森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.05.16
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昨日の続きです。

「7つの習慣」の4、5、6は人間関係に関するものです。

5番目の習慣は、 「まず相手のことを理解してから、自分のことを理解してもらう」 というものです。

私たちの自助グループの生活の発見会の集談会では、傾聴、受容、共感を心掛けています。
どんなにしゃべりたいことがあっても、まず相手の話をよく聞く。
相手に8割くらい話してもらって、自分が2割くらい話すくらいの気持ちでやっとバランスがとれて、会話が成り立つと聞いたことがあります。
そういう心構えでやっと調和が保たれるということだと思います。
話すことばかりに、気を取られていると、肝心なことを聞き逃してしまいます。

カーネギーの「人を動かす」という本に、「盗人にも5分の理を認めよ」というのがあります。
この言葉をキャッチフレーズとして、しゃべり過ぎないように心がけましょう。
相手を理解することに100%エネルギーを集中することです。

集談会の自己紹介のとき、順番が来たら何を話そうかと考えている人がいます。
そういうことは、集談会に参加する前に家で準備することをお勧めします。
また、症状の説明は、あらかじめ整理してまとめておくことです。
その原稿を見て話す態勢ができていれば、相手の話に集中できます。

受容できない人は、事実、現実、現状を批判、否定することが習慣になっている人です。
誰でも自分のことを叱責、非難、否定されると腹が立ちます。
人間関係は対立関係に入り、勝つか負けるかの泥沼の状態になりエネルギーを消耗します。

「でも」「しかし」「そういわれますが・・・」「一言言わしてもらいますと・・・」「その意見は違うと思います」という言葉が口癖になっている人がいます。

これらは傍で見ているととても見苦しいことです。

こういう人は他人を最初から受容しようという気がないのではないでしょうか。
相手に勝つことばかりが優先されているのかもしれません。
他人を受容しない人は、自分も受容できないことに通じます。
このことを忘れないでください。自分自身で苦の種を作り出しているのです。

さらに自分を取り巻いているあらゆることに対して、敵対的であるという傾向が強くなります。

森田理論の中心的な考え方の一つが「事実唯真」です。
どんなに受け入れがたい事であっても、実際に目の前で起きている事実に対しては、受け入れるしかないという考え方です。事実に対しては完全服従です。
これに反旗を翻して、闘う、事実を隠蔽する、ごまかす、捏造することは、ますます葛藤や苦悩を抱えるようになるという考えです。
事実を否定することが習慣になっている人は、否定して自分が勝つことが目的になっています。
すると事実を正しく把握することができなくなります。

事実に対して色眼鏡をかけて見誤ってしまので、間違った対策を立ててしまう。
問題の鎮静化どころか、火に油を注ぐような結果となります。
正しい課題や目標に向かって、行動するという態勢づくりができていないということです。
集談会で共感、受容、傾聴を心掛けているということは、普段の生活の中で、自分、他人、自然などと折り合いをつける生き方を身につけることにつながるのです。

集談会ではとても共感などできないという場合もあるかと思います。
そういう時は森田理論の形から入るということを思い出してもらいたいと思います。
ジェームスの言葉に「人は悲しいから泣くのではない。泣くから悲しくなるのだ」というのがあるそうです。

集談会では、とてもこの人の考えには共感できないと思っても、形から入ることをお勧めします。相手の身になって形の上だけでも共感するのです。
「大変ですね。つらいですね」と相手に寄り添っていくことです。
すると不思議なことですが、時間の経過とともに、心から相手と共鳴しあえる場合があるのです。行動によって感情はどんどん変化していくということだと思います。

森田先生は、親の理不尽な言動に反発していても、介護が必要ならばイヤイヤ世話をしているうちに、親と気持ちが通じ合うようになる場合があると言われています。
「共感を心掛けよう」と言葉で言っているうちはダメです。
共感に向けて一歩を踏み出したその行動が、カギを握っているのです。

4と6の習慣については明日の投稿といたします。





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Last updated  2021.05.16 06:25:24
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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