森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.08.22
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私はメンタルケア心理専門士の一発合格を目指してきたが、最終的に不合格だった。

学科試験、論文試験は合格したが、第2次試験の面接試験が不合格だった。
最終合格率は11%だったという。この時の心境を「純な心」で考えてみた。

初一念はやっぱり駄目だったか。ショックだ。

初二念では、腹が立ってきた。面接試験にあたっては、「メンタルケア心理専門士認定試験合格虎の巻」というものが、受験校から教材として配布されていた。
それによるとたとえばこんな問題が出るとされている。
1、 パワーハラスメントについて説明しなさい。
2、 臨床動作法とはどういうものか説明しなさい。
3、 インフォームド・コンセントについて説明しなさい。

テキストの中から「○○について答えなさい」などの知識が問われますとある。

ところが実際には3問出題され、そのうち2問はロジャーズの来談者中心療法の手法を使った模擬カウンセリングだった。
想定外でそれに向けた準備は全くしていなかった。頭が真っ白になりうまく答えられなかった。
今考えれば、模擬カウンセリングがあると分かっていれば、ロジャーズの受容、再陳述、反射、明確化に沿って対策を立てていたことは明白である。
多額の学費、大阪までの2度にわたる交通費を使いながら、できる限りの準備をして望んでいるのに想定外の問題を出すというのはどういうことだ。
腹が立ったのはそういう理由からだった。

初二念というのは、一度湧き起ると次から次へと湧き起るものである。
腹が立つ材料はどんどん拡がっていくのである。
夜眠れなくなるほど次から次へと浮かんでくる。

森田理論では、初二念は、初一念に続いて自然に湧き起こってくるものではあるが、これに基づいて行動を起こしてはならない。
いくら腹立たしく思ってもそっとしておくことだ。

「あんなに準備をしたのに残念だ。ショックを受けた」この感情を思い出して、イライラする感情を抱えたまま、ほとぼりを冷まして、次にどうするかを考えてみよう。

そこでイライラしながらその感情を2日ほど放置してみた。
すると冷静になり、客観的視点で考えられるようになってきた。
そう言えば受験校の講座を受けるにあたり、メンタルケア心理士、メンタルケア心理専門士の講座を申し込んだ。その時たしかカウンセリング技術の訓練の講座も付属してあった。
だが私は、それは申し込まなかった。受講料が上がるし、無駄だと思ったのだ。


そんなことは面接試験を受けるまでは全く頭になかった。
でも考えてみれば、この試験はカウンセラーになろうと思っている人が受ける試験である。
それならカウンセリングの基礎技術の習得は必須の科目である。
私のように心理療法一般について学習して知識を身につけたいと思っているのとはわけが違うのだ。
片手落ちの考え方をしていたことに気づかされた。

試験で問われているのは、私はカウンセラーになりたいという熱意があるのかどうか。
ただとれるものなら資格だけでもとっておこうという気持ちで始めたのではなかったのか。
そういう意味で、主催者の安易に合格者を排出しないという姿勢は共感が持てる。

私の場合、対人関係で怯えながら生活や仕事をしている人たちに、私の身につけた森田理論を使って役に立ちたいという気持ちはある。
でもカウンセリングルームを開設して相談業務を開始するには二の足を踏んでいる。
それは経営にゆきずまったり、カウンセリングがうまくいかなかったり、医療過誤の訴訟を起こされた時の予期不安が膨らむからである。

今考えているのはネットを使ったメール相談や日記指導、森田理論学習の系統的学習の主催である。
これならホームページを開設するぐらいで、自宅できそうな気もする。
十分な準備を整えて是非取り組んでみたいという気持ちは強い。

問題は、将来そういう活動をするにあたって、カウンセリング技術の習得はどういう意味を持っているのか。
取り組んでみる価値があるのかどうか。大いに役に立つものなのか。
傾聴、共感、受容は生活の発見会の自助活動で30年間も取り組んできた。
それ以上のものがあるのかどうか。その点を明確にする必要がある。
早速カウンセリングの本を図書館で10冊ほど借りてきた。これから見極めをしてみたい。

そんなことを考えていると不合格になったわだかまりは少なくなった。
「純な心」の活かし方はこう言うことなのだなとしみじみと感じた。





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Last updated  2016.08.22 06:31:02
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