森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.04.19
XML
カテゴリ: 行動のポイント
有馬らい底さんという禅宗の管長さんのお話です。

僧堂で修業する僧侶たちは雲水と呼ばれます。
行く雲も流れる水も、けっして一か所にとどまることなく同じ形になることはありません。
そういう自然の在り方を「行雲流水」という語に表し、師を求め道を求めて行脚をする修行僧の姿をそこに重ねて雲水と呼ぶのです。
これは森田理論のすべてのものは変化流転するという考え方に通じます。

さて、寺における雲水たちは、大きく分けると「禅堂」と「常住」に分かれます。
「禅堂」というのはもっぱら座禅に専念するのが役目です。
「常住」というのは自分たちも含めて雲水の生活全般の面倒をみる役目です。

ほとんどの組織や集団では、食事や風呂焚きといった仕事は新米がするものです。

それがだんだんできるようになってくると、はじめて「常住」の仕事がまかせられるようになります。

普通に考えれば、禅の修行をしに僧堂に入ったのだから、人の世話よりも修業を優先させたい、と思うでしょう。
体験の学問といわれる禅では、生活のすべてが修業そのもの。
座禅を組むことは修業のほんの入り口にすぎないのです。

日々の粛々たる生活ことが修業だということだと思います。ここが肝心なところです。
座禅をして修業するよりも、日々の日常生活を丁寧にこなすことの方がよほど修業になるといわれているのです。
掃除の作法、料理を作る、食事の作法、普段の振る舞い、禅寺での作法、文化の作法など「ものそのもの」になって創意工夫していくことが大切なのです。
森田理論学習も全く同じことです。
森田理論を学習することが唯一最大の目的となってはいけないということです。
森田理論を観念の世界の遊び道具にしてはいけないということです。
森田理論はある程度のレベルに達すると生活面に応用していくことが大切です。


日常生活をいい加減にしておいて森田理論の学習を深めていくというのは本末転倒だと思います。
森田理論は全く知らないが生活が森田的になっているというのがまだましだということです。
生活への応用なくして森田理論学習なしということは肝に銘じておいてほしいところです。
(禅が教えるほんものの生活力 有馬らい底 集英社 114ページより引用)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.04.19 06:47:49
コメントを書く
[行動のポイント] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: