森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.01.26
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カテゴリ: 感情の法則
あるお医者さんがこんな実験をした。
神経症で疲労を強く訴える患者さんの尿を採取して疲労の程度を科学的に調べた。
すると患者さんの訴えとは異なり、少しも疲労していなかったのである。
次は道路工事をしている肉体労働者に頼んで、尿を検査させてもらった。
彼らは疲労感を訴えていなかったが、実際にはかなり疲労していた。

神経症の人で、 「疲れた、疲れた。こんな生活をしていると、過労死になりかねない」とゴネている人が増えてきたような気がする。
この種の人たちはおしなべて人生目標がしっかりしていない。
ただ惰性で毎日を送っている。自分の好きな遊びや興味には意欲的であるが、仕事や勉強になるとすぐに疲労を訴える。
自分の人生目標、生き方、そういったものを重視して、一生懸命、その日その日を頑張ると、他人はおろか、いろんな症状も消えていく。


今の仕事や生き方に不満だらけの人は、ちょっと何かしただけで、すぐに疲れたと疲労感ばかりが強く感じられる。
しかし、きちんとした人生目標がある人は、肉体的に少々疲労していても、それほど疲労感は持たないのである。
(不安な心と上手に付き合う本 大原健士郎 、 PHP研究所 178ページより引用)

五十肩や腰痛などの痛みで苦しんでいる人は、確かに器質的な疾患である。
私も長らく五十肩で腕が上がらなかった。整形外科やマッサージ、鍼灸の治療を受けてきた。
今振り返ってみると、肩の痛みをなんとかしようと四六時中やりくりをしていた。
つまり、注意や意識を肩の痛みばかりに向けていた。
その結果、目の前の仕事や、家の中の掃除、整理整頓、あるいは町内会の役割などを、痛みを理由にして逃げていたように思う。
その結果、注意や意識はますます肩の痛みだけに集中してきた。
肩の痛みは実際の痛み以上に、何倍にも膨れ上がっていたのである。
これは私が精神交互作用で対人恐怖症が固着していった過程と同じであった。


また、 「見るところ仕事あり」 「仕事を探すのも1つの仕事」と言われていた。
人生にとても貪欲な方であった。森田先生が残された色紙に、次のような言葉もある。
「休息は仕事の転換のうちにあり。仕事の中止にあらず」
1つの仕事や家事を長時間続けていると疲れが溜まってくる。
またやっている事自体に緊張感がなくなり飽きてくる。
そういう時は、今やっていることを中断して、仕事を変えていけば、疲れが蓄積することがなく、新たな緊張感が出てくると言われているのである。

人並みの生活を送っていれば、仕事や勉強に疲れたからといって、すぐに休息を取る必要ない。
それは疲労感であって、本当の疲労では無い。
仕事に飽きたり、疲労感を覚えたら、その仕事を中断して、寝転がって行いるのではなく、別の仕事をすればよい。
目先を変えてやることによって、また新しい意欲が湧いてくるのだ、という意味である。
私たちは気分本位で行動するのではなく、その時その場で必要なことに手を出すという姿勢が大切なのだと思います。






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Last updated  2017.01.26 06:30:13
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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