厳しく叱っているのかもしれません。こうなると当然、子供は萎縮してしまい、「やらされ感」の中で、いやいやピアノの練習をするようになります。いくら練習をしてもほめられることがない。だから、子供たちは無気力になる。だから、練習に熱が入らない。だから、上達せずにやめてしまう。こうした「負のスパイラル」に陥って、さらにピアノから遠ざかります。一方、上達していく子供のお母さんは、「あまり細かいことを言わない」「ほめ上手」といった特徴があるそうです。こうしたお母さんは、子供の自由意思を尊重します。子供の「ピアノが好き」という気持ちを、あと押しするような接し方をしているのです。ちょっと失敗したからといって怒りませんし、「練習しなきゃいけません」とか「○○しないといけません」といった強制もしません。またこうしたお母さんは「叱る」ことよりも「ほめる」ことを重視します。手放しで絶賛したり、過剰に持ち上げるわけではありません。子供との距離が近すぎず、それでいて遠くならないように心がけて応援し続けているのです。ノルアドレナリン型の指導、つまり「叱る」型の指導は、長期間でみると絶対にうまくいきません。それどころか、無気力な人間を作ってしまいます。それに、普段からささいなことで叱っていると、人として間違った行動を是正したいというときに、効果が出なくなってしまいます。叱ることは非常に重要ですが、毎日起きるような小さな失敗まで、叱るべきではないのです。それよりもドーパミン型の指導を主軸として、「しつけ」という部分でノルアドレナリン型指導をとり入れていく。そのバランスが重要です。(脳内物質仕事術 樺沢紫苑 マガジンハウス 105ページ)
2024.07.26
コメント(0)
1991年4月号の生活の発見誌に次のような記事がある。誰でもやればいいなと思うことは日常いくらでもある。思うだけでは能力ではない。それは思わないのと結果は同じだ。小さなことでもおろそかにしないですぐにかたづける。この能力が非常に大事なのです。森田理論に「見つめ、感じる」というのがあります。不安や心配でいっぱいの時でも、自分の周囲の状況に視線を向けていると、様々なことに気づきます。感じただけ、思っただけでは、時間の経過とともにすっかり忘れてしまいます。忘れてしまっては、大雑把な人と同じということになってしまいます。細かいことによく気が付くという神経質性格を活かし、自分の最大の強みとするためには、小さなことを大事にすることです。そのために心掛けることは、小さな思いつき、問題点、課題、アイデア、感じなどをメモする習慣を作ることです。100均で自分のお気に入りのボールぺンとメモ用紙を探す。昼間はボールペンとメモ用紙を必ず携帯する。上記の宝の山を細大漏らさずメモするようにする。最初のうちは意識して努力する必要があります。出来てもできなくてもとにかくストックをため込むように心がける。3ヶ月間継続視すると、感じる、思っただけでメモしないという状態は居心地が悪いと思うようになります。こうなればしめたものです。すぐにできることはできるだけ早く手をつけて線を引いて消す。今すぐにできないことは、整理して休日の懸案事項として残す。簡単なことですが、最初は心を鬼にして取り組まないと習慣化することは難しいと思います。逆にいえば、この能力を身に着けた人は前途洋々です。スマホのカレンダー機能や卓上カレンダーは、活用されている人が多いと思います。これとは別と考えたほうがよいと思います。これらは通常必要な予定しか書きません。スケジュール管理として利用している場合が多いと思います。小さな思いつき、問題点、課題、アイデア、感じなどはメモ用紙に走り書きする程度でオッケーです。これを仕事に応用して優秀な営業成績を上げている人を知っています。簡単な方法ですが、多くの人が見逃しています。神経質性格を大いに活用したい人はぜひ取り組んでみて下さい。2013年1月12日に「紙切れ法の紹介」と題した関連記事があります。森田理論の学習を始めた頃、これに取り組み、日常生活や仕事が一変したことを思い出しました。
2024.07.25
コメント(0)
1968年(昭和48年)にメキシコでオリンピックが行われた。体操の男子の個人総合優勝はソ連のミハエル・ボローニンと日本の加藤沢男の間で熾烈な戦いが繰り広げられた。最後の1種目を残した時点で、ボローニンが加藤沢男を0.35上回っていた。ボローニンの最後の種目はあん馬だった。極度の緊張のため2度ぼど取っ手に足をかけてしまった。それでも9.50の高得点であった。加藤沢男が9.9をだせば逆転優勝となるが、ミスがほとんど許されない緊迫した状況であった。大観衆が見守る中で加藤沢男は9.9を出して個人総合優勝を果たした。4年後のミュンヘン五輪では、最終種目を残して加藤沢男は3位であった。加藤沢男は最後の鉄棒で、ダイナミックな演技を披露し、フィニッシュは、「後方抱え込み2回宙返り」をピタリと決めて、2大会連続の個人総合優勝を決めている。超人ワザである。加藤沢男は「20世紀を代表する25選手」のなかに日本人としては唯一選ばれている。2001年には、国際体操殿堂入りし、シドニー五輪の際には、選手村の一角に加藤沢男の栄誉を称えた「サワオ・カトウ通り」が作られた。絵にかいたような逆転優勝だが、加藤沢男には勝負を決める土壇場での緊張感はなかったのだろうか。これに対して、「僕はプレッシャーに弱くて得点を意識すると満足な演技ができないタイプだった。緊張のあまり、これから演技を行おうとするあん馬が、ぎゅと小さく縮まって飛びつけないような錯覚に襲われたことさえあります」つまりここ一番の勝負に向かうとき、人一倍大きなプレッシャーを感じていたのである。それを乗り越えて練習以上のパフォーマンスをあげることができたのはなぜか。加藤沢男氏曰く。それを克服してくれるのは練習だけですね。さらに言えば「失敗の練習」を積み重ねているということです。これは聞いたことがない言葉です。「私は、練習とは、失敗を自分の(感覚の)範囲に入れてしまうことだと思っているんですよ。練習する時、ふつう「いいことばっかり」考えてやりますよね。要するに、成功することばかりを考えて練習しているわけです。でも、人間なのだから、失敗は必ずあるのです。私は、逆に、失敗をする練習を繰り返しました」「失敗とは選手にとって一番大切なものです。ただし、失敗をしっ放しにしておくのではなくて、その感覚を自分のものにする。あらゆる角度で失敗をして、その感覚を自分のものにしておくことが大切です。それが選手にとっての財産だと私は思っています」奥の深い言葉です。普通の選手は成功するために練習をします。ところがいかんせん、数多くのミスや失敗が待ち構えています。加藤氏は成功することよりも、ミスや失敗を積み重ねることから学ぶことが多いと言われています。数多くのミスや失敗の体験が貴重なのです。障害物が何もないことは大変喜ばしいことのように思えます。これは認識の誤りです。数多くの失敗の経験を持っていることが、ここ一番の勝負の時に大きな支えとなって効いてくる。ミスや失敗をできるだけ多く経験して、その原因を分析して反面教師として活かしている人は、プレッシャーに押しつぶされそうになったときに底力が出てくる。我々はミスや失敗を避けて、成功する事だけを求めてしまう傾向があるが、それはそもそも出発点が間違っているのである。(あの一瞬 門田隆将 新潮社 参照)
2024.07.24
コメント(0)
森田先生は悲しいという感情は、表に出した方がよいと言われています。人目もはばからず大泣きしてもよい。森田先生は息子の正一郎君が亡くなり出棺の時は大泣きをされました。お母さんが亡くなられた時もそうでした。悲しいときはその気持ちを抑圧しない方がよいということを理解しておられたのだと思います。私が以前会社で中間管理職をしていたときのことです。仕事で対人関係のトラブルを抱えていたある女子社員は、相談事を聞いているといつも涙を流して窮状を訴えておりました。泣いてストレスを発散すると、後は何ごともなかったようにケロッとして仕事をしていました。涙には不安やストレスのもとになっているマンガンを体外に出すという役割があります。それが不安やストレスの対策に一役買っていたということだと思います。一週間に一度感動の映画やテレビドラマを見て涙を流す習慣を作ると精神衛生上とても良いことだと思います。反対に怒りの感情を安易に吐き出すのは考えものです。できるだけ耐える、我慢した方が身のためです。怒りの感情は一山登って頂点に達するのは、6秒から10秒だと言われています。その後は下降する運命にあります。6秒から10秒間我慢できれば、怒りの感情は鎮静化の方向に向かようになっているのです。怒りの感情が沸き起こったとき、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10と数を数えるのは如何でしょうか。そのあと私がよく使う手は、「ちっとトイレにいってきます」といって相手から離れるようにする。森田理論の不即不離の応用です。これだけである程度は険悪な雰囲気になることを回避できます。一旦険悪な人間関係に陥ってしまうと、相手は周囲の人に、自分のあることないことを口外するようになります。その人だけでなく多くの人を敵に回すようになることを忘れてはなりません。
2024.07.23
コメント(0)
生きている限り不慮の事故や災害に巻き込まれてしまうことがあります。その時、忘備録を用意していると安心できます。慌てることがなくなります。最悪の事態に至っても、家族が事後処理をスムーズに行うことができます。神経質性格の方は細かいことを気になりますが、こういうところで活かしたいものです。どんなことを記録として整理しておけばよいのかを考えてみました。財産の記録預貯金、投資信託、株券等・・・預入金融機関、証券会社、口座番号、預入額、通帳、カードの暗証番号不動産・・・家、田舎の田畑、山などの場所、名義人、評価額、墓の管理その他の資産・・・年金関係、貴重品、自動車、バイクなど保険関係・・・生命保険、傷害保険、医療保険、火災保険、地震保険税金・・・所得税、住民税、固定資産税、自動車税、医療保険、介護保険借入金、ローン・・・借入先、残高、毎月の返済額、返済日、会費の支払先リストクレジットカード・・・カード会社、カード番号、毎月の引き落とし日ペットや観葉植物の詳細・・・かかりつけの動物病院、運動やエサについて所属団体の記録会社名、連絡先、電話番号所属団体名、連絡先、電話番号、会費、支払日、会員証の保管場所緊急時の連絡先配偶者、子どもの名前と連絡先親兄弟、主な親戚の住所、名前、電話番号その他主要な連絡先かかりつけ医の病院の電話番号万が一のとき役立つこと自分の持病と対処方法。介護が必要になったときの希望。認知症になったときの希望。成年後見制度についての考え。遺言書の作成しておく。終末期医療、尊厳死についての自分の考え方。死後の取り扱い・・・連絡してほしい人や所属団体のリスト作り、葬儀の希望、菩提寺の連絡先、慶弔関係の申し送り。家族にぜひとも伝えておきたいこと、引き継いでもらいたいもの。墓の管理についての希望。自分の経歴・・・生年月日、小中学校、高校、大学、勤めた会社など。挑戦したこと。楽しかったこと。苦労したこと。お世話になった人のこと。迷惑をかけたと思うこと。これ以外も整理しておくべきことがあるかもしれません。本屋に行くと整理すべきことをまとめたエンディングノートが販売されています。まだの人は財産の記録から取り組むのは如何でしょうか。私の知り合いの方は、故人がいろんなところに分散投資していて、相続財産の全体像がつかめないで苦労されていました。また会費未納の連絡が次々に送られてきて閉口されていました。自分だけが知っていれば十分だという考えはあとで家族が苦労します。周到に整理しておくと、いざとなったときに自分だけではなく、周りの人も含めて大変役に立つものと考えます。
2024.07.22
コメント(0)
生活の発見誌6月号に仕事一筋で頑張ってこられた人の話がありました。この方は朝6時くらいに仕事場に向かい、夜9時、10時まで仕事をされていたそうです。真面目でとても責任感の強い人だと思いました。この方は朝5時に起きるのが辛くで「今日はもっと寝ていたい」「さぼりたい」と思うことがあったそうです。そういうネガティブな気持ちを持ってしまう自分を、なまけ心がでたといって責めていたそうです。もっと意志を強く持たなければと、自分を叱咤激励してきたそうです。そしてうつになったようです。この方は湧き上がってきた感情に対して、よい感情か悪い感情かの価値判定をしていたと言われています。「頑張ろう」という感情はよい感情で、「サボろう」という感情は悪い感情である。集談会などに参加して熱心に森田理論を学習されました。そこで、「サボりたい」「今日は話しかけたくない」「緊張して嫌だ」というようなネガティブな感情をきちんとあるがままに感じるように変えてきたと言われています。どんなネガティブな感情が湧き上がってきてもそれは自然現象です。台風、地震、津波、火山の噴火、雷、豪雨などと同じ自然現象です。これらの自然現象に対しては基本的にはコントロールできません。できる限りの対策を立てた後は受け入れるしかありません。あるがままに受け入れて、今できることに手をつけて生きていく以外ありません。ここで注意したいことは、是非善悪の価値判断をやめることです。そもそも価値判断をする自分のモノサシは絶対的なものではありません。また人によって価値判断するモノサシはかなり違います。さらに時間の経過とともにコロコロと変わっていくものです。できれば湧きあがってきた感情に対して、一歩距離を取って客観的に眺めてみる。「今あなたはサボりたいと思っていますね」「もっと寝ていたと思っていますね」評価することをやめて、第三者的立場から客観的にながめることができるようになると、マイナス感情と敵対することはなくなります。次に感情と行動、気分と行動は別物と考えることです。仕事にそんなに支障がなければ、サボっても寝ていても構わないと思います。休養や気分転換になり、プラスの行動となります。しかし気分本位な行動をとって後々後悔することが予想されるときは、足をひきずりながらでも行動しなければなりません。行動は必要なときに、必要に応じて、必要な範囲でできればよいと思います。そうすれば暇を持て余すことがなくなり、行動してよかったということになります。
2024.07.21
コメント(0)
子どもを持った親は子どもが自立して生きていけるようになるまできちんとサポートしていく必要があります。身体を成長させる。愛着の形成、好奇心、興味や関心を育てる。自分の強みや特徴を知る。困難を乗り越える自立心、自制心、忍耐力、我慢力を育てる。良好な人間関係の築き方、社会の仕組みやしきたりやルールを教える。ファイナンスの知識を教える。手を出してはいけないことと手を出さなければいけないこと、危険なことを教えることなどがあります。子どもは何も知らないわけですから、親が先頭に立って教えていく必要があります。時にはきちんと叱るということも必要になります。これは「かくあるべし」押しつけることとは違います。子ども自身が大ケガをすることが予想されるとき、人様に多大な迷惑をかけることなどは、親は心を鬼にして子どもを真剣に叱らなければいけません。子どもの時に、しっかりと叱らないと、善悪の判断力が身につかなくなります。それが大人になって命取りになることもあります。不祥事を起こして社会から排除されるようなことも起きます。叱るというのは、「わが子が将来生きていくのに必要な価値観を真剣に伝えること」です。逆に、𠮟ることはいやだから、子どもに嫌われたくないからといった理由で、わが子の正すべき行為を見逃すのは、愛情不足と言わざるを得ません。3歳を過ぎた子どもは言葉が分かるようになります。ごまかす、言い訳を言う、話をそらす、笑いをとるなどの様々な対応方法を持ち合わせるようになります。そこで、より必要になるのが、「親の真剣さ」です。目を直視してしっかりと叱る必要があります。注意点は「ここぞ!」という瞬間にスイッチを入れることです。いつまでもダラダラ叱らないということも大切です。短く、真剣に叱った後は、「わかりましたか?」、返事は「はい」もしくは「ごめんなさい」、ここで切り替え、すっぱり日常生活に戻ることが大切です。(モンテッソーリ教育で自信とやる気を伸ばす 藤崎達宏 三笠書房 183ページ)神経症に陥ると神経症と格闘することばかりで、子どものしつけや教育が放置されてしまうことがあります。これは子供の将来にとって大きな問題です。集談会で話し合いや子育ての学習をすることが必須と考えますが如何でしょうか。そのときに森田の考え方が大いに役に立つと考えます。
2024.07.20
コメント(0)
「強情」な人は、森田先生が指導したとき、すぐにそれに取り組んでみようというのではなく、家に帰って考えてみると言う。つまり森田先生の指導を疑ってかかっているのです。シンクロナイズド・スイミング監督の井村雅代さんも同じことを指摘されている。私、高校生にこう言うんです。(手で三角形を作りながら)今、三角でしょ。「これ、私がマルって言ったら、「マル」って覚えなさい」って。「三角ですって主張するんじゃないの。他人の言った言葉にはまれって言うんです」「一度、人の言葉に100%騙されてその気持ちになりなさい」「これを私がマルだって教えたら「これがマルだ」と覚えなさい。「これがペケや」って教えたら、「マルやのに」って思わないで「これはペケだ」って覚えなさい」って。「そんな時がなかったら、あかんねん。自分のことばかり言うんじゃないの」シンクロナイズド・スイミングでは、選手が水上にあげた足の角度が自分の思っている角度と違っていることがよくあります。選手が30度だと思っていても、実際には15度だったということはよくあります。それは第三者から指摘してもらわないと自覚することはできません。実績のある先生や指導者に対しては、まずは我を捨てて全面的に寄り添ってみる態度が必要だということだと思います。自分の技術も能力も未熟なときに、先生や指導者のやり方を否定するようなことを言うのは問題です。武道の「守・離・破」でいえば、「守」の段階の時は、反発心が湧き上がっても、素直に先生や指導者に従う必要があります。まずは型を覚えることです。先生の型を完全コピーした後で、自分の考えやアイデアを取り入れるようにする。「守」を離れて、「離」「破」に進む基礎固めができるのです。この順序が逆になると「型なし」になります。発展性はありません。強情な人は、人間関係において、相手の気持ちや考えを真剣に聞くという態度が希薄になります。そんなことはお構いなしで真っ先に自分の気持ちや意見を述べてしまう。相手と話がかみ合わなくなります。時には口喧嘩に発展する。これは相手に「かくあるべし」を押し付けていることになります。相手を自由自在にコントロールすることにつながります。森田では傾聴、共感、受容、許容の態度を大事にしています。
2024.07.19
コメント(0)
田舎の住職さんが、107歳で亡くなられた篠田桃紅さんという女性芸術家の言葉を紹介してくださいました。雑談や衝動買いなど、無駄なことを無駄だと思わないほうがいいと思っています。無駄にこそ、次に何かが兆しています。無駄はとても大事です。無駄が多くなければ、だめです。お金にしても、要るものだけを買っているのでは、お金は生きてきません。安いから買っておこうというのとも違います。無駄遣いというのは、なんでこんなものを買ってしまったのだろうと、ふと、あとで思ってしまうことです。私は3万円だと思って買ったバックが30万円だったことがありました。ゼロを一つ見落としていたのです。レジで値段を告げられて驚きましたが、いい買い物をしたと思っています。何十年来とそのバックを使っています。時間でもお金でも、用だけをきっちり済ませる人生は、1+1は2の人生です。無駄のある人生は、1+1の人生を10にも20にもすることができます。人は、寄り道をしたり、道草をくったり、どん底を味わったり、失敗や嫌な目に遭うという人生の無駄を経験するからこそ、人としての味や深みが出るのです。この話はとても参考になりました。振り返ってみると、私は効率重視の人生を歩んできました。無駄や無理、ミスや失敗は避ける事ばかり考えていました。イヤな思いをすることが予想されるといつも逃げていました。お金やエネルギーを使うとき、コストパフォーマンスが悪いと判断したときは、手を出さないようにしていました。無駄なこと、しんどいこと、面倒なこと、やる気が起きないことには手を出さないようにしていました。逃げたときは一瞬うまく切り抜けたのでよかったと思いました。しかしそれは大人になって大きな問題を抱えることになりました。子供の頃の雑多な社会体験不足は、大人になって困難に出会った時に右往左往するばかりで、適切な対応ができなくなってしまったのです。また、ちょっとした小さい問題が、自分の人生を大きく左右するような大問題に発展してしまうのです。最後には手に負えなくなり、投げやりになってしまうのです。集談会で人間は3000回の失敗を重ねて、大人になっていくのだと聞いたことがあります。私の場合は1回の失敗も絶対に許せないと思っていたので、精神的には子供のままの状態で大人になってしまったのです。今思うと子供の頃に多くの失敗の体験を持った方がよかったのだと思います。無駄、ミス、失敗はそのときは注射針を刺されるような痛みがありますが、後で有効に効いてくるということだと思います。無駄や無理、ミスや失敗の経験は誰でも持っています。それを否定しないで自分がまともな大人に成長するための貴重な宝物だととらえるようにしたいものです。私は30代から集談会に参加して世話役を引き受けました。そこでの数々の失敗の経験が仕事や人間関係に多少は役に立ったかなと思っています。
2024.07.18
コメント(0)
気分に振り回されて、やらなければならないことを放り投げてしまうことがあります。イヤだ、面倒だ、わずらわしい、気が重い、しんどい、無駄だ、効率が悪い、リスクが大きい、見返りが少ない、どうせ失敗するに決まっているなどという気持ちになったときすぐに逃げ出してしまう。逃げ出したときはほっとするが、暇を持て余し、自己嫌悪するようになります。この傾向のある人のことを森田では気分本位の人であるといいます。気分が行動することをどんなに拒否していても、必要なときに必要なことを必要なだけすることが良識のある人間のすることです。気分本位の気持ちに流されないで、行動する方法を考えてみました。一つは規則正しい生活を確立するということです。これは3ヶ月くらいで習慣化します。毎日同じ時間に起床し、ルーティンワークに従って同じ時間に同じことをする生活習慣を作り上げることです。頭で考える前に自然に身体が動くようになります。私は6時20分に起きて、8時までにブログの整理や投稿原稿を作るようにしています。これを始めて12年目です。するとこの生活習慣を崩すことは居心地が悪いと思うようになりました。たまにはさぼってずっと寝ていたいと気分本位に流されることはなくなりました。これは取り組む気になれば誰でも実現可能なことです。でも単調な生活は味気ないし、かえってストレスになるという人がいます。自分は独創的で、もっと意味のあることを手掛けたいと考えているのです。それはルーティンワークに取り組むときに、森田でいう「ものそのものになる」ということを意識すると解消します。「ものそのものになる」と気づきや発見、興味や関心、問題点、課題、改善点、改良点が次々に見つかります。それをメモして行動つなげれば、生きがいが生まれます。小さな成功体験が自己肯定感を育ててくれます。次に営業などの仕事でサボり癖がついている人は、単独行動をやめることです。自分は人が見ていないところでは、「楽をしたい、さぼりたい」人間であると、白旗を上げることです。例えば、単独の営業活動をやめて、同行営業の仕組みを作り上げると気分本位の行動は避けることができます。あるいはGPSで行動を監視してもらえれば、抑止力が働き気分本位の行動がなくなります。その他、気分本位の行動を抑制するために役に立つ関連記事をご紹介しておきます。2023年5月22日 富士山の強力の話2018年12月30日 ランナーズハイの話2021年3月31日 大数の法則の話2016年12月18日 マトリックスを使った行動分析の話これらの方法を組み合わせて、気分に流されてしまう行動を抑制したいものです。
2024.07.17
コメント(0)
対人恐怖症の人は他人が怖いという気持ちを持っています。そんなことはないでしょうといっても実際そうなのです。レバーが嫌いな人に栄養豊富だからレバニラ炒めを食べなさいと言われても食べることができない。豚足ほどうまいものはないと言われても、食べられないものは食れないのです。それと同じようなものです。そういう人は、基本的にはサンガクハタネズミのように単独行動のほうが性に合っているように思います。プレイリーハタネズミのように絶えず仲間とワイワイガヤガヤ楽しく付き合うことは、たまにはよいのですが、基本的には居心地が悪いのです。対人恐怖の人は個人でも楽しく過ごすノウハウをいろいろと蓄積していると思います。孤独でつまらない人生が待っていると決めつけてしまうのは違うと思います。心静かに自分を見つめて味わい深い人生を楽しむことができます。但し人間関係をすべて遮断して仙人のような生き方はできません。人間は社会的な生き物ですから、社会から完全に孤立してはいけませんし実際は不可能です。必要最低限の人間関係は維持する必要があります。人間関係には避けた方がよいものと避けてはいけないものがあります。それを整理して実行するように心がけることをお勧めします。人間関係には20対60対20の法則があると言われています。馬の合う人、馬の合わない人がそれぞれ20%、どちらでもない人が60%という法則です。馬の合う人は大切に取り扱う人があります。自分のことが嫌いという人はどうすることもできない。そういう人との人間関係を修復するのはあきらめた方がよいと思います。森田理論の不即不離の考え方に立つと、そういう人とは距離を置くしかない。問題はどちらでもない60%の人とどう付き合うかです。60%の人を敢えて敵に回してはいけないと思います。人間関係にはやってはいけないこととやらなければならないことがあります。これを学習して確実に実行していくと無難な付き合いが可能となります。一例をあげると、笑顔で挨拶をする。約束したことは確実に実行する。等々。詳しくは2022年9月13日の投稿記事をご参照ください。私は対人関係について、5対60対35と読み替えてえています。馬が合わない人が35%いても楽しく生きていけます。但し60%の人を敢えて敵に回すと実に95%の人と敵対することになります。生きづらくなります。とるべき戦略ではありません。注意すべきはどちらでもない60%の人とどういう人間関係を作り上げていくかにかかっています。当たり障りのない淡々とした人間関係を作り上げることです。森田理論の不即不離に加えて、人間関係でやってはいけないこととやらなければならないことの学習が必須となります。そして確実に実行していくことです。目的は人生を大いに楽しむことです。感謝の気持ちで幕を閉じたいものです。
2024.07.16
コメント(0)
鎌田實医師のお話です。24歳の女性が目の病気にかかった。ぶどう膜炎だそうだ。ぶどう膜とは、眼球の内部をおおっている脈絡膜と毛様体、虹彩の総称。目のほかの部分よりも血管がたくさんあるため、炎症を起こしやすい。炎症の場所や程度によっては網膜剥離、白内障、緑内障につながり失明することもあるという。この方の場合はその中でも原田病という病気だ。体内に侵入した細菌やウィルスをやっつける免疫システムに異常が生じ、自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。白血球がぶどう膜を破壊していく病気である。この方は徐々に視力が無くなり35歳で全盲になった。この方がこんなことを言われている。全盲になったら案外しんどくないんですよ。それまでがえらかった。子どもは小さいし、自分の障害を認められなくて、相変わらず隠そうとしているし、杖をつくのもめちゃめちゃ恥ずかしかった。だから、知り合いに会うのがイヤですね。必ず言われるんですよ。「若いのにかわいそうにねえ」って。同情されるのが嫌いやったから、あの言葉が一番きつかった。母親や知り合いに連れられて、神様参りをやったのもその時分でした。眼病に効く、霊水で有名な京都の柳谷観音に行った。ひょっとしたら狐か狸でもついてるのとちゃうかと、テレビで見た霊能師のところへ月に2回ずつ半年通った。目が治ると言われたらどこへでも行った時期が3年から4年はあった。全盲になってそんな状態を抜け出すことができた。覚悟を決めることができたからだ。私はこの体で生きていくしかないのだ。だったらウジウジせずに、前向きに明るく生きて一度きりの人生を思い切り楽しんでやろうと気持ちを切り替えた。今では盲導犬を連れて外出し、音声パソコンを使いこなしているという。(なげださない 鎌田實 集英社参照)この話は神経症で苦しんでいる人に勇気を与える話である。この人のように覚悟して症状を治すことをやめる。玉野井幹雄氏は神経症でお先真っ暗になっても誰でも「ゆきづまったまま生きていく」という道が残されていると言われている。神経症は確かに苦しいけれども、治すことをやめて、神経症を持ったまま生きていくのだという覚悟を固める。そして自分の持って生まれた神経質性格を活かして、自分のできることに目を向けて生きていく。森田先生曰く。症状が治るか治らないかの境目は、苦痛をなくしよう、逃れようとしている間は10年でも、20年でも決して治らぬが、苦痛はこれをどうする事もできぬ。仕方ないと知り分け、往生した時はその日から治るのである。すなわち「逃げようとする」か、「踏みとどまる」かが、治ると治らないとの境である。(森田正馬全集第5巻 389ページ)
2024.07.15
コメント(0)
1989年(平成元年)に雑誌「DIME」(小学館)が、NEC、キヤノン、東芝、富士通、松下電器(現パナソニック)などの企業に「ワープロは、いずれなくなるのですか?」という質問をして、その回答をそのまま掲載している。その回答内容が面白い。ある企業担当者曰く。「5年前、パソコンの普及率は100万台、今は120万台と伸びは緩やかです。一方、ワープロは30万台が280万台にまで伸びています。この数字だけを見ただけでも、パソコン社会よりもワープロ社会到来の方が早いと考える材料になります」別の企業は「ワープロがパソコンに取り込まれることはないでしょう」「将来的にはワープロ10に対してパソコン1ぐらいの割合になるでしょう」などと回答している。あれから35年。ワープロはほぼ駆逐されてパソコン全盛期を迎えています。その当時誰もワープロがパソコンに駆逐されるとは思ってもみなかったということです。予想は完全に外れました。今では誰でもわかるようなことを当時時代の最先端にいた人たちがどうして予測できなかったのでしょうか。ワープロは文章作成専用機としてこの先も残っていく。ワープロとパソコンと共栄共存の時代がやってくるなどと頓珍漢な見通しを持っていたのです。このように時代の変化を見誤り、そこに固執してしまうとその後大変なことになります。もし仮にワープロにしがみついて会社経営を行っていたとすれば、その会社の将来はありません。過去や現在の状況に満足して変化への対応を怠ると命取りになるということが分かります。現在の状況に満足して現状維持で生活している人は、自分が成長できないだけではなく、時代から取り残されてしまうことになります。森田理論では、変化対応力を鍛えることが目標の一つとなります。目の前の変化に注意や意識を集中し、変化の兆しが見えたら素早く変化に対応する方向を目指しています。今の時代の大きな変化はAI(人工知能)の進化だと思う。これは変化に注目している人は誰でも口にするようになりました。You Tube動画でもいくらでも紹介されています。AIの進化は今後10年くらいで想像を絶するほど変化することが予想されています。人間は一度覚えたことをすぐに忘れてしまいます。忘れては困ることは何度でも繰り返して記憶を定着させようとします。これからはそんなことをする必要がなくなります。AIは人類が蓄えてきた膨大なデータを自ら収集して項目別に分類・整理している。AIは必要なときに必要なデータを応用活用することができる。膨大なデータをどう組み合わせて応用・活用すればよいのかを瞬時に分析することができる。囲碁や将棋の世界では、プロの棋士がAIに勝つことが難しい時代がやってきたのです。そのデータを使って問題解決のための最適な対応策を示してくれる。またAI自身が問題解決のために自ら動いてくれる。AIが人間の苦手とすることをほぼ肩代わりしてくれるのである。面倒なこと、煩わしいこと、細かいこと、単純な事務作業、機械作業、危険作業、物流・移動、データ解析、分析作業、文章作成、翻訳、通訳、報告作業、新規事業、意思決定などあらゆる場面でAIが活用されるような時代がやってくる。AIは人類にとって危険な面もあるが、もうすでに動き出しているので後戻りはできない。私たちはその変化を常にウォッチして、変化対応を心がけていくしか手がない。最近Google gemini、マイクロソフトのCopilotの話をよく聞くようになった。対話型AIというものである。私も実際に活用させてもらっている。とても重宝している。しかも基本的に無料です。知りたいことや疑問点、解決したいことはリアルタイムで回答してくれる。変化は始まったばかりだが、急激に右肩カーブを描いて進化することは疑いようがない。今のような変化の激しい時代では、変われない人、変えられない人、変わることを恐れる人は、リスクの多い世界で生きることになります。時代に取り残されないように、AIの変化から目を離さないようにしたいものです。(50歳からのゼロ・リセット 本田直之 青春出版社 参照)
2024.07.14
コメント(0)
不安や心配事を抱えたときの対応方法を考えてみました。これは自動車の運転を思い浮かべると分かりやすい。車の運転で左カーブに差し掛かると、道路の左端の白線に視線を合わせています。その白線に沿って運転しています。右にカーブしてところでは、中央車線に視線を合わせています。どの方向にカーブしているかによって、視線を合わせる場所が変わります。カーブが続く道路では、注意の集中場所は次々に切り替わります。この注意の切り替えは無意識ですが実に的確に行われています。ここで重要なことは、カーブしている道路では、誰でも注意や意識を特定の場所に集中させているということです。集中させるポイントを逆にしている人はいません。そんなことをすればよそ見をしているのと同じことです。危険運転となります。試に意識して逆にしてみましたが、まともに運転できませんでした。交差点に入って右折する時は、青信号の交差点に人がいないかどうか細心の注意を向けています。同時に対向車線からの直進車の有無も確認しています。問題がある場合は、いくら急いでいても動くことは許されません。別の心配事などを考えて心がうわの空になると注意散漫になり重大事故を起こす場合があります。高速道路で追い越しをかけるときも細心の注意を払っています。右のウィンカーで追い越し車線に走行車がいないかどうかを確認しています。注意や意識は、後続車の有無にあります。いないことを確認して車線変更して追い越しをかけます。追い越しが終わると、今度は左のウィンカーで後続車との車間距離が十分にあることを確認して走行車線に戻ります。不安や心配事を抱えている場合、車の運転から学ぶべきことがあるようです。それは不安や心配ことがある場合、一旦はきちんと注意を向けることが必要になります。例えば戸締りが気になる人は、戸締りがきちんとできているか目で確認する。動作確認を行う、呼称点検を行う。このとき、うわの空で心ここにあらず状態で確認をしていると、あとで戸締りをしたのかどうか不安が沸き起こってきます。強迫行為をしない人でも疑心暗鬼になります。今ここに注意や意識を集中させることが必要です。問題がないことが確認出来たら、注意や意識をすぐに他のものに向けることが必要になります。そうしないと天気の良い日に拡大鏡で太陽の光を一点に集めるようなことになります。太陽の光を一点に集めると燃えやすいものはすぐに炎上してしまいます。規則正しい生活や凡事徹底を心がけていると、次々に不安や心配は湧き上がってきます。普通はそちらの方の不安や心配事に関わることになります。神経症に陥った時は、気になる一点にいつまでも注意や意識を集中させています。この方向は精神交互作用により不安や心配事を化け物のように大きくしてしまいます。不安や心配ごとへの対応は、一旦きちんと意識や注意を向けて確認する。問題がないと判断した場合は別の不安や心配ごとに注意を移していくことが肝心です。
2024.07.13
コメント(0)
私は今まで生きてきた中で次の点を反省している。もうどうにもならないことであるが、残りの人生は同じ過ちはしないように心がけたいと思う。そして、私と同じような生き方をしている人は反面教師として役立ててもらいたい。1、気分本位な行動が多かった。イヤだ、しんどそう、面倒だ、どうせ駄目だろう、この障害物は乗り越えられそうもないという感情が湧き起こってきたとき、行動することを回避してきた。森田では気分がどんなに拒否しても、やるべきことから逃げてはいけないということを学んだ。最初は気が乗らなくても、なにか一つでも問題点や課題、改善点や改良点、楽しみや喜びを見つけようと意識して取り組むようにした。気分に振り回されることが徐々に減ってきた。2、感情と行動は別物というが、感情に振り回された行動が多かった。感情は池のなかを優雅に泳ぐ錦鯉をイメージしている。不快な感情にきちんと向き合うだけでよいということが分かった。是非善悪の価値判断をしないことが肝心であることが分かった。今までは不快な感情を敵対視していた。どんな感情が湧いてきても、役者のように行動するように心がけている。その時森田の感情の法則が大変役に立った。3、笑顔で挨拶をすることが少なかった。挨拶を軽視していると人間関係がぎくしゃくすることが分かった。挨拶はエンジンオイル、潤滑油のようなものだと思う。なくても機械は動くかもしれないが、消耗が激しい。痛々しくなる。4、他人が気を悪くすることを平気で口にしてきた。森田で自分の正直な気持ちを伝えるのは考えものだと学んだ。相手が気分を害するようなことを平気で口にしてはならないと学んだ。これは意識すれば、比較的すぐにできるようになった。5、自分や他人に「かくあるべし」を押し付けてきた。これは意識しても大変難しいところであった。事実を受け容れるためにはいくつかの方法があることが分かった。・あたりまえのことに感謝の気持ちを持つ。・「あなたメッセージ」から「私メッセージ」にかえる。・ないものねだりをするのではなく、今あるものを活かすことを優先する。・純な心、初一念を大事にする。・傾聴、共感、受容、許容の気持ちを持つ。・否定語はすぐに取り消して、肯定語に置き換える。・両面観の考えを取り入れる。・プラスアルファを意識して人に役立つことを実行する。人間関係は馬の合う人2割、馬の合わない人2割、どちらでもない人が6割と教えてもらった。上記のことを無視していると、どちらでもない人を敵に回してしまう可能性が出てきます。8割の人を敵に回すと生きていくのが難しくなると思う。さらに自分で自分を否定していると、味方がほとんどいなくなってしまう。
2024.07.12
コメント(0)
心配や不安への対応方法①心配や不安は注意喚起の黄色信号を発してくれています。こういう心配や不安が湧き起こらないと最悪命にかかわります。例えば戸締りやガスの元栓の締め忘れが気になる人は、盗難やガス爆発を未然に予防するために大いに役に立っています。自動車の運転をする人は、交差点で右折する場合はとても緊張します。そのおかげで慎重に運転して事故防止に役立っています。心配や不安を無視して自分勝手な運転をすると重大事故につながります。心配や不安は忌み嫌うものではなく、私たちの生活になくてはならないものだという認識を新たにする必要があります。常に私たちに寄り添ってサポートしてくれているのです。心配や不安への対応方法②不安が発生すると、まずそこに注意や意識を真剣に集中させなければなりません。他のことを考えながら、安易な気持ちで注意を向けるのは問題です。他のことを考えながら、適当に確認している場合は、迷いが生じます。この場合、強迫性障害を持たない人でも、再確認のために引き返すことがあります。心配や不安を丁寧に取り扱う必要があります。森田を学習すると心配や不安とあまり深く関わってはいけないと誤解している人がいます。ここは勘違いしやすいところだと思います。集談会で声をあげて呼称確認をするという話を聞いたことがあります。これは注意や意識を「今、ここ」に集中するために有効だと思っております。心配や不安への対応方法③心配や不安に注意や意識を集中させて安全確認を終えたならば、その不安はお役御免になります。その不安からはすぐに離れる必要があります。時間の経過とともに私たちを取り巻く環境や状況は刻々と変化しています。もたもたしていると次の不安への対応が遅れてしまいます。神経症に陥ると、自分が一番気になる不安や恐怖、不快感といつまでも関わっています。森田では神経症的な不安は欲望の反面として湧き起こってくるものと言われています。神経症的な不安自体は取り除くことはできないものです。にもかかわらずいつまでも不安を相手に格闘しているということは、ミイラ取りがミイラになるようなものです。不安には現実的な不安もあります。現実的な不安は積極的に取り除くと、問題がこじれる前に未然に予防することができます。現実的な不安はその都度取り除いていく。片づいたら直ちに次の不安に向かう。神経症的な不安はそのまま持ち抱えて、欲求や欲望の方に目を向けていく。ここでのポイントは、一つの不安に一旦集中することは必要ですが、いつまでも関わり続けてはいけないということです。お役御免になれば直ちに待ち構えている次の不安に対応していくことが肝心です。次の不安が湧き上がらないというのは、生活が停滞していることが考えられます。
2024.07.11
コメント(0)
森田先生のお言葉です。「心頭滅却」とは、苦痛に対する想像すなわち精神交互作用をまったく止めることで、すなわち苦痛に対する批判をやめて、苦痛そのものになりきることである。これによって神経質の症状は、本来観念的のものであるからもちろん全治する。さらに「火もまた涼し」と言うように、実際の苦痛でも、これを感じなくなるものである。(森田全集第5巻 93頁より引用)森田先生は、 神経症を治すためには、神経症を治す努力を止め、苦痛そのものになりきることであると言われている。神経症を治すためのはからいや逃避はダメだと言われているのである。症状、不安、恐怖、違和感、不快感などに対して、はからいをやめて「なりきる」ことができれば神経症は霧散霧消する。しかし、不安と格闘することが習慣化している人にとっては「なりきる」ことは困難です。これについて、森田理論に詳しい山中和己氏が的確に説明されている。「なりきる」というのは、なかなかできるものではありません。これは気づくかどうかの問題で、別になりきったかどうかを問題にする必要はありません。不安・恐怖があっても「やれるな」というのが一種のなりきりだと考えていただいてもよろしいです。ここで言う「火もまた涼し」と言うようななりきり方でなくてもよろしいです。なりきろうとすると思想の矛盾に陥ります。これはとても分かりやすい説明です。不安を抱えていても、「なすべきこと」に手が伸びていれば、結果として「なりきって」いるのです。「なりきる」と言うことを、目標に掲げると、「なりきる」ことによって神経症の苦痛を回避したいという気持ちが強く出てきて、症状は悪化の一途をたどります。「なりきる」ためには、毎日のルーティンワークを確立することが大事になります。規則正しい生活習慣を作り上げることです。3か月くらいで習慣化できます。考えることと行動することは同時にはできませんので、結果として「なりきる」ことが可能となります。「なりきる」ということをこのように考えて、実行することが肝心です。
2024.07.10
コメント(0)
私は老人ホームや地域のイベントで仲間と一緒にアルトサックスの演奏をします。過去の失敗がトラウマとなって、予期不安が湧いてきます。特に私がソロで演奏するときが怖くなるのです。頭が真っ白になり、手が金縛りにあったようになり、間違えることが多くなります。間違えても命までとらえることはないと思っても何の効き目もありません。ではどうしているのか、ご紹介しましょう。精神科の医師は「パフォーマンス限定社交不安障害」と診断して、デパスを処方してくれました。これを本番の3時間前に1錠飲んでおく。ノルアドリナリンの働きを抑制してくれるということです。デパスを飲んでいるから大丈夫という気になります。次にイベントで演奏する曲が決まると1週間くらい猛練習します。120%の出来に仕上げます。楽譜がなくても暗譜で演奏できるようになります。出かける前には忘備録を見ながら持っていく手荷物を準備します。15項目くらいあります。忘備録を見て準備することが不安を和らげます。本番前の楽器の手入れ、服装、仲間との打ち合わせを念入りに行います。ここでも忘備録を見て着々と準備をしていきます。安心感が生まれます。いよいよ本番が始まります。120%仕上げても、ここでネガティブになってはどうしようもありません。否定語は使わないで、肯定語を使うようにしています。そのときに「私の信条」というメモを読み上げています。脳は最後にインプットしたことを記憶するというのを信じています。形を整えることに専念しています。具体的には弱気は最大の敵練習はウソをつかないピンチの時は神様が助けてくれる胸を張って深呼吸を3回繰り返す4秒で吸いこみ、3秒間止める 7秒間で吐ききる口角を上げて笑顔を10秒間作るソロで始まる曲はいきなり演奏するのではなく、「イチニイのサン」と口にしてから演奏に入る。これは会社でどもって電話に出られなくなった時に集談会の仲間から教えてもらいました。いきなり会社の名前を名乗りにくかったら、会社名の前に「お電話ありがとうございます」を付ければどもらなくなるというアドバイスでした。今年は森田実践として、アジサイを挿し木から育てています。挿し木苗はメルカリで格安で手に入れました。鹿沼土にさしています。1か月後何本根づいているか楽しみです。
2024.07.09
コメント(0)
大勢の人の前で講演をする。自己紹介をする。自分の見解を述べる。スポーツで勝ち負けをかけて勝負をする。人前でカラオケを歌う。観客の前で楽器演奏をする。模範演技をする。あがり症の人は、過緊張して頭が真っ白になってしまいます。ミスや失敗をして人前で恥をかくことになります。過去の失敗がトラウマになると、予期不安で次からは手も足も出せなくなります。これは脳がノルアドレナリン主導の防衛系神経回路で支配されている状態です。でもすべての人がそうなるわけではありません。大勢の人が見ているときでも練習以上の成果をあげる人もいます。脳内をドパミン主導の報酬系神経回路が駆け巡っているのです。そういう人は子ども頃に小さなミスや失敗を数多く経験してきた人です。そして失敗を失敗のままに終わらせないで何とか乗り越えてきている。たとえ失敗しても、最終的には成功体験につながっている。過去の失敗の積み重ねが大人になって活きているのです。過去の失敗経験を成功のための糧として役立てている。やっとリベンジの機会がやってきた。この前の借りを返すぞ。今度は対策を立てたので絶対うまくやれる。などとまるで反対の気持ちが湧き上がってくるのです。小さい頃にミスや失敗から逃げ回ってきた人は、大人になってからすぐに悲観的になり、逃げだすことばかり考えるようになります。さらに神経質性格の人は、完全欲が強くて、ミスや失敗を許すことができない。「かくあるべし」で現実を否定することが多くなります。さらにかけがいのない自分自身を否定してしまう。このパターンにはまっていることが自分ではよく分からなくなっている。なすすべがないのでしょうか。そういう人は以上のことを自覚することが肝心です。そして対策を立てればある程度立て直すことができます。今日はその一つをご紹介します。杉山崇氏は、眼は脳の一部で、眼を意識的に動かすと、脳に刺激を与えて脳の状態を切り替えることができます。不快な感情、怒りの感情、本能的な欲望が暴走している時、眼は「遠くの一点を見つめて、ほとんどまばたきをしない」など特有な動きをします。これはネガティブな感情や欲望に心を奪われて、脳が意識を切り替えられなくなっている状態を示しています。逆に考えられれば、感情に心を奪われそうなときは、眼の動きを変えて脳に刺激を与えることで感情をクールダウンさせることができます。そこで次のようなエクササイズをすると効果があります。①顔の向きを固定したまま、眼だけを左右に動かす。②見えているものが変わるので、その変化に注目する。③眼を2~3往復させたら一息つく。たったこれだけです。たったこれだけなのですが、やる前とは気分や意識が変わっているのを実感できないでしょうか。眼は脳の一部であるため、これだけのことで脳に「気持ちを切り替えろ」という合図を出すことができるのです。ただし、このエクササイズを行うのは、ネガティブな気持ちにとらわれているときだけにしておきましょう。あまりやりすぎると、脳が疲れてしまうこともあるからです。マイナス感情、ネガティブ感情に振り回されそうになった時に、検証してみてください。(なんだかうまくいきそうに変わる本 杉山崇 永岡書店 160ページ参照)私は老人ホームの慰問や地域のイベントでアルトサックスを演奏しています。そのときに頭が真っ白にならない方法を考え出して実行しています。これは明日の投稿でご紹介します。
2024.07.08
コメント(0)
孫正義氏のお話です。アメリカにTEMPUS(テンパス)という会社があります。8年前にエリック氏によって創業され、今年ナスダックに上場した。この会社は約2000のがん治療の専門病院に最適なガンの治療方針を提示する会社です。今までのがん治療は、その病院の独自性が強く、治療はその病院の裁量に任されていました。治療は限定的でした。別の治療方法の提案や代替治療は、即座に拒絶されるようなありさまでした。必ずしも患者に寄り添った最適治療ではなかったということです。その病院の治療法が尽きて、がんが転移してしまうと、治療を終了して、ホスピスに送られていたのです。この会社は各病院の貴重な電子カルテをアダプタというものを使って共有化することに成功しました。現在アメリカのがん患者の半数(70万人)の遺伝子検査の解析結果を整理・分類している。アメリカではガンになると真っ先に遺伝子検査を行うそうです。この点では、現在の日本では後回しにされているようです。その他、各病院の独自カルテの一元管理、病理データ一の一元管理と解析、CT、MRI等の画像データの共有化を行っている。さらに膨大なデータを進化が著しいAI(人口知能)が分析している。このAIは現在すでにアメリカの医師国家試験に合格する力があるという。医師国家試験は60%の成績で合格できるそうですが、AIは現時点で80%以上の成績をたたき出している。このAIは、今後さらに進化を続けて、約12年後には現在の10億倍の知能をもつと予想されている。多くの基礎データの集積と分析は今後のがん治療を劇的に変化させることが考えられる。AIは遺伝子のコピーミスの違いによるガンの症状別分類、過去の治療法の有効性・無効性などを判定してくれる。その結果、今までの遺伝子検査だけでは27%の最適医療しか提示できなかったが、このシステムを活用することで96%の最適医療が提示できるようになるという。その中には抗がん剤治療、手術、放射線治療のほか、現在開発中の医療、その他代替医療の提示なども含まれる。このシステムを利用すると、提示された最適医療の中から患者が医師と相談して納得できる治療を受けることができるようになる。肺がん一つとっても人によってその容態は違います。抗がん剤一つとってもいろんな種類がある。遺伝子解析の情報をもとにして、AIがリアルタイムでその患者にとって最適な治療方法や治療薬を3つぐらい瞬時に提示できる。もちろん副作用のデーターも提示する。ピンポイントで的確な治療法を選択できる。孫正義氏によると、日本では今年8月からSB・TEMPUSという会社を立ち上げて、すぐにこのデータを活用できるようになるという。日本では、すでに13のガンの中核病院が参加を表明している。その病院独自の電子カルテを変更する必要がないので参加の障壁は低い。軌道に乗れば今後どんどん増えていくことが予想される。情報の共有化は、できるだけ事実に近づくために大切なことだと思う。森田理論も事実の共有化という視点を取り入れてみたいものである。
2024.07.07
コメント(0)
私はネガティブ思考をしやすい、不快な感情や嫌な気分に振り回されやすいという特徴があります。そこで、「私の信条」を作り毎日朝起きると声を出して唱和することにしました。意識づけをしてなんとかこの状況を変えたいと思っています。★問題発言はすぐに取り消して肯定語に置き換える。「ダメだ」「悪い」「最低だ」→これからよくなる。「限界だ」「無理だ」「能力がない」→ダメもとで挑戦してみよう。「耐えられない」「我慢できない」「もう打つ手がない」「救いようがない」「難しすぎる」「厳しすぎる」→まだ余裕がある「運がない」「ついてない」「あきらめるしかない」→耐えれば運気や波が上がってくる。★次のような肯定語を口癖にする。「おもしろい」「愉快だ」「楽しい」「わくわくする」「いいぞ」「大丈夫だ」「うれしい」「この調子だ」「最高だ」「これでいいのだ」「たいしたもんだ」「何とかなるよ」「きっとできるよ」★過去の過ちを後悔することは1文の得にもならない。過去の過ちを反省してこれからに活かせば100文の得になる。★日記に毎日次のようなことを1つは書くこと。いいことさがし 感謝さがし ありがとうさがし 感動さがし★感情と行動は別物として取り扱う。気分と行動も別々に取り扱う。その場にふさわしい行動を心がける。腹が立ったらまず席を外す。相手が気を悪くするような発言は慎む。★人間関係は馬の合う人20:馬の合わない人20:どちらでもない人60の法則を活用する。 肝心なことは、どちらでもない人60%を敢えて敵に回さないようにする。そのために、やらなければいけないこと、やってはいけないことがある。笑顔で挨拶を欠かさないなど・・・。着実に実行に移す。★どんな人にも一つくらいは取り柄がある。また欠点が大きい人は、とてつもない長所を持っている。欠点や弱みには目をつむる。私たちは神経質性格のプラス面で勝負をかける。
2024.07.06
コメント(0)
緩和ケア医の大津秀一氏は「受容」という言葉は好きではないと言われています。「私はがんを受容しています」「私は失恋を受容しました」「僕は親父の死を受容しました」「私は離婚を受容しました」精神的に大きな痛手を受けた人がそう簡単に受容できるものでしょうか。安易に割り切って「受容」しますというのは違うような気がするのです。でもそれらを「受け止める」ことはできるでしょう。ネガティブな感情のすべて受け入れるのではなく、そういう事実があるのだと「受け止める」という気持ちを持つことはできます。私はそれを「同化」だと思っています。生物学的な「同化」は、ある物質から身体にとって必要な別の物質を体内で合成することを言います。不都合な事実をそのまま「受容」しているのではなく、「同化」してより身体にとって必要なものに変えていっているのです。(傾聴力 大津秀一 大和出版 参照)私たちは森田理論学習の中で、不安、恐怖、違和感、不快感などは欲望の裏返しとして発生しているものであるので、あるがままに「受容」することが大事であると学習しました。「受容」というのは暗黙の了解事項なのでそれを疑う人はいません。大津氏によると、「受容」とは、何が何でも「受容」するというのではなく、自分を第三者的な立場に置いて、不安を感じている自分を客観視することだと言われています。自分を客観的に見つめて、そのような感情に振り回されている自分を自覚するだけでよいのです。湧き上がってきた感情が良いとか悪いとかの価値判断は必要ありません。次に西村貴好さんは、共感の注意点について説明されています。共感する時は、共感に留めて、マイナスの同調まではしないことが大切です。例を挙げてみましょう。「○○さんに、こんなことを言われました」「あぁ、それは辛かったですね」これが共感です。「○○さんに、こんなことを言われました」「あぁ、それは辛かったね。○○さんはよくないわ」「○○さんはよくないわ」というのがマイナスの同調に当たります。マイナスの同調までしてしまうと、火に油が注がれ、マイナスの感情が山火事のように広がります。また○○さんを敵に回してしまうことにつながりかねません。共感に留めておくと、共感している相手のマイナスの炎がやがて鎮火してきます。(ほめ下手だから上手くいく 西村貴好 株式会社ユサブル)神経症で苦しんでいる人に、「しんどいですね」「辛そうですね」と同情してあげることは大切です。しかし現実的には「悩んでいるのはあなただけではないのよ」「森田では不安はあるがままに受け入れましょうと言っていますよ」「それより目の前のやるべきに手を付けましょう」などとアドバイスをしてしまいます。「早く仕事を見つけて仕事をしなさい」「正社員の仕事につきなさい」「仕事や学校へ行くのをさぼってはいけません」などとアドバイスされると、自分の居場所はここにはないのだなと思われてしまいます。
2024.07.05
コメント(0)
樺沢紫苑氏は緊張と弛緩の逆U字理論について説明されています。これによると、過度に緊張すると頭が真っ白になりやることなすことが出鱈目になる。逆に弛緩状態に陥ると意欲が減退して行動力が鈍ってくる。過緊張もリラックスし過ぎというのもどちらも問題がある。その中間あたりに適性緊張というゾーンがある。適性緊張になると、一心不乱、注意集中力アップ、軽い緊張と興奮、ワクワクした感じ、緊張を楽しむことができるようになる。講演、演奏会、スポーツなどで大きな成果を上げることができるようになる。スポーツの世界ではゾーンに入るという言い方をされます。過緊張を適性緊張に戻していく方法が3つほどある。①交感神経優位の状態を副交感神経によって抑制していく。そのためには、深呼吸、ゆっくり話す、筋肉をほぐす、笑顔、睡眠、飲食物・趣向品を上手に使う、自律神経の乱れを整える等の方法を紹介されている。意識して笑顔をつくると10秒で過緊張を緩和すると言われている。②セロトニン神経系を活性化していく。朝日を浴びる、リズム運動、朝食をとる、トリプトファンを摂取する、3ヶ月続ける、ガムを噛む、姿勢を正す等の方法を説明されている。③ノルアドレナリン神経系を抑制していく。徹底して予行演習を行う、正しくフィードバックする、イメージトレーニングをする、正しい情報を集める、ポジティブワードをつぶやく、ルーティンワークを作り上げる等を説明されている。(いい緊張は能力を2倍にする 樺沢紫苑 文響社)このブログでも最新の脳科学というカテゴリーで関連記事を取り上げています。②については2022年2月13日で具体的な取り組み方を説明しています。セロトニン神経の果たしている役割については、2022年4月11日の記事をご参照ください。③については、2021年12月13日に「やる気と脳の仕組み」の記事で、ノルアドレナリン主導の防衛系神経回路のからくりについてご紹介しています。私たちはこちらのほうに片寄っていますので、報酬系神経回路を活性化してバランスを整えていくことが肝心です。関心のある方はご参照ください。
2024.07.04
コメント(0)
誰でも就職した当時は早く仕事を覚えて一人前になりたいと思っています。しかしある程度仕事に慣れてくると仕事に対する意欲が減退してくる。上司からもっと真剣に仕事に取り組みなさいと叱咤激励されても馬耳東風になってしまう。一時的に意欲的になっても、継続することは難しい。仕事は必要悪と考えてイヤイヤしぶしぶ仕方なしに取り組むことが多い。会社勤めをしている人は1日の大半は仕事をしているわけですが、苦痛でたまらないというのは問題だと思います。やる気がない仕事ぶりは、心身ともにストレスを招いて自分自身を苦しめていきます。楽しく仕事に取り組むためにはどうすればよいのでしょうか。この問題に対して森田先生は、「ものそのものになってみよ、天地万物すべて我がもの」といわれています。仕事をしているときに、問題やトラブルが発生して、つい時間の経つのを忘れて、一心不乱に取り組んでいたという経験は誰にもあると思います。仕事を楽しくする方法はここにヒントが隠されているように思います。森田では取り組んでいる仕事をよく観察しなさいと言います。仕事を観察していると、気づき、疑問、発見、課題、問題点、改良点、改善点が見えてきます。新たな興味や関心が生まれてくることもあります。これを宝物として取り扱うことが大事になります。忘れないとようにメモしておくことが大事です。これを基にして仕事に取り組むようにするのです。他人から指示されなくても、自然に体が動いてきます。そして意欲、やる気、情熱、モチュベーションが高まります。弾みがついて新たな気づき、疑問、発見、課題、問題点が見えてきます。新たな目標に向かう足がかりができてきます。この好循環を作り上げることが肝心だと思います。この好循環の流れに乗ると、仕事をすることが楽しくなります。仕事をするにあたっては、最初気が進まなくても一向にかまわない。他人から、指示、命令、脅迫されての行動でも全く問題はないのです。これは森田でいうと「お使い根性」の仕事です。むしろそれが普通である。でもそれがいつまでも続くと耐えがたい苦痛になる。そして、マンネリに陥り、苦痛を感じる力が鈍化してくると惰性で仕事をすることになってしまいます。それに歯止めをかけるためには、森田先生の言う「ものそのものなりきってみる」態度が欠かせないのです。
2024.07.03
コメント(0)
集談会で自己中心性を打破するために「人の為に尽くす」を実践すればよいと聞いたことがあります。ここでいう自己中心という言葉は、一般的には自分勝手な人のことを指します。森田では、注意や意識が外向きにならずにどんどん内向化してくるということだと言われています。その2つの自己中心性を打破するために、「人の為に尽くす」という手法を利用しているように思われます。「森田理論学習の実際」には次のように説明されています。人のためにつくす(自己中心性の打破)「人のためにつくす」というと、非常に大げさに考えて、「何か人のために役に立つことをしないといけない」と考えがちですが、このように大きく構えると、それがまたとらわれともなります。従って大げさに考えず、人の立場、気持ちを考えながら行動する、つまり人に迷惑をかけないように行動する、というように考えればよいと思います。・・・このようなことを心がけて行動すれば、自分にばかり向いていた注意が次第に外へ向かうようになります。また主観的なものの考え方、見かたから、客観的な見かた考えかたができるようになります。ここでは人に迷惑をかけないように行動を制御することが「人のためにつくす」ことであると説明されています。集談会で改めて議論してみました。様々な意見が出ました。・「人」と「為」をくっつけると「偽」(にせもの)という字になる。・「人の為に尽くす」という言葉は、裏になにか魂胆があるような雰囲気がある。・「小さな親切、大きなお世話」という言葉に近い。相手の求めているものでないものを押し付けるようなことになりやすい。・王貞治氏は「チーム為に仕事をしているのではない。自分のために仕事をしているのだ」と言われている。・「人の為に尽くす」は自己犠牲の上に成り立っているのではないか。・「自分のために尽くす」が先で、その結果として「人の為になっている」という順序が逆になるとまずいのではないか。・「人の為に尽くす」を「自分の為に尽くす」ことの延長線上で考えられないか。・森田先生は「人のために尽くせ」とは言われていないと思う。他人からどんなに少々悪く思われ、間抜けと見下げられても、人を気軽く便利に、幸せにするように心がけた方がよいと言われている。つまり人の役に立つ人間になれと言われていると思う。・「人の為に尽くす」という言葉は本音からでた言葉ではないので、真剣になれないし長続きがしない。以上の点を踏まえて、料理を提供する仕事で「人の為に尽くす」ということはどういうことかを考えてみました。・値段以下のまずい料理を提供しているとリピート客はまず来ないでしょう。・値段に見合った料理だけでは、また来店してくれるかどうか心もとない。仕事は生活費を獲得するために避けて通れないものという考え方に固執していると、仕事は大変つらいものになります。それどころか客足が遠のいてきます。・おいしい、安い、早い、店内の掃除が行き届いている、接客態度がよかった、交通の便がよい場合は、また来店してくれる可能性があります。・こんなおいしい料理を食べたのは初めてだという場合は、ぜひまた来店したいと思うでしょう。そのお店のことは友達に知らせたくなります。口コミで評判になります。家族も連れて行きたくなります。店は繁盛店になります。お客様を感動させてみたいという目標を持って仕事をすれば、仕事はとても楽しいものやりがいのあるものに変わっていきます。これは「人の為に尽くす」という行動ではなく、自分の目標や目的を貪欲に追い求めています。その気持ちが相手に伝わり、相手を感動させ、相手から感謝されている。人の為に尽くすという言葉をこのように考えてはいかがでしょうか。
2024.07.02
コメント(0)
気分変調性障害の人は、抑うつ状態がいつも付きまとっているような状態です。天気でいえば、いつも曇天か雨が降っている状態だと思います。なんとか日が差すような状態に持っていきたいものです。私の取り組みをいくつかご紹介します。・口を開けて唇の端を押し上げる。口角を上げて笑顔を作る。それを鏡で確認する。顔を洗ったり、歯みがきの時は必ず行う。また私のパソコンの前には犬が笑っている写真と孫の赤ちゃんの時の写真が飾ってあります。その写真に向かって笑顔を作るようにしています。ある人から聞いたのですが、鉛筆を横向きに咥えると自然と笑顔になるということでした。これは森田でいうところの「形から入る」ということだと思います。形を整えていくと、心が変わってくるということだと思います。・日記を書いている方は、1日を振り返って「よかったこと」を最低一つは書くようにする。次に「うれしかったこと。感動したこと」を一つは書くようにする。それから、「感謝したいこと」も一つは書くようにする。大きなことでなくても、小さいことの中から見つけるようにする。これを3ヶ月続けるようにする。その後検証してみる。・規則正しい生活習慣を作る。同じ時間に同じことをする。ルーティンワークを作り上げる。何も考えることなく体がすっと動いてくるようにする。抑うつが入り込んでくるのは、弛緩状態で暇な時間ができたときだと思われます。これも3ヶ月くらいで習慣化されます。・セロトニン神経を鍛える。セロトニンは抑うつを遠ざける働きがあります。これは2022年2月13日の投稿記事をご覧ください。朝日を浴びる。ウォーキングを心がける。リズム運動を行う。トリプトファンを含む食品をとる。などいろいろとあります。普段の生活の中でセロトニン神経系を鍛えていきましょう。抑うつを吹き飛ばす方法はこれ以外にもたくさんあると思います。集談会などで出し合って、よいものに挑戦していきましょう。
2024.07.01
コメント(0)
全31件 (31件中 1-31件目)
1