森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.06.06
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形外会で坪井氏が森田先生に次のように質問している。

私は物を買う時、あれこれと迷っているのもおかしいから、その時のファースト・インプレッションで買っている。やっぱり、研究して買った方がよいでしょうか。
研究しても迷うことは同じだから、第一印象を取った方がよいでしょうか。

これに答えて森田先生曰く。
第一印象が、一番よく当たる事は、確かのようです。
そしてそのうえを、選択研究して、再び元へもどった方が、正しい判断の仕方です。
つまり第一印象は、これが学問上の仮説に当たる。
そしていろいろ実験・研究してこれを証明する。
しまいにその仮説が、真理であると断定されるようになると同様であります。


まず物を買うにも、実用が第一である。その次が芸術であり、我々の好みである。
好みを無視するのは殺風景であるから、これを捨てることはできない。
(森田全集第5巻 293ページより引用)

川原氏によると森田先生は最初の感じを大切にされていたことが分かる。
先日、美術倶楽部へ先生におともした事があるが、その時に私が感心したのは、先生が軸物を買われるのに、その画家の名前や、偽筆かどうかなどという事には全く無頓着で、ただ自分の好き嫌いという事から決められることです。(森田全集第5巻 539ページより引用)

これを見るとファースト・インプレッション、直観、好き嫌い、第一に湧き上がってきた感情を大切にされていたことが分かります。
普通美術作品を買う場合、有名画家、絵師の作品かどうか。
贋作ではないかを鑑定して買うのがセオリーのような気がします。
森田先生はそれは順序が間違っているといわれているのです。
自分がこの美術品に惹かれるものがあった。
感動したということが先にこなくてはいけない。

ここから出発して、この絵は世間からどのように評価されているのかを検討していくのである。
絵は見ないで、最初から画家は誰か。その絵師は有名な人か。将来高値で売れるかなどを鑑定してはいけない。そういう態度は「かくあるべし」に振り回される生き方になります。
自分の直観を大切に取り扱い、そのあとで理知で調整するという姿勢を崩してはならないといわれているのです。これば事実本位の生き方であり、葛藤や苦悩とは無縁の生き方につながります。





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Last updated  2020.06.06 06:20:05
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