森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.08.30
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水島広子氏は「対人関係療法でなおす社交不安障害」(創元社)の中で、相手との人間関係の中に「境界を設定する」ことを提案されている。
これは自分の問題なのか、相手側の問題なのかという境界線をはっきりとさせていくということです。
満足のいく人間関係においては、境界線がしっかりと引かれて、お互いの「敷地」を尊重し合うことができている。

しかし、自分が決めるべき事なのに相手が決めてしまう。
つまり相手が自分の敷地に入っていることも多い。
あるいは、本来相手の問題なのに、まるで自分の責任であるかのように感じて気を使ってしまう。
相手の敷地に自分が入り込んでいる。

このように勝手にお互いの敷地に入り込むと摩擦を起こしストレスとなります。
これは中国が海洋資源の獲得を狙って海洋進出を企てているようなものです。

このままでいけば日本海も中国の領海だと言いかねないようなものです。
このようにお互いの敷地に不用意に踏み込むことは後々大きな紛争に発展する可能性があります。

幼い子供がお出かけするときにいつまでもテレビを見ているとします。
お母さんは「いつまでもグズグスしてないで、早く服を着替えて準備をしなさい。連れて行きませんよ。あんたはいつもこうなんだから、イヤになっちゃう」と言ったとします。
これはお母さんが思っているように子どもが素直に行動してくれないからイライラしているのです。
自分の不快な感情を子どもにストレートに掃き出しているのです。
自分の不快感をスッキリと解消しようとしているのです。
母親は子どもに自分からすすんでさっさと用意してもらいたいと思っているのでが、思うように行動してくれないから相手の敷地に入り込んで無理矢理行動することを迫っているのです。一種の脅迫行為です。
反発心の強い子だったら駄々をこねて喧嘩になります。

こういう場合は、「お母さんは早く準備してくれるとうれしいんだけどなあ。もう出かけないと電車に間に合わないよ。それともお留守番していてくれるかな。」と言ってみればどうでしょうか。
そのあとどのような行動を選ぶかは子どもが決めることです。


社交不安障害で悩んでいる人は、相手が敷地に断りもなく入り込んできたのに、見て見ぬふりをしてしまうことが多々あります。
理不尽な要求に対して我慢したり、たいしたことではないと耐えたりすることです。
相手が自由に自分の敷地に入り込むことを許してしまうとストレスがたまります。
また相手は自分の敷地なのに、相手の敷地のように思ってしまい、ますます縦横無人に入り込むようになります。
親分、子分のような関係になってしまいます。

いつか火山の爆発のように大噴火をおこします。

森田理論学習の中ではこのような人間関係を「不即不離」と言います。
これは人間関係の極意です。
べたべたとくっつかない。そうかといって全く離れているわけではない。
絶えず気にはかけているのだが、深入りはしない。

私メッセージの手法を使って自分の感情、気持ち、希望は相手に伝えていく。
それを受けて相手がどう発言するか、どう行動するかは、相手の気持ち、意思を尊重するのである。
決して自分の「かくあるべし」を押し付けない。
すると自分のストレスがたまらないし、相手と対立関係になるということが避けられるのである。
そういう人間関係の在り方を森田理論で学んで身につけたいものです。






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Last updated  2015.08.30 06:56:54
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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