森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.06.28
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
「生の欲望の発揮」とは、よりよく生きたいという自分の欲求に従って、実際に体を動かしていくことだと思います。
いろんな人がさまざまに解説されていますが、私は次の4点を挙げたいと思います。

1、 健康と生命維持への欲求
健康で長生きしたい。安全を確保したい。子孫を残したいという欲求です。
生きるために必要な食欲、性欲、睡眠欲などはすべてこれに入ります。
そのためには、仕事、家事、育児、雑事などをきちんとこなしていくこと。
森田ではこれを重視しています。日常茶飯事、雑事、規則正しい生活をするなどです。

2、 良好な人間関係を作りたいという欲求
ストレスのない温かい人間関係を築きたい欲求です。

そのために、石原加受子さんは、他人中心で生きるのではなく、自分中心で生きてゆきましょうと言われています。
他人中心というというのは、いつも他人の言動を気にして、相手の顔色をうかがったり、相手に合わせていく生き方です。
彼が迷惑するから、彼が困るから、彼には時間がないから、彼が嫌がるからなどの理由で、電話をかけることを我慢したり、自分の気持ちを抑え込んだりすることです。
また、昼時間になりさあ昼ご飯を食べに行こうと思った時、同僚からちょっとこの仕事を手伝ってくれないといわれたとします。
自分は昼ご飯を食べたいのにその気持ちを我慢して相手の意向に沿った行動をとる。
これも他人中心の行動だと言われています。
他人の気持ちを思いやるということは、悪いことではありません。良いことです。
肝心なことは順序を間違えてはいけないということです。
自分中心というのは、自分の感情、気持ち、欲望、意志を第一に優先するということです。
どんな状況でも、自分の気持ちを大事に考えるということです。
私たちが生きていくのが苦しいときは、いつも他人中心になっています。

自分をないがしろにして、他人の人生を生きていこうとすると、自分の意思ではないので苦しくなるのだと思います。
森田理論で、自分の感じから出発する。自分の好き嫌い、人情から出発する。そのあとで、理知で調整していく。この原則を無視すると人間関係のストレスが高まってきます。

3、 課題や目標を持って達成してみたいという欲求
好奇心に沿って、興味のあることに取り組んでみる。
困難や障害物を乗り越えてコツコツと努力してゆきたいという欲求です。

また自分の能力を高めたいとか、人に認められたいといった欲求です。
こういう状態は生きている充実感に満ち溢れています。

4、 味わい深い人生を楽しみたいという欲求
五木寛之氏曰く。
「私たちは日常の中で自分の好きなこと、そのことが自分にとってすごく気持ちがいいとか、自分が幸福感を感じることをもっと大事にしないといけない。
そんな小さな幸福感も、こんなきびしい時代に、私たちに生きる力になっていくのではないか。」
神谷美恵子さん曰く。
審美的観照(自然芸術その他)、あそび、スポーツ、趣味的活動、日常生活のささやかなよろこび。この中には、生きがいと本人すら意識しないものもあろう。
毎日生活していることが楽しい。生きていること自体が生きがいである。
これらの欲求を充足したいと思えば、普段から五感を磨き、感受性を鍛えてゆくことが大切です。
そのためには、物質的な豊かさを追い求める態度をある程度抑制してゆくと効果があります。





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Last updated  2015.06.28 06:25:21
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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