森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.08.02
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また、森田で神経症を治すことには限界がある。


私も、森田に限界を感じ内観療法、認知行動療法等に向かったことがあった。
しかし現在は違う。他の療法をあさるよりも、もっと森田を深耕する立場に立っている。
その理由を説明しよう。

その前に「森田療法」という言葉は神経症を治療するという医療的意味合いが深い言葉である。
「森田理論学習」というのは、もっと広い意味合いがある。
つまり神経質者としての生き方にかかわる部分を問題にしているのである。
症状というのは、人生観が変わったので副次的に剥がれおちてきたというのが正しい見方であると考えています。


認知行動療法は、行動療法と認知療法を組み合わせてある。
ここでいう行動療法は、不安を10段階ぐらいの階層に分けて、取り組みやすいものからはじめて、順次難しいものができるようにサポートしていく方法である。
これは曝露療法と言われている。そして不安を取り去り最終的に社会に適応させていく。

森田はそんなことはいっていない。ところが奥が深いのは森田理論の方である。
森田理論で行動療法に関することはどんなことを言っているのか。
日常茶飯事、雑事の徹底。規則正しい生活の回復。好奇心の発揮。一人一芸のすすめ。
ものそのものになりきる。物の性を尽くす。自然に服従して、境遇に柔順になる。
無所住心。変化への対応。などである。これも事細かに説明されている。
即効性は認知行動療法かもしれないが、広い視点で見ると森田の方にひかれる。

認知療法であるが、ベックが開発されたものを見ると目を見張るものが確かにある。
でも森田理論のなかにも同様のことをいっている。

森田専門用語で分かりづらいのが問題ですが、認知療法とかなり重複している。
私はこの部分は森田理論だけでは不十分であると考えています。
そういう意味では、認知療法の考え方を取り入れて、学習の一分野として独立すべきであると考えています。

認知行動療法のほかに、神経症の克服に効果があると考えられているものはどんなものがあるか。
たくさんある。代表的なものをあげると、薬物療法、ピア・カウンセリング、ヘルスカウンセリング、来談者中心療法、精神分析、論理療法、内観療法、家族療法、意味療法等ではなかろうか。


ヘルスカウンセリング、来談者中心療法、論理療法、意味療法等はすでに森田理論の学習自体の中に取り込んでいる。
内観療法は森田理論の中にまだ取り入れてはいない。
一週間の内観療法を行った人は、自己中心性が打破できている。
これを日常内観として取り入れればさらに改善が望める。
家族療法は、症状の成り立ちは家族関係のなかで生まれているという前提に立っている。
森田を深めていくとどうしても親の教育、しつけの問題を考えざるを得ない。

他の主だった療法はほぼ森田理論の学習のなかで取り入れていることである。
簡単に説明すると来談者中心療法は、共感と受容の態度の養成のことである。
論理療法は認知の誤りの修正手法である。
意味療法はより深く生きる意味を考えていく手法である。
精神分析は無意識に抑圧されている不安をあぶり出して無くしていく手法ですが、私はあまり乗り気にはなれない療法である。

こうしてみると、主だったものはすべて森田理論学習に取り込まれているということである。
問題としては、森田理論を神経症の回復、神経質者の人生観の確立に寄与するまで深耕しているかということである。
私は森田理論学習によって、まちがいなく神経質者の人生観の確立はできるという立場に立っている。





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Last updated  2015.08.02 07:06:47
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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