森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.04.28
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元ロッテのキャッチャーだった里崎さんは、「ネクストバッターの選手を観察しないキャッチャーはキャッチャーではない」という。
そこでの選手の動きを観察することが、攻め方を組み立てる上での一つの指標になるという。
意識や注意があらゆるところに行きわたっていることが、大切なのである。

ご存じだろうが、ネクストバッターボックスは、バッターボックスの斜め後ろにある。
1.5Mほどの円である。ここには4点セットが置かれている。
マスコットバット、バットウエイト、すべりどめ、ロジンである。
私は今まで、試合の進行を早めるために、ネクストバッターはそこに待機するルールになっているだけのものだと思っていた。深い意味は見いだせなかった。
ところが球辞苑で、「ネクストバッタボックス」の特集を見てから、急に関心が高まった。

多くの選手は、まじかでピッチャーの球を見て、気持ちを整えて、勝負に臨んでいた。

前の打者が1球で打ち取られた場合の、次打者の打率は、2割4分2厘、7球粘ったあとは2割6分3厘に跳ね上がっている。
ファールで粘る選手の後を打つ打者は、ほとんど打率が高くなっている。

ではどのようにして、気持ちを整理しているのだろうか。
ピッチャとのタイミングを計っているという選手がほとんどだった。
野球ではバットと球のタイミングが一致するということが不可欠なのだ。
出会いがしらのホームランというのはタイミングがぴったりと合っている。
ピッチャーが球をリリースした瞬間に、自分の打撃のトップの位置と合わせる作業を真剣に行っていたのだ。タイミングを合わせるだけで、実際にバットを振るわけではない。
バットを振るのは、投球の合間なのである。

巨人の丸選手が面白いことを言っていた。
持ち球や配球のデーターは試合の始まる前にすでに頭に入っている。
キャッチャーの癖もすでに分析済みである。

その日の変化に合わせてタイミングをとる必要がある。
真っすぐがきているのか、普段と変わらないのか、きていないのかを感じ取っている。
また右手一本でバットを立てて、右目でバットのマークとピッチャーを見ていると集中力が上がるという。球に対しての反応がよくなってくるという独自の判断を紹介していた。

国立スポーツ科学センターの森下義隆氏が興味深いデータを紹介していた。
ネストバッタボックスで次のことを心掛けて実行することで、成績がアップするというのだ。

筋肉の活動後増強が起きて、スィングスピードが1~3%速くなる。
飛距離にして5Mほど伸びる。
ただし欠点は、1分30秒ほどしか持続しないということだ。
だからバッターボックスに入ってからも、何回かは実行するとよい。

もう一つは、1.7倍を超えた重いバットを振ってはいけないことだった。
これをすると、通常順番に動いていた筋肉の運動バランスが微妙に崩れるという。
野球では微妙なバランスの崩れは命取りになる。
この二つは、数多くの実証実験で明らかにされているそうだ。
元ヤクルト監督の真中満氏は、これは現役の時に聞きたかったといわれていた。
ここで森田で学習するバランスの重要性がよく分かる。





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Last updated  2024.06.01 23:27:50
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