森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.05.15
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
映画界で世界的スターのトム・クルーズは、学習障害の1つである読字障害があったという。
教科書を読むように言われるたびに、彼は屈辱的な思いを味わったという。
「頭が真っ白になって、焦りや不安や嫌気や欲求不満や、僕はバカなんだという思いが湧いてくる。腹もたったよ。勉強していると、嘘じゃなく本当に足が痛くなってくるんだ。頭痛もした。小学校から大学まで、それに仕事をし始めてからも、ずっと自分には人に言えない秘密があると感じていた」
彼は字がうまく読めなかったことで、他の生徒からからかわれ、いじめを受けることもあった。
自分が分かっていないことをごまかすために、ふざけたり、教師に反抗したりもした。

そこで彼は特別支援教育を受けることになった。さらに、母親が家庭で指導した。
その中でも重要なアドバイスは、 「自信を持たせるため、スポーツ、演劇、美術など非学術的な分野で才能を伸ばすように勧められた」ということだった。
そのアドバイスに従って、トム・クルーズは演劇部に入り、そこですぐに素晴らしい才能を発揮し始めた。
台本を覚えるときは、教師に読んでもらって暗記したが、文字がすらすら読めないと言うだけで、読んでもらえれば素早く台詞を覚えることができたという。

その時、プロのエージェントがいた。オーディションでの彼の演技力は群を抜いていた。
そこから彼の俳優としての輝かしいキャリアが始まったという。

読字障害や書字障害がある人は、それに気付かれないように大変な気苦労と労力を払って生活している。
「メガネを忘れた」とか、 「手を痛めている」といった理由をつけて、うまく読み書きできないことをごまかしながらも、内心は冷や汗をかいていることもあるし、領収書を書くといった作業ができないために、販売や接客の仕事を避けなければならないケースもある。トム・クルーズも例外ではなかった。
それにとらわれてしまうと神経症に陥る可能性が大きい。
だが、そうしたハンディは、代償的に他の人にはない能力を育む。
学究的でない面で自信を持てることに取り組ませるというアドバイスは、こうした障害のある人の能力を伸ばす上で、まことに的を得たものと言えるだろう。
(発達障害と呼ばないで 岡田尊司 幻冬舎新書193頁より引用)





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Last updated  2017.05.15 06:30:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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