森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.05.15
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カテゴリ: 感情の法則
柏木哲夫医師の話です。

橋を架ける工事の現場の責任者の男性がいた。
その人は48歳の奥さんを卵巣がんで亡くされた。
ちょうど大切な橋の工事をしておられた。
たまにしか奥さんの見舞いに来られなかった。
奥さんが亡くなった時、葬儀だけを済ませて、すぐに現場に戻られた。
仕事が忙しくて悲しんでいる暇がなかったのだ。

ところがその後3~4か月で工事が終わり、ホッとした時から急速に悲しみと落ち込みが始まった。ものすごく悲しく辛く、全く会社に行けなくなった。
そして半年くらい会社を休まれた。


本当に悲しむべき時に悲しむことができなかったので、あとから悲しみが出てきたのである。「あの時にきちんと看病してやれなかった。きちんと悲しんでやれなかった」という罪悪感のようなものも加わり、ぐっと病的に重い状況になってしまったのである。

悲しいとき、辛いときに、十分に泣いた人は比較的早く立ち直っている。
ところが十分に泣かなかった人は、ずるずるとまだ悲しみを引きづっている。
うつ状態が残っていたり、不安に思ったり、ちょっとしたことでイライラしたり、とすっきりしていない。
(人生の実力 柏木哲夫 幻冬舎 99ページ 80ページ)

森田先生は一人息子の正一郎さんを亡くされたときは、出棺の時に人目をはばからず大泣きされたそうです。
しかしその後は何ごともなかったかのようにふるまわれたので、形外会の香取会長は大いに驚いたと報告されています。

悲しいとき、辛い感情が湧き上がった時、むせび泣きをすることがあるだろうか。
家族が亡くなった時に、涙も出てこなかったという人はいないでしょうか。
大勢の前で泣くのはみっともない。こういう時こそ悲しみを抑えて気丈夫にふるまってしまうということはあるでしょう。
でも泣きたいような気持が湧き上がってこないのは不自然です。


森田理論では感情は一山駆け上って、下り坂に向かうと言います。
そしてどんな激しい感情でも時間の経過とともに鎮静化してくると言います。
ここでもし一山登らなかったらどうなるでしょうか。
その感情は下り坂に向かわないで、くすぶり続けるのではないでしょうか。

悲しみ、辛い、不安、恐怖などのマイナス感情が生殺し状態で放置されると、心身に計り知れない悪影響を及ぼします。

その方がより早くマイナス感情を手放すことができるようになります。





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Last updated  2022.05.15 06:34:03
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