森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.03.19
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宇野千代さんの著書に「幸福の法則 一日一言」というのがある。
至極の言葉が散りばめられているので、書道の得意な人はこれをもとにして、日めくりカレンダーを作ることを実践されたらどうだろうか。
今日はその中から、約束を守るということを取り上げてみたいと思います。

8月23日
人との付き合いの上で、守らなければならない最低の義務というものは何だと思いますか。私はね、時間を守ることだと思っているのですが、如何ですか。
世の中にはね、時間にはルーズだけれど、ほかのことは几帳面で、誠実だという人がいるかもしれません。しかし、そんなことはごく稀でしょうね。
約束というのは守るためにするものです。決めた時間を守る。
これは人と人との付き合いの上で守らなければならない最低の義務であると同時に、文明人としての最低の義務でもある、と思われます。(同書135ページ)

みなさんは人と約束したことは何が何でも守り通すように心がけていますか。

私は生活の発見会に35年以上関わってきて、人と約束をしたことを気にかけて万難を排して守り抜くという人が9割くらいだったと思っています。
ほとんどの人は、人との約束事は大切に取り扱っておられるのです。
約束した後で魅力的なお誘いがあっても、最初の約束は第一優先順位として守り抜く。当たり前の話で、ここで取り上げる必要がないことかもしれません。

ところが1割くらいの人は、約束なんてあってないようなものという考え方をしています。特に約束した日がはるか先の場合は要注意です。
そのうち、気が変わるのでしょう。気分に振り回されてしまうのでしょう。
見苦しい言い訳をして断ってこられます。
信頼を失いマイナスイメージを背負うことになりますが、本人にはその自覚はないようです。

この人たちも発想力やアイデアは素晴らしいものがあります。
ところが、移り気という特徴が強いために、実行力と持続力に欠ける。
他人をけしかけるばかりで自分が先頭に立って行動することが少ない。
抑うつ症状を持っている人が多かったように思います。


懲りずに何度でもその失態を繰り返しているのです。
ですから宿泊を伴う旅行や研修会に参加を申し込んでこられた場合は、最初は除外して考えた方が無難です。
宿泊の手配や交通費の手当てをしてしまうと、後の調整が大変になるのです。
最後に再確認をして、申し込みを受け付けるようにした方がよいようです。
そういう取り扱いをすると「やはりそうか」という感じで腹が立ちません。


有限の時間を大切にして2倍にも3倍にも活かして使うということです。
約束を厳守する気持ちの希薄な人は、時間は無限にあると思っている節がある。
貴重な時間を何倍にも活かして使うという気持ちがないように思います。
興に乗れば時間は無制限にいつまでも同じことを続ける。
それが深夜に及んでも気にならない。その結果規則正しい生活が崩れる。

時間の性を尽くすことを心掛けている人は、約束を破ると他人の時間を奪うことになるという意識が働きます。
ましてドタキャンすると多大な迷惑をかけて申し訳ないと思っています。
ずっと先の約束はカレンダーに書いて何度も確認しています。

そもそも「時間の性を尽くす」という考え方は、「物の性を尽くす」「己の性を尽くす」「他人の性を尽くす」「お金の性を尽くす」ことにも通じる考え方です。
その物や人が持っている価値をより多く引き出して、最大限の活躍の場を与えてあげるということです。
その物が持っている潜在能力を発掘してできる限り活かすという考え方です。
つまり「約束を厳守する」ことを徹底することは、森田的な考え方・生き方に大きくかかわっているのです。
それが希薄ということは、森田理論学習の理解が不十分な状態ではないでしょうか。





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Last updated  2022.03.19 06:30:28
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