森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.08.31
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社交不安障害の人のコミュニケーションについて考えてみました。
社交不安障害の人は基本的に、相手から発せられるメッセージを「相手は自分に対してネガティブな評価を下すものだ」というフィルターを通して受け取ります。
こういう先入観を持っていると、相手からのメッセージを正確に把握していないことが多い。
また、自分への自信のなさや厳しさから、自分の言いたいことを伝えていないことが多い。

たとえば、自分の気持ちを言葉で伝えずに、ため息をついたりにらみつけたりする。
これだけでは自分の気持ちは相手には伝わりません。
次に言葉は使っていても、直接的な言い方をしないで、嫌味を言ったり、遠回しな物言いをしたりしてしまうことがあります。
また、自分の社交不安障害を隠すために、あえて理屈っぽいコミュニケーションをする人もいます。
さらに難しいのは、攻撃的、拒絶的な態度をとる人です。

はっきりした言い方をしなくても、他人は自分の必要としていることや自分の気持ちは分かっているはずだと思い込んでいる人もいます。
阿吽の呼吸で相手が自分の気持ちを察してくれることを求めているのです。
誰でも基本的には自分のことで精いっぱいですので無理な相談です。
相手の言いたいことは分かっているという思い込みに陥っています。
相手をよく観察しないで、ちょっとした態度や言葉ですぐに悲観的な考えをとってしまうのです。
きちんと相手に向き合いコミュニケーションをとらないとはっきりしたことは分かりません。
また間違って判断することになります。

社交不安障害の人は相手と向き合うということが、自分を非難されるという怖れから向き合うこと自体を避ける傾向があります。
怒りや不快を表現しないで沈黙してしまうパターンもよくあります。
どうせ相手に向き合っても言い負かされてしまう。
そしていつも気まずい思いをしてしまう。


社交不安障害の人はもともとそういうコミュニケーションが体にしみこんでいます。
改善するためには、他の人からサポートを受ける必要があります。
集談会などの仲間に協力を得て、具体的な事例を出し合って事前準備を行うのです。

たとえば自分が社交不安障害になって、母親がいろいろとアドバイスや指示をしたとします。
すぐにイライラして反発するのでは芸がありません。

「アドバイスが必要な時は自分からお母さんに相談する。それまではそばで見守ってほしい」
こんな表現ができれば、母親を傷つけることもなく、自分の気持ちを母親に伝えることができるのではないでしょうか。
(対人関係療法でなおす双極性障害 水島広子 創元社参照)





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Last updated  2015.08.31 07:02:12
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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