森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.02.04
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2015年1月号の生活の発見誌に「治るとはどういうことか」の記事がある。

中高年になって症状が再発したり、うつ状態に陥る人がいる。
再びとらわれが発生すると完治は難しい。
というのは、かつて行動や実践によって乗り越えた経験はこの時ほとんど役に立たない。
自分で自分の足を引っ張る。
前のように行動中心の解決を目指しても、たいていそれは通用しない。
ゆえに自信を失い、うつ状態に取りつかれる。
自分なりに頑張ってみるがうまくいかない。いよいよ葛藤や挫折感が強くなる。


その考えに取りつかれていた。
そこで精神科にかかりながら、集談会に参加して先輩会員に励まされながら森田理論を学んでいった。
一番役に立ったのは実践課題の設定と取り組みであった。
1年もするとたちまち軌道にのってきた。
人に役に立つ仕事や役割を果たすことができるようになった。
やればできるが自信に変わってきた。
それとともに最悪期は脱することができた。

でも後から考えると、これは蟻地獄から地上に這い出ただけであった。
というのは、対人緊張は依然として強いものがあった。
会社でも家庭でもそれに振り回されていた。
依然として苦しかったのである。


森田ですぐによくなると思っていたのにあてが外れたのである。
その段階では森田の限界を感じていた。森田はダメだなと感じていた。
私のまわりでもそういう人が実に多かった。
その人たちは早々と「生活の発見会」から離れていった。入会も退会も自由にできたからだ。
私は世話活動をしていたため、多くの友達ができた。

今となってはこれが幸いした。
森田の問題や課題をなんとかしたいという気持ちを抱えていたからだ。

それが一挙に解決する時がきた。
新版森田理論学習の要点等を参考にして、試行錯誤の末に自分なりの「森田理論全体像」を自分で作り上げた時だった。
これが森田理論の奥深さ、素晴らしさに目覚めた時だった。
森田を生涯学習としてやってみよう。森田を分かりやすく伝えていこうと思った。

ここで治るということは大きく分けて、少なくとも2つの視点が必要であると思った。
一つは不安を活用しながら「生の欲望の発揮」に沿った生き方を踏襲すること。
これは森田理論の土台となります。行動・実践の重要性はここのところを言っています。

もう一つは認識の誤りを自覚すること。認識の誤りは多方面に及んでいます。
その中でも特に「かくあるべし」的思考を少なくして、事実を受け入れて、服従して生きていく態度を身につけるということでした。
最初の方は、症状をまずは横において「なすべきをなす」ということである。
これはなんとか一人でも実行可能である。

二番目は厄介である。
自覚するといっても、自分のことを客観視することができないので、問題点や課題が明確にならないのである。自覚が深まらないと次に進むことができない。
本を読んで自覚が深まる人もあるでしょう。
でも長い人生を生きてきて、自分にしっかりと住みついた「かくあるべし」をひっくり返すということは並大抵のことではありません。
人から指摘してもらったり、森田理論を集団学習する中で、自分自身で気付いたり、発見するということの方がまだ有効性があります。
つまり集団学習の中でしか、なかなか自覚は進まないと思っています。
でも自覚できるようになると、やっとその方向に舵を切っていくことができます。
それが可能になると、人間が生きるということはどういうことなのか、はっきりと分かるようになると思います。






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Last updated  2015.02.04 06:52:26
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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